今度のミッドナイトレースは7車7R制!
開催ごとに車立てと1日のレース数が変わる飯塚のミッドナイトレース。今回は各レース7車立てで、1日に7レースが行なわれる。つまり参加選手は49名。その中で、S級は藤岡一樹だけ。
今回、唯一のS級・藤岡一樹の近況だが、軽めの長いスランプが続いている。本来の爆発力ある走りが見られていない。夏場の滑る走路では、藤岡の大外回りの走法がうまく適しないのもあるが、エンジンも乗り手も良いときの走りを取り戻せていない。しかし、今回はミッドナイトレース。夜遅い時間なら、走路温度は下がり、多少はタイヤが走路に食い付く状況になる。これを味方に藤岡らしい走りを見せてもらいたい。前走は予選モレとなったが、残り2日間は1着で来ている。
A級でランクトップは重富大輔。地元飯塚勢は、宮地朗を除いて前走がみんな飯塚のGIダイヤモンドレースだった。重富は初日の白星でリズムに乗るかに思われたが、準決3着で惜しくも優出は逃してしまった。ただ、シリーズを通して成績はある程度まとまっていたので、エンジン自体は悪いとは言えない。むしろ、今回の開催なら十分通用するレベルだ。同期の新村嘉之も準決3着で優出はならなかったが、シリーズ中はオール3連対を果たしエンジンは高いレベルにある。若手の森本優佑も活躍が目立っていた。準決でハンデが重くなり、苦戦を強いられたがエンジンも乗り手も良くなっている。
外来勢で好調なのは吉松憲治。前走の川口一般開催で優出してきた。攻めが的確で、道中の走りがしっかりしている選手。スタートを含め、序盤戦さえうまくこなせれば上位争いに参加できる。前走の地元伊勢崎で約4ヶ月振りに戦線に復帰してきたのは鈴木将光。久々のレースながら4日間の内、1着1回、2着1回、3着1回と上位着を取っていた。最終日はフライングをしてしまったが、道中の乗り手の感覚は衰えていない。食い付くミッドナイトの走路で活躍できそう。栗原俊介もエンジンは高い位置にある。地元4日間開催の準決で4着となったが、それ以外の3日間は全て1着。まさに今が成長盛りだ。
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主な出場予定選手
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藤岡 一樹〔山陽 S-44(29期)〕
重富 大輔〔飯塚 A-10(27期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-73(29期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-92(27期)〕
森本 優佑〔飯塚 A-150(31期)〕
吉松 憲治〔山陽 A-115(21期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-113(27期)〕
栗原 俊介〔伊勢崎 A-130(31期)〕
冷静な走りで青山周平がダイヤモンド制覇!
飯塚GI・ダイヤモンドレースは伊勢崎の青山周平が制した。試走一番時計に加え、序盤で好位を奪えたのが最大の勝因。先頭を走る鈴木圭一郎を落ち着いて攻略しての完勝だった。
先述の通り、試走は青山が一番時計の30。鈴木圭一郎と早川清太郎が32、中村雅人が33、池田政和が34、伊藤信夫が35、久門徹が36、そして岩田行雄が37だった。
スタートは最内の岩田が先行。しかし、鈴木が6枠からカマシ気味に出て、1周バックストレッチでは岩田を差し込み先頭を奪取。そこからはペースを上げての独走に入っていた。ほとんどの選手を引き離し、軽快な逃げに入っていたが、ただ一人、鈴木を追撃する選手がいた。青山だった。青山は、鈴木との差を徐々に埋めていった。そして、鈴木を射程内に捕らえると、間髪いれずにイン突っ込んだ。これが功を奏し、先頭に立つ。その後は、後続を更に引き離し、完璧な勝利となった。
このレースでは青山の成長が感じられた。今節の3日目、先頭を走る佐藤貴也に対し、最終周回の3コーナーで強引にイン突っ込んだが、回りきれず3着に番手を下げてゴール。走りの面での焦りが、結果的に着順を下げることになってしまった。しかし、優勝戦では前を走る鈴木に対し、しっかり回れる距離になってからインに突っ込んだ。これならコーナー回りきれず、番手を下げることもない。3日目の経験がすぐに優勝戦で生かされる形になった。この学習能力の高さは一流レーサーに必須条件。まだまだ快進撃は続きそうだ。