今回は岩手競馬に関係していないような、しているようなネタからスタート。
先の18日に「平成21年度 第3回調教師・騎手免許試験」の合格者が発表されました。その騎手の合格者の中に「葛山晃平」という名を発見して嬉しくなりました。
葛山騎手は1997年から2006年半ばまで岩手競馬で騎乗、若手ながらリーディング上位に入る活躍をしていました。岩手での約10年間の通算成績は215勝。
いろいろあって06年で騎手免許を返上した葛山騎手ですが、やはりレースへの想いは断ち切れず、再起の場を求めて金沢競馬の門を叩きました。
昨年秋、レディースジョッキーズシリーズの金沢ラウンドを取材に行った時、「葛山厩務員」にばったりと出会いました。
「調教師さんが理解があって、騎手免許を取れるように便宜を図ってくれているんです。ただ、年齢制限があるからチャンスはあまり残ってなくて、合格できるかどうかプレッシャーもありますねぇ・・・」そんな事を話してくれた葛山厩務員もこれでまた晴れて葛山「騎手」となりました。
金沢には厩務員を経て騎手免許を再取得し、いまや金沢のトップジョッキーとなった吉田晃浩騎手(上山→浦和)もいます。葛山騎手も同様に活躍して、そしていつの日か遠征で岩手に・・・なんてことを想像しているのですが・・・。
ところで、今NARの騎手データベースを見ると葛山晃平騎手が「岩手所属」として復活していますねえ。こういう"復活騎手"の設定は難しいんだろうなあ。
月曜のメインレースはA級一組の「金田一温泉レース」、ダート1800m戦です。桐花賞を目前に控えているだけに出走頭数は6頭という事になりました。
近走の内容の通り、ここは(4)エイシンイッパツと(5)アンダーボナンザの2頭の戦い。そのどちらが前に来るか?というレースになりそうです。
昨年のトウケイニセイ記念の勝ち馬がいよいよ調子を取り戻してきた、というアンダーボナンザ。前走で水沢1800mの新レコードを叩き出したエイシンイッパツ。さて、どちらを採るか・・・?
ここは本命(5)アンダーボナンザとしました。まずは近走の内容。確かにここ2戦、ゴールドマインに苦渋を飲まされているアンダーボナンザなのですが、前走・前々走とも自分の後ろの馬には大きな差をつけています。となれば「ゴールドマインがいなければ・・・」と考えるのはあまりにも当然。
またここは前走とほとんど同じ顔ぶれで、つまりこの馬にとっては、大きな差をつけて勝ったメンバーとの再戦。相手関係的には実に楽になりました。
今は距離もさほど問題にせず、レースへの集中力も以前とは段違い。夏頃までの、どうにも頼りないこの馬のイメージはもう捨て去るべきでしょう。
アンダーボナンザ(10/12 9R優勝時)
一方の(4)エイシンイッパツ。前走のスピードは実に見事なものでしたが、しかしここ2戦を連勝しているとはいえ、戦った相手関係はアンダーボナンザのそれと比べるとやや落ちるというのが率直な感想。
また、この馬が逃げるならばアンダーボナンザがびっしりマークしてくるでしょうし、間に他の先行馬が挟まったら挟まったでそれを振り切ってなおアンダーボナンザの攻勢を受け止めねばなりません。目標にされる不利は、この馬のスピードをもってしても決して小さくはありません。
逃げる馬を目標に戦える分も含めてアンダーボナンザが有利、という事で◎(5)・○(4)。もちろん、エイシンイッパツがあくまでもスピード勝負を挑めば押し切るチャンスもあるでしょうが、いずれこの2頭の戦いという構図は動かないでしょう。
あとはもう位置取り次第という感じですが、強く狙うとすればやはり(6)エアムートンになるのでは。基本は芝向きの短距離馬、この距離ではそうそう強気に動けませんが、前走くらいに戦えればそれでいい計算。
(1)ソフトパワーはすんなり流れに乗れる事が条件。それさえ叶えば、エイシンイッパツとハルサンヒコのようにある程度前の方につけて流れ込む、という事もできそうです。
ヤマニンエグザルトとトーホウライデンは、馬券対象になるには"他の馬が凡走したら"という条件がつくでしょう。実績的にも能力的にも足りておかしくない馬達ではありますが今回は見送りで。
★買い目
馬単 (5)=(4)、(5)→(6)、(5)→(1)、(4)→(6)、(4)→(1)
20日(日)メインはC1級「はまゆり賞」(水沢1600m)、10頭立て。トーセンスプライトが錦秋湖賞2着の雪辱を晴らす。
その錦秋湖賞は逃げたコスモゲータイトの2番手をぴったりとマーク。道中の手応えも上々で満を持して直線抜け出しを図ったが、伏兵デルマジュピターの強襲に屈して2着。
トーセンスプライトは非の打ちどころのないレースを披露したが、インの経済コースを進んだデルマジュピター=村上忍騎手の好騎乗が光り、3連勝を飾った。
あえてトーセンスプライトの敗因を探せば、人気を背負って大事に乗りすぎたかも知れない。初の1800mを意識し、できるだけ脚を貯めることを重視した印象もある。
しかし今回は1600mが舞台。前々走は同じ条件をパーフェクト内容で完勝しており、首位をがっちりキープする。
逆転筆頭はポイントリズム。盛岡戦は1勝3着2回にとどまったが、水沢に替わって反応が一変。強いレースで2連勝を飾り、特に前走は2着に8馬身差の圧勝劇。C1昇級戦もまったく問題にしなかった。
ネックは初のマイル戦に尽きるが、絶好の内枠を引き当て逃げの手は必至。この馬にせりかける馬はいないだろうから、マイペースに持ち込んで圧勝のシーンまである。
エムアイルシェルは前走伸びを欠いて4着止まり。これをどう評価するかだが、明らかに先行有利の競馬で自慢の末脚が不発に終わった格好。気配落ちはまったくないし、実力的にも互角以上。まとめて負かすならこの馬だろう。
カートゥニストも軽視できない。岩洞湖賞はスローの流れに泣いて3着。その前の4着はスタートで後手を踏んで4着と運にも恵まれなかった感。ここ2戦で見限るのは早計だ。
あとは好調サイクルをキープしたワールドバトラー、古豪健在マイネルクレスタも押さえたい。
◎(6)トーセンスプライト
○(2)ポイントリズム
▲(8)エムアイルシェル
△(12)カートゥニスト
△(9)ワールドバトラー
△(3)マイネルクレスタ
3連単は6、2、8のボックスが本線。また6、2の1、2着折り返しから8、12、9へ3着流しの手も
馬複は 2-6、6-8、2-8、6-12
<お奨めの1頭>
10レース スタンドアチャンス
北海道で通算12勝マークし、転入直前の道営記念で4着に善戦。この成績があればA級二組は軽く突破できる
19日(土)メイン9レースはA級三組による「馬仙峡レース」(水沢1600m)、10頭立て。
主軸はマルブツワイルド。今シーズンの着外2度はいずれも芝。ダートでは取りこぼしも間々あるが、3勝2着4回と安定した取り口を披露。特に前走・ゴールデンステッキ賞では豪快なマクリを決めて快勝。勝ち切れなかった近走のうっ憤を一気に晴らした。
今回はA級へ昇級初戦となるが、すでに4走前にA・B1混合戦でビッグファルコンの2着を確保。能力的にもヒケを取らないし、何よりも弾みついたのが心強い。
逆転筆頭はゼットファースト。一戦置きに1、4着を繰り返して着順が安定しないが、今回は"1着"の番。それは冗談として前走はいつもより早め追走に出て伸び切れなかった印象。今度は自分の競馬に徹してシャープな切れを爆発させる。
おそらく1番人気はゼットファーストになるだろう。その根拠はひいらぎ賞の結果からでゼットファーストが優勝。マルブツワイルドは0・2秒差3着。
これを素直に信じる手かもしれないが、ゼットファーストは8番手から、マルブツワイルドは最後方からの競馬。しかも勝負どころからスルスルと上位進出したゼットファーストに対し、マルブツワイルドはもたつき気味でエンジンがかかったのは4コーナー手前から。
それが0・3秒差につながったと解釈ができるし、ゼットファースト55キロ、マルブツワイルド56キロのハンデ差も微妙に影響した。
しかし今回は同じ56キロの負担重量に加え、マルブツワイルドの鞍上は菅原勲騎手。これを考慮すればマルブツワイルド◎も納得できるはず。
ただ2頭とも差しタイプ。実力が抜けているのは間違いないが、そこにつけ入る余地は十分ある。
その有力候補はニシノアンサー。中央1000万下から転入し、初戦を見事に逃げ切って完勝。続く2戦目も期待を集めたが、2番手から失速7着。どうやら先手を取れないともろそうだが、逆にハナに立てば渋太さを発揮するタイプのようだ。
逃げベストはこのニシノアンサー、エイシンアサヒオー、マイネルオールだが、枠順はニシノアンサーに味方。すんなり先手を取れば逃げ切りのシーンまで。
以下、ここ2戦は案外だったが、強豪メンバー相手にも好勝負を演じてきたソノマンマ、展開合えばクラス通用マイネルオール、堅実サクラアリエルも軽視できないだろう。
◎(10)マルブツワイルド
○(3)ゼットファースト
▲(5)ニシノアンサー
△(4)ソノマンマ
△(9)マイネルオール
△(8)サクラアリエル
3連単は10、3の1、2着折り返しから5、4を厚めに。あとは9、8を3着押さえ少々
馬複は 3-10、5-10、4-10、3-5
<お奨めの1頭>
6レース サンダーセブン
一戦ごとに良化を示し、前走待望の初勝利をマーク。弾みついてもう一丁いける
今回も桐花賞ファン投票のお話しから。
13日にファン投票の中間結果が発表されました。
1位 マヨノエンゼル 358
2位 トキワノマツカゼ 142
3位 ボスアミーゴ 114
4位 ゴールドマイン 97
5位 ジュリア 89
6位 テンショウボス 88
7位 ヒカルメイオー 78
8位 アンダーボナンザ 50
9位 ドリームスナイパー 46
10位 ハルサンヒコ 44
10位 ヤマトスピリット 44
中間1位は今年の岩手ダービー馬マヨノエンゼル、2位は先日の白嶺賞を勝ったトキワノマツカゼと3歳馬が入り、以下ボスアミーゴ、ゴールドマインと続いています。
ここ1、2年のファン投票上位の常連だったサイレントエクセルやオウシュウクラウンは先日引退を発表、昨年の桐花賞の覇者カネショウエリートは休養中と、上位のメンバーもずいぶん変わりましたね。
また、この10位までの中では、ヤマトスピリットが白嶺賞のレース中に故障発生・競走中止しており、テンショウボスも厩舎に戻って来ましたがまだ能力検査にも登場できない状況で、いずれも桐花賞出走は難しいでしょう。
まだここに入って来ていなくてかつ出走がかなえば面白そうなのは・・・というと、盛岡なら5連勝中コアレスレーサー、水沢なら先日ダート1800mのレコードを出したエイシンイッパツでしょうか。青藍賞2着、先日岩手に移籍してきたリュウノケンシロウも一叩きを済ませて出走体勢を整えています。この辺の馬達はまだ知名度も低めで票も少ないので、皆さんぜひ3頭のうちの1頭にでも加えてあげてみてください。
桐花賞ファン投票は20日(日)まで行っています。投票はこちらのページから!
→ 岩手競馬公式HP ファン投票ページ
本命は(9)ワラッテオクレヨを採ります。前走のゴールデンステッキ賞、5着とはいえ優勝争いには少し遠かったですが、この馬があまり得意としていない稍重程度のコース状態であれだけの脚を使ったのだから悪い内容ではなかったし、調子もいいのでしょう。
今週のコース状態もまだこの馬向きにはならないかもしれませんが、注目は展開面。この土日、基本的には先行有利なのですが、それを意識した先行勢の競り合いが激しくなり差し馬も届くケースが多くなっていました。
このレースも先行馬多数、そして各馬とも距離に若干の不安感。こうなるとこの馬向きの展開を、期待するなという方が無理でしょう。
対抗は(1)アルディ。最近は先行・差しの戦いが安定しており、前走の勝ち方もなかなかのものでした。実績的には1800mまでの勝ち星ですが距離が持たないという事はないでしょうし、なにより毎年この時期に走るタイプ。勢いがついてきたとなれば見逃せません。
(4)リザルトは叩かれつつ上昇。自力で勝ちに行くまではどうか?という脚質になっているだけに過信はできませんが、前走くらい走れば十分足りる計算。
(8)フェニックスクインもここに来て一変の成績。以前のようにかかるところが減り、抑えを効かせて逃げる事ができるようになったのが最近の好走につながっているのでしょう。ここもすんなりペースを握れば怖い存在ですが、同型多数だけにあくまでペース次第。
ならば(5)ヒドゥンアジェンダを狙ってみるのはどうでしょう。この馬の適性は短距離にあると思っていますがこの距離も十分守備範囲。この馬の脚が活きる流れになれば上位突入可と見ます。
★買い目
馬単 (9)=(1)、(9)=(4)、(1)=(4)、(9)=(8)、(9)=(5)
岩手競馬の情報満載「週刊テシオ情報局」
13日(日)メイン9レース(発走:15時15分)は日高軽種馬農業協同組合杯「寒菊賞」(2歳オープン 水沢1600m)。
前日、北海道から2歳の大物モエレデフィニットが転入。未来優駿サッポロクラシックを制し、ダート戦ではすべて3着以上と底見せなし。おそらく年明けの重賞・金杯がターゲットで、地元トップを突っ走るロックハンドスターとの対決が最大焦点となるに違いない。
この寒菊賞は第2グループの戦いだが、2歳馬はいつどこで目覚めるか分からないケースが多々。しかも力の序列が決まっていないメンバーで、馬券的にも非常におもしろい一戦となった。
主軸にダイメイジュエリーを指名する。大敗を喫したのはJpnⅢ・エーデルワイス賞14着のみ。北海道時代1勝のみながら、2着1回3着3回と相手なりに駆ける堅実さが身上。
11月に岩手転入し、ハイレベル北海道で揉まれてきたキャリアを前面にあっさり2連勝。牝馬特別・プリンセスカップも順当勝ちを収めた。今回は牡馬が相手だが、十分通用する走破タイムを前走マークしている。
ただ一つ気になるのがプリンセスCでの動き。直線で内にササって鞍上・菅原勲騎手も手こずっていたが、これでもたつくようなら伸び切れない可能性もある。
逆転筆頭はリュウノムサシ。デビュー・芝1000mの1勝のみだが、行き脚ついてからの伸びが実にシャープ。5着に敗れはした南部駒賞だったが、1分42秒0は例年ならば勝ちタイムに匹敵する。
また前走は結果2着に敗れたが前につけて2、3番手からの競馬。勝負どころでもたつくのが出世を妨げていたが、早め追走が可能になれば首位を奪取してなんら不思議はない。
ダークライは目立たないが、レースセンスの良さが光る。若駒賞で積極的に攻めて4着。知床賞では今回の出走メンバーで最先着の2着確保。また前走はアッサリ逃げ切りを決めており、展開次第では単も狙える。
ヒバリエクスプレスはプリンセスCで惜しくも首差2着。ダイメイジュエリー相手に渋太く食らいついたように天性のスピードと粘りが最大セールスポイント。
あとは近走は足踏み状態だが、中間の動き絶好ナイスディ、ビギナーズCを快勝ベルデンアインも軽視できず、激戦必至だ。
◎(2)ダイメイジュエリー
○(4)リュウノムサシ
▲(5)ダークライ
△(6)ヒバリエクスプレス
△(12)ナイスディ
△(3)ベルデンアイン
3連単は2、4の1、2着折り返しから5、6を厚め。あとは12、3も押さえが必要
馬複は 2-4、2-5、2-6、2-12
<お奨めの1頭>
6レース チャームドサークル
Sステッキ賞は流れに乗れず6着だったが、それ以前の安定度から主役奪回は疑いなし