豪華メンバーでの3日間開催!
今回は3日間の一般開催ながら、メンバーはなかなかに強力。S級陣がシリーズの中心になって展開されそう。外来勢の猛攻を地元勢が受け止めきるか。
今回出場するS級の大半は、前走が山陽GIIの若獅子杯か、川口の3日間一般開催に分けられる。もちろん、他にも川口SG以来の伊藤信夫や、飯塚のミッドナイトレース以来の荒尾聡などもいる。
まずは若獅子組の動向から。全国ランクトップの金子大輔は、肝心の準決で5着になり優勝戦には進めなかったが、5日目のシリーズで3勝を挙げているようにエンジンは悪くない。若手期待の星・鈴木圭一郎も準決は3着で涙を飲んだが、シリーズ中はオール3連対。1着も3本決めている。様々な状況でのレースを経験し、乗り手の対応力はアップしている。川口のSGで優出し、勢いに乗りたかった佐藤貴也は、若獅子では全体的に成績がパッとしなかった。今年は船橋のGIを制し、調子も上がっていた岩見貴史も佐藤同様、若獅子ではイマイチな結果に終わった。地元走路だった人見剛志は、初日、2日目と白星を挙げたが、その後は失速。悔しいシリーズになった。しかし、この時の若獅子は、山陽が新走路になって1節目の大会。どの選手もエンジンを天候や走路状態に適合させるのが難しかったと思われる。
もう一つの川口組。最も良い成績を残したのは山田達也。自身、約3年振りとなる優勝を決めてきた。優勝戦は雨走路だったが、予選中の良走路での動きも良かった。同じ優勝戦に乗っていたのは中村雅人、佐藤裕二、内山高秀。中村と内山は、優勝戦で川口の雨走路に合わせられなかったが、中村は晴れに関しては問題ない動き。内山はもう少し欲しい状態だが、まあ戦える状態にはなっている。佐藤もエンジン状態はマズマズで、気合の入った突っ込みができている。西原智昭はエンジン流動的。良い時もあれば、イマイチな時もある。
業界初のミッドナイトレースを走ってきたのは荒尾聡。普段慣れない時間帯でのレースだったが、3日間開催でオール2着。対応力の高さを見せた。川口のSG日本選手権以来になるのは伊藤信夫。その時は力を出し切れなかった。今回は地元で立て直しといきたい。
A級では、最も若い32期ながらすでに3回の優勝を経験している中村友和。良走路での調子が戻ってきている藤岡一樹。武器の速攻が健在な青島正樹、笠木美孝の22期コンビ。逃げるレースで持ち味を出せる矢野正剛などに注目を。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 S-15(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
山田 達也〔川口 S-30(28期)〕
人見 剛志〔山陽 S-33(28期)〕
久門徹が4年振りにGI制覇!
伊勢崎で行われた第39回シルクカップ争奪戦は、飯塚の久門徹が魂の走りで制した。毎レース善戦は多いが、最終的な結果に結びつきにくかった久門。久しぶりにタイトルを奪取し、本人も思うところがあっただろう。
良走路で行われた優勝戦。試走タイム一番時計は、久門と岡部聡、早川清太郎、篠原睦の30。次いで、三浦康平、池田政和の31。永井大介は32。岡松忠が34とやや大きい数字。
スタートは最内から岡松が飛び出す。しかし、1周バックストレッチで三浦が早々と交わす。独走力ある三浦が逃げ態勢を築くかと思われたが、久門が早い段階で差し込む。そこからの久門は神経をすり減らすレース。タイヤを滑らせないようにしながら、抜かれないコースを走り切る。すぐ後ろでは池田がピタリ追走。そして、再三にわたる果敢なアタック。その全てを久門が封じ切り、先頭を守ってのゴール。ゴール直前ではチョイ差しを警戒して周りを確認。池田がそのまま2着入線。岡部が3着に食い込み、実力者・永井は序盤で好位を奪えず後方のまま。篠原や早川もいいところがなかった。
選手としてはかなり早熟と言われた久門。デビュー翌年にはGIIを制し、その2年後に再びGIIを制す。そして、デビューして4年後には最高グレードであるSGを制覇。この時はまさに破竹の勢いだった。その2年後には、再びSGを獲った。しかし、その後はスランプ。記念レースで優勝戦まで駒を進めることはあっても、優勝争いにまで参加することは少なくなった。2011年に浜松のゴールデンを制した時は、復活を予感させたが再び低迷。そして、ここにきてまた結果を残した。
久門は早熟ではあったが、それだけで終わるわけではない。むしろ、不死鳥に近いイメージ。調子の悪い期間が長くなろうとも、何度でもよみがえる。何度でも立ち上がる。何度でも魅せ続ける。