29日(日)メインは3歳以上オープン牝馬による「ビューチフル・ドリーマーカップ」(8月26日 水沢1900m)トライアル「第8回フェアリーカップ」(水沢1800m)、10頭立て。
オープン在籍馬は負担重量が56キロ、それ以外は54キロ。ハンデ差が2キロ程度ならA1級馬の圧倒的優位さは動かし難いが、中でも断然の実績を誇るのがサイレントエクセルだ。
(サイレントエクセル 写真・佐藤到)
前走・マーキュリーカップ(Jpn?)では先行馬群の外につけ、3コーナー手前までは手応えが悪くなかったが、ペースが上がった3コーナー過ぎから脚色が怪しくなって失速。善戦及ばず8着に敗れてしまった。当初、想定タイムが2分5秒から6秒台で決着なら好勝負になるのでは個人的に踏んでいたが、シャーベットトーンは2分4秒ジャストで駆け抜けられては一溜まりもなかった。改めて中央勢の層の厚さを見せつけられた格好となった。
しかし今回は地元同士の戦いだし、すでに牡馬オープン・あすなろ賞を制している実力馬。しかも牝馬限定なら一枚も二枚も抜けており、ほぼ死角なしの本命と見て間違いないだろう。
あえて不安を探せばマーキュリーCの疲れが残っていないかだが、それは実力がそれほど離されていない場合のこと。昨年、重賞ビューチフル・ドリーマーカップでコースレコードをマーク、またあすなろ賞でもレコードタイで駆け抜けていれば、たとえ疲れがあっても能力の違いで圧倒するだろう。
単不動。ここはヒモ捜しの一戦となり、その一番手にジュリアを指名する。3月の特別開催のA1、2級戦を逃げ切り、栗駒賞へ挑戦。さすがに一線級に交じって苦しい競馬を強いられて10着に大敗してオープンではきつい印象を与え、以降の2戦も3、5着に敗れてしまったが、前々走、そして前走と鮮やかに逃げ切って2連勝。特に前走は3歳ダート?1・セイントセーリングを振り切って周囲を驚かせた。
ただ、ご存知のように水沢1800mは内枠が圧倒的に有利。サイレントエクセルが1枠に対し、ジュリアは7枠。今回も是非、逃げたいところが、先手を取るのに脚を使ってしまうとちょっと微妙。ベストは1600mの馬だけに、ラスト1ハロンがきつくなるかもしれない。カギは前半でどう楽な競馬ができるか、それに尽きるだろう。
ドリームカーニバルはここにきて地力アップに加え、距離延長も克服できるようになった。昨シーズン途中までは守備範囲が限られてマイルでも苦戦の連続だったが、今季は距離への融通性を持つようになり、1800m戦でも2勝。
ウイングアローもそうだったが、アサティス産駒の成功例は二段階の成長をとげるケースがあり、ドリームカーニバルも同様のことが言える。枠順も2枠に入り、自分のポジションが取れるのが心強い。
マルカンジョオーは3走前のJRA条件交流・アンタレス賞で中央勢を一蹴。その勢いを駆って川崎・スパーキングレディーカップ(Jpn?)へ遠征。さすがに大幅なメンバー強化のためしんがり負けを喫し、帰郷初戦の前回はその疲れが懸念されたが、2着にまとめてまったく影響ないことを証明した。水沢1800mの持ちタイム1分55秒8もメンバー中一番(サイレントエクセル、ジュリアは未経験)で、時計勝負になればいい競馬に持ちこめるはずだ。
あとはB1級を勝ったばかりだが、昨年のフェアリーカップでグローリサンディの0・5秒差3着ミススズラン、前回ハイタイムで圧勝クルセイズも押さえが必要だろう。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?ジュリア
▲ ?ドリームカーニバル
△ ?マルカンジョオー
△ ?ミススズラン
△ ?クルセイズ
3連単は1を1着固定に7、2本線。あとは5、10、6を3着押さえ
馬複は1−7、1−2、1−5、1−10、1−6
<お奨めの1頭>
6レース ケイアイフォーユー
連勝は3でストップしたが、前回は展開のアヤ。地元に戻って仕切り直しといこう
今週から舞台は盛岡から水沢へと替わり、初日28日(土)メイン10レースはB3級「第1回風鈴賞」(水沢1600m)、10頭立て。
かつて岩手競馬ではアラブB級で同名レースが行われ、昭和50年から平成11年まで25回の歴史を重ねてきた。しかしアラブ競走廃止に伴い、平成11年をもって風鈴賞も休止。今回、8年ぶりに風鈴賞が復活したが、カウントは第1回。これに対する評価は分かれるだろうが、8年のブランク、品種も条件も変わったこと、そして心機一転という意味で第1回としたと思う。
ちなみに風鈴は岩手名産の一つで水沢江刺駅(新幹線)、水沢駅(東北本線)、盛岡駅などで数多くつるされており、通勤者、旅行者の心を癒してくれる。そう、とりわけ岩手では夏の風物詩として欠かせないのが風鈴なのだ。
さて本題。中心はノーブルウィングで動かない。中央7戦(うち1戦は地方交流・川崎7着)0勝から今年1月に転入。持ち賞金が“0円”だったため、最下級C3、その中でも最低条件からのスタートで当然と言うわけでもないが、2着に8馬身差のぶっち切りで圧勝した。
(ノーブルウィング 写真・佐藤到)
よく勝ち味を覚えると自信がついて一皮むけるケースがあるが、ノーブルウィングはその典型。以降もワンサイドに次ぐワンサイドで圧巻の6連勝をマークした。
しかし前々走2着に敗れ、連勝はストップしてしまったが、これは距離経験が1400mまでしかなく、いきなり1800mへ距離延長されたのに戸惑ったため。そのお返しとばかり、前回は2着に7馬身差をつけて逃げ切り、前々走のうっ憤を一気に晴らした。
マイルは今回初めてだが、前回で1800mは経験済みだし、すでに勝負付けも済んだメンバー構成ならほぼ死角なし。再び連勝街道を突っ走ってくれるに違いない。
相手も順当にルートマスターが演じる。こちらは時に取りこぼしもあるが、一戦ごとにレース勘を身につけて成長一途。前回は圧倒的な1番人気に支持されたアドマイヤウイングをまったく寄せ付けず、2番手追走から4角先頭のパーフェクトのレース内容で完勝した。父がサクラバクシンオーで母父ウッドマンなら1600mまでがベスト。ノーブルウィングが初のマイルに戸惑うようなら(大丈夫だと思うが)、逆転の目まであるかもしれない。
エイシンリトルオーは中央1勝、南関東0勝、東海2勝を経て今年4月に転入。格付けがC3スタートで相手にも恵まれたが、現在B3でも勝ち負けを続け、岩手<5.3.1.0>。すべて3着以上にまとめ、依然底を見せていない。そしてマイル経験の豊富さも見逃せない材料となる。
前回、アドマイヤウイングはルートマスターに完敗を喫したが、気配落ちはまったくない。シーズン当初は仕上がり途上のため、なかなか勝ち切れなかったが、叩かれながら徐々に上昇。ここ3戦1、1、2着にまとめ充実ぶりが目を引いているし、何たって夏に強い芦毛(真偽は確かではありませんが)。白い馬体を唸らせて豪快なまくりを披露してくれるか。
他では前回、ノーブルウィングの2着確保キザキノフラッグ、シャープな末脚が売り物のロイヤルプレミアムにもマークが必要だろう。
◎ ?ノーブルウィング
○ ?ルートマスター
▲ ?エイシンリトルオー
△ ?アドマイヤウイング
△ ?キザキノフラッグ
△ ?ロイヤルプレミアム
3連単は4、5を1、2着固定に8、3を厚め。あとは4を1着固定に5、8、3のフォーメーション。それに2、9を押さえ少々
馬複は4−5、4−8、3−4、2−4
<お奨めの1頭>
11レース チェリーフォティ
今季はメンバーが大幅に楽になり逃げ圧勝で5連勝をマーク。前回は2着に敗れたが、守備範囲の1400mなら巻き返して当然