いよいよ菅原勲厩舎が始動する。記念すべき出走第1号は4月21日、第6R・ウインベルフラワー。前走は板垣厩舎所属で0秒4差2着だったが、勝ったのが格上エスユーシルバー。果敢に逃げて2着を死守した。
そのとき、ウインベルフラワーをパドックでじっくり見たが、まだ冬毛が残って仕上がり途上。今回は叩かれた上積みを見込め、好勝負に持ち込むこと必至。今回、コスモサンドリヨン、エンゼルスナイパーが強敵だが、初出走初勝利の快挙をやってのける可能性がある。菅原勲新調教師はどんな気持ちでレースに臨むのか、興味深い。
続く出走第2号がメイン10レース「コマクサレース」(B1二組 水沢1600m)のディテール。岩手転入後、ほぼ菅原勲騎手が騎乗。教養センターで講習を受けているときだけ阿部騎手に乗り替わったが、いわゆるお手馬で9勝を荒稼ぎした。
昨年の水沢戦で2連勝を飾り、シーズン終了後は神奈川でずっと乗り込んでいたという。B2からB1へ昇級し、メンバーは骨っぽくなったが、年をまたいで3連勝の可能性も十分にある。
そのディテールに立ちはだかるのがソノマンマ、新参ヴァンエボン。ソノマンマは盛岡芝を得意としてオープン特別・桂樹杯でも3着入線した実績を誇る。しかし芝オンリーではなく、水沢3勝、盛岡ダート1勝。昨年最終戦の水沢も快勝してシーズンを終えた。
今季初戦・岩手日報杯はトーホクキング、リュウノケンシロウなど強豪が集まり、流れに乗れず9着。ちょっと精彩を欠いた印象だが、それでも0秒6差と大負けはしていない。走破タイム1分43秒8をマークしており、このメンバーなら勝ちタイムに匹敵する。
ヴァンエボンは中央0勝、南関東0勝といまだ未勝利を脱出していない。ただ中身は決して悪くはなく中央ダート1700、1800mで2着2回3着2回。南関東でも2着1回3着3回とソコソコの結果を残してきた。これならB1は通用しておかしくない。
モエレアンドロメダは初戦のB1戦で9着。4番人気に支持されたが、早々と失速してしまった。しかし、この一戦で見限るのは早計。スンナリの流れになれば決め手は決してヒケを採らない。1枠が微妙だが、うまく馬群をさばけば巻き返しに転じて当然。
あとジャンドゥーヤは昨シーズン終盤に息切れ。この冬休みがちょうどいいリフレッシュ期間となったはず。実力はB1で3勝マークで証明済み。今季初戦のハンデはあるが、アッサリのシーンまで。
◎(8)ソノマンマ
○(2)ヴァンエボン
▲(10)ディテール
△(1)モエレアンドロメダ
△(5)ジャンドゥーヤ
3連単は2、8、10の3頭ボックスが本線。あとは1、5を3着押さえ
馬複は 2-8、8-10、1-8、5-8
<お奨めの1頭>
11R ブライトベイ
昨年は開幕から3連勝を飾ったが、その後は脚部不安のためにリタイア。前走が10ヶ月ぶりの実戦だったが、タイム差なし2着。久々を叩かれて今度は首位を譲れない
南の方では桜満開というニュースを見ますが、水沢競馬場もここ数日の急激な気温上昇に、そろそろ桜が咲き始める気配が漂ってきました。
水沢競馬場は向こう正面の桜並木が有名ですが、1コーナーの所にも何本か桜があって、例年そこの木が競馬場の中でいちばん早く咲いています。1コーナーの桜が咲いて、だいたい1週間で向こう正面が咲く・・・というのが例年のパターン。
ということで土曜日に様子を見に行ったところ、ほとんどのつぼみがだいぶ膨らんできていました。まだ「すぐに咲く」って感じではないですが、早ければ来週の週末あたりには咲き始めるのではないでしょうか。となると向こう正面の方は再来週、ちょうどGW開催のあたりか、それとも最近の暖かさにもっと早まるか・・・。
昨年の水沢競馬場の桜は、4月26,7日頃に満開を迎えました。もう少し早く満開になるといわれていたのがその頃になってちょっと気温が低めになって、わずかに遅くなったということでした。
そんな昨年の今頃は、震災の影響で競馬の開催がなく、向こう正面の桜並木もせっかく満開になったのに見に来る方がほとんどいない、という状態でした。
今年は2年ぶりに桜並木を眺めながらの競馬を堪能できそうです。あとは競馬開催日と最盛期が重なって、そして良いお天気に恵まれますように。桜並木もきっと、たくさんの人に見てもらえる時を心待ちにしていることでしょう。
写真は昨年/桜が満開になった水沢競馬場
15日メインはオープン戦線突入をつげる「赤松杯」(水沢1600m)。5月13日、復活したマイル重賞「第37回シアンモア記念」へ向けて各陣営とも意欲満々で出走する。
当初、登録のあった年度代表馬カミノヌヴォー、最優秀古馬ゴールドマイン、みちのく大賞典馬コアレスレーサーは大事を取って自重した。仮に出走すれば人気を背負うであろう実力馬たちだが、シーズンが始まったばかり。万全の態勢で臨んでほしい。
その結果、興味深いことにマイネルビスタ以外、すべてマイルが合うメンバーがずらり。各陣営とも適性十分と踏んで意欲満々で臨んできた。なかでも注目はトウケイニセイ記念でワンツーフィニッシュしたヒカルジョディー、リリーレインボー。
ヒカルジョディーは中央芝の短距離のみを使われて4勝準オープンからの転入。ダート初めてでも初戦から人気の一角を形成したが、4、8、10着と凡走。パワー勝負にとまどっている印象を与え、トウケイニセイ記念では12頭立て10番人気。
白嶺賞では確かに4角で不利があったが、それでも重賞での好走は厳しいだろう―との評価が大勢を占めていた。ところがスタートこそ一息だったが、3角からスパートをかけて4角先頭。そのまま押し切って低評価を見事に覆した。
今季は早い時期から乗り込みを開始して状態万全。時計のかかる馬場になった際に若干の不安を残しているが、トウケイニセイ記念の強さを見せられたら主軸視するのが当然だろう。
逆転首位をもくろんでいるのがリリーレインボー、そしてノーワンエルス。リリーレインボーは中央時代、ダート短距離を専門に3勝2着4回後、笠松を経て転入。相手なりに駆ける堅実さを発揮して着外一度のみ。絆カップ3着、トウケイニセイ記念2着など抜群の安定感を誇った。
ネックは「勝ち味が遅いこと」(瀬戸調教師)に尽きるが、今週末の天気予報によると良馬場での競馬。そうなれば前目で競馬ができるリリーレインボーにも勝機は十分にある。
一方、ノーワンエルスは札幌・2歳新馬(芝1200m)を勝ち、函館2歳S6着、3戦目に両目。早い時期に2勝をマークし、京王杯2歳Sにも駒を進めて0秒4差7着。その後は頭打ちのレースを繰り返し、障害2戦、ダート1200mを使って転入。
ダート戦は未知数のところがあるが、500キロを超す大型馬なら克服して当然。岩手に新しい風を吹き込むか、関本浩司調教師も気合いが入っている。
マイネベリンダは昨年、順調さを欠いて1勝のみ。不本意なシーズンに終わったが、今季はいつになく上々の滑り出し。まだ本来の動きとは言えないが、調子ひと息でも気分良く逃げれれば強じんな粘り腰を披露。水沢マイル通算7勝の実績も不気味さに輪をかける。同型アンダースポットとの折り合い次第ではアッサリのシーンまで十分考えられる。
マイネルビスタは2500m重賞・北上川大賞典を見事優勝。それを含めて盛岡4勝と広いコースを得意とし、小回り水沢は割り引きが必要。しかしコーナーワークさえうまくこなせれば重賞ウィナーの貫禄を見せる可能性も。あとは中央準オープンから転入の古豪スーパーワシントンも若干押さえたいところだ。
◎(8)ヒカルジョディー
○(2)リリーレインボー
▲(9)ノーワンエルス
△(3)マイネベリンダ
△(1)マイネルビスタ
△(5)スーパーワシントン
3連単は 8、2、9の3頭ボックスから3、1、5を3着押さえ
馬複は 2-8、8-9、3-8、1-8
<お奨めの1頭>
4R エスユーシルバー
B2からC2へ降格した初戦、プラス20キロでもアッサリ直線抜け出して完勝。相手はアルマダの2-6一点
前回も報告したとおり8の、全レース終了後、菅原勲騎手の引退セレモニーが行われた。すでにニュース等でご存知だと思うが、3月31日付けで調教師免許を取得。早ければ4月21日から調教師として始動することになる。
引退セレモニーでは水沢農業乗馬部のニケ(競走名・ヒーローオブナポリ)に騎乗。おそらく最後になるであろう、青に白一文字の勝負服でファンの前を駆け抜けた。
続いてパドックでセレモニーが行われたが、最終レース終了後だったにもかかわらず約300名のファンが集まり、改めて菅原勲騎手の偉大さを実感させた。
騎手部会を代表して新会長の村上忍騎手が「常に私たちの先頭を走ってきてくれた偉大な先輩がムチを置くことはとても残念で、寂しく思います。これからは調教師として、岩手を代表する馬を育て、リーディングトレーナーを目指してほしいと思います。これからも一緒に、岩手競馬を盛り上げていきましょう」と送る言葉。
それを受けて菅原勲調教師は「リーディングトレーナーを目指すためには皆さんの協力が必要。騎手の皆さんとともに、ファンへいいレースを見せたいと思っていますので応援よろしくお願いします」と返すとスタンドから爆笑、熱い声援が飛び交う。さすが千両役者は最後まで人の心をガッチリとつかむ。
サプライズは皆川麻由美元騎手の花束贈呈。わざわざ埼玉から駆けつけ、その日のうちにとんぼ返り。「勝負服がきつくなった」と周囲を笑わせてくれた。
最後には騎手一堂による胴上げ。「これが一番怖かった。落とされるかもと不安だった」とコメント。ここでも集まった多くのマスコミ陣を笑わせてくれた。31年間の騎乗、お疲れ様でした。今度は調教師としてメイセイオペラのようなスターホースを送り出してほしいと心から願わずにはいられない。
14日メインはA級二組による「秋田駒ケ岳レース」(水沢1600m)、10頭立て。オウシュウサンクスが抽選モレにより俄然、浮上するのがブライティアピア。水沢6戦5勝の適性と順調なシーズン入りを前面に、好ダッシュを決める。
不安点は意外にも久々成績が振るわないこと。中央時代だけではなく、昨年の開幕戦も9着。馬券対象はおろか、入着もない点が気になるが、「昨年は苦手・盛岡でしたし、再開のメドが立たず中途半端な形でスタート。でも今年は順調そのものです」と担当厩務員。コース適性を信じる手だ。
次位候補は2つのパターンが考えられる。実績を重視すればツルマルヤマト、ダンストンリアル。ツルマルヤマトは昨年、北上川大賞典で2着確保。ダンストンジールは一昨年の重賞・岩鷲賞を優勝したほか、一線級相手にも勝ち負けを演じてきた。
ただシーズン始めのため、本来のシャープさを取り戻していないのも事実。凡走の可能性もあり、そうなると乗り込み万全のフレイムヴェイン、パブリックアフェアが上位に食い込んでくる。
両馬ともノーザンファームの生産馬で千葉幸喜厩舎の所属。フレイムヴェインは昨年度、B1戦を快勝してシーズンを終了し、今季も順調そのもの。まらパブリックアフェアは12月、小倉500万下以来の実戦だが、早い時期から乗り込み態勢はほぼ整った印象。「仕上がり早い牝馬」のたとえもあり、この2頭を上位視する手もある。
昨年、10連勝の快進撃を続けたラブルビー、実力右翼スクリームイーグルは絶対能力でアッサリもありえるが、攻め馬の反応がひと息。一度、様子見が妥当だろう。
◎(7)ブライティアピア
○(3)ツルマルヤマト
▲(10)ダンストンリアル
△(2)フレイムヴェイン
△(1)パブリックアフェア
3連単は7を1着固定に2、3着は3、10、2、1と手広く流したい
馬複は 3-7、7-10、2-7、1-7
<お奨めの1頭>
8R ジョーイモーテル
昨年度の最終戦を圧勝。レース振りにもスケールの大きさをうかがわせ、3歳オープン戦線に殴り込みをかける
4月8日、全レース終了後の水沢競馬場で菅原勲騎手の引退セレモニーが行われました。
3月31日付ですでに「菅原勲調教師」となっている勲騎手なのですが、1月の最終騎乗時は諸般の事情によりまだ「これで最後」と言うことができずに終わり、お別れができずにいたファンの方も多かっただろう・・・という事で行われた今回のセレモニー。勲さん自身も「こんなに来てくれたの!」と驚くくらいたくさんのファンの皆さんに集まっていただき、非常に良いセレモニーになった様に思います。
菅原勲騎手は1981年のデビュー。自分が岩手競馬に興味を持ち始めた頃にはすでに不動のトップジョッキーとなっており、誇張抜きに「岩手競馬=菅原勲」のイメージを持ったものです。
地方通算4127勝。それはもちろん岩手競馬の記録であり、菅原勲騎手がひとつ勝ち星を増やす毎に岩手の記録がひとつ更新されていくという、まさに前人未踏の路を切り開き続けた騎手でもありました。
いろいろな記録を持っている方ですが、その中でもトウケイニセイの南部杯3戦、メイセイオペラの南部杯やフェブラリーS制覇、トーホウエンペラーでの東京大賞典制覇、はたまた一昨年の南関東での短期所属騎手初の重賞制覇。そんな節目のシーンを自分の目で見る事ができたのは、この世界で働く自分にとって大きな財産だと思っています。
若い頃の武勇伝をあまり知らないのは残念ですが、それはおいおい教えていただく事にしましょう。
月曜10Rは3歳牝馬の特別・あやめ賞です。例年春先の牝馬戦線の開幕を告げるレースとして行われてきましたが、昨年は震災の影響で休止。2年ぶりの実施になります。"本番"の重賞は目前の4月30日、ここでの力関係が直結しそうなだけに重要なレースなのですが・・・しかし難解になりました。
その最大の理由が、昨年の2歳戦線を引っ張ったのが牡馬だったという事。牡馬に互して牝馬が重特を勝つまでには至らず、唯一牝馬で重賞の掲示板に入ったウエディングサクラが不在。結局同様の理由で非常に転入馬が多いメンバーにもなり、つまり力関係の比較が非常に難しくなっているのです。
ただ、逆に言えばそれによって、今回のメンバー中で唯一の特別勝馬・ワタリサンキストの実績も際だってくる・・・という事になります。
(1)ワタリサンキストは2歳牝馬の特別・プリンセスカップを制し、牝馬勢の中でただ一頭の高い実績を持つ馬。さらには重賞でも牡馬の壁こそ崩せませんでしたが出走した牝馬の中では最先着を果たしてきました。初対決となる相手も多数いますが、このメンバーなら"実績上位"を武器に押せるはずです。
相手は(7)サブリナラッシュに行きましょう。北海道時代の実績は間違いなく牡牝問わずトップクラス。あの成績をひっさげて南部駒賞あたりに来ていればそれなりの人気に支持されたでしょう。
問題は年を越してからの不振。前走で久々の勝利を挙げたわけですが、ようやく実力を発揮できたのかそれとも恵まれたのか・・・?とりあえず初コースの今回は一戦様子見という気もします。ひとまず2歳時の実績を買ってみますが・・・。
三番手には(6)ドクトルコスモを。昨季終盤の3戦はいずれも牡馬の一線級と戦っていましたが、その時のタイム差で見ると決して◎にもひけを取る感じは受けません。現にスプリングC4着のトーホクアローを破ってもいるわけですからね。
この馬の場合、力を出し切れる展開になるかどうかが悩みどころで、それさえ嵌れば面白い競馬をしてくれるでしょう。
後は(8)ハルトリーゲル、(3)エスプレッソ。この土・日は前走比の馬体重の変動が非常に大きい馬が目立ちます。当日の気配にも注意を。
●10Rの買い目
馬単(1)=(7)、(1)=(6)、(1)=(8)、(6)=(7)