7月2日メインは地方競馬全国交流重賞「第18回栗駒賞」。水沢1400mを舞台に行われるこの栗駒賞は、G?「第11回クラスターカップ」(1着賞金3000万円 盛岡ダート1200m)へもつながる道で、北海道からタイギャラント、南関東からハタノアドニス(船橋)、バニヤンドリーム(大井)、ベルモントソレイユ(大井)の4頭が参戦する。
当初、東海地区からもパワフルボーイ(笠松)、ケイアイダンシング(名古屋)のエントリーもあったが、出走を回避。よって岩手から繰り上がり7頭、そして遠征馬4頭のフルゲート12頭で覇を競い合うことになった。
すごく難解な一戦となったなぁ…が、まず正直な感想だ。地区レベル、年齢、臨戦過程と各馬が一長一短のメンバーだが、過去実績ならハタノアドニスで断然だろう。3年前(2003年)にこの栗駒賞を制し、同年、G?・東京盃も優勝。そしてJBCスプリント(大井開催)でも結果は4着だったが、1番人気に支持されたほどの馬。また昨年のJBCスプリント(名古屋開催)で9番人気ながら、ブルーコンコルドの2着に食らいつき古豪健在を多くのファンの前でアピールした。
しかしその後はG?・兵庫ゴールドトロフィー8着、根岸ステークス16着と大敗を続け、4ヶ月の休養明けの前走G?・さきたま杯でも後方のまま12着としんがり負けを喫している。この一戦を叩かれた上積みはあるだろうが、やはり10歳の高齢馬。本命にはするのは難しく▲に落ち着くのではないだろうか。
では何が本命か?悩んだ末の結論は北海道のタイギャラントになった。中央7勝(うち2勝は地方交流)馬で、中央で走った5勝がすべてダート1200〜1400mに集中するダート短距離のスペシャリスト。ダートグレードでは3年前のプロキオンステークス4着が最高だが、オープン特別・霜月ステークス(2004年 東京ダート1400m)でも勝ち星をマークしている。
またホッカイドウ競馬へ移籍後も重賞・赤レンガ賞はジンクライシスの2着、前走・アドマイヤボス賞(オープン)では1着圧勝した。こちらも9歳の高齢馬だが、何と言っても順調度で勝るし、今回のダート1400m(小回りだが)はベストの条件。ここを勝ってクラスターカップの権利を取りたいところでもある。
逆転筆頭はベルモントソレイユと見た。南関東の重特路線を歩み、2年前には重賞・テレビ埼玉杯を優勝、ナイキアディライトを3着に退けている。気になるのはG?・黒船賞(高知)以来、3ヶ月ぶりの実戦だが、乗り込み量は豊富だと聞いたし、管理する調教師は岩手出身の高橋三郎氏。騎手時代からサブちゃんの愛称で親しまれ、調教師へ転業後も数々の強豪を輩出。先日のみちのく大賞典でも愛馬コアレスハンターを優勝に導いている。
また先にも記したが3年前、今回も参戦したハタノアドニス(当時)で栗駒賞を優勝した実績も見逃せない。サブちゃんが今度はベルモントソレイユで大駆けを目論んでいる。
一方、地元岩手の期待はトライアル姫神賞1、2着タイキシェンロン、ベルモントシーザーに集まる。タイキシェンロンは今季4戦1勝2着3回。みちのく大賞典2着で地元の意地を見せ、前回はベストの水沢1400m戦・姫神賞を順当勝ち。これで同条件は5戦4勝3着1回と絶対の自信を持っている。ただ、正直に言えば昨年ほどの破壊力が感じられないのも事実。
ベルモントシーザーは岩手で水を得た魚のように活躍中だ。南関東ではA2で頭打ちだったが、岩手転入後は<2.1.1.0>。距離が懸念されたみちのく大賞典でも3着に健闘。前回・姫神賞でも前がふさがるきつい競馬になったが、2着を死守した。このメンバーでは格的に見劣るが、勢いに乗っているのを重視したい。
バニヤンドリームも決して軽視はできない。B1級で優勝したばかりだが、マイル以下は<9.5.2.1>と驚異的な連対率。ベルモントシーザー同様、格比較では若干落ちるが、距離適正はもしかすると一番かもしれない。
こんな感じだから、本当に難しい一戦となったが、逆にどの馬が勝っても不思議なし。馬券的には非常におもしろい一戦であることは間違いない。
3連単はタイギャラントを軸に決めつけて1着固定。3から4、7、1、12、2と2、3着は広めに押さえたい
馬複は3−4、3−7、1−3、3−12、2−3
<お奨めの1頭>
11レース シラバス
シーズン当初は伸び切れずに終わっていたが、ここにきて完全復活。水沢マイル4戦3勝も強気にさせる