今回はダービーネタだけで行こうと思っていたらビッグニュースが。31日・日曜日の3レースでトレジャースマイルが初勝利を挙げたのです!
額のハートマークが話題になって、デビュー前から注目を集めていたトレジャースマイルなのですが、レースでの結果はなかなか出せず、苦しい日々が続いていました。
そんな辛さをいっぺんに吹き飛ばす様な7馬身差快勝。そして、今日も大きかったトレジャースマイルへの声援。ずっと応援してくれたファンの皆さんに感謝!ですね。
そんな決戦の本命は(4)マヨノエンゼルです。前走で2着に敗れ連勝がストップしてしまいましたが、しかし57kgを背負ってあの差し馬に辛いコース状態で、それであそこまで追い上げてくるのだからやはり力のある馬。定量戦のここは雪辱の、そして二冠達成の舞台になるはずです。
ひとつ気になるのは馬体重。マヨノエンゼルは牡馬ながら400kgそこそこしかなく、390kg台で走る事もあるのですが、過去、盛岡ダート2000mで行われた重賞で、これだけの軽量馬が上位に来た事は何度かあれど勝った事は一度もありません。このハードな距離を乗り切るにはそれなりのガサも必要だという事なのでしょう。
マヨノエンゼルは、それでもへこたれない馬だとは思いますが、一応データからの傾向として念頭に置いておきましょう。
牝馬No.1の(8)シルバーカテリーナは対抗としました。水沢マイルの走破タイムの差が現時点の牡牝の差と見て、また1600m→2000mの一気の延長の影響を考えての評価ですが、しかしこの馬の血統ならむしろ、距離が伸びていいタイプかもしれません。気性的にも距離が伸びて苦しむとは思えず、牡馬との差をひっくり返すシーンも十分あり得るのでは。
(2)トキワノマツカゼは3番手までの評価。差し脚勝負で敗れてしまった前走が不満。距離が伸びていい要素もあまりなく、少なくとも対マヨノエンゼルとは勝負付けが済んだのではないでしょうか。
あとはどの馬を選んでも穴目になるのですが、まずは(12)マイネルサーブル。まだ格下とはいえ4連勝の勢いは魅力です。距離も悪く無さそうだし、うまくすれば3強の一角を崩せるかも。
(1)トーホクプリンスはやはり逃げてこその馬。有力どころが後方で牽制しあってくれたら希望の光がさしてきます。
◆買い目
馬単(4)=(8)、(4)=(2)、(8)=(2)、(4)→(12)、(4)→(1)
◆お奨めこの一頭
4R:ストームシグナル
このメンバーなら楽に前で戦える。いくらか相手強化になったとはいえ、これくらいで退くような馬ではない。
31日(日)メインは3歳馬による芝1600m戦「はまなす賞」。ダンストンジールがこのメンバーでは一枚も二枚も抜けた存在。中心不動。
(七時雨賞ゴール 1着・ダンストンジール 写真・佐藤到)
今季はスプリングカップから始動し、マヨノエンゼルの0・4秒差3着。北海道から転入したトキワノマツカゼが2着に逃げ粘り、首差でダンストンジールが入った。
続く重賞・阿久利黒賞では体重が10キロも減り、デビュー以来で最低の馬体重466キロ。案の定、レースでも冴えがなく、4コーナー手前で先頭に立ちながら直線で失速3着。マヨノエンゼル、トキワノマツカゼはアタマ差の接戦だったが、そこから3馬身離された3着確保が精一杯だった。
この2戦からマヨノエンゼル、トキワノマツカゼの2頭から大きく水を開けられたが、七時雨賞で一念発起。3番手追走はいつもどおりだったが、4コーナーで逃げたフジフーフーに並び、早々と交わして先頭。これで負けたら仕方がないと判断した村上忍騎手の思い切ったプレーが功を奏して快勝。大外から伸びてきたマヨノエンゼルの猛追を1馬身半抑え、8ヵ月ぶりの勝利をモノにした。
実は白星がなかったために目立たなかったが、ダンストンジールは着実に成長していた。それがスプリングC3着の粘りに現れていたし、阿久利黒賞で離された3着だったのは体調面に問題があったから。それでも大敗をせず、コンスタントにレースに集中するようになっていた。
そして前走・七時雨賞ではプラス3キロの469キロまで回復。水沢からの輸送を考えれば本来の体重に戻っており、それで全能力を出し切るに至った。
本音を言えば翌日のダイヤモンドカップへ駒を進めて欲しかったが、芝は3戦2勝。デビュー戦では昨年の芝1000m最高タイムをマークし、特別・若鮎賞(芝1600m)でも2着に0・4秒差で完勝。ダートも問題なしだが、芝では世代屈指の実力を誇っているので、はまなす賞選択も十分納得だ。
相手筆頭はテンショウスズラン。デビュー2戦目の芝1000m戦59秒9の好タイムで快勝。その後も素質の片りんをうかがわせながら体重が減り続け、昨最終戦では407キロ。それでも勝ってしまうのだから能力の高さは推して知るべしだった。
今シーズンの課題も馬体回復。骨格からすれば440キロ以上あっても太くないはずだが、410キロ台にとどまり、成績も平凡だった。しかし前走・日高賞では428キロまで増えて結果も3着。ようやくいい感じで仕上がってきた。
今回もカギは体重増減に尽き、久々の盛岡輸送がどう影響するか。420キロを切らなければ大丈夫だろうし、仮に割っていたらちょっと割り引きが必要かもしれない。
同様の意味がリリーミッションにも言える。あやめ賞2着で実力は証明済みだが、盛岡芝、輸送はすべて初体験。体重を減らしてきたら輸送の影響だろうし、こちらも当日の気配に注意を払いたい。
相手候補2頭に不安点を抱え、そこに他の馬もつけ入る余地がある。ハイメリーは今シーズン大敗の連続だが、芝で黄菊賞1着、若鮎賞2着と適性上位。一転して好走の可能性を秘めている。またフェニックスクインも徐々に立ち直り気配だし、マイネルラヴ産駒は芝が合う。同じ父を持つマーチボーイも連下押さえが必要だろう。
◎ ?ダンストンジール
○ ?テンショウスズラン
▲ ?リリーミッション
△ ?ハイメリー
△ ?フェニックスクイン
△ ?マーチボーイ
3連単は2を1着固定に4、7の折り返し本線。あとは9、1を3着押さえ
馬複は 2−4、2−7、2−7、1−2
<お奨めの1頭>
8レース トーセンダズル
中央再トレードは不発に終わったが、岩手では強さが際立っている。あっさり2連勝飾る
30日(土)メイン10レースはB2級馬による芝1700m戦「五月雨賞」、11頭立て。前開催の芝レースを振り返って改めて思った。ダートと芝は別もので適性が好、凡走の分かれ目。その顕著な例が5月17日、第7レース・B2芝1700m戦だった。
予想どおりサクラエキスプレスが逃げたが、シセイハルカが執拗なマークに出てハイペースを形成。ナリタルーキーはダッシュがつかず6番手インを追走し、その後ろにキザキノフラッグがつける展開となり、ナリタルーキーが3コーナーから徐々にスパート。逃げ込みを図るサクラエキスプレスを直線半ばで交わして先頭。2着キザキノフラッグに1秒差をつけて今季初勝利を飾った。
(ナリタルーキー 写真・佐藤到)
ナリタルーキーは善戦を繰り返しながら今季は3着止まり。ダート戦で詰めの甘さを露呈していたが、芝に替わって動きが一変。多分にペースに恵まれた感も否定はできないが、それにしても1秒差=6馬身差は強烈。素直にこの結果を重視したい。
相手はサクラエキスプレス。北海道デビュー3勝マーク後、中央入りし芝で3勝。オープン入りを確定させながら、骨折のために2年3ヶ月の長期休養を余儀なくされ、北海道で戦列復帰。昨年3月に岩手へ転入し、オープン芝・あじさい賞、桂樹杯で2着を確保。ダートでは着すら厳しいのだが、芝ではA級でも勝ち負けを誇る。
前回はハイペースがたたって末脚をなくしたもの。展開に注文がつくタイプだが、こちらも適性を評価したい。
コアレスアミーゴは昨年11月から7連勝中と破竹の進撃。ほとんどがワンサイドで圧勝し、B2昇級戦も楽々と突破した。もちろん今回のネックは初の芝に尽き、適性は未知数だが、父ムタファーウェクは芝の長距離戦でG?レース4勝。母父ベロットもイギリスダービーで3着なら血統的には問題がない。今後のことも含め、芝挑戦に注目してみたい。
前走の芝でプリズンガールは見事な逃げ切りを決めた。1コーナーから先頭に立って絶妙のペースに持ち込んだのが最大の勝因。ナリタルーキーと比較して走破タイムは1・7秒も劣り、同型の出方も気になるが、芝で水を得た魚のようだった。
ベジータは結果2着ながら、レース内容はプリズンガールを上回るもの。4コーナーで外から被せられ、苦しい流れになったが、それを跳ね返した。芝2度目でさらに期待が増す。
芝ではメンバー中一番、4勝マークのキザキノフラッグ。とにかく末脚のすばらしさは特筆でき、ハイペースになれば一気台頭のシーンも十分あり、この馬から入る手もある。
他にもバルク、タカノグラディウスなど芝適性組がズラリとそろい、思った以上に難解。馬券的にもおもしろい一戦となった。
◎ ?ナリタルーキー
○ ?サクラエキスプレス
▲ ?コアレスアミーゴ
△ ?プリズンガール
△ ?ベジータ
△ ?キザキノフラッグ
3連単は4を1着固定に7、11の折り返し本線に採るが、1、10、2から入って妙味あり
馬複は4−7、4−11、1−4、4−10、2−4
<お奨めの1頭>
8レース グリーンヒルフライ
一度2着に敗れたが、それ以外は圧巻の4勝マーク。前回も強さが際立っていた
5月から梅雨に入るまでの岩手は、一年で一番良い季節かもしれません。晴れわたった空はすきっとしていて風爽やか。夏至近い日差しは強いですが、夏の暑さと違って日陰に入ればしばしば肌寒いほどです。桜は駆け足で通り過ぎましたが、そのあとも春を待っていた花が次々と開き、山の緑がぐんぐんと濃くなってきます。
岩手山も残雪の筋を数本まとい、里から登ってくる春を待っているよう。真冬の毅然と立った白い姿や、鷲が現れる時期も好きですが、雪解けのこの季節もなんともいえない良さがありますね。
そんな岩手に暮らすからには、アウトドアを楽しまなきゃ損! と思ってはいるのですが、この時期は大変ありがたいことに学校関係の仕事を多くいただき、また私用でもいろいろと時間をとられていて、なかなか好きなキャンプなどには行けていません。
ずっと我慢していたのですが、先日ついに無理矢理時間をつくってデイキャンプに行ってきました。デイキャンプ・・・というか、テントすら張らず河原で焚き火をして料理をこしらえ食ってきただけです。それでも大変気分の良い息抜きになりました。
こういうときの料理に、私はダッチオーブンを使います。ダッチオーブンをご存知でしょうか?これは分厚い鉄でできたごっつい鍋で、もともとはアメリカ開拓時代にカウボーイ達が持ち歩いた調理道具だそうです。こんな重たい鍋を人や食料品と一緒に積まれた馬はかわいそうなくらいですが、重たいのには訳があります。ひとつは均一な熱伝導で食材の奥まで火が通ること。もう一つがカポッとはまる構造になったフタの部分が水蒸気でシールされ、圧力鍋のような効果を得られる(ウォーターシール効果)ということです。これによって焼く・煮る・蒸すなどの調理が非常に上手くでき、ハズレた試しがありません。たとえばカボチャの芯をくり抜いて豆乳とチーズを詰め、まるごと蒸かしたものなどはものすごく旨かったです。
他にもパンやケーキを焼いたり、薫製をつくったりとやってみたい調理法がまだまだたくさん。最近はキャンパーの“神器”と言って良いほど人気のアイテムなので、レシピ本もたくさん出版されていますね。コーティングなど何もない鉄鍋ゆえ使用後のお手入れがおっくうなのですが、また引っ張り出してアウトドアを楽しみたいと思います。
そういえば、オーロパークのような自然豊かな立地にある競馬場ならば、キャンプスペースを設けてバーベキューでも楽しみながらビール片手に観戦なんてできないでしょうかねぇ?泊まりは無理でもデイキャンプなら楽しそうです。煙が走路のほうに流れたらマズイでしょうかね?でもパドックには時々、焼鳥屋の煙が充満していますから・・・・。
(文/写真・佐藤到)
5月24日 あすなろ賞(みちのく大賞典トライアル 3歳以上 盛岡ダート1800m)
1着 アンダーボナンザ
サイレントエクセルが意表をつくように逃げ、カネショウエリートも手をしごいてハナをアピール。ダンディキング、ソーユアフロストも先行争いに加わり、前半3ハロン36秒7のハイペースを形成した。
アンダーボナンザはスタート直後、ヒカルメイオーがヨレたあおりも受けて後方7番手を追走。ペース落ち着いた2コーナー過ぎから徐々に前へ接近し、3コーナーからエンジン全開。その時の反応がすばらしく、直線入り口で3番手まで進出。
サイレントエクセルは3コーナーで早々と失速し、カネショウエリート、ダンディキング2頭の叩き合いとなったところ、外からアンダーボナンザが襲い掛かり、ラスト150mで先頭に立ち、そのまま押し切った。
「もう少し前で競馬をしようと思っていたが、スタートで不利があったので後方でもいいかな、と。いい脚を使えるのが最大の強み。今回はペースにも恵まれたし、決め手がある分で勝てた。多分、距離だと思うが、最後の伸びがヤヤ甘くなってしまった。1600mぐらいがベスト」と菅原勲騎手。
次走はみちのく大賞典になるだろうが、2000mが舞台。決め手を生かせる流れにならなければ正直、好勝負に持ち込むのは厳しいかもしれない。
2着 カネショウエリート
笠松遠征(オグリキャップ記念)の反動もなく、プラス3キロで出走。村上忍騎手のイメージは逃げだったようで、サイレントエクセルと激しいハナ争いを演じたが、1コーナーで2番手に控える。
3コーナーでサイレントエクセルが一杯となり、馬なりで先頭。ダンディキングが猛チャージをかけ、再びペースアップし、直線でダンディキングに交わされながら再び差し返す渋太さを披露。しかし外アンダーボナンザとは脚色が違い、2着確保までにとどまる。
今回の好走要因は馬場が軽くなったことと1800mの距離。先週までの盛岡だったら、ちょっときつかったが、昼過ぎから雨が降ったのも幸いした。
次走はもちろん、みちのく大賞典。2000mは望むところで、馬場が渋れば一発の可能性もある。
3着 ヒカルメイオー
先に行ける脚もあるが、今回は後方でジックリ構え、アンダーボナンザをマークする形でレースを進める。仕掛けもアンダーボナンザと同じタイミングたったが、反応の差が出て3、4コーナーで若干遅れる。
それでも直線で盛り返し、大外から鋭く伸びて2着ありそうな勢いだったのは収穫。A級挑戦2度目でこの3着は非常に価値が高く、今後のメドも十分に立った。
4着 ダンディキング
終始カネショウエリートの後ろにつけ、直線を向いて一度交わしたが、ラスト150mで力尽きた。ある意味で最も中味の濃いレースをしたのはこの馬。仮に前半のペースがもう少し遅かったら3着を確保できたかも。
5着 ソーユアフロスト
前回・シアンモア記念はスローに殺されたため、前半から積極的に攻める。その結果、3番手インにつけることができたが、今回は逆に末が甘くなって5着止まり。次走・みちのく大賞典で捲土重来を期したい。
7着 ショーターザトッシ
前半は中団に控え、向正面からスパートをかけたが、反応がもう一つ。勝負どころの3コーナーでも追走するのが精一杯で7着に沈む。
敗因は左回りもあるだろうが、体重が430キロまで減っていたこと。440キロ台まで回復しないと苦戦が続きそうだ。