昨年は震災の影響で開幕が5月14日までずれ込み、春の重賞・特別はほとんどが休止を余儀なくされた。8日メイン「スプリングカップ」もその一つ。
開幕週の日曜メインで定着していたスプリングカップは、シーズンの3歳クラシック戦線を占う重要な一戦。一昨年の覇者ロックハンドスターは圧倒的な1番人気に応えて圧勝し、復活なったダービーグランプリを含めて新三冠を獲得した。
それ以前にも3歳の主役を演じた馬がズラリと名を連ね、厩舎にとってもゲンのいい一戦。スプリングカップ復活を素直に喜びたい。
ただ、昨年の2歳チャンプ・アスペクトは盛岡に戻っているが、南関東転籍の疲れが取れないため馬体回復に専念。当分の間、出走を自重することになりそうだ。
またアスペクトの三冠を金杯で阻止したファイトホーマーも出走を見送った。冬休み明け後、乗り込みを再開したが、動きがもう一つだったため大事を取ったもの。ベストマイヒーローの弟で今季飛躍を期待された1頭。万全の態勢での復帰を心待ちにしたい。
以上の2頭が欠け、主役不在のスプリングカップになりそうだったが、あにはからんや。JRAから新潟2歳新馬戦(芝1400m)を快勝したロッソコルサが転入してきた。
ロッソコルサは父デュランダル。叔母が東京盃優勝などで年度代表馬の座も射止めたベラミロード。デビュー戦を快勝後、新潟2歳S、京王杯2歳Sへ挑戦。結果は14着、10着に終わったが、新馬戦を2番人気で勝つのは並みの馬にできる芸当ではない。
ダート戦は一戦のみで16頭立て12着(1秒5差)と適性は未知数だが、先に記した血統なら問題ないどころか、むしろ歓迎。
もう一つの懸念材料は11月以来の実戦。千葉幸喜調教師に話を聞いてみたところ「馬場に入っても気が入らなくて心配だったが、併せ馬の追い切りをやってみたら反応が一変。これなら自信を持って送り出せる」とコメント。同じくスプリングカップに出走するワタリドラゴンを子供扱いにしたという。まずはお手並み拝見といこう。
相手筆頭はリアルサンボーイ。こちらは岩手のJRA認定競走を順当に勝ち上がったが、その後はチグハグなレースの連続。まだ体ができていなかったため休み休みにしか使えなかった。それで南部駒賞で9着に大敗を喫したが、2ヶ月ほどレース間隔を開けて出走した金杯でビックリ。まるで別馬のように張りの良さが際立っていた。
残念ながら金杯は0秒6差5着に終わったが、内容を振り返ればさほど悲観材料にはならない。なぜならリアルサンボーイ=菅原勲騎手はアスペクトをマークでレースを進め、インでじっくり待機。ところが目標にしていたアスペクトが早々と失速して出る場所をなくしてしまった。久々に菅原勲騎手が悔しがっていた。
今季は順調に乗り込みを消化し、心身ともに成長はっきり。小生も久々の再会を楽しみにしている。
ワタリドラゴンはデビュー3戦目から芝で3連勝。交流重賞・ジュニアグランプリでは北海道イブニングラッシュをアッサリ交わし、重賞ウィナーの仲間入りを果たした。その一方でダート戦を苦手としていたが、冬休み前の水沢1600m1着でようやく克服。理想は速いタイム決着で当日の馬場に注意してほしい。
ハンターはデビューが遅れた上、気性難を抱えていたが、それでも2勝マーク。陣営は昨年から本格化は今年と踏んでおり、このスプリングCに何としても出走させたかった。幸い最後の切符を手に入れ、初の一線級を相手にどんな競馬を披露するか興味深い。
トーホクアローの評価が下がったのはまだ仕上がり途上のため。どうやら叩き良化型のタイプのようだが、金杯で2着確保が底力。ここでは実績上位だけにノーマークにはできない。あとは北海道1勝ネイチャウィッシュもダートに戻って一発があるかもしれない。
◎(12)ロッソコルサ
○(2)リアルサンボーイ
▲(11)ワタリドラゴン
△(5)ハンター
△(4)トーホクアロー
△(7)ネイチャウィッシュ
3連単は12の1頭軸から2着2、11、5。3着に4、7
馬複は 2-12、11-12、5-12、4-12、7-12
<お奨めの1頭>
11R シャインリーオウ
昨年秋から圧巻の5連勝をマーク。C1からいきなりB1昇格だが、スケールの大きさは間違いなくA級
ついに岩手競馬も冬眠から目を覚ましました。昨年度当初は水沢競馬の見送りを余儀なくされましたが、12月5日から復活。師走を迎えてついに盛岡、水沢の両輪がそろいました。
例年だと3月に特別開催がありましたが、馬券発売システムの入れ替えのため開催なし。ほぼ3ヵ月間の冬休みを経て新年度がスタートを切り、全125日間の開催。また重賞レースも7つ増え、よりパワーアップした岩手競馬となること必至です。
開幕初日を飾るメインはB1級「岩手日報杯」(水沢1600m)。昨年は東日本大震災の影響で休止したレースだったが、今年は復活。これも通常シーズンに戻ったことを実感させる。
元A級、上がり馬が入り混じりなかなかの好メンバーだが、トーホクキングの中心は動かないだろう。デビュー当時からエンジンのかかりが遅く、追い込んでも届かずのレースを繰り返していたが、昨年秋についに本格化。B2特別・シルバーステッキ賞、師走賞を連勝後、報道推薦で重賞・桐花賞へ挑戦した。
この桐花賞は年度代表馬を決定的にしたカミノヌヴォーが圧勝したが、トーホクキングも4着に善戦。地力アップ目覚しいことをファンにアピールした。すでにオープンでも通用を証明し、B1は単なる通過点。ここで弾みをつけて重特戦線に殴り込みをかけたい。
逆転首位を狙うのが格上2頭リュウノケンシロウ、ダイメイジュエリー。リュウノケンシロウは桐花賞で大きく後じんを拝し、しんがり12着に終わったが、敗因は2000mの距離。コース問わず1600mが最も得意な舞台。A級から降格した点も怖さを倍化させる。
ダイメイジュエリーは昨年7月、大井から戻ったが、順調さも欠いてほとんど着外。それでも芝1000m重賞・OROターフスプリントで3着に食い込み、底力の片りんを披露した。今季から所属が板垣厩舎に替わり、意欲的な乗り込みを消化。展開に注文はつくが、スンナリの流れになれば強じんな粘りを発揮する。
ケイジーウィザードは無類のタフさと堅実さが武器。昨年も南関東から再転入し、格付けにも恵まれて8勝を荒稼ぎした。本質的には叩き良化型だが、水沢マイル<4.4.2.1>と抜群の安定感を誇っている。
ガッテンモントレーは不来方賞2着、牝馬交流ビューチフルドリーマーカップ3着。あと一押しが足りなかったが、切れる末脚で一気台頭まで。あとは水沢巧者ソノマンマも押さえたい。
◎(8)トーホクキング
○(4)リュウノケンシロウ
▲(5)ダイメイジュエリー
△(6)ケイジーウィザード
△(1)ガッテンモントレー
△(3)ソノマンマ
3連単は4、8の2頭軸から2着5、6。3着1、3のフォーメーション24点
馬複は 4-8、5-8、6-8、1-8、3-8
<お奨めの1頭>
7R サンワードナビ
B1から最下級C2へ大降級。しかも水沢1300m、1400mの適性抜群