2021年のGP王者としてのぞんだ今年初の大舞台。第37回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」を制した大阪の古性優作選手(大阪100期)に喜びの声を伺いました。
大津:全日本選抜競輪優勝おめでとうございます。
古性:ありがとうございます。
大津:GP王者として走る初めてのGI戦で優勝されたお気持ちはいかがですか。
古性:今年GP王者のユニフォームを着て走る中で、S級S班としての戦いをこの1年で終わりたくないなという気持ちが凄く強かったので一回目のGIで決められて安心したというかホッとしたって感じです。
大津:今までとは立場が違う中でのGI戦。ご自身の心境面で違いはありましたか。
古性:今年の和歌山記念はしんどいと思ったんですが、そこからの高松記念、奈良記念と今回のGIはいつも通りの気持ちで走れたと思います。
大津:高松記念できっちりと立て直しが出来た理由はありますか。
古性:昨年のGPを走るにあたっての調整の仕方で和歌山記念はよくありませんでした。
GPの調整の方法が僕の中では2通りありまして、1つはできなかったんですが、もう1つはグランプリには間に合うけど、その後のレースではしんどくなるかなっていうイメージでした。その影響もあり和歌山記念は成績は落ちてしまったんですが、その後は自分の中で上がってきたので良かったです。
大津:全日本選抜競輪を迎えるにあたっても良い状態でのぞめたのでしょうか。
古性:良い状態で迎えられるはずだったんですが、奈良記念が終わったあとに左足の肉離れを起こしてしまって、そこまで大きい怪我ではなかったのですが、最終仕上げはほとんど出来ずにGIを迎えました。
大津:若干の不安要素を抱えながら迎えたのですね。
古性:そうですね、筋肉を締めきれなかったって感じですね。
大津:初日は特別選抜予選からのスタートでした。振り返っていかがですか。
古性:平原さん(平原康多選手・埼玉87期)よりも先に仕掛けるようにしたかったのですが失敗してしまいました。(太田選手(太田竜馬選手・徳島109期)と離れてしまった)山田さん(山田庸平選手・佐賀94期)の動きが想定外で、そこからの判断が難しかったです。その際にすかさず追い上げてきた平原さんの動きは凄かったですね。
大津:後方から諸橋選手(諸橋愛選手・新潟79期)を捌きながら捲る古性選手もさすがの動きを見せていたように感じます。
古性:かなり苦しくはなったんですが、何とか凌げたので良かったです。最後は2着まで詰め寄ったのですが諸橋さんところで脚は正直一杯でした。
大津:一走してみてご自身の感覚はいかがでしたか。
古性:思ったよりも大丈夫かなって思ったんですが、2日目の発走機に着いた時に肉離れが再発してしまいまして2日目からのほうがしんどい戦いになりました。
大津:レース中にまた肉離れを起こされたんですか。
古性:発走機から出た時に「バンっ」て弾けました。それの影響もありGI後の名古屋記念は欠場してしまいましたが、この大会は最後まで走り切ろうと思いました。
大津:その2日目のスタールビー賞ですが、スタートは郡司選手(郡司浩平選手・神奈川99期)が前を取った南関東勢の後ろからの組み立てになりましたね。
古性:南関東勢の突っ張りもあるかなと思い、まずはそこのラインを追走しました。赤板で山崎さん(山崎賢人・長崎111期)が強引に叩いたので難しい判断ではあったのですが、そこにスイッチしていったって感じです。最後は松浦君(松浦悠士選手・広島98期)が自力で捲っていって、自分の前には平原さんもいたのでどうしようもなかったです。あの展開になってしまうと自分はかなりきつくなりますし、気力的にも周りの選手に負けてました。
大津:準決勝では浅井選手(浅井康太選手・三重90期)と連携でした。
古性:後方から深谷さん(深谷知広選手・静岡96期)がカマシてきて嘉永選手(嘉永泰斗選手・熊本113期)を叩いた時にスイッチしたのですが、スイッチするので一杯一杯でしたね。
大津:そこから古性選手が捲っていきました深谷選手のかかりはいかがでしたか。
古性:めちゃくちゃかかってました。僕自身踏み込んだ感触も悪くはなかったのですが、とにかく深谷さんが強かったです。
大津:決勝戦が決まった瞬間の心境を教えてください。
古性:浅井さんとラインで決まったので、それが嬉しかったです。
大津:ここまで3走してみて状態に変化はありましたか。
古性:ここまでそんなにシビアなレースはしなかったのですが、状態的にやっぱり良くなかったので決勝はシビアに攻めないとダメだなと思いました。勝ち上がりのような走りではいけないと。
大津:決勝戦のメンバー出揃っての印象はどうでしたか。
古性:本当に強い選手ばっかりだったので、GIの決勝って感じのメンバーだなって思いました。
大津:古性選手の中で決勝戦はどういったところがポイントになると読んでいましたか。
古性:太田君も新田さん(新田祐大選手・福島90期)も縦脚が凄いですし、単騎の深谷さんや平原さんも凄いので本当にシビアに走らないと難しいレースになるなと感じてました。
大津:シビアにとは具体的にはどのようなレースなのでしょうか。
古性:捌くまではありませんが、油断が全くできない相手ばかりなので自分がこの位置と決めたら、そこは単騎だろうと一人も入れないなっていうようなイメージです。
大津:そういう意味では理想的な初手の位置はあったのですか。
古性:太田君か平原さんのどちらかが前になるかは分からなかったのですが、スタートを取ったラインの後ろからと思ってました。
大津:初手の隊列が決まった中で、どんな展開を想定されていたのでしょうか。
古性:新田さんが動いて自分が動いてっていうようなレースになるかなと思ったのですが想定外でした。
大津:赤板周回に入っても誰も動きませんでしたもんね。
古性:新田さんはトップスピードがあるので誘導員が残っていても何とも思わないと思うんですけど、僕はトップスピードがないので誘導員が残っている段階でヤバいなって感じてました。
大津:そのまま前受けから太田選手が先行しました。
古性:太田君の出脚のスピードが凄くて強烈でした。僕自身、踏み出しで少し口が空いてしまいましたから。
大津:最終バックあたりの局面はどのように捉えてらっしゃいましたか。
古性:太田君の掛かりが本当に凄くて1センターから行くのが理想でしたが行けませんでした。それなのに前の松浦君は楽そうでしたし、新田さんもこの太田君の掛かりの上を来るのかってビックリしました。
大津:最後はあの内のコースに行こうと考えていたのですか。
古性:いえ、そんなことはないです。中を割るしかないと思ってたのですが、内を空ける挙動が見えたので咄嗟に入りました。最初から内に入ってやろうという選択肢はゼロでしたね。
大津:捉えたという感覚はありましたか。
古性:はい、分かりました。
大津:優勝した時の思いはいかがだったのでしょうか。
古性:いやぁ、なんか嬉しくなかったですね。自分が1センターで行こうと決めていたのが行けなかったですし、最後は内を突いての優勝だったので、なんていうか他の選手との縦脚の違いも感じましたし・・・レースが終わってから、ほとんど決勝戦の映像は観てないですね。
大津:レース後の表情がGPの時とは対照的のように映りました。
古性:GPの時の喜びが100だとしたら今回が1くらいですね。良かったのは結果だけです。
大津:GP王者としてのぞんだ全日本選抜競輪というのは古性選手にとってどのような四日間となりましたか。
古性:なんだろう。脚は上がってないけど自信は持って走れた気はします。もっと縦脚をつけて縦で勝負できるようになっていきたいですね。
大津:前回のオールスターを優勝した時には脱毛器を購入されましたが、今回の賞金でご褒美は買われましたか。
古性:ロードレーサーを買いました。普段はバンクで練習することが多いんですが、たまに街道練習もするので新しいロードレーサーを購入しました。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。
古性:今年も応援してもらえるように頑張りたいと思います。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
今年5月にいわき平競輪場で行われる日本選手権競輪での『ガールズケイリンコレクション2022いわき平ステージ』。3つの競輪場で行われたトライアルレースで権利を掴み取った選手が出場できます。
1月に宇都宮競輪場で行われたトライアルレースを優勝した小林莉子選手(東京102期)に、レースの振り返りや現状、今年の目標などをお伺いしました。
山口:宇都宮でのトライアルレース、優勝おめでとうございます。
小林:ありがとうございます。
山口:今年最初の大きい開催だったと思いますが、意識していましたか?
小林:はい。今年3月のガールズケイリンコレクション(宇都宮)がおそらく補欠だろうと思っていたので、5月のコレクションの権利はしっかり取りたいと練習をしていました。優勝できて良かったです。
山口:特徴のある500バンクでのレースでしたが、仕掛けどころ等は気になりましたか?
小林:500バンクは難しいですね。初日に5着と失敗してしまいました。
山口:2日目への気持ちの切り替えはどうしましたか?
小林:コレクションの権利を取るには決勝に進まないとどうにもなりません。確実に決勝にいくには1着しかないと意識して走りました。
山口:2日目は久米詩選手の後ろからのレースでしたが、一旦は7番手におかれました。あの辺りはいかがでしたか?
小林:久米選手は年末から調子が良さそうだったし、初日も仕掛けていたので「後ろに引いても仕掛けていくのでは?」と我慢して、その仕掛けについていきました。
山口:久米選手が仕掛けた後の判断はいかがでしたか?
小林:しっかりついていって抜くだけだなと考えて走りました。「後ろからくる選手は誰だろう」と後方へ意識もできたので、余裕はありました。
山口:決勝戦はどういう組み立てでしたか?
小林:後方になるよりは前からレースをしたかったのでスタートは出ました。初手で後ろからの組み立てを嫌う選手が前に上がってくるかなという想定はあり、高木真備選手もあがってきたのでその後ろを選択したんですが、結果として最高の位置を取れました。
山口:高木選手が捲りにいき、直線は荒牧聖未選手との追い込み勝負でしたがいかがでしたか?
小林:荒牧選手も強い選手ですから「ゴール前まで脚をためているだろうな」と思っていました。でも焦らずに自分が一番のびるタイミングで踏もうとは思っていたので、勝てて良かったです。
山口:見事な優勝でした。トライアルレースは自分でコレクション出場の権利を獲得しにいきますが、この方式はいかがですか?
小林:緊張します!3日間通しての戦いなので、自分としては精神的な面で少し苦手です。1月のトライアルレースは、去年もそうですが、毎年成績が良くないんです。去年に比べたら、今年は2日目から修正できたのかなと思いますね。
山口:続いて、昨年の振り返りを少しさせてください。久しぶりにオッズパーク杯ガールズグランプリに出場でしたが、走っていかがでした?
小林:6年ぶりの出場だったんですが、グランプリメンバーのレベルの高さを感じました。
山口:昨年はどの辺りからグランプリは意識されましたか?
小林:11月競輪祭でのトライアルレースが終わるまで、決まったかなという手ごたえはなく、気が抜けない戦いでした。でも年始からはもちろんグランプリ出場は狙っていました。自分の動きも良かったし、怪我なく走りきれれば狙える感じはしていましたね。
山口:夏以降は連勝や連続優勝がありました。変えた部分は何かありましたか?
小林:試してきたことが良い方向へ出たかなと思いました。練習などもかみ合ってきて、使っているシューズなどの機材も一番デキが良かったです。
山口:年末はシューズに悩んでいるという記事を拝見しました。感覚はだいぶ違いますか?
小林:感覚はかなり変わるんですが、実はもともとそこまで敏感に変化を感じるタイプではありませんでした。でも昨年はグランプリが決まってから考えすぎてしまって、その迷いは自分らしくなかったかなと、今は思います。年末に調子を落としてしまったのは、それが理由かなと考えています。
山口:そこからグランプリへはどう修正したんですか?
小林:グランプリやコレクションは、自分の中ではお祭りみたいな感じなんです。普通の開催とは気持ちがだいぶ違って「一発勝負」という切り替わりがあるので、入ってしまえば全然気にならなかったんですが、その前の普通開催で「グランプリ出場決定した選手」という注目が集まってプレッシャーがかかってしまいました。そこがまだまだ未熟だなと思いました。
山口:グランプリは最後の追い込みが素晴らしかったです。優勝も見えていたと思いますがいかがでしたか?
小林:高木選手が仕掛けた時に「展開は向いてすごく良いな」と思ったんですが、あれで優勝できないのは自分と高木さん、他の強い選手との差がまだまだあるなと感じました。これから成長できる部分も見つかり今後の目標にもなったんですが、正直に言うと、すごく悔しかったです。
山口:そうですよね。でもグランプリの走りを見て、小林選手は一発レースで勝負強いなと思いました。
小林:そうですね。自分でも、勝ち上がりを意識して3日間戦うよりも、一発のレースにかける方が気持ちの面では得意だなと感じています。願わくばそこで優勝したいですね。
山口:いわき平でのコレクションはチャンスですね。
小林:そうですね。でも出場を決めた選手は、選考順位の上位選手たちがほとんどでした。実力を持っている選手が順当に権利を獲得したので、本番レースまでに仕上げて臨みたいです。
山口:位置取りを得意としている選手もたくさんいますね。
小林:そうなんですよ。大きいレースにいけばいくほど、同じタイプの選手は位置取り争いがシビアになります。レースの動きの中で一番良い位置が取れたらいいですが、そうは簡単にはいかないので、気合い入れます。
山口:この後のあっせんを見ると3月は松阪でのガールズ6レース制も入っていますね。
小林:そうなんですよ。ポイント制ではなく勝ち上がりのトーナメントは初めて走ります。初日に失敗して大きい着になってしまうと決勝には進めないので、集中していかないとと思います。苦手意識もあるんですが、頑張ります。
山口:頑張ってください!では今年の目標は何ですか?
小林:もちろん連続してのグランプリ出場ですが、そこで戦えるような力をつけないと優勝はできないと去年感じました。自分自身のレベルアップも含めて相対的に上げていきたいです
山口:具体的にはどこを強化したいですか?
小林:トップスピードです。強い選手との大きな差はそれだと思うので、しっかり仕上げて戦えるところまで持っていきたいです。
山口:まだ新型コロナウィルスの影響もあると思いますが、練習状況の変化はありますか?
小林:コロナ禍以降、自分がなってしまうのもこわいんですが、保菌していて他の選手にうつしてしまうのもこわいので、バンク練習には行かなくなりました。
でも最近は練習パターンが確立してきて、ワットバイクなどのマシンを使った室内練習やウェイトトレーニングなどをして、そこからレースへとうまく繋げていけるようになりました。それは収穫です。
山口:オフの時間や息抜きのお話も伺いたいです。SNSを拝見すると、ゲームをよくされているようですね。
小林:そうですね。普段からゲームが好きでよくやっています。後はガールズの選手たちと一緒にゲームの配信をたまにしています。今はお客さんと触れ合うイベントがなく交流ができないので、配信してコメントなどで交流をするのは楽しいです。息抜きにもなるし、交流もとても楽しいし一石二鳥です。
山口:お客様にとっても、交流はうれしいと思います。
ではいわき平のコレクションへはまだ時間がありますが、いわき平の印象は何かありますか?
小林:去年のオールスター競輪でのアルテミス賞レースで走っていますが、バンクの形状が特殊でお客さんが真ん中にいるのは他の競輪場にはないですよね。自分ではそれがイメージに残っていて走りやすいバンクです。
山口:そこでの活躍も楽しみにしています。では直近での目標は何ですか?
小林:5月のコレクション出場を決められたので、まずはそこでの優勝ですね。まだコレクションの優勝が一度もないんです。
山口:え!そうでしたか!
小林:そうなんですよ。最初のグランプリで優勝したきりで、コレクションはまだ優勝したことがないんです。大きいレースもガールズケイリンフェスティバル(7月)の決勝2着など、ビッグレースは2着や3着はあるんですがあと一歩及ばないので、優勝したいです。
山口:ではいわき平で、ですね。
小林:はい、頑張ります。
山口:では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
小林:いつも応援ありがとうございます。しっかりといわき平のコレクションで優勝できるように仕上げていきますので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
昨年のKEIRINグランプリ2021を盛り上げるべく2021年12月26日(日)に全国無料放送のBS11で放送された競輪特番「チャベリバIV」にご出演いただいた吉村早耶香選手(静岡112期)に出演されたご感想と、四日市競輪場で行われるガールズケイリンコレクショントライアルレースへの意気込み、近況の状態などをお伺いしました。
山口:競輪特番「チャベリバIV」の収録はいかがでしたか?
吉村:楽しくやれましたし、芸人さんって大変なんだなと思いました。
山口:地元の静岡競輪場で収録でしたね。グランプリシリーズを盛り上げようという気持ちは地元選手の皆さんもありましたか?
吉村:はい、それはありました。
山口:静岡では二度目のグランプリ開催でしたが、決まった時はいかがでしたか?
吉村:地元なので目指したい気持ちはありました。でもそこには出られない、まだ届かないというもどかしい気持ちもありましたね。
山口:石井寛子選手(東京104期)もオッズパーク杯ガールズグランプリに出場する選手として一緒に出演されていましたね。石井選手はどんな先輩ですか?
吉村:質問したらいろんなことを教えてくださいます。たくさんの選手にも慕われていて、強いけど優しいです。
山口:同県の山口真未選手(静岡120期)も一緒でしたね。
吉村:はい。実はあの時が初対面だったんです。練習では静岡の選手には会わないので、初めましてでした。でもそこでしっかりしゃべれました。
山口:静岡のガールズ選手も層が厚くなってきましたね。
吉村:はい、多くなってきています。
山口:YouTubeで映像を拝見したんですが、とても面白かったです。吉村選手も、雨上がり決死隊の蛍原徹さんに突っ込まれるシーンもありましたね(笑)。
吉村:そうですね(笑)。意図していたわけではなく、私のオバカな面が見えちゃいました。
(山口:ぜひ実際の映像でご確認ください!選手たちのチャーミングな面がたくさん見えました。)
山口:いえいえ、とても楽しかったです!ニックネームを決めるコーナーでは吉村選手のイメージが覆りました(笑)。
吉村:面白くしよう!とは思っていなかったんですが、結果的にそうなってしまいました(笑)。
山口:収録の中で「地元の静岡競輪場で優勝をしたい」という言葉がありましたね。
吉村:そうですね。伊東温泉競輪場では優勝したことがあるんですが、地元・静岡だと緊張してしまってなかなか優勝ができないですし、1着も取れないので、やっぱり地元で優勝したいですね。
山口:地元を走るときはプレッシャーもかかりますか?
吉村:お客さんも多いですし、祖父母も見に来てくれます。身内の前で優勝したいというプレッシャーもありますね。
山口:収録では郡司浩平選手(神奈川99期)と隣でしたがいかがでしたか?
吉村:レースでもお会いしたこともなく話すのも初めてでしたが、収録前の待機時間に二人でいた時は気を遣ってしゃべりかけてくださいました。とても優しかったです。
山口:収録では郡司選手も、南関東でのグランプリを盛り上げようというお気持ちもすごく出ていましたね。
吉村:そうでしたね。盛り上げていらっしゃいました。
山口:収録は楽しくできましたか?
吉村:はい、とても楽しい収録でした。
山口:ありがとうございます。ではここからは、近況のレースについてお伺いします。
12月に松戸で優勝されたときに私もスタジオにいたのですが、久々の優勝だったんですよね。
吉村:あの時はありがとうございました。はい、4月以来の優勝でしたね。
山口:でも松戸の次の大垣でも優勝と、連続でしたね!
吉村:「連続優勝したい」という意識はなかったんですが、嬉しい気持ちはもちろんありました。私はコツコツやるタイプなので、意気込んではいませんでした。調子もそこまで良いとは感じていなかったんです。
山口:そうだったんですね。
吉村:はい。でもそういう時にこそ、ふと、優勝できちゃったりするんです。
山口:大垣の決勝は雪が降る中でのレースでしたよね。
吉村:そうなんです。あんな開催は初めてでびっくりしました。すごく寒かったですが良い経験になりました。
山口:今は一年で一番寒い時期ですが、寒いのはいかがですか?
吉村:好きじゃないですね。でも静岡は他の県と比べると暖かいし、雪も降らないので練習に影響はないです。
山口:練習の変化は夏と冬でありますか?
吉村:いや、そこまで変わらないですが、ウォーミングアップの時間を夏よりも多く取るなど、体を壊さないように気を付けています。
山口:今はどんな練習をメインにしていますか?
吉村:以前は練習量を重視して、とにかくたくさん練習していました。でもレースの間隔が空いたり詰まったりと月によってバラバラなので、量だけを重視すると自信が持てなくなりうまくいかなくなりました。今は質を上げたり、内容を重視してするようにしたら、調子も良くなってきました。
基本的な練習は街道が中心ですが、雪も降らないししっかり乗り込んでいます。ダッシュ練習を時々入れたりして強化をしています。
山口:練習仲間はどなたですか?
吉村:引退された村本大輔さんが師匠で、そのグループである藁科軍団の皆さんですね。松江健一選手(静岡72期)や村本慎吾選手(静岡94期)とはよく一緒に練習させてもらっています。あと、妹がいるんですが、先日の合格発表で養成所124期に受かったんです。
山口:そうでしたか!合格おめでとうございます。
吉村:ありがとうございます。昨年の試験は一次試験で落ちてしまったんですが、そこから1年間一緒に練習していました。でも合格したので、今年1年はいないんですけどね。今までは妹を練習相手として一緒にやれていたので、それも刺激になっていました。
山口:妹さんは自転車経験があったんですか?
吉村:いえ、私と同じように陸上からの転身です。
山口:お姉さんの影響もあったんでしょうか?
吉村:そうなのかもしれません。真似して陸上もして、自転車に転身して、という感じですね。
山口:でも転身されて合格するのは素晴らしいですね。
吉村:何とか合格できてほっとしました。
山口:卒業してくるのが楽しみですね。
吉村:そうですね。頑張ってほしいです。
山口:ガールズの選手も、先ほどの石井寛子選手、貴子選手もですが姉妹レーサーも増えてきていますね。
吉村:確かにそうです。あんまり珍しくなくなりましたね(笑)。
山口:2022年は伊東温泉を走った後、取手は欠場でしたが体調はもう大丈夫ですか?
吉村:はい、取手は追加でいただいていたんですが、ぎっくり腰になってしまったんです。情けなくて申し訳ないです。
山口:そうでしたか。次は1月末の四日市競輪場でのコレクショントライアルレースですよね。
吉村:そうなんです。腰はもう大丈夫なので、なんとか頑張りたいですね。
山口:メンバーを見ていかがですか?
吉村:もうみんな強いです!でも久々にそういう強い選手ばかりのレースに出場できるので、どれだけ自分が通用するか試したいし頑張りたいです。
山口:四日市競輪場の印象はいかがですか?
吉村:冬は風もあり重たいイメージがありますね。でも風はみんな状況は一緒ですし、静岡も今、結構風が強い時も多いんですが、そんな中でも練習はしっかりできているので自信を持って走りたいです。
山口:年末の連続優勝は自信に繋がりますか?
吉村:んー、そうでもないかもしれません。2着の選手に迫られてのギリギリでの優勝ですから。でも「優勝できた」という結果は良い方に受け止めて自信を持っていいのかなと思うようにします!なかなか自信を持てないので・・・・・・。
山口:はい、自信にして頑張ってください!今年の目標は何ですか?
吉村:少しでも多く優勝をしたいです。それで大きいレースを走りたいですね。
山口:一番近いところでは、7月のガールズケイリンフェスティバルですか?
吉村:はい、そこに選ばれるように頑張りたいです。去年までと同じ選考基準でしたら、昨年11月から今年4月までの優勝回数と競走得点の上位者なので、このままもっと優勝して選ばれるように頑張りたいです。
山口:話題を少し変えて、リラックスできる時間はどんな時ですか?
吉村:んー、なんでしょうか。
山口:以前お話を伺ったときは、ペットと一緒にリラックスをしているとお話されていた気がしました。
吉村:あ!そうです!以前は文鳥を飼っていて、祖母の家にいたんですが逃げてしまい(苦笑)。悲しみのあまり最近は犬を飼いはじめました。
山口:そうだったんですね(笑)。
吉村:犬の世話をして、一緒に過ごすのがリラックスできる時間です。
山口:リラックスの時間と練習時間、良い雰囲気のように感じます。
吉村:はい、良いリズムでレースに臨めていると思います。
山口:ご自身の戦法について、今はどう考えていますか?
吉村:自力を出せるところはしっかり出していきたいです。その結果、確定板にのる(3着以内に入る)ことを目標にしています。レース内容も小さくならないように、仕掛けどころがあった時は思い切っていくように心掛けています。
山口:位置取りよりは、タテ脚重視ですか?
吉村:はい、位置取りはあまり考えてもうまくいかないので、タテを意識しています。
山口:相手を見て作戦を変えたりしますか?
吉村:はい、それはします。うまくいかないことも多いんですけどね。
山口:いえいえ、そんなことはないですよ。松戸の優勝の時は2番手に飛びついて、そこからの捲りでしたよね。
吉村:あ、そうですね。あの時は、前からのレースで「誰か仕掛けてくるだろうな、こなかったら先行しよう」と思っていたので、ちょうど仕掛けてきた選手に飛びつけました。位置や作戦が良かったですね。
山口:仕掛けのタイミングなども、かみ合っていますか?
吉村:そうですね。仕掛けどころを逃さなければ最近は結果がついてきているし、うまくいかない時は逆に仕掛けどころが悪い時なので、かみ合うようにレースをしていきたいです。
山口:大垣は予選1で岩崎ゆみこ選手(茨城116期)と踏み合いがありました。動けるタイプの選手がいる時というのはどうでしょう?
吉村:最近はみんな動いてくるので、やりにくい時もあれば、逆に後ろにはまれて好位置を取れる時もあるので、その時々で違うかもしれません。でも同タイプの選手がいる時は悩みます。
山口:ありがとうございます。最後にお客様の応援はいかがですか?
吉村:名前を呼んでいただけるのはとても嬉しいです!
山口:チャベリバで決まったニックネームは呼ばれましたか?
吉村:まだなんです!誰も呼んでくれない(笑)。
山口:それも広まっていくといいですね(笑)。
吉村:普段は吉村の「よっしー」って呼んでくれる人が多いです!たくさん呼んでもらえるように頑張りたいです。
山口:最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
吉村:しっかり確定板にのって優勝も多くできるように頑張ります!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
デビュー10年目で迎えた初のKEIRINグランプリ。
近畿からはただ一人の出走となりましたが、その不利をものともせず大阪から初のGP王者となった古性優作選手(大阪府100期)にお話を伺いました。
大津:KEIRINグランプリ優勝おめでとうございます。
古性:ありがとうございます。
大津:改めてお気持ちはいかがですか。
古性:まさか優勝出来るとは思わなかったのですごく嬉しいです。
大津:GPから少し日にちが空きましたが実感などはありますか。
古性:実感は湧いていたのですが、年明けの和歌山記念がダメ過ぎて現実に戻されました。
大津:では、KEIRINグランプリについてお話を伺います。競輪祭が終わりメンバーが発表された段階から大一番に向けてシミュレーションなどはされていたのでしょうか。
古性:最初の二日間くらいはシミュレーションをしたのですが眠りの質が悪くなってしまったので考えるのはやめました。実際のGPで発走機に着くまで一切レースの組み立ては考えなかったです。
大津:練習メニューなどもグランプリ仕様というわけではなく普段通りだったのですか。
古性:そこまで深く考えずにといいますか考えないようにして練習していました。
大津:各ラインの並びが発表された時の印象はいかがでしたか。
古性:こんな言い方は誤解を招くかもしれませんが、本当にどうでも良かったです。どちらにせよ自分は単騎でしたので全く気にならなかったです。
大津:例えば松浦選手(松浦悠士選手・広島県98期)や清水選手(清水裕友選手・山口県105期)の前後関係などもどちらが前でも良かったということですか。
古性:もうどっちが前でもめちゃくちゃ強いですからね。どちらかが隙があるような選手なら、また僕の考え方も変わってきますけどね。今回の関東勢の並びにせよ(吉田(吉田拓矢選手・茨城県107期)-宿口(宿口陽一選手・埼玉県91期)-平原(平原康多選手・埼玉県87期))、どんな並びでこようがめっちゃ強いやんってなるのでいい意味で気にはならなかったんですよね。
大津:グランプリ当日の車番は4番車を選択されましたね。
古性:2012年のグランプリで村上義弘さん(村上義弘選手・京都府73期)が青の4番車で優勝したのをテレビで観ていて、とても感動したんです。自分の中でその時にイメージが強く残っていたので4番車を選びました。
大津:グランプリに向けて奥様からはどんな声をかけられて送り出されましたか。
古性:いや、何もないです。特に意識することなくいつも通りに送り出してくれました。
大津:12月のオッズパークのスペシャルライブで佐藤慎太郎選手(福島県78期)がグランプリは競輪場に入ってからはあっという間に時間が過ぎていくと仰ってましたが実際にはどうでしたか。
古性:本当に取材は多かったです。コロナの影響もあり少なくはなっているほうだとは思いますが、それでも多かったですね。色んな方から状態面とか聞かれたのですが、そんな短時間で状態面変わらへんよなぁなんて思えるくらいリラックスは出来ていました。
大津:指定練習で乗った時の感触はどうでしたか。
古性:そんな感触は良くなかったです。だから逆に「もうええかー」と前向きに開き直れました。
大津:グランプリシリーズには近畿勢も参加されていましたがグランプリを走る前にバンクコンディションとかはお話をされましたか。
古性:いや、特には話はしなかったですね。
大津:オールスター競輪の決勝戦は、なかなか前日眠れなかったそうですが今回は眠れましたか。
古性:めちゃくちゃぐっすり眠れました。家より眠れたんじゃないですかね。
大津:発走機に着いた時はどのような思いでしたか。
古性:今までは怪我しないようにとか風邪を引いて体調を崩さないようにとか調整していってレースを迎えられたなって感じだったんですけど、今またコロナの影響が各地で出ていて開催が出来ないかもしれない中でグランプリ本番を迎えられたので発走機に着いた瞬間はホッとした気持ちが大きかったです。レースに走れる喜びを感じました。
大津:お客様の雰囲気はいかがでしたか。
古性:本当に凄かったです。地響きっていうのはこういうことなんだって思いました。
大津:レースは関東勢の後ろからとなりましたが、あの判断は号砲が鳴ってから決められたのですか。
古性:スタートで各選手がバッて出て行ったので出たとこ勝負って感じでした。その時の閃きで関東勢の後ろにつけました。勝負どころでも関東勢の分断に行くラインもなかったので、想定よりも良いところを取れました。
大津:仮に各ラインの初手位置が違った場合は古性選手が関東勢の分断に行く可能性もありましたか。
古性:自分が初手から関東勢の後ろではなく中団、中団の立ち回りになっていたらもしかしたらラインの分断に行っていたかもしれません。
大津:鐘で吉田選手が主導権を握って古性選手は4番手キープとなりました。
古性:後ろに郡司君(郡司浩平選手・神奈川県99期)が入ったのも分かりましたし、普通に先行しても強い吉田君が関東の先頭で凄いピッチで駆けていたので後ろに付いていても大変でした。風が強い中でとても吉田君は掛かっていました。
大津:その中で2コーナーからすかさず捲っていきました。
古性:もうあそこは決めていました。後ろを見ずに自分がここって思ったタイミングで思い切り踏んでいきました。
大津:2012年のグランプリでの村上義弘選手と同じような仕掛けになりましたね。
古性:そうですね、村上さんのグランプリの映像を何度も何度も観返していたので、実際に今回のレースも走っている最中にそんな仕掛けになるだろうなって思ってました。
大津:踏み込んでからはいかがでしたか。
古性:郡司君か平原さんが僕の後ろに入っていると思ったんです。出切った瞬間に、後ろで車間がパンて空いたのが分かったのですが、逆にその車間が空いたほうがゴール前で怖かったです。真後ろにいられるほうが踏み直しとか出来るんですが、車間が空くと僕を目標に物凄い勢いで来られるケースもあるので全開で回しました。
大津:ゴールした瞬間に優勝の確信はありましたか。
古性:そうですね、もう分かりましたね。「あれあれあれ、オレやん。」ってなりました。
大津:ゴールした後のお気持ちは覚えてますか。
古性:まさか自分が優勝できるとは思ってなかったのでびっくりしました。大歓声の中でのウイニングランはとても気持ち良かったです。静岡はいつも応援が凄くて本当に楽しかったです。オールスター競輪を獲った時とは、また違った嬉しさがありました。
大津:グランプリ終了後、周りの反響はいかがでしたか。
古性:皆さんからたくさんの連絡をいただいて、とてもありがたかったです。
大津:これで3年連続4番車の優勝です。今年は4番車の獲得合戦になりそうですね。
古性:確率的に4連続はないんじゃないですか。僕まででってことにしといてください。
大津:年明けには岸和田競輪場のCS中継にもお越しくださいました。
古性:公開放送なのですが本当にたくさんのお客様が来てくださっててびっくりしました。「おめでとう。」「おめでとう。」っていう声を色々な方からかけていただきましたし。 岸和田競輪場でお客様の前で報告が出来て嬉しかったです。
大津:そして2022年のレースが和歌山記念からスタートしました。GP王者として気持ちの変化はありましたか。
古性:気持ちの違いはありませんでした。ただ、パフォーマンスが郡司君や松浦君、佐藤慎太郎さんが凄く良いなかで僕はずっと12レースを1番車で任せてもらってたので本当に僕で良いのかなっていう申し訳なさがありました。
大津:他のラインから警戒されてスタートを取らされる場面もありました。
古性:自分の持ち味を活かすようにレースを組み立てたかったのですが、その辺りは難しかったですね。そういうレースになってしまった時の対応というのは今年の課題として持っておかなければいけないのかなぁと思います。
大津:GP王者として今年の目標を教えてください。
古性:GI優勝をして、またGPに乗るのはもちろんなんですが、高いレベルで安定したレースを見せていきたいです。
大津:それでは最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。
古性:年始早々低いレベルのレースをしてしまい申し訳ございません。ここからパフォーマンスの高いレースを見せれるよう頑張りますので応援してくれると嬉しいです。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社