中村雅人がSGグランドスラム達成!
第20回SGオートレースグランプリは、川口の中村雅人が制した。中村はこれで6度目のSG制覇。更に、現行SGを全て制すグランドスラム達成となった。レースを振り返ってみたい。
スタートは最内の岩崎亮一が外枠勢を突っ張って出た。しかし、1周バックで、2番手スタートを切っていた鈴木圭一郎が岩崎のインに突っ込んで行く。試走一番時計の3・29を叩き出した鈴木が、ハイペースの逃げに入る。スタートで3番手に出ていた中村も岩崎を交わし、鈴木を追撃にかかる。レース前半は鈴木の逃げに対し、中村が距離を計りつつ、仕掛けのタイミングを探していく。徐々にその差が詰まり、しっかりと捌く態勢を整えていく中村。そして、万全の態勢になった時、中村は迷わず鈴木のインに飛び込んで行った。これが綺麗にコーナー回り切り、首位を奪取。その後は鈴木を引き離すまではいかなかったが、差を保ちながら逃げ切りゴール。3着には序盤で3番手に立った青山周平が入線。新井恵匠が高橋貢を逆転し4着ゴール。スタート決めた岩崎はズルズルと後退し結果的には6着。永井大介と池田政和は序盤から見せ場を作れず、終始後方のままだった。
今回も中村の強さが際立ったレースだった。試走タイムこそ一番だった鈴木。序盤の展開が良かったとは言え、その逃げを捕まえてしまった中村は流石の一言。大舞台での勝負強さを見せつけられた。来期の全国ランクは青山周平にトップを譲ってしまったが、レースの総合力では中村の方が上ではないか。5日間のシリーズで、しっかり仕上げてくる整備力。ここ一番でのスタートの集中力。レースが始まってからの柔軟性。トップレーサーにどれも欠かせないファクターを備えている。
準優勝だった鈴木も、これからの楽しみを残した一戦となった。最終的には中村に捕まってしまったが、SGの優勝戦で1回は先頭に立てた。今回は中村の迫力が上だったが、スピード的には全く遜色ないモノを持っている。スタートの切れも問題ない。もはやSGを獲るのは時間の問題だ。
本命車不在・誰にでもチャンスが!
この開催の直前にSGが行なわれている関係で、今回出場する選手にS級は不在。A級とB級による戦いになるが、突き抜けて好調な選手がいないので、優勝争いは混沌としている。その中でも注目の選手を挙げていく。
今回出場する中で最もランクが高いのは飯塚の滝下隼平。前走は地元でマズマズの結果。今回のメンバーの中では、スピード的に上位クラス。スタートに不安はあるが、今回は8枠からのレースがほとんどになるだろうから、それほど心配はない。自分のリズムで走れる強みがある。滝下と同じ飯塚地区で、エンジンがソコソコ良いのは田中進、丹村司、根本将人あたり。田中は捲り一辺倒の攻めながら、その車速には定評がある。丹村も軌道に乗ると車速が上がるタイプ。根本はハンデ差を生かしての健闘が目立っている。
地元山陽のランクトップは穴見和正。昔からインコースをベッタリと走るスタイルは変わりがない。近況の動きはマズマズで、前走の飯塚で優出した。今回も追い込みが中心となる番組構成。前団が混み合っていても、強引にイン突っ込んで行ける根性は魅力。若手の長田恭徳も近況は動きが活発。前走の飯塚ミッドナイトレースで優出している。優勝戦は3着、それ以外の2走も1着と2着。このまま勢いに乗りたいところだ。同じく若手の丸山智史も、着実に力を付けておりスピードレースで見せ場を作れる選手になった。
川口の早船歩は近況パッとしないが、今回はメンバーが大幅に軽化されるので、十分戦えるだろう。同じ地区の秋田貴弘、牧野貴博の両タカヒロはエンジン状態がマズマズ。秋田は捲りを主体に、牧野は前団の動きを見ながら自在に動いてくる。
浜松と伊勢崎地区は好調な選手がいない。ただ一人、木部匡作が前走の飯塚ミッドナイトレースで優出している。その流れを止めずに今回に臨めれば、上位争いにも参加できるか。
B級ではあるが、坊田寿彦が動き急上昇。前走の飯塚で、3連勝で優出すると優勝戦も2着で準優勝。高い走路温度に適応して、必死の粘り込みを見せていた。ただし、これだけ活躍するとハンデの重化は避けられない。前走では最重ハンの40M前に置かれていたが、恐らく30M前になるだろうから、展開的に厳しくなってくる。岡谷美由紀はゆっくりとだが、確実に成長している。単独0ハンに置かれた時は、マイペースの逃げで連対することが多くなった。
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主な出場予定選手
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穴見 和正〔山陽 A-38(12期)〕
丸山 智史〔山陽 A-46(31期)〕
早船 歩〔川口 A-18(27期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-31(23期)〕
鈴木 静二〔浜松 A-55(20期)〕
滝下 隼平〔飯塚 A-8(28期)〕
千葉 泰将〔伊勢崎 A-173(24期)〕
坊田 寿彦〔山陽 B-42(13期)〕