松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
さあ今週はいよいよ不来方賞。GI3着という素晴らしい実績を手にしたオウシュウクラウンも、この歴史ある地元重賞をパスすることなく参戦してきます。全国区になったオウシュウクラウンと、地元で抜けた存在となっているブラックショコラ、サイレントエクセルらが再び相まみえ、誰に軍配があがるのか…
と、その前に。オッズパークを通して今年度から岩手に興味を持っていただいたファンの皆様は、この「ふらいほう」とやらが何なのか解らない方が多いでしょう。
これは正しくは「こずかた」と読み、盛岡地方の古い呼び名とされています。かつてこの地に羅刹という鬼が現れ、里を荒らし回ったので、困った人々が三ッ石の神様(現・盛岡市名須川町の三ツ石神社)にお願いしました。すると神様は鬼を捕らえ、二度とこの地に来ないという約束の手形を神社の境内にある岩に残させました。…という伝説があり、この「二度と来ない」が「不来方」という名の由来とされています。
さらに、岩に押したという手形が「岩手」という県名のいわれであり、この巨岩は現在でも神社の境内にそびえ立っていて、ちょっとした観光名所になっています。また、鬼が退治されたことを喜んだ里人たちが神社で祝いの踊りを踊ったのが、盛岡周辺に伝わる「さんさ踊り」の起源なのだそうです。
ちょうど8月1日から、盛岡市では市内中心部の中央通を会場に「盛岡さんさ祭り」が開催されていまして、踊り手、太鼓、笛の行列が通りを埋め尽くし踊りまくっています。なんでも東北5大祭りに数えられるのだそうで、特に、太鼓が伴奏ではなく、祭りの主役としてかなりの人数が太鼓を叩きながら踊るので、なかなかの迫力ですよ。