18日メイン「第19回はまなす賞」から今季の盛岡芝レースがスタートする。毎年、この3歳重賞から始まり、盛岡競馬も本格的なシーズンに突入したなと思う。この季節感は非常に重要。競馬人のカレンダーはレースとセットになっている。
たとえばだが、いまだに京都新聞杯は菊花賞トライアルとインプットされ、なかなか拭うことができない。オールドファンに結構多いと思う。いずれは馴染むだろうが、修正するのに時間がかかる。頭もだんだん固くなっているとは思うのだが。
本題に戻る。芝の現状報告から入りたい。昨年もそうだったが、今年も岩手は寒さが厳しかった。一度、冬が終わったと思ったらまた到来した-の繰り返しだった。
いいか悪いかは別にして雪が少なかった。これが芝の生育に大事なのだが、少なかった上に朝晩の寒さが長く続き、例年以上に成長が遅かった。
盛岡競馬は5月のゴールデンウィークから始まったが、その時点ではとても芝競走をできる状態ではなかった。本当にできるか心配だったが、2週間が過ぎた今、ようやく緑の色が濃くなり、特に晴天のときは目にも鮮やか。
ダートコースとターフコースのコントラストは画面越しにでもはっきり分かりますので、ご覧になってください。今年はさらに芝競走を拡充する予定だという。
はまなす賞は芝実績組と新興勢力との戦いが焦点となった。実績組の代表格はターントゥタイド。昨年、牡馬相手の重賞・若鮎賞を制し、盛岡芝4戦3勝。一度3着に敗れたが、テシオ杯ジュニアグランプリでプレイアンドリアルに破れた一戦。
釈迦に説法だろうが、ジュニアグランプリを6馬身差で圧勝したプレイアンドリアルは東京スポーツ杯2歳ステークスに駒を進めて後の皐月賞馬イスラボニータの2着惜敗。
朝日杯FSは折り合いを欠いて7着に終わったが、京成杯を完勝。先日、日本ダービーを見送ると発表があり、残念でならなかったが、そのプレイアンドリアル相手ではターントゥタイド3着も仕方なしだった。
今季はあやめ賞から留守杯日高賞と牝馬路線と歩み5、2着。着実に良化をとげ、予定どおり芝・はまなす賞へエントリー。理想的なステップを歩んできた。
しかし、以上のことを十二分に承知の上で本命をコスモリリパットにした。中央未勝利から今年4月に転入。ダートは未経験だったが、パーフェクト内容で3戦3勝。スケールの大きさに誰もが舌を巻いた。
阪神芝1200mの2歳新馬戦で4着を確保するなど芝適性は全く問題なし。ネックは1周1400mの小回り盛岡芝への対応。不安点はその一点に尽きるが、絶対能力で克服できると判断した。
ジャイアントスターもこのはまなす賞が当面の目標。ダートもソコソコにこなすが、盛岡芝は3戦2勝。1600mは長い印象もあるが、一つ年齢を重ねて成長も確かなはず。
リュウノテイオーは南関東から再転入。5戦して5着1回が最高だったが、岩手在籍時も活躍の舞台は芝。4戦2勝2着1回の成績に加え、盛岡芝1600mでターントゥタイドと1着を分け合った。3月以来とレース間隔は開いたが、適性は引けを取らない。
フラッシュモブは切れる末脚を武器にあやめ賞2着、留守杯日高賞4着。そして牡馬相手のやまびこ賞でも3着に健闘した。芝は未経験だが、脚質的には歓迎。新たな能力が引き出させるか注目。
ヴォラータはデビュー2戦目の函館芝1200m戦を5馬身差で圧勝。パワーの要るダートに手こずっているが、芝で一変の可能性がある。
◎(4)コスモリリパット
○(6)ターントゥタイド
▲(10)ジャイアントスター
△(3)リュウノテイオー
△(8)フラッシュモブ
△(11)ヴォラータ
<お奨めの1頭>
6R セレクトジャパン
岩手3戦2勝2着1回と上々の滑り出し。距離延長されたが、大井1400m1勝ならむしろ歓迎だろう
先週11日、盛岡ダート1600mを舞台に行われた地方競馬全国交流「第39回シアンモア記念」は、単勝元返しの圧倒的1番人気に応え、ナムラタイタンが圧勝した。
エバーオンワードが出走を取り消して10頭立てだったが、交流重賞で牝馬が5頭も出走。非常に珍しいケースだったが、ナムラタイタンの『馬っ気』が疼いた。
装鞍所でナムラタイタンが牝馬を見かけると『ブヒヒ』とひと鳴き。コンビを組む坂口裕一騎手が「馬っ気が強い」と言っていたが、それをはっきり出していた。
気に入った相手は、どうやらコウギョウデジタル。逃げ馬が不在でナムラタイタンが先手を取ったが、その後ろをコウギョウデジタルが追走。
3、4コーナーで坂口騎手がムチを入れていたのは手前を替えたり、後ろを気にしていたからだと言う。それで2着トウホクビジンに2秒2もの大差をつけてゴールするのだから、集中して走ったらどれぐらい強いのか。
今後の予定はみちのく大賞典、マーキュリーカップ。特にマーキュリーCはかつてのライバルと走るだろうから、遊び遊びではやはり勝てない。今後の動向から目が離せなくなった。
17日(土)メインはB1級三組・B2級一組「JBCイヤー イソトマレース」(盛岡ダート1600m)、12頭立て。
主軸はシャーク。昨年、B1で3勝2着6回。宿敵コパノツイテルが立ちはだかり、勝ち運に恵まれなかったが、抜群の安定感。今季も初戦こそ5着だったが、2戦連続3着。
次第に調子を上げ、前走はB2へ降格。2番手キープから4角先頭の強いレースで完勝した。走破タイム1分40秒6も優秀。B1馬が58キロを背負うのに対し、56キロの負担重量も勝利を後押しする。
マイネルレーサーも堅実さが身上。相変わらず勝ち味の遅さがつきまとうが、強豪がそろった石桜杯で3着。差し馬に不利の馬場で直線台頭した。58キロが微妙だが、地力上位は明らか。
ルタドールはJRA2歳新馬戦でタイム差なし2着。転入2戦目から圧巻の2連勝をマークした。その後は出遅れグセを繰り返し、成績安定しなくなったのが気がかりだが、実戦を叩かれながら良化顕著。大外に入ったのもスタート難を抱えているルタドールには好材料となる。
コウズシャインは福島ダート1700m1勝。500万下からの転入でB1は厳しい印象もあったが、次第に流れにも慣れて前走2着。通用のメドが十分立った。
イマジンジョンはメイカップで1番人気に支持されたが、伸びを欠いて5着。終始、外目を回されたのも痛かったし、1800mも長かった。実績のあるマイルで反撃を期待する。
ビーナスジュエリーは目下2連勝中と波に乗っている。メンバーは大幅に強化されたが、54キロの軽ハンデに恵まれたのは見逃せない。
◎(6)シャーク
○(4)マイネルレーサー
▲(12)ルタドール
△(1)コウズシャイン
△(5)イマジンジョン
△(7)ビーナスジュエリー
<お奨めの1頭>
6R クリノグランデ
7ヶ月ぶりの実戦を2着にまとめて地力の高さを証明。ひと叩きされた今度は首位を奪取する
2014年の最初の盛岡開催も後半戦、そして次開催からはいよいよ芝のレースがスタートします。
皮切りになるのは18日・日曜日に行われる3歳芝1600mの重賞「はまなす賞」。続いて19日月曜日にはJRA条件交流の「フレンドリーカップ・アンタレス賞」が芝1700mで行われる予定です。また後半週には芝1000mの特別「新緑賞」やオープンの芝1700m戦も実施が予定されています。
ひとつ残念かもしれないのが、予定では25日に組まれる事になっていた2歳新馬戦。1着賞金を200万円にして岩手版"スーパーフレッシュ競走"のような形にする予定なのですが、出走態勢が整った2歳馬が少なく、現時点でレースが組めるかどうか流動的とのこと。せっかくの新企画ですしなんとかならないかと思うのですが・・・。
今シーズンの盛岡競馬は2週目に突入。10日、11日の土日2日開催となる。前半4日間を終え、全体的な傾向は先行有利。特に5月3日、6日は顕著だった。
4日、5日は勝負どころで外を回った馬の活躍が3、6日に比べて多かったが、基本は先行馬が狙い。もちろん先行激化の場合はその限りではないが、ある程度、前で競馬ができないと苦しい印象だった。果たして今週はどのような傾向になるのか。
物差しとしてちょうどいいレースが第2レースのC2戦。人気は前走タイムから(7)メビュースプラチナが集めるが、後方待機策から3着確保した。今回は流れがゆるく、もう少し先行すると思うが、仮に(2)ミナチャン、(4)キャンディタフトのいったきりで決まったら明らかに先行有利の馬場。メビュースプラチナが外を回って届けば差しタイプにも出番十分。まずはこの一戦に注目してほしい。
10日メインはA級「皐月特別」(盛岡ダート1600m)、12頭立て。目下2連勝と波に乗るダノンボルケーノに期待する。
冬休み明けの特別開催でコミュニティの2着を確保して上々のスタート。続く一戦からB1へ降格。メンバーが甘くなって2連勝を飾り、A級へ復帰した。
今回、昇級戦に加え、転入馬の動向が気になるところだが、順調度、コース実績を考えればダノンボルケーノが総合点でリードと見ていいだろう。
ソールデスタンは中央2勝・1000万下から転入。芝1600m、芝1800mでそれぞれ1勝した。不安はダート適性。500万下時代に3度経験したが、10、7、9着。なんとも微妙な成績だ。
それでも移籍直前の中山芝1800mで8着ながら0秒4差。また近走は2000m以上を使われているのはスピード勝負が厳しかったから。地方ダートもこなせると判断した。
ボンバルディエーレは順調だったら本命まで考えられる。ただ前走2着後、馬場入れを自重したのがどうでるか。中央ダート1600m3勝と実績は申し分なし。当日の仕上がり状態をチェックしたい。
シルクランスロットは中央芝2600m2勝、2200m1勝。1600万下へ在籍し、ソールデスタンより格は上。こちらは南関東6戦を使っての転入で5戦着外だったが、前々走の浦和1600mで3着確保。ダート通用を証明したか。アッサリまで十分。
キョウエイヒドラは500万下と格下だが、転入初戦4着。叩かれてさらに気配アップ。コスモプランタンは前走2着にまとめ、1600m適性も高い。
◎(6)ダノンボルケーノ
○(2)ソールデスタン
▲(9)ボンバルディエーレ
△(3)シルクランスロット
△(10)キョウエイヒドラ
△(12)コスモプランタン
<お奨めの1頭>
11R オーバーザレインボ
前回快勝で弾みつき、得意のダート短距離戦。自慢の切れ味は1000mでさらに生きる
5月3日からOROパーク盛岡競馬場での開催が始まりました。昨年11月11日以来、ほぼ半年ぶりの実戦で、自分たちにとっても「懐かしいな~」みたいな感覚があります。
予想の方も、これまた悩みます。なにせ半年ぶりなわけですから出走してくる馬の馬柱に「盛岡」の文字がある馬はほとんどいませんし、昨冬くらいに転入してきた馬などは水沢では何戦もこなしているのに盛岡は初めて・・・という馬も少なくありません。
まあ、今の盛岡のコース傾向は先日までの水沢に似た感じの、パワータイプの先行馬に有利で切れ味を武器にするあるいは軽い馬場でスピードを活かすタイプには不利な状況。それもあってまだ分かりやすい感じがしますけども、これでまとまった雨が降って傾向が一変したら、レースの方も難解かつ荒れはじめるのじゃないかと戦々恐々です。