6月29日から平塚競輪場で行われたガールズケイリン10周年を記念したレース『オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary』。
マキバオー賞を優勝したのは佐藤水菜選手(神奈川114期)でした。レースの振り返りと、ナショナルチームでの活躍などお話を伺いました。
山口:平塚での『ALL GIRL'S 10th Anniversary』完全優勝おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
山口:児玉碧衣選手との同着の優勝でしたね。
佐藤:最終バックストレッチでは「前まで少し遠いかな」と感じたんですが、2センターでは届くと思いました。
自分としては差して1着かなと感じていたので、写真判定中はヒヤヒヤしていました。同着でしたね。
山口:決勝は、佐藤選手が仕掛けようという所でスピードがあがったように見えたのですがいかがでしたか?
佐藤:そうですね。児玉選手の後ろにいくか、そのまま鈴木美教選手の後ろにいるかはずっと迷っていました。
前のスピードがあがるのは想定しており、児玉選手も遅くてもバックストレッチからは仕掛けると思っていたので、私は何も考えず大外の捲りかなと考えていました。
山口:想定通りだったんですね!
佐藤:そうですね。余計な事はあまり考えてなかったです。感覚で走っていました。
山口:では3日間を振り返っていきます。アジア自転車競技選手権大会が終わってインドから帰国直後のレースでしたが、コンディションはどうでしたか?
佐藤:もちろん疲労はありましたね。なので、とにかく早く寝て、レース前までは体を休めることを何よりも考えて行動していました。
山口:ナイターでしたから、休める時間も昼間の開催よりは多くありましたよね。
佐藤:そうですね。後は暑さも心配していたんです、インドもとても暑かったので。なので気持ちの面でも、ナイターで良かったですし、後半のレースだったのも良かったですね。
山口:地元での開催でしたが、お客様の雰囲気はいかがでした?
佐藤:すごく声援が多かったです。名前をたくさん呼んでもらいました。久しぶりのガールズケイリンのレースでしたが、地元を走れて嬉しかったです。
山口:前検日からオープニングセレモニーもありましたね。参加選手全員が女子という雰囲気はいかがでしたか?
佐藤:全員が女子だったので和気あいあいと楽しかったです。レース以外は本当に楽しい開催でした。
普段は控え室や宿舎など男子と一緒なので、時間も制限がある部分が多く肩身が狭く感じますが、お風呂も自由な時間に入れたり、とストレスフリーでしたね。
今後もオールガールズ開催が増えていったら良いなと本当に思いました。
山口:今回は売上や集客でも目標を上回りました。選手もそれを意識されていたと伺いました。
佐藤:そうですね、私たちもかなり意識していました。売上目標を1億円も上回ったのは本当にすごい事ですし、女子だけのレースでこれだけ売れるんだと知ってもらえる良い機会になったと思います。
ファンの方もたくさん来てくださっていたので、施行者さん、選手、ファンの皆さんと三方良しの大会だったのではないでしょうか。
山口:開催後には選手の皆さんが、「レースの売上金額も日に日に意識して、良いレースをしたらもっと買ってもらえるからみんなで盛り上げようと思っていた」とSNSで発信されているのを見ました。佐藤選手もそうでしたか?
佐藤:はい、意識していました。走り終わった後にすぐ売上がわかる状態だったので、1レース毎にチェックしていました。
でも、その場で私たち選手ができることは「自分の走りをして良いレースを見せること」なので、その後はもうお客さん頼みでしたね。
山口:どのレースも白熱したレースでした!
佐藤:トーナメント制なのも大きいと思います。初日は誰にでもチャンスがあるし、普通のポイント制よりは気合いが入ります。
上位選手はプレッシャーもかかるかもしれませんが、競走得点が低くても一発のチャンスはありますしね。
山口:仲良しの柳原真緒選手も優勝でしたね。
佐藤:シャンパンファイトの時にあまりにも自分の顔面にかかるので、「私が失敗して顔にかかったのかな」と思っていたんです。そうしたら児玉選手が私の顔にかけていたのを後で知りました(笑)私はそれを知らずに、柳原さんにシャンパンをかけたんですが、それは「正しい選択をしてたんだ」と胸を張って言えますね!(笑)
山口:そうでしたか(笑)表彰式の柳原選手の笑顔もとても楽しそうでした!
佐藤:いつも走る前や、こういうダブルトーナメントの時などはお互いの組が違ったのを確認して「今回違う組で良かった。お互い優勝して114期のアベック優勝を目指して頑張ろうね」と自然と言い合うんです。なので今回お互いが優勝して良かったです。
山口:柳原選手はガールズケイリンコレクションを優勝してどんどんパワーアップしている印象ですが、刺激は受けますか?
佐藤:そうですね。でも対戦するときは仲良しだからと言って手加減はせず、ガンガン力勝負をしたいです!
山口:平塚の開催前には共同記者会見がありました。雰囲気はいかがでしたか?
佐藤:お客さんの前でのイベント等は参加させてもらったことはありますが、共同記者会見は機会があまりありませんでした。場所もすごかったし、気持ちが引き締まりました。でも和やかな雰囲気でした。
山口:では続いてアジア選手権のお話もお伺いします。初めての国際大会での金メダル、おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
山口:金メダルを獲得したのは、一つ区切りになりますか?
佐藤:はい。タイトルホルダーになれたのは大きな変化ですし自信になりました。
山口:日本勢が大活躍だったみたいですね。
佐藤:そうですね。実は行く前から「金メダルを獲得するのは大前提で、それ以上のものを持って帰ってこよう」と言われていました。なので金メダル獲得は嬉しいですが、それ以上の気持ちで参戦しました。みんな緊張感はありましたね。
山口:何かつかんだことはありますか?
佐藤:ガールズケイリンの開催は、発走予定時刻がきっちり決まっておりほとんど変更はありませんが、競技は発走の時間が変更になることはしょっちゅうあり、完璧に時間を見てウォーミングアップをすることはできません。
でもそれに対して、焦りや苛つきなどマイナスの方向に気持ちが行かないようにコントロールができました。他には、私は去年の5月から国際大会を経験していますが、ずっと冬のシーズンで暑い時期に走るのは今回のインドが初めてでした。暑さへの対処の仕方はできました。
山口:暑いインドで体調も整えて、しかも結果を出すのは素晴らしいです!
佐藤:ありがとうございます。気温にはどうしても左右されるので、その中でコンスタントに結果を出していかなくてはならない難しさは今回経験できました。
山口:次の大会は決まってますか?
佐藤:7月末に伊豆のベロドロームで大会があります。そこにも出場する予定です。
山口:ガールズケイリンを走るのが、今回の平塚までに約2か月空きました。レース勘などの不安はありましたか?
佐藤:「ハイレベルなアジア選手権を経験したから大丈夫だ」と自分に言い聞かせていました。正直に言うと、毎レースかなり緊張はしていますね。
でも3日間で、決勝に向けてだんだん感覚や気持ちなどを調整していくというのは、ナショナルチームに入ってからの課題でしたし、初日は気合いで乗り切りました。
山口:次のガールズケイリンの予定はガールズケイリンフェスティバルです。またポイント制に変わりますが、そこへ向けてはいかがですか?
佐藤:目指すのは優勝だけなので、リラックスしてやれることをやるだけです。平塚では同着優勝だったので、今度は私単独で優勝したいです。
山口:その後はオールスター競輪で行われるガールズドリームレースに選出されました。初めてのドリームレースに選ばれたお気持ちはいかがですか?
佐藤:とても嬉しかったです。去年は周りの方が「あなたならドリームレース走れるよ」と言っていただけていたんですが、アルテミス賞レースでした。走れる14人に選ばれただけで嬉しいんですが、正直悔しさもありました。
でも去年は「アルテミス賞は勝ったことないから、絶対勝つ!」と思って走り勝てたので、今年もドリームレースで勝ってタイトルを増やしたいです。
山口:ドリームレースではナショナルチームからも小林優香選手、太田りゆ選手が選出されましたが、意識しますか?
佐藤:いつもビッグレースになるとナショナルチームのメンバーはいます。手の内がお互いわかっているという面で戦いにくさはありますが、自分の出せる力を最大限に発揮して正々堂々と頑張りたいです。
山口:現在の練習状況はどのような感じですか?
佐藤:ナショナルチームでパリオリンピックへ向けて練習しています。ウェイトトレーニングも重要視しており、毎日筋肉痛になっています。良い刺激が入りまくってます(笑)
山口:休日はどれくらいの間隔でありますか?
佐藤:ほぼ休み無し、と言ってもいいかもしれません。インドから帰ってきて平塚に参加し、と連戦している感覚です。
山口:気持ちの切り替えはどのようにしていますか?
佐藤:ガールズケイリンの開催が心の休養だと思っています。そこでしっかり気持ちを切り替えようと言い聞かせて、なんとか毎日頑張っています。
山口:以前お話を伺ったときは「時間をきっちり管理されてトレーニングする方が向いている」と仰っていましたが、今も変わりませんか?
佐藤:はい、変わりません。自分一人だと規則正しい生活ができないと思うんです。練習時間が毎日決まっており「明日は●時に練習スタートだから、今夜は●時までに寝よう」と練習の時間を中心にして、その日の生活を組み立てています。
そのおかげでインドからの時差ボケもないですし、整って生活できて充実しすぎているくらいです(笑)
山口:結果も伴ってきていますよね。
佐藤:それが一番嬉しいです。頑張って努力したことが報われます。
山口:このあと国際大会もですが、ガールズケイリンでもビッグレースが続きますね。
佐藤:はい、優勝だけを見て頑張ります。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:ガールズケイリンを走れる機会は今年もあとわずかになると思います。
その中でファンの皆さんとお会いできるのは凄く楽しみですし、皆さんもそう思っていただけたら嬉しいです。また有観客のレースの時は名前を呼んでいただけると2倍頑張れるので、これからも応援よろしくお願いします。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
-------------------------------------------------------
※写真提供:公益財団法人 JKA
2022年。躍進が光る眞杉匠選手(栃木・113期)。今年2度目の記念制覇、そしてオールスター競輪に向けてのお話を伺いました。
大津:小松島記念(GIII)優勝おめでとうございます。
眞杉:ありがとうございます。
大津:二度目の記念制覇となりましたがお気持ちはいかがですか。
眞杉:嬉しいです。高松宮記念杯競輪(GI)くらいからあまり調子が良くなくて、ちょっと連日悩みながら自分の競走が出来ない中での優勝だったので、その状態の中で勝てたというのは大きいですね。
大津:シリーズをのぞむにあたって理想の状態ではなかったということですか。
眞杉:初日特選で先行したんですが、最終バックも取れずに捲られてしまいましたし、2日目、3日目もカマシに行っても出切れないような感じで状態は良くなかったです。
大津:勝ち上がりの段階で最終バックを取れないレースは今年なかったですもんね。
眞杉:そうですね。季節の変わり目で体調が合わなくて・・・なんですかね。
なんか急に暑くなって体調が悪いというか夏バテ気味というか。他の選手も条件は一緒なので、そこに対応しないといけないんですけどね。
大津:私たち一般人からしても、この暑さは堪えます。
眞杉:もうアップの段階から暑すぎて大変です。小松島競輪場はアップする場所が外なので灼熱の中、海風を浴びながらアップしてました。
控室はクーラーが効いていて涼しいんですが、そことの寒暖差でも疲れてしまいました。
大津:先ほど高松宮記念杯競輪でも状態が良くなかったと仰ってましたが、宮記念杯では存在感を示していたように感じました。
眞杉:宮記念杯は自転車に乗ってる感じが凄い悪かったんですけど、タイムは良いし、2次予選で敗けてはしまいましたが着も悪くなかったんですが、なんだろう回せない感じだったんです。
いつもの自分のパターンに持ち込んで出切ったとしても脚を上手く回せず、踏みつけてしまっちゃってたんですよね。いつもレースの前後にマッサージに行くのですが、宮記念杯終わって身体を見てもらったら先生にいつもと全然違う身体の張り方をしているって言われました。
大津:今までも同じような感覚に陥ったことはあったのでしょうか。
眞杉:けっこうあります。波のあるタイプなので。小松島記念で先行はしましたが、絶対持たないなって感じでした。
感覚としては宮記念杯での先行と一緒だったんです。岸和田では先行して11.3秒くらい出ていたのでタイムは悪くなかったんです。でも小松島ではタイムも出ないし、いつもと全然違いました。
大津:シリーズの中で修正が出来そうな感じはありましたか。
眞杉:いや、なかったですね。気持ちの面でも悪い方向に進んでしまい、勝てるビジョンも見えなかったですし余裕もなかったです。
大津:話を聞いていると名古屋記念(GIII)を取った時とは雲泥の差ですね。
眞杉:名古屋記念の時は練習の感じはいつも通りだったんですが、走ってみたらめちゃくちゃ良かったんですよね。そこに向けて仕上げていたとかではないんですけど、たまたまそこで調子が良かったというか。
僕今まで調整ってしたことなかったんです。名古屋記念取って、その後の地元のウィナーズに向けてがっつり練習したらオーバーワークになってしまい、レースで全然力が入りませんでした。そこから調整してみようと思って、ダービーに向けて調整をしてみたんです。
大津:調整というのは具体的にどのようなことをされたのでしょうか。
眞杉:練習量を減らしました。これにより感覚としては良くなってはきたんですが、練習量を減らしたことによって自分の中で強くなっているかといえばそうではなく、疲れが抜けているだけだったんですよね。
それに気づいたので今は練習量を戻している状況です。
大津:その辺りは先輩方にも相談したりするんですか。
眞杉:そうですね、けっこう色々話を聞いてます。マッサージだったり、休みの頻度だったり、練習量だったりとヒントをもらっています。まだ手探りです。
大津:その中での小松島記念だったんですね。
眞杉:練習量を戻している段階で、まだ若干疲れが抜け切れてない状態でした。
大津:決勝戦はどんなレース展開をイメージされてましたか。
眞杉:最終的に先行するのは四国勢だと思っていたので、そこに付いて行って道中捲れればって思ってました。
ただ、実際は勝負所で高久保さん(高久保雄介選手・京都100期)がカマシそうな雰囲気があったのでそこで頭を切り替えて上手く追走が出来ました。
大津:高久保選手の後位から2角付近ではすかさず捲っていきました。
眞杉:あっ、3番手だと思い、そこに入ろうとしたんですが、ここで3番手もキープしててもしょうがないないなと思い自分で仕掛けました。
大津:3番手というのは絶好の位置に思えるんですが。
眞杉:僕の調子が良くなかったですからね。そこでジッとしてて後ろから捲りが飛んできた時に、内で詰まって何もできないまま終わってしまうよりかは、仕掛けてダメならダメでと思い踏んでみました。
状態は悪かったですけど、その中でも出し切って終わりたかったです。
大津:踏んだ手応えはいかがでしたか。
眞杉:連日最悪だったんですが最終日は若干良い時に近い感覚に戻ってて良い感じでした。踏んだ距離がいつもより短かったというのもあるかもしれません。
単騎だったので、気楽にというと誤解を招くかもしれませんがリラックスして走れました。
大津:ゴール前は志智選手(志智俊夫選手・岐阜70期)との接戦でしたね。
眞杉:出切ってからは前しか見てなくて4角を先頭で回ってきたときに「これはあるぞ」と思ってたんですが、最後志智さんが横まで来てたんで最後まで分からなかったです。
大津:押し切った感覚はなかったんですか。
眞杉:3着までには残ってんだろうなぁとは思いました。先行してると分かんないんですよ、後ろからスピード良く来られるんで。
実際に自分が残ってる時でも抜かれちゃったかなぁって思うことはよくあるんです。
大津:序盤にも触れていただきましたが、調子が上がらない中での優勝というのは改めていかがでしょうか。
眞杉:本当に自信になりますよね。調子が悪いと捲れるイメージもないし逃げ切れるビジョンも見えないし、決勝に上がれたってだけでも大きかったんですよ。
だっていつもの自分の負けパターンばかりでしたもん。出切れずに外で浮いてしまい終わってしまうっていう。
大津:先ほど単騎のお話が出ましたが単騎でも本当に強いですよね。
眞杉:過去にも何度かありますけど良いですね。後ろがいないから気楽に走ってるからですかね。焦らず自分のタイミングで行けてるというか。
大津:対戦相手からすると逃げても強い、単騎でも強いというのはかなり厄介だと思うのですが。
眞杉:単騎はたまたまですよ。単騎で走る前は余裕も自身も全くないですから。今回だって調子が悪い中で決勝に上がれただけでも良かったなって感じで、決勝戦も一人でも多く抜けたら良いなって思ってたくらいですから。
大津:今年のGIでは全て最終BKを取っていますが、この辺りは意識しているんですか。
眞杉:そうなんですか、全部BKを取ってるのは知りませんでした。特別意識はしてないです。
去年のダービーの決勝戦で何もできずに終わってしまって、そこから自分の得意パターンに持ち込めなくても勝てるようにって思いながら走ってたんです。だけど、それが全然思うようにいかず逆にやらかすレースが増えてきたんです。
大津:と言いますと。
眞杉:例えば先行ではなくて、今日のレースは捲りでいこうと最初から決めて走ると捲れずに外で浮いてしまったりと、自分の中では上手く立ち回りたいと思えば思うほど悪い方向にいってしまい、やらかしちゃうって感じでした。
僕、不器用だからそういうのは考えちゃダメなんだ。上手く走るんじゃなくて、とりあえず全部先行しようって思い意識を変えてレースにのぞんだら内容も良くなって点数も上がってきたって感じですかね。
なのでGIだけ先行という感じじゃなくてレースグレードに関係なく前々に攻めるようにしています。
大津:その結果、現在賞金ランキング13位で競走得点も114点台に上がっています。
眞杉:去年よりは成長出来ているかなとは思います。前回の宮記念杯は2次予選で敗けてしまったんですがGIの決勝には常に乗れるようになりたいです。
大津:眞杉さんは敗けたとしても、後ろに付いた選手は勝ち上がるというレースも多いですよね。
眞杉:そうですね、なんか自分が勝とうと思うと結果敗けるパターンが多いので、ラインで勝てるように走っていると自分も残れることが多くなって、点数も上がってきたイメージですね。
大津:そして8月に行われるオールスター競輪(GI)では17位に選出されオリオン賞からのスタートとなりました。
眞杉:いやぁ、嬉しいの一言です。去年は恐らく27位か28位くらいでしたので。
大津:ファンは眞杉選手のどんな所に魅力を感じて投票してくれたのだと思いますか。
眞杉:うーん、どうでしょう・・・。去年よりやらかすことが減ってきたからじゃないですか(笑)。
大津:先行力じゃないんですか(笑)選んでいただいたファンにどんな姿を見せたいですか。
眞杉:自分のスタイルを変えずに積極的に動いていきたいです。
大津:オールスターが行われる西武園競輪は平原選手(平原康多選手・埼玉87期)のホームバンクにもなります。
眞杉:勝ち上がりの段階で連携する可能性はありますから自分の調子が悪いなぁって感覚では大会に挑みたくはないですね。そこに向けて自分の状態をしっかり持っていけられるように頑張ります。
大津:西武園競輪場との相性はいかがでしょうか。
眞杉:FIで2回くらい走ってますかね。前回走った時に決勝でやらかしてますね(笑)捲れなかったです。
大津:ではオールスターでは先行して、ですね。
眞杉:そうですね、自分のスタイルを崩さずに前々に攻めてラインで決めたいです。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。
眞杉:自分のレースをして、先行で決勝戦まで勝ち上がりたいです。応援よろしくお願いします。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
-------------------------------------------------------
※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
先日、地元の久留米記念で見事優勝を飾った北津留翼選手(福岡90期)。
37歳にしてまだまだ衰えることのない自力の秘密、そしていつも温厚な翼スマイルの中に、どんなものが秘められているのか?じっくりと迫ってみました。
橋本:先日の久留米記念は優勝おめでとうございます!
北津留:はい、ありがとうございます~。
橋本:地元地区での記念優勝、喜びもひとしおだったんじゃないですか?
北津留:嬉しかったですね~。ほんとにいい位置、勝てる位置を回らせてもらったのが良かったと思います。
橋本:いやぁ、ほんとにあのシリーズは九州の若手選手が頑張ってくれました。
北津留:そうですね。今はほんとに若くて強い選手がどんどん出てくるので頼もしいですね。実際、シリーズに入る前は僕は福岡といってもホームは小倉なので、久留米の選手を引っ張るつもりで臨んだんですが、でもやっぱり嬉しいですね。
橋本:決勝戦の並びはどのようにして決まったんですか?
北津留:いや、僕はほんと何も言ってなくて待ってただけです・・・笑
若いみんなで色々話して『北津留さん3番手回ってください』と言うもんですから、じゃあ、って感じです~笑
橋本:全く何も意見は・・・
北津留:はい、何も言ってません!笑
橋本:その頑張りの結果優勝しました。やはり、そのあたりは、昨年の熊本記念で嘉永選手(嘉永泰斗選手・熊本113期)や瓜生選手(瓜生崇智選手・熊本109期)を引っ張って優勝に導いた、あの北津留さんの男気があったからではないかと思いますが・・・
北津留:いやいや・・・そんなそんな・・・(とにかく照れる)
橋本:北津留さんって欲がないですよね~。それが癒やし系レーサーの要因かな?とも思うのですが・・・
北津留:いやぁ、欲張って勝てるものでもないですからね。そこは・・・まぁ・・・ほどほどに・・・
橋本:先日は高松宮記念杯競輪で九州三選手(山田庸平選手・佐賀94期、荒井崇博選手・佐賀82期、園田匠選手・福岡87期)が決勝戦に進みました。
今、すごく九州地区盛り上がってるんじゃないか?と感じるのですが、北津留さんから見てはどうですか?
北津留:はい、熊本を中心に若手選手がどんどん出てきてて活気があるように思います。
橋本:今、北津留さんから見て、この選手は強くなるだろうなぁという九州の若手選手を一人挙げるとすれば誰でしょう?
北津留:そんなそんな、一人なんてとても選べないです・・・笑
もう、とにかくみんな強いです・・・上手いし、強いし・・・みんなです!笑
橋本:北津留選手と若手選手の関係性はすごくいいんでしょうね。
北津留:もう、とにかく仲良くやりたいですから~笑
橋本:わかります!平和が一番ですからね~。ところで、北津留さんは今後もずっとやはり自力中心でという思いなんでしょうか?
北津留:とにかく、レースの流れを見て、ということが苦手なので・・・笑
これからもいけるところまでは、このスタイルになるでしょうね。
橋本:そこも平和が一番ですね。いやぁ、実にホッコリします。
北津留:いやいや・・・(照れる)
橋本:家庭もいつも円満のようで。
北津留:はい、何とか・・・
橋本:円満の秘訣も教えて頂けますか?
北津留:どうでしょう?うちは家族で自転車に乗ってレースに行ったりすることが結構あるので、そういうところが円満に繋がってるのかも知れませんね。
橋本:息子さん、パパみたいになりたいって言いませんか?
北津留:言いますね。特に下の子はほんとに小さい頃から競輪選手になるんだ、とそう言ってます。
橋本:それについてパパの立場からどうでしょう?
北津留:はぁ、そうなんだ、なるんだ~という感じです~笑笑
橋本:別段、心配とか嬉しいとかそういうのはないですか?
北津留:ですね。もうほんとに小さい頃から言ってるので。あまりそういう感情はないですね~。
橋本:そうですか。とはいえパパもまだまだ頑張らないとですね。
ところで、以前北津留選手は9車より7車の方がやりやすい、というお話をされていましたが、詳しく教えて頂けますか?
北津留:もうちょい展開が読めて、流れに乗れたらいいんですけど、何せそういうタイプではないもので・・・
橋本:でも、以前、内を突いて位置を取って、みたいなレースも何度か見たことあるのですが・・・ああいうのは??
北津留:防府ですかね・・・とにかく、そういうのはタマタマです!笑
別に狙ってとかではなく、タマタマそうなっただけのことです~笑
橋本:そうですか・・・笑
ということは、まだまだ基本は自力ですね。
北津留:そうですね。でも、若い選手も出てきてるので、その時によって、色々ですね。
橋本:これからの目標みたいなのはありますか?
北津留:とにかく目の前のことを一生懸命って感じです~。
橋本:大きいレースもこのあとも控えていますからね。
北津留:はい、皆さんに迷惑をかけることもあるんですが、オールスターもありますし、一生懸命走りたいと思ってます。
橋本:では最後に、このコラムをご覧の皆様に一言、お願いいたします。
北津留:いつも応援ありがとうございます~。
これからもしっかり頑張りますので、応援よろしくお願いいたします~。
橋本:ありがとうございました!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 橋本悠督(はしもとゆうすけ)
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。
実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。
番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。
-------------------------------------------------------
※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
先日の高松宮記念杯競輪で見事、地元での優勝を飾った古性優作選手(大阪100期)。昨年後半から破竹の勢いで勝ち続け、今年既にGI2勝。その勝負強さの理由に迫りました。
橋本:改めて、高松宮記念杯競輪優勝おめでとうございます。地元での開催、注目度の高い中、ご自身で何か期待するものはありましたか?
古性:そうですね。いつも地元のレースではプレッシャーに押しつぶされているなと思っていたので、今回は本当に堂々とリラックスして、しっかりと力を出し切ろう、という感じでした。
橋本:リラックスして臨もうと思えた理由は何でしょう?
古性:経験ですかね。もう空気パンパンに入れても仕方ないな、という感じで、今回は力抜いていこうかな、と思っていました。
橋本:過去の失敗から、良い精神状態で迎えられたわけですね。そして、今節に関しては脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)が不在の中、やはり近畿勢はちょっと厳しいんじゃないかという見立ても一部にはあったと思いますが、そのあたりはどうでしたか。
古性:GIの参加メンバーの近畿勢を見た時に、やはり自分も思いましたし、今回は苦しい戦いになるかなと思いましたね。脇本さんがいないだけでも、近畿という層がかなり薄くなると思いました。
橋本:確かに近畿ラインという総合力で考えると、一番そのラインの総合力を上げる選手ではありますもんね。ただ、その脇本選手の穴を埋めて余りある、野原選手(野原雅也選手・福井103期)や岡崎選手(岡崎智哉選手・大阪96期)の頑張りがありました。
古性:いや~、本当にもう雅也(野原選手)と岡崎さんのおかげだなと思いますね。
橋本:走る前から今回はやってやるぞ、今日はやってやるぞ、というような気迫のようなものを野原選手や岡崎選手から感じましたか。
古性:びっしびし感じましたね!(笑)レースで3日間番手戦だったんですけど、3日間めちゃくちゃきつかったですね。前が頑張りすぎなぐらい頑張ってくれたんで、もう自分もしんどかったです。
橋本:正直な話、これ競輪のレースでいいかどうかってのはあるんですけど、特に野原選手は残ろうという気持ちがあまり感じられなかったというか。(笑)
古性:もう本当に番手が僕、ということで、その中で頑張ってくれたかなと思いますね。
橋本:初日のメンバーを見た時に、並びに関しても野原選手から「俺が前でやります!」みたいな感じだったんですか。
古性:「前でやりたいです!」って言ってきてくれたので、僕はもう東口(東口善朋選手・和歌山85期)さんと相談して、番手回らせてもらいます、というような話をしました。
橋本:そして岡崎選手と連係したのは2日目の白虎賞から準決勝ですけれども、岡崎選手も今回は男をあげましたね。
古性:そうですね。本当にめちゃくちゃ後ろ付いててキツかったですし、あんないいレースを4日間したんですけど、結局ラップの人みたいな感じになってしまいましたね(笑)ラップが上回ったっす。(笑)
橋本:あのラップは検車場や選手間でも話題になったんじゃないですか。
古性:いや、映像は流れてるんですけど、音は消えていることが多くてほとんど知らない選手が多かったですね。ただ、ツイッターとかで知った選手は多いと思います。 なので、中にいる選手よりも外にいた選手の方がみんな知ってると思います。
橋本:いや~でも才能がありますね。岡崎選手。
古性:レースの反省点はなかったみたいなんですけど、ラップの反省点はあるらしいです。(笑)もっとこうしておけば良かった、と風呂場で話していて、韻の踏み方をもっとこうしたらクールでかっこよかったみたいなことを言っていて、新しく作ったやつをまた聞かせてくれました。(笑)
橋本:彼はどこを目指すんでしょう。(笑)ただ、ああいうインパクトのある特別選手紹介というのは、お客さんの心にも、これからずっと残るとは思います。そして白虎賞だけではなく準決勝も一緒になりました。
古性:そうですね。
橋本:正直、白虎賞は別にしても、準決勝に関してはやはり、古性さんとワンツーが決まるように、という意識で仕掛けるのかなと思ってたんですけど、全く迷いなかったですね。
古性:打鐘からは、白虎賞よりもマイペースで行っていたんですが、やはり最初のスタートでちょっと牽制入ったのであれでかなり脚が削られたんだろうなと思いますね。明らかに白虎賞と駆け方が違いましたし、残るように駆けてくれてるなという感じだったので、自分が出来るだけ援護したいなと思っていました。
橋本:そして決勝戦、単騎になりましたが、北日本が強力なシフトで九州も2段駆けがあるかもしれないという雰囲気でした。そんな中、どんな事に気を付けようと考えていましたか?
古性:正直、展開が読めなかったのでちょっと難しかったです。
橋本:もうその辺はもう流れに応じてということですね。そしてその決勝戦、手応えのようなものはありましたか。
古性:捲っていった時に、感触的には悪かったし、ちょっとやばいなと思って、絶対後ろの選手には差されるな、よくて2着か3着かなって感じだったんです。直前怪我したのもあるんですけど、ちゃんとした練習もできていなかったし、あまり良くなかったですね。
橋本:そんな状況の中でも後ろに抜かれることなく、地元でタイトルを取ったというのは、やはり古性さんの持ってるものによるところが大きいと思います。もちろん、努力があっての話だと思いますが、GIタイトルなどになってくると努力だけではない要素というのもあるのではないかと思います。
古性:練習はやっていたつもりですけど、どうなんですかね。真面目にはやってるつもりではいます。でも日本一練習してるかと言われればそういうわけでもないですし、日本一考えているかと言われても違いますし・・・うーんちょっと分かんないですね。
橋本:普段から思うんですけど、古性選手って自分をすごく客観視する能力に長けてるというか。走っている時も、上で別の自分が自分を見てるんじゃないかなというふうに感じることがあるんですけど、その辺どうでしょうか。自分自身で分析するというのはちょっと難しいところもあると思うんですけど。
古性:BMXの時からの経験で、競輪を知らない素人の人に意見を聞くのも大事だと思います。やはり競輪選手でいってしまうと、競輪選手としての感覚をもとにしてしまう。素人の人は世間一般の感覚で話してくれるので、そういう面で何かをつかんで、普段からちゃんと客観視できるようにと思っています。
グランプリの時は特にセッティングをいろいろ変えていて、妻にいつのレースのセッティングが良いのかを聞いて、そのセッティングでグランプリに行きましたからね。
自分の感覚は捨てるというか、自分の感覚を抜きにしてやる方が結果が出るのかなと思うので、本当に常に客観的にいるように意識していますし、レースでもゲームみたいな感覚でいれたらいいかなと思いますね。
橋本:奥さんに聞いたセッティングでグランプリに!ちなみに奥様は自転車競技は素人ですよね。そのセッティングを選んだ理由とかも言ってくれるんですか。
古性:いえ、乗り方がこっちの方が良かった気がするみたいな感じですよ。(笑)
適当と言うか、この時の方が綺麗に乗ってる気がするといいますか。グランプリ前に3つぐらい候補はあったんですが、どれがいいと言ったら、これ、って言ったんで、そのセッティングでいったってことです。(笑)
橋本:人によっては、分からんくせに、男の仕事の話に口出しするなみたいなのあるじゃないですか。そのあたり、レースもそうですが、古性さんは柔軟ですよね。
古性:そうなんですかね。あんまり自分の感覚を信じてないっていうか、殻に閉じこもらないようにしてますけどね。自分が思っている感覚と他の人が見て思う感覚が絶対違うので、そこのズレはできるだけない方が絶対いいと思っています。
橋本:他のスポーツ選手との交流とかもあったりしますか。
古性:僕は特にないです。もう家から飲みに行ったり全くしないですね。家にしかいないです。(笑)閉じこもってますね。
橋本:家でゆっくりして、あまりそのあたりは興味がないのですね。他の競技をやってる人と接したりすると、人によっては参考になる部分もあると思うんですがそのあたりはいかがでしょうか。
古性:もちろん興味はあるんですけど、そういう機会もあまりないですね。それこそ先日、長谷川穂積さん(元プロボクサー)と対談する機会があって、お話させてもらったんですけど、こう言うのもいいなと思いました。でも自分は本当に付き合いがよくないのであんまりいないですね。(笑)
橋本:機会があったらというか、お誘いがあればちょっと行ってみようかな、くらいの感じなのですね。私は古性さんとは、もうデビューの時からずっとレースも見ていて、お話もさせてもらっていますけど、自然体ですよね。気負わないし。
古性:最初の頃は全然違っていたかなと思いますね。デビューした当初はもっと欲もありましたし、良い車乗りたいとか、良い物身につけたいとか色々欲があったんですけどね。今はあまり、なくなりました。
橋本:なんか「がつがつ」という感じがなくなったっていう感じですかね。
古性:良くも悪くもそうかもしれないですね。なんかがっついてる感じはなくなりましたね。
橋本:もうそれがなくなって、逆にちょっとこう哲学的な思考の方になったというか。
古性:まさしくそうです。前まではもっとこう、どんと物事捉えてたんですね。練習しとけばいいやろって(笑)。
橋本:そうなってくると、やはり怒りの感情が沸き上がってくるっていうことが減ってくると言うか、インタビューの受け答えとか聞いていても柔和になったなっていうのはありますか。
古性:そうですね。これまでは、やはり未熟だなと思うことが自分の中でも多々あって、例えば今年だったら一番車のユニフォームを着ているのに期待に応えられなかったとすると、感情的になりそうで、そこは自分の中でちゃんとやらなあかんな、と思うんですけど、でもやっぱりお客さんの期待に応えられないとなったら、悔しいなってピリピリしてしまいますね。
橋本:やはり勝負の世界に身を置いていると、結果に繋がらないとなかなか。
古性:もう本当に、普通の勝負の集まりだったらいいですけどね。でもお客さんのお金がかかってることなんで、ヘラヘラしてられない、と思いますね。
橋本:古性選手は「浪速の暴れん坊」というキャッチフレーズが付いていて、先にインを切って、後ろから来て、引けないと見たら飛びついて番手を力ずくでもぎ取って、そこからタテに踏むようなレースを数年ぐらい前までは頻繁に見てきたんですけど、最近は減りましたよね?
古性:減りましたね。やはりタテでシンプルに勝負できるのは、一番ラインで決まる確率が高いし、そのようなレースをしたほうがタイトルに繋がってくるんじゃないかなと思って、もっとタテでしっかり頑張りたいなと思いましたね。
橋本:意識的に自分の中でスタイルはちょっと変えてみようかなと思ったのはどういった理由ですか?シンプルにタテの方が良いっていうのは脇本選手の存在もありますか。
古性:それもそうですし、やはり近畿の先輩方に信頼してもらえるためには、ちゃんとラインで引いて、ゴタゴタするより・・・と思ったりもしますね。だけど、やはりGIとかになってくると、引けないところも出てきたりするので。
橋本:もちろんまだまだ強くなっていくっていうのが古性選手の中では一番の目標だと思うのですが、何か明確なものはありますか。
古性:競輪学校の時にグランドスラムという夢を掲げたんですけど、滝澤校長(滝澤正光・日本競輪選手養成所第23代所長)にダブルグランドスラムにしろって言って変えられたんですよ。(笑)
橋本:滝澤さんの無茶振りですね。(笑)
古性:でも僕の感覚でいうと、グランドスラムを目標に設定すると、グランドスラムってできないんですね。ただダブルグランドスラムを目標にするとグランドスラムはできる気はするんです。大概今までの経験上目標を下回ってきたので、もうどでかい目標にして、それを下回って、グランドスラムぐらいで。(笑)その理論でいえばダブルグランドスラムしようと本気で思ってたらトリプルグランドスラムとかですね。(笑)
橋本:道のりはまだまだですね。
古性:まだまだですけど、マイペースにしっかり頑張っていけたらいいかなと思っています。
橋本:そうですね。これからも大きい戦いが続きますけども、体には気をつけて。 また暑い時期になってきますからね。
古性:ちょっと今年やばいっす(笑)。まだ6月で。これは8月どうなるのかなって怖いですね。
橋本:本当に体調だけは崩さずに、ご活躍を期待しております。では最後にメッセージを一言お願いします。
古性:そうですね。目の前の一戦一戦を頑張って、皆さんに応援してもらい、また頑張りたいなと思います。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 橋本悠督(はしもとゆうすけ)
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。
実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。
番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。
-------------------------------------------------------
※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
先日5月28日(土)に福岡PayPayドームで行われたオッズ・パーク株式会社の協賛試合プロ野球セ・パ交流戦「福岡ソフトバンクホークス VS 広島東洋カープ」にて、始球式をした小林優香選手(福岡106期)にお話を伺いました。始球式のことから、ガールズケイリン、競技のお話も伺っています。
山口:まずは始球式のことをお伺いします。今回で2回目の始球式でしたが、話が来た時はどんな気持ちでしたか?
小林:まさか自分が始球式を務めることになるとは思っていなかったので、このお話をいただいた時は素直に嬉しかったです。
山口:地元でしたもんね。お知り合いは見に来ていたんですか?
小林:はい。家族や友達が見に来てくれていました。
山口:当日のスケジュールを教えてください。
小林:会場に入ってからは、少しウォーミングアップをしてから始球式へ、という流れでした。
山口:たくさんのお客様が観戦している様子も記事で拝見しました。マウンドに立った時はどうでした?
小林:始球式をさせていただくのが2度目だったので「今回は楽しもう」と思っていました。前回は緊張感がありましたし、なにより、マウンドから見える景色に圧倒されたんです。なので2回目の今回は楽しめました。
山口:自分の投球はいかがでしたか?
小林:ストライクゾーンには入ったと思うんですが、手前で落ちてワンバウンドでした。それは悔しいです。
山口:始球式の後には、イニングの間にダンスで盛り上げるシーンもあったんですよね?
小林:そうですね。一緒にダンスなどさせていただきました。
山口:前回小林選手が始球式をされた時はお客様と触れ合えるガールズケイリンブースも出ていましたね。
小林:そうでしたね。あの時はたくさんのお客さんの前でガールズケイリンをPRしたんですが、今回はまだコロナ禍とうこともあり、イベントという形ではできなかったようです。私がガールズケイリン代表で始球式やパフォーマンスでしっかりPRしようと思っていました。
山口:試合は最後まで観戦できましたか?
小林:はい、全部見ました。ホークスが2回裏で7点を取って、11-1での大勝でした。すごい試合でした!
山口:子供の頃から今までで、野球などスポーツ観戦の経験はありますか?
小林:野球はすごく身近なものでした。小学校の時からずっとホークスのファンだったので、始球式はとても嬉しかったです。また選手も身近で見られたし、試合も勝ったので、本当に良い日でした。
山口:続いてガールズケイリンについてお伺いします。今年は月に1開催のペースで走られていますが、ここまではいかがですか?
小林:オッズパーク杯ガールズグランプリ2021が終わり今年に入ってガールズケイリンに関しては、試行錯誤が続いています。
直近の玉野では、決勝で着外でした。実は、走り終わってしばらく経ってから判明したんですが、ろっ骨を疲労骨折していたんです。苦しいなと思ってレースはしていたんですが、あまりにも苦しすぎて病院に行ったら骨折が見つかったんです。でももう怪我も治りましたし、次の平塚でのオールガールズ開催「ALL GIRL'S 10th Anniversary」へは万全の状態で向かいたいです。
山口:そうでしたか。予選を見ていると確かに決勝は、あれ?というレースでしたが、疲労骨折だったんですね。ずっと苦しかったんですか?
小林:2か月くらいはずっと苦しいなという違和感はありました。
山口:え?そんなにですか?
小林:はい(苦笑)。全然病院に行くことはなく、マッサー(マッサージャー)の方に治療してもらっていました。でもさすがに変かなと思って病院に行ったら判明しました。ろっ骨の骨折は安静にするしか治療法はないんですが、「トラックネーションズカップ(カナダ)」でもしっかり走れていたので問題はないと思います。
山口:トラックネーションズカップでも決勝で落車があったと伺いました。怪我の具合はいかがですか?
小林:決勝は好位をとれて優勝が狙えるところでした。前の選手に車輪をはらわれての落車だったので対応もできず、それが悔しいです。ただ骨折や体に怪我は少なかったのが幸いでした。
山口:予選では連勝で勝ち上がりだったんですね。
小林:そうですね。調子も良くて、決勝も良いメンバーが揃っていたんですが、自分からレースを動かせましたし周りが良く見えていました。落車以外の部分はポジティブにとらえて、次の「アジア自転車競技選手権大会(インド)」に備えたいです。
山口:ナショナルチームのガールズケイリンメンバーで短距離は4人ですが、今の雰囲気はいかがですか?
小林:特に以前と大きく変わったりはせず、パリに向けて時間のない中で戦っていかなくてはならないので、今はチームとして少しでもたくさんポイントを積み重ねたいというのは共通認識であると思います。私は東京オリンピックを経験して、ここからオリンピックまでの流れがとても慌ただしいとわかっているので、気を引き締めてやっています。
山口:スケジュールとしては、すぐにインドのアジア選手権へということですが、今の練習状況はいかがですか?
小林:今は調整の段階なのですが、コーチと話しながら個人にあった調整をしています。
山口:休みの日はありますか?
小林:今は国際大会のスケジュールに合わせて調整をしているので、体を休めたり本格的にトレーニングしたりは決まっています。でもアジア選手権が終わった後はすぐに平塚のオールガールズなので、そこは切り替えて頑張りたいです。
山口:東京オリンピックへの過密スケジュールの経験が糧になっていますか?
小林:はい。今までもポイントを取りに行くレースなどは、3か月海外で連戦なども経験をしました。それを経験している分、流れもわかっているし、対応もできていると思います。
山口:今後のガールズケイリンのスケジュールというのは、言える範囲ではどのような予定ですか?
小林:コーチと相談なのですが、私は1か月に1開催は走りたいと伝えています。しっかり走れれば良いですね。
山口:走るのを期待しています。続いて、ガールズケイリンのレースの流れについてです。私から見て、だんだんガールズケイリンも位置取り争いが熾烈になってきたり、強い選手を内側に包んで仕掛けにくいようにしたりという動きがあるような気がします。走っている小林選手はどう感じていますか?
小林:レース展開が早くなったり、時には1対6になるような、包まれてしまう傾向も見えます。でもその分私は、自分のスピードを活かせるように、位置取りや走り方を変えて対応していきたいです。
山口:確かにレースを見ていて、小林選手が最後方にいるレースはあまり見ないです。それは国際大会での動いて位置を取るレースが、ガールズケイリンに活かされていますか?
小林:そうですね。またガールズケイリン全体がレベルが上がったり、タイムも良くなってきています。自分自身の持ちタイムも上げなければならないですし、ガールズケイリンのギヤでどう戦うかは研究しています。
山口:ギヤ比はかなり違うんですか?
小林:ガールズケイリンの方がだいぶ軽いですね。全然踏んだ感触は違います。
山口:ガールズケイリンの自転車で普段は練習はまったくしていないと以前聞きましたが、今もそうですか?
小林:はい、前検日に行って、そこで乗って感触を確かめる感じです。
山口:話は変わりますが、同期の高木真備さんが引退されました。少しお話し聞かせてください。引退のニュースはどう感じましたか?
小林:真備は競輪学校(現日本競輪選手養成所)時代から「グランプリを優勝したらやめる」と言っていたんですよ。入学した18歳の時から言っていたので、去年のグランプリを一緒に走って優勝を見た時に「そう(引退に)なるのかな」と思いました。彼女との最後のレースになったのが3月宇都宮でのガールズケイリンコレクションですが、「もしかしたら」という気持ちがそこでもありました。
でも彼女はずっと言っていたことを叶えたし、しっかり次の道に進んだのは、誰もが出来ることではないですし、「凄いな、頑張って欲しいな」と思いました。
山口:長年目標にしていたことを達成されての引退だったんですね。
小林:それをしっかり達成してやめるっていうのは、とてもかっこいいですし、だからこそ自分も目標達成したいなと思います。
山口:素敵な話ありがとうございます。では平塚についてお伺いします。オールガールズの斡旋メンバーを見ていかがですか?
小林:動けるタイプの選手が多いし、レースの上手い選手もたくさんいますが、しっかり対応して勝ちに行きたいです。
山口:同じナショナルチームの梅川風子選手(東京112期)や、ガールズケイリンコレクションを優勝した柳原真緒選手(福井114期)もいます。柳原選手との対戦は近況ないですね。
小林:そうですね。もしかしたら一度くらい走っているかもしれないですが、近況は対戦していません。でも柳原選手もコレクションを一つ優勝したことで自信になって今の強さがあると思います。私は彼女の胸を借りるつもりで走りたいです。
山口:ガールズケイリンの10周年を記念してのレースですが、ガールズ3期生でデビューされてここまではいかがでしたか?
小林:デビューして8年目になりますが、先輩方が積み上げてきたものがこの10周年に繋がっていると思います。更にその先の20周年に向けて盛り上げていけるように、節目の年をレースでも盛り上げたいです。
山口:オッズパークもガールズケイリンのメインスポンサーとして盛り上げていると思いますが、それについてはいかがでしょうか?
小林:ガールズケイリンのメインスポンサーになっていただいていて、より新しいお客さんを呼び込んで来られるようにしたいですし、この平塚のレースもたくさんの方に見てほしいです。
山口:平塚は今年のガールズグランプリ開催地ですし、良い印象で終わりたいですよね。
小林:はい、グランプリ開催のバンクですから、もちろん年末へ向けてもやっていきたいです。私たちの期は卒業記念レースが平塚でした。初めてお客さんの前で走ったレースだったのでとても思い出もあるバンクです。
山口:今の目標は何ですか?
小林:ガールズケイリンとしては、再びグランプリの舞台で優勝したいです。そのレースが先行なのかまくりなのかはわかりませんが、2015年以来の優勝ができるように、もう一度頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
小林:いつも応援ありがとうございます。もう少し競技中心の生活になると思うんですが、ガールズケイリン選手として走る時はしっかり車券に貢献できるように走りたいです。これからも応援よろしくお願いします。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
-------------------------------------------------------
※写真提供:公益財団法人 JKA