荒尾聡が気迫の走りで勝利をもぎ取った!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは、地元の27期・荒尾聡が見事な速攻を決めて制した。この日、第1レースは重走路で行われたが、徐々に走路が回復。優勝戦の時間は、所どころ濡れている場所があり、公式発表はブチ走路だったが、選手が通るコースにはほぼ影響がなく、良走路のタイムが出ていた。
0ハンの桜木公和はスタートを残すことができず、10線最内の森且行に叩かれていく。しかし、5枠から荒尾も伸びて、バックストレッチに入る頃には先頭を奪取。6枠の篠原睦、8枠の鈴木圭一郎もそれに続いていく。
早い段階で鈴木圭が篠原をパスすると、その後は荒尾との壮絶なマッチレースとなった。インコースを外さず丁寧に周回を重ねる荒尾に対し、鈴木圭が攻略の糸口を探せないでいる。同じコースを通っても車速は一緒で、外に振りに行くと立ち上がりで戻ってこれなくなる。完全な良走路とは違うので、いつものようには仕掛けて行きづらいのか。荒尾は最後までミスすることなく走行を続け、ゴール前でチョイ差しを狙った鈴木圭を微差振り切る。3番手には、序盤の展開で苦しいレースになった新井恵匠が怒涛の追い込みで食い込んだ。
これで荒尾はGII8度目の制覇。SG、GIを含めると19個目のタイトルとなる。おととしの年末のSGスーパースターを制して以来の栄冠。デビューして2級車時代から27期でトップに君臨し、約18年経った今でも同期でトップ。ここまでモチベーションを保ち続けるのは容易ではないこと。オートレースに対する情熱、勝利にこだわる姿勢が好成績を持続させる基になっているのだろう。まだまだ荒尾は止まらない。抜群のスタート力と、粘り強いイン走法。この2つの持ち味を武器に、オートレース界で存在感を示し続けていきそうだ。