
角がスピードを上げて逃げる
今節2日目の第5レース準決勝戦に勝利して優出権利を得た山崎進は、身体不良を理由に無念の早退となり、同レースの2着に入った角南一如が繰り上がりで優勝戦へ進出した。
角翔太郎が単独0ハンの竹中一成を叩き気味に先頭を奪ってハイペースの独走展開に持ち込めるとみた。
山陽の夜開催で3連続優出となった藤岡一樹が大外コースを捲って追撃。だが、この最重ハン勢のスタートなら残して出られそうな石田啓貴が、道中も彼らの前をキープしながら角にマーク追走するか。
30線からトップスタートを切る可能性もある佐々木啓は、最近は以前よりも決め手が上向いている。角南一如は同ハンの中で先行力が見劣る点は否めないが、前述した経緯により優出キップを手にできた幸運度は、勝負ごとにおいては見のがせない要素となる。
◎ 2 角翔太郎
○ 6 藤岡一樹
△ 4 角南一如
▲ 3 石田啓貴
穴 5 佐々木啓
おすすめの買い目
2=6-435
穴なら
5=4-263
文/鈴木
佐藤励が完全V
今回が初優出となった38期の藤井真弘は試走から上々な気配で、車券オッズ穴人気の支持に応えようと懸命に逃げたが、浜野翼を連れて追撃した30線の片岡賢児が4周で捕えて先頭へ立った。
50線3名は枠ナリに発進し、浦田信輔を捲って中村杏亮が前へ出ると、佐藤励の追撃をしのぎながら30線勢を追うが、仕掛ける距離までなかなか近づけず、4周目に佐藤励が中村杏の内へ切り込むと、5周目に2番手の浜野翼、6周目に先頭の片岡賢を捌いて首位に立った。
これで今年14度目の優出で3度目の優勝。通算では21度目のVとなった。走路温度が50度を越えて追いが効きにくい条件でスタート最後方になっても冷静沈着に走る姿が印象的だった。次節はお盆の伊勢崎ナイターSG『オートレースグランプリ』へ向かう。
文/鈴木
浜松G2『ウィナーズカップ』の展望
近10年の『ウィナーズカップ』に連覇なし、2度優勝したのは中村雅人のみと、開催時期が毎年バラバラであることと合わせて傾向や特徴が出にくい大会。鈴木圭一郎は前回大会まで7連続で優出しているのはさすがだが、優勝したのは今のところ2018年の1度にとどまる。
その鈴木圭は、年間最多勝と賞金王を獲得した昨年と比較すると今季は良い流れに乗りきれていない印象がある。今年は4月に山陽G1、7月に山陽G2を制しているものの、1~6月に14節へ優出してV2。2024年の1年間に30節の優出で14Vだったのとは、だいぶ開きがある。さらに先週の伊勢崎ナイターではフライングを喫した。どうもリズムが上がってこない。
前期ランキングS1、今期S2の総合力を持っていても、今回は他者が彼から活躍の場を奪う可能性はありそうだ。
6月下旬の浜松デイレース『G2浜松記念 曳馬野賞』の決勝戦において、黒川京介は鈴木圭との対決を制して大会初制覇。地元エースに代わってシリーズの主役となった。
今月は川口ナイター『G1キューポラ杯』を前年からの2連覇。続く浜松デイレース一般開催は優出4着に敗れたが、6月よりも今回の気候に近い浜松走路の感触を掴めたことは大いに価値があるだろう。
『ウィナーズカップ』前回覇者である金子大輔は、今年の優出回数が16回。これは黒川の18回に次ぐ多さで、現在15回の鈴木圭を上回る。浜松デイレースには今年13節へ出場して11度も優出。加えて消音マフラーを装着しての浜松アーリーレースには今年2節に出場して両方とも優勝。7戦して7勝と完全無欠の実績を残している。全国ランキングは今季S8だが地元勢では鈴木圭に次ぐ存在、というより今年の成績の充実度でいえば、隣に並んだ東西の横綱として遠征勢を迎え撃てる位置づけだ。
鈴木宏和と佐藤貴也はそれぞれゴールデンウイークの前後から大敗が減り上位入着が増えてきた印象。佐藤貴は先週の浜松デイレース決勝戦は、外枠の黒川京介にスタート行かれたが1周で捌き返してゴールでも先着した。
木村武之は今年6月までグレード開催9節に出場しながら優出ゼロだったが、今月の山陽ナイター『G1小林啓二杯』でようやく今年のグレード初優出。そして6月下旬の『G2曳馬野賞』を境に今までの1か月間は、1着を獲る率がそれまでの期間と比べて大幅に上昇しているので、流れが上向いているといえそうだ。
近2か月間の伊藤信夫は、川口や山陽のナイター開催では大活躍できなかったが、浜松デイレースには6連続での優出を継続中。そのうち2節に優勝している。
6月以降の渡辺篤は、熱走路で実施されるケースの増えた浜松デイレースでは苦戦が続いているが、デイレースよりは走路温度が低めになる傾向のある浜松アーリーレースでは上位着順が明らかに多くなっており、2節に出場して1度優出。そして6月の伊勢崎ナイター『G1稲妻賞』で自身初のタイトル獲得。捲り主体のレーススタイルゆえ、灼熱の気候であっても外コースが喰いつけば、そのコースは活躍の場へと変貌する。
4月の落車事故にから休養を経て6月上旬に戦列復帰した栗原佳祐は、6月17日以降は浜松のみに出走して26戦14勝。6月26日の『G2曳馬野賞』2日目に黒川を破って勝利すると、今月26日の浜松デイレース決勝戦でも黒川を破って優勝した。いつか獲ることは間違いないグレードの冠。そのときが着々と近づいているように感じられてならない。
佐藤摩弥は今年の浜松に優出4度。1月の前回『ウィナーズカップ』と、2月『SG全日本選抜』で頂点を争った実績が輝いている。
松本康は2月『SG全日本選抜』6日制の初日~4日目と、3月『G1プレミアムカップ』5日制の初日~3日目をすべて3着以内に好走して、両大会とも優出。全日本選抜の準決勝戦は、2着の佐藤摩にあと一歩まで肉薄しての3着と熱走を見せた。
その全日本選抜には長田稚也も出場し、準決勝戦のゴール寸前に佐藤励を捲って優出した。今年5月~6月には浜松2節をまたいで5連勝している。
長田稚や前述の黒川が出場した7月下旬の浜松デイレースに丸山智史も参戦していて、準決勝戦には進めなかったが後半2日間は2連勝。その前の週には川口ナイター『G1キューポラ杯』の準決勝戦で鈴木圭を3着にくだして勝利すると、決勝戦でも荒尾聡・金子大輔・中村雅人といったSGホルダーに先着しての3着と活躍している。
ランキングA級車では西日本勢に伏兵がひそんでいるか?
長田恭徳も丸山智と同様に先週の浜松デイレース後半に2連勝。同じ節の同じく後半2日間に山本将之は2回乗りも含めて1着・2着・1着。藤川竜は6月の浜松アーリーと7月の浜松デイレース2節に9走して5勝を挙げた。
岡松忠はレース場・昼夜を問わず、過去1か月の良走路14走で着外わずか1度。先週の浜松デイレースも好走して本走タイムは速くなかったものの、今回も引き続き熱走路となって若手などが苦しむようなら、1千勝レーサーのテクニックが再び活きてくるか。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-6(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-10(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-23(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-27(24期)〕
栗原 佳祐〔浜松 A-25(36期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-9(31期)〕
松本 康〔伊勢崎 S-21(32期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-28(34期)〕
丸山 智史〔山陽 S-31(31期)〕
岡松 忠〔山陽 A-106(17期)〕
文/鈴木
平田雅崇が力強い走りで完全優勝を達成!
10線外枠から先行した永島は、その勢いのまま0ハン両者を捲り、1周回るころには先頭に立っていた。20線勢は大外の平田が速攻を決めると、3周目に入る段階で2番手に浮上。逃げる永島と一対一の態勢に持ち込んだ。そこから徐々に車間を詰め、4周4コーナーでインに車をねじ込み、5周1コーナーで差し切り先頭を奪取。そのままゴール線を一番で通過した。後方からは藤岡が猛追を見せていたが、永島を交わすまで行かず3番手入線。永島が準優勝だった。
平田は前節、地元のG1で準優勝していたが、その良い流れを持続したまま今回の優勝にこぎつけた。近況は3節連続優出中、更に8走ずっと連対を外していない。ここにきて好調モードに入った。この後は川口ナイトレースを挟んで、SGオートレースグランプリが待っている。そこまでこの高機力を維持できれば、最高峰のグレードレースで見せ場十分の走りを披露できるかもしれない。
中村杏亮の速攻が狙い目
荒尾聡が準決勝戦を敗退して、佐藤励が最有力と目される一戦になりそうだが、熱走路と感じさせない軽やかな進み足を見せている中村杏亮がスタート先制すれば、そのまま道中も佐藤励に前へ出させずに先着、1着ゴールできる。あるいは佐藤励が先行しても準決勝戦の荒尾のように車群の内に引っかかるようなら、中村杏が外から逆転の捲りを決めるケースもあるだろう。
1級車へ乗り換わって以降の浜野翼は天性のレースセンスを発揮し始めており、速攻派の片岡賢児に先手を取られても道中で反撃することは可能だ。
浦田信輔が準決勝戦で上々の本走タイムを出しており、SG優勝8度の底力で同ハンの若手に一撃を喰らわせるか。
◎ 6 中村杏亮
○ 7 佐藤励
△ 4 浜野翼
▲ 5 浦田信輔
穴 3 片岡賢児
おすすめの買い目
6=7-453
穴なら
3=7-465
文/鈴木