
有吉辰也が勝負強さを発揮した
この日の雨は1レースの開始時点ですでに上がっていて、開催が進むとともに走路は少しずつ乾いていき、終盤レースへ差しかかる頃には3秒台の試走が多く見られるようになり、12レース決勝戦はほぼ良走路といえるコンディションまで回復した。
レースは20線の最内枠から山本翔が鋭くダッシュすると、1周目で10メートル前の前田淳を突破。そして2周目で0ハンの道智亮介と矢野正剛を1車ずつ捌いて、早々と逃げ展開に持ち込んだ。
今節ただひとり無敗で優出した有吉辰也も3周目に2番手へ上がり追撃態勢を整えたが、3.369秒のハイペースを作る山本翔との車間が常に2車身ほど開いていてなかなか仕掛けられない。しかしそこで終わらないのが有吉の強さ、凄さだ。最終6周回2コーナーを強力に立ち上がると、狙いすましたような差し。ワンチャンス、ラストチャンスで獲物をきっちり仕留める、さすがのレース運びだった。
通算1010勝目で68度目の優勝を飾った有吉は、17年ぶり2度目のSGオールスター優勝をめざして川口レース場へ向かう。
文/鈴木
黒川京介が今年6度目の優勝
10線2車並びの外枠から押田和也に伸び勝って先行した早津康介が1周回4コーナーで0ハン田辺誠を差して先頭に立ったが、20線の大外枠からダッシュ決めた黒川京介がその時すでに背後へ迫っていて、あっさり捌いて首位。
小林瑞季がレース中盤に2番手へ浮上したが、追い上げてきた佐藤貴也が5周回4コーナーから直線への立ち上がりで切り返し、ここで余力がなくなった小林瑞を中村雅も続いてイン攻め込んだ。
黒川は今節3戦3勝の完全V。3月31日の山陽G2『ミッドナイトチャンピオンカップ』以来、今年早くも6度目の優勝を決めた。4日後に開幕する川口ナイター『オールスター』で2冠目のSG獲得をめざす。
文/鈴木