好評の「レディースジョッキーズシリーズ(LJS)2010」が16日(木)、荒尾ラウンドで全日程が終了した。総合優勝は地元荒尾の岩永千明騎手。第5戦では鮮やかな逃げ切りを決め、最終第6戦では最後方から3角マクリを決めて連勝。第2ラウンド終了時でトップ・別府真衣騎手と20ポイント差の6位だったが、見事な2連勝で大逆転劇を演じた。
一方、岩手代表の皆川麻由美騎手は総合3位。第5戦、折り合いを欠いた7番人気タイオトシをうまくなだめて3着。第6戦は8番人気スイートハートに騎乗し、後方2番手から直線で盛り返して5着。正直、お手馬に恵まれなかった感もあったが、6戦すべてで人気以上の結果を出し、名古屋ラウンドを優勝。悲願の総合優勝はならなかったが、シリーズを通しての健闘は評価に値する。
皆川騎手は今年4月、落馬のアクシデントで腰を圧迫骨折。長期リタイアを余儀なくされたが、このLSJを目標に復帰。休養以前に比べて冷静さが目につき、一段と成長した印象を受けた。岩手帰郷後の活躍も期待したい。
19日(日)メインはオープン馬による「白嶺賞」(水沢1600m)。このレースの1、2着馬には年明け10日の重賞・トウケイニセイ記念への優先出走権が与えられる。主軸をリュウノキングダムにするか、ゴールドマインにするか迷ったが、岩手の根幹重賞2勝の底力を重視してリュウノキングダムから入りたい。
昨年、船橋代表で岩手の重賞へ3度参戦。シアンモア記念、北上川大賞典を制し、みちのく大賞典はキングスゾーンとのマッチレースの末、惜しくも半馬身差2着。帰郷後は精彩を欠いて1月28日、多摩オープン7着後の3月、A2下特別で脚部不安が見つかって除外。その後、長期休養を余儀なくされ、9ヵ月半後に岩手に新天地を求めてきた。
初戦は休み明けの影響が大きく2番手から失速7着。1着馬から3秒6も離されたが、この一戦を叩かれて気配が一変。続く栗駒賞では馬を見違えるほど良化し、レースでも見事な逃げ切りを決めた。特に圧巻は直線での攻防。外からジョウテンロマンが強襲し一旦交わされたが、内から差し返して優勝。類稀な根性を発揮して重賞2勝の底力を見せつけた。
それでも仕上がり途上だった印象で、今回はさらに上昇すること必至。大晦日の桐花賞へ向けても好発進を決めたいところだろう。
ゴールドマインはシーズン初戦の赤松杯を完勝し、これ以上ないスタート。しかし続くシアンモア記念で3着に完敗(2着リュウノキングダムとは1秒差)。その後は重賞・岩鷲賞、特別・すずらん賞を優勝し、青藍賞はマイネベリンダの逃げ切りに屈して3着。この結果から南部杯を見送り、門別・瑞穂賞へ遠征。結果7着に終わり、遠征疲れが残っていた北上川大賞典は3着。
以上が今季の成績だが、一つはっきりしていることがある。理想は1ヶ月のレース間隔を開けると最大能力を発揮できる。その典型的な例が初戦の赤松杯であり、岩鷲賞、すずらん賞。その意味で今回はじっくり態勢を立て直して満を持して出走。マイルも得意とし、勝てる条件はほぼそろった。あとはリュウノキングダムとの力関係に尽きるだろう。
ジョウテンロマンは毎回、上位争いを演じながら未だ1勝のみ。詰めの甘さが何とも歯がゆいばかり。前走・栗駒賞でも直線で一度抜け出しながら、競り合いに負けて2着。あと一押しが足りず、タイトルを手にすることができないでいる。
それでもコース、芝ダートを問わずコンスタントに結果を出している点は評価に値。鞍上に小林騎手を指名し、背水の陣で臨む。
ポアントゥブルボンは充実一途。特に盛岡・水沢両競馬場でもマイル戦に絶対の自信。これまで14戦8勝2着4回。近走2着に敗れたのは前々走、水沢1800mで行われたハロウィンカップのみ。この時は58キロの酷量を背負い、むしろ健闘したとの評価が大勢を占めていた。
この一線級に入ると実績不足は明らかだが、仮に通用するようだとトウケイニセイ記念でも期待が集まる1頭。果たして好勝負に持ち込めるのか、真価が問われる一戦となった。
◎(7)リュウノキングダム
○(3)ゴールドマイン
▲(9)ジョウテンロマン
△(4)ポアントゥブルボン
3連単は7、3の1、2着折り返しから9、4へ3着流し
馬複は 3-7、7-9、4-7、3-9
<厳選二鞍>
3レース ブロンデスハール
中央5戦0勝から北海道2着1回3着1回の成績で転入。初戦は2着だったが、ここなら首位は譲れない