22日(日)メインは岩手伝統の「第36回一條記念 みちのく大賞典」、12頭立て。舞台はダートのクラシックディスタンス・盛岡ダート2000m。スタート地点は4コーナー奥のポケットで直線が約600m。コーナーを4つ回って最後の上り坂を2度乗り越えなければならず、ほぼ例外なく実力どおりに決着する。
昨年はテンショウボスが、2着エアウィードに1馬身半差をつけて完勝。このレースで岩手の頂点に立ち、脇役の座を返上。以降も快進撃を続け、年度代表馬にまで出世した記念すべきレースとなった。
そのテンショウボスは佐賀記念遠征後、軽い膝骨折が判明してリタイアしたが、幸い大事には到らず現在は調教を再開。夏過ぎにはテンショウボスの勇姿が見られるかもしれない。
またテンショウボスと双璧を成すサイレントエクセルは、今回のみちのく大賞典でついに戦列復帰。大好きな暑い季節、そして盛岡コースも合うだけに期待をかけたいところだが、昨年12月31日、桐花賞4着以来の実戦。能力の高さは誰もが認めていても、いきなり重賞の舞台に加え、いきなりの2000m。さすがのサイレントエクセルでもこの条件を乗り切るのはきつく、ひとまず△評価とした。
(シアンモア記念ゴール 1着・ノムラリューオー 写真・佐藤到)
主軸はノムラリューオーで断然だろう。前々走・房の国オープンで02年、黒潮盃以来、実に6年ぶりの勝利をマーク。途中、1年10ヵ月などの長期休養などもあったが、久々の美酒を味わい岩手の根幹重賞・シアンモア記念に参戦。1番人気は岩手のタイキリオンに譲ったが、絶好のスタートから2番手をキープ。4コーナーでは馬なりで先頭に立ち、インを強襲したマンジュデンコウベの追撃を封じて快勝。コンビを組んだ小林騎手は「レースセンスがすばらしく、9歳とはとても思えないほど若々しい」とノムラリューオーを絶賛した。
石井勝男調教師に話をうかがうと「当初、地元船橋のグランドマイラーズを視界に入れていたが、相手を考えて途中からこちらへ方向転換。1800mまでがベストだが、折り合いがつく今なら2000mもおそらく大丈夫。一週前の追い切りでは重苦しさが若干あったが、それを叩かれて気配が一変。最終追い切りでは非常にいい手応えを感じ、前回よりもさらに良化した」と語り、自信の参戦となった。
コメントにもあるとおり2000mの距離と直線の上り坂がカギを握るが、中央時代に坂は経験済みだし、どんな流れにも対応できるタイプなのでおそらく問題はない。マキバスナイパー、コアレスハンターに続いて南関東勢3頭目のみちのく大賞典制覇の可能性は非常に高い。
相手も遠征馬マチカネモエギをピックアップ。中央ダートで4勝マークして準オープンから5月に名古屋へ転籍。初戦を3着にまとめ、2戦目をきっちり勝ちあがった。条件的には当然、勝ち負けのはずだが、中央4勝すべてがダート1200m戦。これまで最長距離戦はJRA・阪神ダート1800m10着、名古屋1800mの3着。果たして距離2000mを克服できるか、どうかが最大の焦点。常識的に考えれば距離の壁があると見るべきだが、今の岩手オープン陣は先にも記したように明らかに手薄。 鞍上に名古屋の名手・吉田稔騎手を迎え、盛岡コースの経験も豊富。抜群の手綱さばきで距離も克服してくれるに違いない。
対する岩手勢トップ評価をしたのはダンストンリアル。目下10戦連続で連対を継続中で、昨年秋を境に本格化は疑いのないところ。地元重賞・ダービーグランプリ出走(6着)まで1勝のみだったとは信じられないほどの躍進ぶりだ。
今シーズンも4月から4戦3勝2着1回と、まさに昇竜の勢いに乗っている。とは言え、いきなり重賞、しかも交流レースではキャリア不足は明白で苦戦ムードが漂っているが、そこは未知の魅力に賭けてみたい。
ブラーボウッズは今年10歳だが、衰え知らず元気一杯。何といっても強調できるのは盛岡ダート2000m戦でただ1頭だけ白星を上げている点。一昨年、特別・赤松杯でマークしたもので、この実績が光る。
あとは距離への融通性を備えてきたダンディキング、そしてサイレントエクセルの底力にも注意を払うべきだろう。
◎ ?ノムラリューオー
○ ?マチカネモエギ
▲ ?ダンストンリアル
△ ?ブラーボウッズ
△ ?ダンディキング
△ ?サイレントエクセル
3連単は1を1着固定に3、6、12のフォーメーション。あとは2、6を3着押さえ
馬複は1−3、1−10、1−12、1−2
<お奨めの1頭>
11レース フォーナインミダス
中央2歳新馬戦(新潟芝1400m)を快勝した実績はダテではなく、初の盛岡芝を2着。今度は首位疑わず