山陽のミッドナイト開催!
すっかり恒例となっている山陽オートでのミッドナイトレース。今回は3日間の日程で行われる。昼間の気温が低くなりつつあるこの時期は、夜になると更に気温が下がり、それとともに走路温度も下がる。そうなるとハイスピードのレースが展開されやすくなる。どちらかと言うと若手の方がその恩恵を大きく受けると言える。
S級は4人参戦予定。地元山陽は丹村飛竜と岡部聡。丹村は前走のSG日本選手権で優出。初日こそ8着と惨敗したが、その後は2連勝。準決も2着で突破し、優勝戦では7着だった。このところ調子を落としていた丹村だが、SGで復活してみせた。今回のミッドナイトは、前走とは大幅にメンバーが軽化されるので優出はノルマ。優勝争いを演じそうだ。岡部は前走のSGではイマイチな結果に終わった。全レース0Mオープン戦では、課題のスタートが悪い方へ作用しがち。ただし、今回のようなハンデ戦なら的確な攻めで番手を上げて行ける。
外来S級は飯塚から鐘ヶ江将平と滝下隼平。どちらも前走のSGでは準決までは進めたが、それ以上の結果を出すことはできなかった。ただ、シリーズ中は何度か車券に絡めていたので、エンジン自体はそこまで悪くない。鐘ヶ江は一時期と比べたらだいぶ走れるようになってきている。滝下はSGの後、地元の一般開催で補充で2走。どちらも1着で、パワフルな走りを見せていた。ミッドナイトは得意で、走路温度が下がるほどスピードがアップするイメージ。
A級では緒方浩一が前走のSGで何度か見せ場を作っていた。スタートの切れが良く、独走に入ると持ち味を出せるタイプ。攻めの主体は捲りなので、前団がインを走る選手が多い番組では勝負圏内にまで入ってこれるだろう。スタート力ある五所淳や、最近は調子を上げている山崎進なども地元勢の主役を張れる今節。
外来では深谷輝、相馬康夫などがスピードある方だ。未だ優勝経験がない平塚雅樹も近況は調子上向きで、悲願の初Vを目指し、初日から激走を見せそう。
B級では独走力ある日室志郎が、前走の飯塚3日間で2勝を含むオール連対。渋太い走りができるのは坊田寿彦で、前走の川口では後半2連勝を決めている。女子レーサーの金田悠伽もだいぶスピードを身に付けている。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-32(19期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-20(31期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-34(28期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-8(30期)〕
五所 淳〔山陽 A-17(23期)〕
山崎 進〔山陽 A-97(26期)〕
深谷 輝〔川口 A-66(26期)〕
川口勢メインだが、強力外来が登場!
今回の川口は3日間の短期決戦。各級で地元川口勢の層が厚いが、S級外来の中で好調な選手が来場。それは佐々木啓。ここ数ヶ月の動きは目を見張るものがある。地元勢は迎え撃つことができるか。
まず地元S級の中で最も状態が良いのは永井大介。飯塚で行われたSG日本選手権では優勝戦まで進出し4着。5日間のシリーズ中、3勝を挙げており、永井らしいパワーのある走りを披露していた。今回も地元勢を鼓舞する存在になりそう。その永井よりも全国ランクが上なのは中村雅人。近況の動きは良かったが、SGの準決では反則妨害で、1着入線ながら失格となってしまった。ただ、最終日はしっかりと白星を決めていたので、反則による乗り手への精神的ダメージは少ないとみていい。もちろんエンジン面も良好。
次に注目なのは佐藤摩弥。SGの準決は4着で優勝戦までは進めなかったが、それ以外の4走は全て3着以内。0Mオープン戦で、武器のスタートがアドバンテージになっていた。エンジンの方も悪くはなく、今回は追い込むレースが主になるが、同格や格下相手なら突破できる技量は身に付けている。若井友和もSGではマアマアの動きを見せていた。
森且行や黒川京介はSGの準決で被害があり落車。ともに最終日は7着だったので、落車の影響があったのかもしれない。平田雅崇、山田達也の両者は、SGでは思うような成績を残せなかったが、エンジン的には並より上にありそう。
外来S級は3名の予定。最も注目なのは先述の佐々木啓。SGではシリーズ中に3勝を含む準優勝。優勝戦の走りも見事だった。中盤3番手から永井大介を突破し、先頭を走る青山周平にまで詰め寄る動きを見せていた。エンジンは完調。乗り手の方も、ここ数ヶ月は自信のようなモノがうかがえる。今節も永井や中村雅など川口の看板選手を負かすシーンが見られるかも。
他の2人は佐藤貴也と岩田行雄。佐藤貴はSGの準決で落車。それ以来の出走になるので、初日の試走には特に注意を払いたい。岩田行はまだまだ元気。SGでは4日目に白星を挙げている。前を走っている選手の隙を見つけては、強烈な突っ込みで突破している。
SGの裏開催となった前回の川口3日間一般開催で優勝したのは長谷川啓。これは最年長優勝記録を更新しての優勝だった。こちらもまだまだ血気盛ん。エンジンさえ戦える動きになれば、キチンと結果を出してみせる。このレースで準優勝だったのが牛沢和彦。他にこの優勝戦に乗っていたのは石井大志、谷島俊行、浜野淳などだ。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-3(28期)〕
永井 大介〔川口 S-9(25期)〕
山田 達也〔川口 S-12(28期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-33(31期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-5(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 S-44(15期)〕
地元勢が奮起しそうなシリーズ!
11月4日にSG日本選手権が終わったばかりの飯塚オートで、今度は3日間の一般開催が行われる。初日がいきなり最終予選となるので、前検日と初日の朝練でいち早くエンジンの状態を掴み、それに合わせた調整が必要になる。乗り手の操縦技術だけでなく、迅速な整備力も問われるシリーズになるだろう。
今回の地元S級は2名。篠原睦と有吉辰也。篠原はSGでは準決4着で優出はできなかったが、それ以外の4走は1着2本を含むオール車券に絡む結果。大舞台でも代名詞である安定感は健在。今回はシリーズリーダーとしての活躍が見込まれる。有吉はSGの準決で5着。初日に1着があったが、その後は苦戦するシーンが多かった。それでもエンジンの方はそこまで悪くなさそう。鋭いスタートを武器に、今回は優勝戦まで進出してくるか。
外来S級は6名の予定。この中でSGで優出した選手はいない。更に言えば準決まで進めたのが松尾啓史だけ。各選手とも悔しいSGシリーズになってしまった。松尾啓は準決6着だったが、それ以外ではソコソコ良い走りをしていた。エンジンの方も連日、安定した試走タイムが出ていたので問題なさそう。確かな捌きをバックに、今回も強烈な追い込みを見せてくれそうだ。
岩崎亮一は初日から1、4、4着で準決入りを逃した。よくある予選3日間の得点制での勝ち上がりなら準決まで進めている3日間の成績だが、日本選手権の3日目は、スーパーライダー戦以外の準々決勝は3着までに入らなくては準決に進めない。惜しくも準決入りを逃したが、シリーズを通してみれば5着以下がなく、着順の数字としては上位でまとまっていた。
佐藤裕二、鈴木清、前田淳、人見剛志らはエンジン的にも厳しそうだったが、シリーズ中に1回は1着を取っている選手もいるので、そこまで悲観することはないか。今回のような一般開催なら、ある程度は腕でカバーできる。
A級では久門徹がSGシリーズ中に1着が3本あった。高宗良次はまだ若手ながら、SGの大舞台でも思い切り走れていた印象。越智尚寿もチャンス所では堅実な走りができていた。
10月27日に行われた伊勢崎一般開催の優勝戦に乗っていた選手が3名来場。そこで準優勝だったのが浅香潤。スピード力に定評があったかつての走りが戻りつつある。デビューしてから数年、将来を嘱望されていた戸塚尚起も軽快な走りを見せ、優勝戦まで進み4着。復調の気配がある青木治親も、予選準決の4日間を全て3着以内でまとめて優出していた。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-10(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-19(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-4(26期)〕
前田 淳〔山陽 S-42(27期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-43(25期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-24(24期)〕
鈴木 清〔川口 S-41(23期)〕
青山周平が日本選手権で連覇達成!
飯塚オートで行われていた第51回SG日本選手権オートレースは、伊勢崎の31期・青山周平が制した。昨年の大会に続いての優勝で、見事に連覇を果たした。
試走タイムは青山と鈴木圭一郎が一番時計の29。佐々木啓、浦田信輔、丹村飛竜が30。永井大介と金子大輔が31。荒尾聡が34と一番悪かった。スタート争いは最内の青山が先行。これに鈴木圭と永井が続いていく。3枠の荒尾がスタート失敗。金子大輔と佐々木啓が4番手争い。丹村と浦田は厳しい展開になった。
レース展開はトップスタートの青山がそのまま逃げ切り。最初から最後まで先頭を譲らず優勝を決めた。これは青山の勝ちパターン。独走時は自分のコースを丁寧に走り、後続と差がある時は少し大きめに、そして後続がビタ付けになるとインを抑える走法。この走りを青山は完全にマスターしている。現状、エンジンが仕上がった青山を抜くのは、困難を極めるだろう。これで昨年に続き、SG競争の最高峰・日本選手権を連続で制すことになった。通算でSGは6V。この数字は今後、もっと高まるだろう。
準優勝だったのは佐々木。レース序盤で3番手に付けると、永井よりやや強めのエンジン状態だったが、永井を抜くのに手間取った。しかし、終盤でチャンスを見つけるとインに飛び込み2番手を奪取。その後は先頭を走る青山との差を詰めにかかったが、周回が足りず2番手止まり。それでもSGで準優勝は大したモノ。ここ数ヶ月の好調を示す形になった。もう少し周回があればどうなっていたか...。たられば、は勝負事で語っても仕方のない事だが...。佐々木は年末のスーパースターも楽しみになってきた。
当ブログで本命に推していた鈴木圭は、中盤4番手から車が進まず苦しいレースになった。それでも最終周回で永井を抜いて、何とか3着には食い込んだが、序盤の位置取りに課題を残した。
鈴木圭一郎が選手権3度目の制覇に挑む!
第51回SG日本選手権オートレースの準決勝戦は、オート界最高峰の競争に位置づけられる同大会らしく、白熱したバトルが展開された。優出をかけて各車が激走。それにより事故も多かった。
まずは10R。1周3コーナーで佐藤貴也が新井恵匠のインに入ろうとして接触。佐藤貴が落車で戦線離脱。更に、このレースでは中盤に中村雅人が浦田信輔のインに入ったところで、浦田を内側から押し出す形になり反則失格。中村雅は1着入線だったが、勝ち上がり権利を失ってしまった。そして最終12Rでは、スタート後の1コーナーで最内の高橋貢が外枠勢のカマシに突っ張る形になり、態勢を崩し落車。これに黒川京介と森且行も巻き込まれ落車。
アクシデントはあったが、優勝戦に進んだメンバーは日本一を決めるに相応しい顔ぶれ。青山周平が昨年に続いて連覇を果たすのか、それを誰かが阻止するのか。今回は三つ巴の戦いだと踏んでいる。
その中でも有力なのが鈴木圭一郎。今節は初日からオール1着で優勝戦まで駒を進めた。それも連日、爆裂スタート、驚異的な上がりタイムをマークしてだ。3回は7枠からトップスタート、2枠からも1回トップスタート。枠順不問でスタートを決めている。優勝戦の枠も問題なく、再びトップスタートを決め、後続を引き離す横綱相撲を見せてくれそうだ。そこで、当ブログでの本命には鈴木圭を推す。
他の2人は青山と永井大介。青山はここまで1、2、2、1着で優出。ほとんど危なげない走りを見せており、スタートも切れている。準決では金子大輔の追走を引き離せなかった点は気がかりだが、上がりタイムは3・363の数字が出ているので十分。永井は1、1、8、1着で優出。3日目はメンバーが揃ったスーパーライダー戦で、スタートが決まらず惨敗したが、それ以外では永井らしい走りができている。準決の中でも最もタイムが出にくい9Rで上がり3・371を叩き出しており、エンジン面は仕上がっている。永井も青山も優勝戦ではトップスタートを決めれば、鈴木圭を破る一番手になり得る。
他で怖いのは金子と佐々木啓。金子は準決で青山に食らいつき2着。上がりタイムは永井と同じ3・371が出ている。佐々木は近況の好調がそのまま今回の結果に結びついている。優勝戦メンバー相手でのスタート争いにやや不安はあるが、エンジン面は文句のない仕上がりで、レース中盤から後半にかけて巻き返してくる可能性がある。
◎鈴木圭一郎
○青山周平
△永井大介
△金子大輔
▲佐々木啓