この土曜日から、岩手競馬は舞台を盛岡競馬場に移しました。早速、25度に達する夏を思わせる陽気(というかもう、“暑さ”ですね)の中熱戦がくり拡げられ・・・。
いや、実を言いますとコース替わりによる傾向の違いにずいぶん悩まされたのですよ。今年は開幕後の水沢開催が長かったせいもあり、昨シーズン後半から数えると実に11開催連続で水沢競馬という事になりました。
C3級の馬には、もうずいぶん岩手で走っているのに盛岡は初という馬がかなりいて、ただでさえコース替わりは悩む所に輪をかけて難しくしてくれました。
月曜日くらいにはコースの傾向も掴めていればいいなあ・・・。
さて、月曜日はJRAとの条件交流戦が2鞍用意されています。せっかくなのでダブルメインという事にして、2レース予想しましょう。
まず10Rの『フレンドリーカップ アンタレス賞』。JRA500万下・岩手A2級の条件で行われるこのレース、例年の傾向だとJRA勢優勢なのですが、今年は岩手にこの馬がいます。それはマイネルヘルシャーです。
ここまで6連勝中、ダートに限れば11連勝中の同馬はいずれ間違いなくオープンで活躍すると見なされている器の持ち主。A2級も既に勝ち星を挙げており、今回の地元勢に対してはほぼ勝負付けが済んだと言っていいでしょう。問題はJRA勢ですが、500万下でもちょっと頭打ちという印象の面々ですから、ここはぜひとも撃破して欲しいもの。連勝継続の期待を込めて本命。
対抗はこれも岩手からロイヤルアリダー。B級からA2級に上がってちょっと苦戦しましたが徐々に慣れてきた気配、加えて軽い盛岡コースも得意の舞台。そろそろ実力発揮していい頃合いでしょう。
単穴でJRAナムラバンダム。長期休養明けの前走は不振でしたが、やはり勝負は叩かれた今回でしょう。来週から函館開催も始まるのにここに来たという事は、“もう一叩き”なのかそれとも勝ちを狙ってか。
後は距離短縮プラスのマルカンジョオー、そろそろ末脚決まらないかロックエモーション、この岩手の2頭を抑えます。
買い目は3枠4番マイネルヘルシャーを頭にまず8番・11番へ。4番頭のフォーメーションでガッチリ。3番・12番は配当を見つつ配分を。
8Rの『フレンドリートロフィー アメジスト賞』はJRA3歳未勝利・岩手3歳1勝級のレース。こちらはJRA勢が優勢と見ます。
本命はJRA・ハイレートクライム。前3戦は南関東の条件交流戦に出走、鞍上人気もあってかやや人気先行の気配で結果勝ちきれずに終わっていますが、前に行く競馬が板についてきた点には注意が必要。鞍上も万全で、森厩舎がいよいよ勝ちに来たと見るべきでしょう。
対抗はこれもJRAのクレイモアシチー。ここに来てレース内容がしっかりしてきているし、前走と3走前の条件交流戦ではそれぞれかなり強い相手に2着に健闘しているのも好感。
もう一頭もこれまたJRAからプリンセストロイ。2月以来になる分評価を下げましたが、新馬戦3着ならここなら優勝を争っておかしくないはず。
以下ちょっと離れてシールックスイープとロディーヒット。前者は距離延長を意外と苦にしなさそう。後者は逃げる競馬に開眼していれば狙い目が。
岩手勢を一頭も挙げませんでしたが、地元3歳B1級でも苦戦している状況ではちょっと厳しいと判断しました。
という事で買い目は、1番・6番・11番をBOXで狙い、馬体重等を見て2番・3番を加える形で。上位3頭で順当。
◇お奨めこの一頭
11R:ノーブルウイング
まだまだ連勝が続く器。相手は前走以上に強化されたが、それで配当に妙味が出るならむしろ強気に狙いたい。
3日(日)メインはオープン馬による短距離特別「第33回早池峰賞」(盛岡ダート1200m)、12頭立て。このレースの1、2着馬には7月1日に行われる重賞・岩鷲賞への優先出走権が与えられるが、同時にG?・クラスターカップ(今年は8月15日、水沢1400mで実施)へとつながる短距離ロードのスタートでもある。
人気はテンショウボス、ヤマニンエグザルトの2頭が集めると思うが、ここは思い切ってマツリダブロッコを本命に薦めてみたい。
デビューは03年6月。2歳戦の早い時期から使い始め、休んだことはほとんどなし。順調に使えなかったのは昨年1月8日、A1・エクセレント競走の競走除外のみで無類のタフさを誇っている。それだけでも敬意を表するが、通算成績が73戦20勝2着18回と5割以上の連対率をキープし、ずっとオープンを張っているのも見事だ。
盛岡ダート1200m戦を使うのは3歳・七時雨賞1着以来、実に3年ぶりのこと。持ちタイム1分13秒6もここでは明らかに見劣るのだが、マツリダブロッコは本質的にスプリンターではないかと踏んでいる。確かにダッシュ力では他のメンバーに比べて1歩も2歩も譲らざるを得ないが、行き脚がついてからの伸びは実にすばらしい。道中はおそらく追いどおしだろうが、オープンの短距離戦はハイペース必至。それならばマツリダブロッコにも十分チャンスがあると思う。
テンショウボスは川崎遠征の反動から完全に立ち直った。帰郷初戦の栗駒賞では大幅に馬体重を減らし、川崎記念から比べてマイナス22キロ。馬体の張り、毛ヅヤも良い時とは程遠い状態での出走だった。案の定、レースにも冴えがなく中団のまま5着に敗れ、今後にも暗雲が立ち込めていた。
しかし競走馬とは不思議だ。テンショウボスはその一戦を叩かれて気配がガラリ一変し、馬体重もプラス10キロまで回復。肝心のレースでも中団キープから豪快なマクリを決めて快勝した。
そして前走・あすなろ賞は最高のレース運びを見せて直線半ばで一旦抜け出したが、サイレントエクセルのイン強襲に遭って惜しくも2着に敗れた。これはサイレントエクセルが強かったもので仕方なしの結果。テンショウボス自身は完全復活を遂げたと見て間違いないだろう。
ただ今回は1900m戦を使った直後で、いきなり1200mに戸惑わないか。テンショウボスは決して器用なタイプではないので、それを考慮して対抗格とした。
距離適性から攻めればヤマニンエグザルトだろう。昨年終盤の活躍は記憶に新しいところで駒ケ岳賞、早池峰賞と水沢1400mの特別・重賞を2連勝。またトウケイニセイ記念(水沢1600m)でもテンショウボスの2着を確保した。
ただ、シーズン明けはA級・エクセレント競走1着、栗駒賞9着、シアンモア記念3着、あすなろ賞9着と好、凡走の落差が激しい点。元々、常識にかからない面があったが、信頼度比較で見劣るのは否定できない。しかし適性でアッサリ首位まであり得る。
ダンディキングの出方も気になるところだ。イメージはスプリンターだが、スタートダッシュはそれほどでもなく、加速がついてからのスピードの持続力が持ち味だ。
その意味からするとテンが速い1200m戦は合うか微妙だが、コンビを組むのは何をやるのか分からない草地騎手。時に意表をつく戦法に出てアッと言わせるのが同騎手で先行策ではなく思い切った待機策も考えられ、一気ごぼう抜きのシーンも。
以下、今季は精彩を欠いているが、水沢1400mで驚異のレコードを保持しているオリエントボス、盛岡1200mの持ちタイム一番ベルモントシーザーが押さえ。
◎ ?マツリダブロッコ
○ ?テンショウボス
▲ ?ヤマニンエグザルト
△ ?ダンディキング
△ ?オリエントボス
△ ?ベルモントシーザー
3連単は4、7、8のボックスを中心。あとは4、7を1、2着折り返しから8、3、11押さえ
馬複は4−7、4−8、7−8、3−4、4−11
<お奨めの1頭>
11レース サイレントイン
岩手転入後、4戦連続で2着とすべて連対。初の左回りがネックだが、今回はメンバーも手頃となり勝機到来