劇的な勝利! 中村雅人がSGオールスター初V!!
SGオールスターオートレースの優勝戦は、最後まで目が離せない見ごたえ抜群のレースだった。勝利したのは中村雅人。激しい競り合いを制しての劇的V。
展開は、まずスタートで大外の荒尾聡が見事なカマシを決めハナを奪った。しかし、2番手スタートを切った青山周平が、すぐさま交わして逃げ態勢に入った。中村は角南一如のアウト攻めを張りつつ、篠原睦と荒尾を差して行く。青山と一対一になってからは迷わず突っ込んだ。今度は、中村が逃げ態勢に入った。勝負のヤマは青旗過ぎ。青山がやや強引気味に中村のインに突っ込んだ。しかし、中村も負けずと切り返し、3コーナーで渾身の突っ込み。ややハラみ気味にはなったが、何とか勝利をもぎ取った。
中村と青山の後ろで様子をうかがっていた角南が、最終4コーナーをうまく乗り切り2着に入った。青山はブレて3着になってしまった。
中村と青山。過去にもSGの優勝戦で際どい競り合いを演じていた。青山が独走に入ったら誰も追いつけなそうだが、中村は追う側の強味があるのか捕まえてしまう。青山もやられたままでは終わらない。必ず首位奪回を目指して攻めてくる。この2人の争いはレースごとに熱を帯びてくる。今後もSGはこの2人を中心に回って行くのではないかと思われる。
今回の優勝戦では他にも、見せ場はいくつかあった。
明らかにエンジン劣勢だった荒尾は、0オープンの大外からでもスタートだけは決めて行った。先行できなければ追走一杯になるレースでも、しっかり見せ場を作っていた。また、同期の角南も持ち味のスピードを見せつけてくれた。スタート次第ではSGでも十分通用する事を証明した。
ついに決戦! SGオールスターのファイナリスト出揃う!!
4日間好天に恵まれたSGオールスターオートレースは、ついに優勝戦の日を迎えた。準決は後半2レースでやや波乱はあったものの、優勝戦はそうそうたる顔ぶれになった。優勝戦が行われる29日は、雨の予報も出ているので雨予想も載せておきたい。
準決で動きが光っていたのは2人。中村雅人と青山周平。中村はスタートしてから3~4番手に付けると落ち着いた走りで首位を奪取。その後は後続を引き離す一方の快勝。青山の方はトップスタートを切って、そのまま独走。ブッチきりの快勝だった。
他で気になったのは角南一如。スタート力を不安視されている角南だが、3日目、準決と好スタートを見せた。元々、スピードには定評があるので、このスタートを切ったら鬼に金棒。追ってくる浦田信輔を見事に振り切った。
当ブログでの本命には青山周平を推す。準決は10Rと、まだ温度が下がり切ってない走路コンディションながら、この日一番の上がりタイムをマーク。タイムが出やすい12Rで走っていたら、もっとタイムが出ていたと思われる。また、スタート力もあるので、最内からトップスタートを決めそうだ。枠番選択2番目で1枠を選んだのには、スタート決める意気込みが感じられる。SG優勝戦の大舞台も何度か経験しており、緊張しすぎることもないだろう。トップスタートを決められれば、確実に後続をブッチきる。
対抗には中村雅人を挙げる。準決の上がりタイムは3・454と数字は良くないが、レース内容を見ると余裕が感じられた。10周戦になるのも、疲れを知らない中村にとっては好都合。過去2回のSG優勝もここ川口なので相性は良い。
他に印が回るのは浦田信輔と高橋貢。浦田も10周戦になるのは好都合。スタート争いは微妙だが、前団を追いかけて行く時の気迫はかなりのモノ。青山が先行できないケースだと、優勝争いにまで参戦してくる。高橋貢も準決は流石の立ちまわり。勝負所と見るや、佐藤貴也のインに突っ込んできた。競争の大事な場面は熟知しており、周りの選手が少しでも隙を見せるようなら逃さず交わして行く。
最後に印が回るのは角南一如。ここ2日間好スタートを切ってもまだ不安な感じはあるが、オープンの4枠ならこなしてくるか。仮に2番手くらいに出るようだと、もしかするともしかするかも。
なんとか準決を突破した荒尾聡は、大外枠だと持ち味を出し切れない可能性がある。金子大輔も展開的に楽ではないだろう。3枠の篠原睦は、再び好スタートを切る可能性高い。しかし、準決はインを一杯に抑えて乗り切った感があるので、優勝戦では苦しくなる。
◎青山周平
○中村雅人
△浦田信輔
△高橋貢
▲角南一如
雨の予想でも青山周平を本命に推す。いつもの雨の走りを見る限り、苦にしている様子はない。大きめなコースを走るので、当日の川口走路で外のコースが利けば問題ない。相手には高橋貢。さまざまな状況での大舞台の経験は圧倒的。落ち着いて対処するだろう。篠原睦は雨走路の方が好成績を残せるかも知れない。金子大輔も雨は苦手にしていないし、中村雅人は直前に浜松のゴールデンレースを雨で優勝している。
◎青山周平
○高橋貢
△篠原睦
△金子大輔
▲中村雅人
気候の変化で軽ハンが有利な傾向に!
今節の直前に川口でSGが開催されている関係で、今回はS級選手は不在。A級とB級のみで行なわれる。誰にでもチャンスがあるわけで、レースは自然と過熱する。優勝戦に乗ってきそうな選手をピックアップ。
最も勢いがあるのは飯塚の越智尚寿。前走は地元開催で優勝している。その節の前からずっとエンジン自体は安定していた。これと言った強味はないが、逆にこれと言った死角もない。エンジン状態ナリの走りがしっかりできるので、好調な今は積極的に狙ってみたい。同じ飯塚地区から好調な選手を何人か紹介。
直前の船橋開催で準優勝したのは内山雄介。逃げが得意な選手のイメージが強かったが、船橋では優勝戦も含めて追い込みが光っていた。元々持ってるスピードに捌きがプラスされた形。走りの武器が増え、これから益々活躍の場が広がりそうだ。同じ開催で優出し5着だった松尾隆広も好調。これまで3節連続優出は見事。以前は成績がムラで、日によって着にバラつきがあったが、近況は安定感が出てきた。課題だったスタートが良化されたのも、好成績が続く一因だろう。他では、田中進や細野俊介が武器のスピードを活かしそう。
船橋地区も好調な選手は何人かいる。直前の地元開催で優出した石井大輔や鈴木慶太など。石井はA級のなかではトップクラスのスタート力を誇り、試走タイムが出なくても狙えるタイプ。鈴木慶の方は、短ハンデ戦、もしくはオープン戦などで速攻を決めるタイプ。そのような番組構成になったら注意したいところ。落合淳や清岡優一の29期勢も調子を上げている。
追い込む展開より短ハンデ戦で力を出しそうなのは、川口の谷島俊行や伊勢崎の柿沼進一。共に、好スタートからの速攻を得意とするタイプで、力が拮抗した同士での戦いで威力を発揮する。浜松の浅田真吾は外枠に置かれても、カマシスタートを決められる選手。多少厳しい位置でも克服できる力がある。
最後に開催地区となる山陽。こちらや速攻タイプと言うより追い込みタイプが多い。林弘明や満村陽司などは、スタートで好位置を奪えなくても、道中で巻き返して行けるタイプ。混戦になればなるほど、出番があるだろう。もちろん番田隆弘や、山下知秀などの速攻派もいる。若手では矢野正剛が着実に力を付けてきているので注目したい。
また、今回は船橋から片野利沙や中山光の2級車が参戦予定。初めての山陽走路でどのような走りを見せるのか楽しみだ。
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主な出場予定選手
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林 弘明〔山陽 A-36(24期)〕
満村 陽司〔山陽 A-38(26期)〕
山下 知秀〔山陽 A-45(28期)〕
谷川 一貴〔船橋 A-22(23期)〕
越智 尚寿〔飯塚 A-31(25期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-41(27期)〕
柿沼 進一〔伊勢崎 A-53(21期)〕
谷島 俊行〔川口 A-84(25期)〕
オートレースの祭典・SGオールスター開幕!
毎年この時期に開催されるSGオールスターオートレースも、今回で33回目を数える。前回優勝者と全国ファン投票により選ばれた精鋭が川口に集結し、熱いバトルを繰り広げる。優勝争いを占うべく、主力選手の近況を地区別に追ってみる。
まずは開催される川口地区。ランク筆頭は若井友和だが、今回に向けてはやや不安あり。と言うのも、前走の浜松で落車してしまい、今回が落車明けのレースになる。それまでの動きは悪くなかったから、どこまで悪影響なく状態を戻せるかがカギになる。川口で最も状態が良いのは森且行。前走は浜松のGⅠで準優勝。優勝戦は雨走路だったが、予選道中の晴れ走路でも好成績を残していた。今回は地元勢を引っ張っていく存在になるか。他のS級勢はいづれも状態イマイチ。地元開催なだけに、何が何でもエンジンアップさせたい。
今、最も充実しているのは船橋地区。その中でも最も有力なのは中村雅人。前走の浜松GⅠゴールデンレースを制し、この大会3連覇。今は雨でも晴れでも好成績を残せている。川口走路との相性も抜群で、過去2回SGを獲っているのもここ川口。今回も大暴れしそうだ。他にも船橋はタレント豊富。全国ランク1位でのSG出場は初となる青山周平も状態は良い。直近は2節連続で準優勝。エンジン的には高いレベルにある。SGタイトルホルダーでない選手の中で、最もSG初優勝に近い存在だ。今期は全国ランク2位になってしまった永井大介は、前走の浜松で珍しく反則をしてしまった。エンジン的にも並の状態なので、やや不安残り。ただ、このオールスターは前回覇者であり、ディフェンディングチャンピオンとしての意地はあるだろう。他にも内山高秀や西原智昭らも状態は悪くない。ファン投票9位で選出の片平巧は落車明けなので不安残り。
次に層が厚いのは飯塚地区。ランク筆頭は荒尾聡だが、依然として不調。良くなりかけたかに見えても、完全復活までは行かない。元々、底力のある選手なのでスランプ脱出に期待したい。大将格の浦田信輔は良い状態でエンジンを保っている。強烈な捌きを見せてくれるだろう。田中茂は前走の伊勢崎ナイターで優勝した。勢いはあるので初日から注目したい。篠原睦はエンジン一息だし、東小野正道は落車明けなので試走に注意。有吉辰也は、まだ乗り手の感覚が戻ってなさそうで、上位争いは厳しいか。
伊勢崎からはS級が4人参戦。高橋貢は前走の浜松では一息だったが、それまではエンジン良かったので心配ないか。田村治郎が前走の浜松GⅠで優出し5着。上昇ムードにあると言える。早川清太郎は少しずつ良くなってきているが、まだ本来の走りをするには上積みが必要。浅香潤は川口走路との相性マズマズなので期待したい。
山陽地区は状態良い選手が多い。佐々木啓がただ今、連続優出中とエンジン好調。川口走路との相性もソコソコ良い。濱野淳もエンジンは高い状態にある。スタート力もあるので速攻を連発するか。ランク筆頭は松尾啓史。エンジン悪くはないが、もう少し欲しい状態。岩崎亮一は前走が伊勢崎ナイターで優出し3着。昼間の開催になってもうまく合わせれば上位争いに参加できる。この大会を勝てばSGグランドスラムとなる岡部聡は、晴れの動きはもうチョイといったところ。
最後に浜松地区。ランク筆頭は金子大輔。ちょっと前に車を乗り替わったが、まだ完全に仕上がってるとは言えない。それでも整備に熱心な方なので、急にエンジン良くなる可能性もある。安定感で言えば木村武之がずっと上。地元のGⅠの優勝戦は雨走路にうまく合わなかったが、晴れの動きは問題ない。準決でも好タイムをマークしていた。佐藤貴也は一時期の仕上がりではないが、並の動きはしている。ちょっとしたところで、再びエンジン良くなることも十分ある。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔船橋 S-1(31期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
中村雅人が大会3連覇を達成!!
GⅠ開場58周年記念ゴールデンレースの優勝戦が20日、浜松オートレース場で行われた。レースは前日の天気予報を覆す重走路となった。優勝したのは、この大会2連覇中の中村雅人。今回の優勝で見事3連覇を決めた。
0ハンからスタート飛び出したのは1号車の遠藤誠だったが、1周2コーナーで田辺誠が捲って逃げ態勢を作った。やや小さめのコース取りで首位を独走していたが、それをまず捕えたのは、10線から好スタートを決めた森且行。大きめなコース取りで徐々に田辺との差を縮めにかかり、ついには捲り切った。しかし、その森を交わし優勝の栄冠を掴んだのは中村だった。
スタートこそ出遅れた感の中村だったが、8周回をうまく使った。前を行く強豪達を落ち着いて捌いていった。まずは木村武之を。そして、浜野淳を。しっかりと懐を取って、きれいに捌いていった。3番手に立ってからは田辺、森との距離があり、届くかどうか微妙だったが、慌てることなく、自分のコースをしっかり回りきり追い詰めていった。
中村の魅力は、言うまでもなく追い込みの強烈さ、的確さ。これぞオートレースと言う走りを見せ、オートファンを魅了する。ここ数年の、スタート決めてそのまま逃げ切るようなレースはほとんどない。もちろん、そういうタイプが魅力ないわけではない。いろいろなタイプの選手がいて、レースは盛り上がる。それでも、中村のようなレーススタイルは、ドキドキ感を増してくれるし、オートレースの楽しさを再確認させてくれる。スピード至上の現況に置いて非常に貴重な選手であることは間違いない。今後の活躍を願ってやまない。