今年も岩手オープン戦線は毎回、勝ち馬が替わって大混戦。芝路線、ダート短距離、中~長距離など路線がいろいろあるが、それにしても主役不在がずっと続いている。
7日(日)メインの短距離重賞「第45回岩鷲賞」(水沢1400m)も最後まで主軸をどの馬にするか迷いに迷った。今年の流れからも各馬にチャンスありの一戦となったが、最終決断はロッソコルサ◎だった。
昨年、不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞と重賞3連勝を決めて年度代表馬の栄誉も獲得。今年どこまで飛躍するか期待を集めていた。
今季始動は4月15日のA級戦。3ヵ月半ぶりの実戦だったが、バトルドンジョンの2着にまとめマズマズの始動だったが、その後はレースの疲れが取れないためシアンモア記念をスキップ。みちのく大賞典1本に照準を絞ってエントリーしたが、スタートで出遅れて最後方からの競馬。
3コーナーで一度、逃げ切ったコスモフィナンシェに詰め寄ったが、それが最高。直線で一杯となって7着に終わった。「出遅れがすべてです」と村上忍騎手。
今回は中1週で駒を進めていたが、仮に勝っていればマーキュリーカップの選択肢もあったが、今度は短距離で通用するかを試す一戦。ここで好成績を収めれればクラスターカップ(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)へ向かう可能性もあり、今後に向けても重要な一戦となった。
スーパーワシントンは昨年、中央3勝・準オープンから転入。毎回上位をにぎわしてきたが、あと一押しが足りず重賞に縁がなかった。
ところが今年10歳を迎えて信じられないことにさらにパワーアップ。終いの切れが冴え渡り、短距離重賞・早池峰賞優勝。悲願の重賞タイトルを手に入れた。前走の水沢1400m戦でも余裕で完勝し、絶好調をキープ。重賞2勝目に王手をかけた。
ライトマッスルは昨年の芝1000m重賞・OROターフスプリントを制し、素質開花。最優秀ターフホースにも選出されたが、続く栗駒賞後にヒザ骨折が判明。幸い軽いヒビで済み、除去手術を施して休養に入った。
シーズン始動が遅れたのはそれが理由だったが、2戦はレース勘を取り戻せず凡走。しかし叩き3戦目の前走でロングスパートをかけて見せ場十分の4着。これでようやく復調のメドが立った。
外枠なら控える競馬もできるが、理想はマイペースの逃げ。ラッキーなことに当初、登録のあった同型ティムガッド、コンプリートが回避。絶好の展開となった。好枠から好ダッシュを決め、復活ののろしを上げるか注目。
ドリームクラフトは転入初戦を快勝し、赤松杯4着、シアンモア記念2着。続いて実績のある芝(1700m)に臨んだが、盛岡芝にとまどって5着。前走・みちのく大賞典も6着に終わったが、明らかに距離の壁。
今回はベストとも言える1400mが舞台。降雨により馬場も軽くなるのも好材料で好走条件がそろった印象。状態も申し分なく、重賞ウイナーの仲間入りを果たすか。
ヒカルジョディーは昨年春の主役を演じたが、今季は好調時のシャープな切れが影を潜めてい赤松杯3着、あすなろ賞7着、連覇を狙った早池峰賞6着。精彩を欠いているのは事実だが、昨年の岩鷲賞2着。得意の1400mで巻き返しを狙う。
スズヨシーズンは転入初戦の水沢1400m戦を7馬身差で圧勝し、衝撃の岩手デビュー。以降は流れ、距離などが合わず入着止まりを繰り返しているが、1400mなら黙ってはいない。ハイペースになれば転入戦の再現まで考えられる。
◎(10)ロッソコルサ
○(4)スーパーワシントン
▲(3)ライトマッスル
△(7)ドリームクラフト
△(9)ヒカルジョディー
△(5)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
2R シグラップロード
能力検査で53秒2の好タイムをマーク。父がアグネスデジタル、近親がトーヨーリファールならスピードの裏づけも十分。期待に応えて新馬戦を勝ち上がる