今年2回目の飯塚開催は3日間の短期決戦!
今年の飯塚開催第一弾は荒尾聡の優勝で幕を閉じたが、早くも飯塚第2弾の開催が始まる。今回は3日間のシリーズなので、初日は主力が分散される傾向があり、堅い決着になる可能性が高いか。主力の近況を追ってみる。
まずは大将格の浦田信輔から。今年に入って地元、山陽と2節走り、優勝こそないものの両方とも優出はしている。晴れ走路に関しては抜群の安定感があるので、今回もアタマの狙いからで信頼できる。去年、後半からエンジンが大崩れしていない。いい状態を保つ整備力も浦田の武器と言える。
他のS級は4人いるがまずは久門徹。前走は伊勢崎のGⅠシルクカップ。準決を2着で突破すると優勝戦は7着。その節で勝ち星こそなかったが、エンジンはまずまずの状態か。ただし、久門は近況エンジンが不安定で、日替わり状態。その日その日の試走には注意したいところだ。次は重富大輔。お正月の飯塚開催の準決を2着で突破し優出。近況の流れとしては悪くない。課題のスタートもだいぶ克服されてきている。コーナーのスピードは申し分ない。岩見貴史も前走は地元のお正月開催。最終日に1着を取ったが、本人としてはマダマダ納得いく状態ではないだろう。瀧下隼平は前走が伊勢崎のGⅠ。初日と最終日に連対を果たしたが、やはりエンジンはムラで、勝てる時と負ける時の差が激しい。この時期なら試走タイム31近辺まで出せるタイプなので、その辺が目安となる。
A級では牧瀬嘉葵が前走の伊勢崎GⅠで優出した。スピードは元々定評があったので、課題はスタートを含めて序盤の展開。このあたりが安定してくると、もっと成績が上がるハズ。また、ベテランの永冨高志も差しに安定感があるので、混戦になりそうなら出番がある。
外来勢では、山陽勢に注目。S級は松尾啓史と藤岡一樹。年末のスーパースター戦では大晦日の王座決定戦にまで駒を進める活躍を見せた。今年に入ってからはどうだろうか。松尾はお正月の浜松開催では動きよかったが、その後の山陽ではイマイチだった。本来の動きを取り戻すには整備が必要な状態。藤岡の方は、前走が伊勢崎のGⅠだったが、動きはピリッとしなかった。それでも試走タイムは出ていたので、エンジン本体は問題ないか。今回は飯塚走路に合わせられるかがカギになる。
伊勢崎からは浅香潤が参戦。前走は地元のGⅠだが見せ場なく終わった。このところずっと良くない状態が続いている。早めに良化の兆しだけでも出しておきたいところ。同地区からは渋沢憲司が元気良いし、猪熊龍太や松村真も逃げで時折り粘りを発揮するので注意したい。
船橋からは伸び盛りの新井惠匠や古木賢がやってくるし、浜松からは独走力がある鈴木啓示や赤堀翼に注目したい。
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主な出場予定選手
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浦田信輔〔飯塚 S-323期)〕
久門徹〔飯塚 S-34(26期)〕
重富大輔〔飯塚 S-38(27期)〕
岩見貴史〔飯塚 S-45(29期)〕
瀧下隼平〔飯塚 S-47(29期)〕
浅香潤〔伊勢崎 S-33(23期)〕
松尾啓史〔山陽 S-8(26期)〕
藤岡一樹〔山陽 S-18(29期)〕
スーパースター覇者の中村雅人を地元勢が抑え込むか!
前回、中野憲人の優勝から2週間と経っていない川口オートの今年第2弾の開催。4日間の一般開催となる。中野は今回不在だが、S級上位陣は揃っており地元の牙城は堅固。外来勢を迎え撃つ態勢は整っている。まずは地元勢の動きを追ってみたい。
前回のお正月開催で優出した選手が、今回も多数参戦。前回の優勝戦で最上位は森且行の2着。年末の開催から試走タイムは出ていたし、お正月開催でもエンジンの手応えは良さそうだった。レース間隔も空いていないので、今回も大いに活躍できそう。同期の若井友和も動きは上々。前回の優勝戦は4着に入った。若井はこのところずっとエンジンが良い状態で安定している。気候的にも大幅に変わるわけではない時期なので、今節も初日から飛ばして行きそうだ。
他にも前回優出者はいる。大木光は前回優勝戦で7着だった。やはり大木もエンジンが安定しており、得意のイン突っ込みで前団を交わして行くシーンが多く見られている。大木の魅力は、前を走る選手がコースを抑えていてもインに潜り込んで行ける強い心を持っている点だ。大混戦になっても車の進み方が緩むことはない。高橋義弘は前回優勝戦では8着だったが、予選道中では本来のスピードが戻ってきた様子が窺えた。大きなコース取りで前団を捲って行けているし、スピードレースでも対応できる車速が武器。小原望も前回は優勝戦に進んで6着。フライングをしてしまったので、スタートは慎重になるかもしれないが、だいぶ車速を乗せて走ることができるようになってきている。
他の地元勢では、吉田祐也が年末のスーパースターフェスタで優出している。豊かな車速を武器に前団を飲み込んで行くか。また、同門の牛沢和彦もエンジンは安定している。ハンデ的にも魅力だし、スタートが切れているので好展開に持ち込める。他では、広瀬勝光や吉田幸司のエンジンも上々だ。
外来勢で最も注目なのは中村雅人。当地は年末のスーパースター王座決定戦を制している。SGの優勝戦では珍しい大混戦を制して栄冠を掴んだ。その後は、伊勢崎のGⅠシルクカップに出場したが、成績はイマイチだった。しかし、川口は年末にいいイメージを残しているので、今回も優勝候補に挙げられるのは間違いない。
浜松からは岩科鮮太が登場。前走は伊勢崎のシルクカップだった。優勝戦までは進めなかったが、車の動きとしてはマズマズ。一般開催なら力強く差し込んで行けそうだ。同地区では柴田紘志がエンジン好調。課題だったスタートもだいぶ良化しており、豪快な走りを見せてくれるか。
他の地区では、飯塚から篠原睦が参戦。前走は優出モレとなってしまったが、エンジンはまあ悪くなさそうだった。山陽では小林啓二や岡松忠がやや昇り調子。伊勢崎からは新人32期がお目見え。吉原恭祐は同期の中で3本の指に入る逸材。その走りに注目してみたい。
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主な出場予定選手
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若井 友和〔川口 S-11(25期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
森 且行〔川口 S-22(25期)〕
大木 光〔川口 S-35(28期)〕
平田 雅崇〔川口 S-41(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-5(28期)〕
岩科 鮮太〔浜松 S-43(29期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-21(26期)〕
今年初めての船橋オート開幕!
お正月に開催がなかったため、今節が今年初めての開催となる船橋オート。現在、最強地区と目される船橋の熱い戦いが今年も始まる。地元S級選手全9人のうち4人は不在だが、永井大介と青山周平は参戦。ハイレベルの走りを見せてくれそう。
全国ランク1位と2位の永井、青山は共に前走が年末川口のスーパースター王座決定戦。大晦日のレースでは永井が3着、青山が4着に入った。レース中、永井はずっと好位置に付けていたが仕掛けられず優勝はならなかった。青山の方は中盤で先頭を奪取したが、最終1コーナーで中村雅人に突っ込まれて2番手に。更に最終3コーナーで捲り返そうとしてタイヤが滑り、4着まで後退してしまった。スーパースター戦は極限までエンジンを仕上げなければ勝てない厳しい戦い。今回の一般開催なら両者共に十分戦える状態にある。この2人がシリーズの核を形成しそうだ。
他のS級では内山高秀に注目。前走は年末川口のスーパースター戦だが、王座決定戦には乗れず順位決定戦回りとなった。そこで4着。スーパースタートライアルを含めて、ここで走った経験は確実に本人の底力アップに繋がるだろう。エンジンも決して悪くはない。鈴木聡太は前走が伊勢崎GⅠだが、スランプ脱出の兆しが出ていた。岩田行雄も前走は伊勢崎GⅠだが、やや物足りない動きだった。
他の地元選手では、武藤博臣が飯塚の開催で優出し4着。本来のスピードはまだ戻ってきていないが、以前よりはだいぶ良くなっている。また、押田和也が浜松の開催で優出し7着。エンジンの波が穏やかな選手なので、好調の今は狙い時だ。他では黒岩明がエンジンずっと安定している。川口の最終日で反則してしまったが、それほど心配しなくてよさそう。また、新人の片野利沙が乗れてきたし、鈴木圭一郎は評判に違わぬ活躍を見せている。
対する外来では山陽勢が脅威か。ランク筆頭は佐々木啓。地元の開催で優出し4着。予選道中の動きも悪くなかったので、今回の船橋でもいい走りができそう。丹村飛竜は走路状況に恵まれたとは言え、地元開催で優出し7着。エンジン良くなれば試走タイムに表れるタイプなので試走には注意したい。中野政則は勝ちきれていないが、エンジンは悪くなさそう。岡本博幸も試走タイム自体は出ているので警戒を。
飯塚勢も上々。筆頭の藤川幸宏はマズマズの動きを示している。田中輝義は連続優出中とエンジンの好調を誇示。乗り手も乗れてきている。越智尚寿もようやく良化の兆しが出てきた。
浜松からは青島正樹と笠木美孝がS級として参戦。青島は地元の開催で優出し5着。動きとしては悪くない。笠木は苦しんでいたが、少し良くなっているか。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
青山 周平〔船橋 S-2(31期)〕
内山 高秀〔船橋 S-14(26期)〕
鈴木 聡太〔船橋 S-37(29期)〕
岩田 行雄〔船橋 S-48(15期)〕
青島 正樹〔浜松 S-27(22期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-44(22期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-20(23期)〕
5日間晴天で行われたシルクカップは、優勝戦も良走路でのレースになった。戦前から高橋貢と木村武之の一騎打ちムードだったが、試走が終わってからもその流れは変わらなかった。2人共に試走3・28の好タイム。次に良いタイムの荒尾聡が30だから、実に2つ上回っていた。
レース展開は最内の荒尾がスタート飛び出した。そこに、高橋と木村が続く形。1周を回った頃には荒尾は抜かれて、高橋と木村で逃げる展開になった。そのまま最終周までこの態勢だったが、ドラマが待っていたのは最終3、4コーナー。それまで再三、高橋のインを狙っていた木村だが、最終3、4コーナーでは高橋の外に付けて捲りを狙った。これが功を奏し、ゴール前では伸び勝って栄冠のゴール。
木村が駆け引きの巧さを見せた。エンジン的にはほぼ互角の勝負だった。高橋はインに入り込まれないような走りをしてブロックしていたが、木村は最後の最後に外から攻めた。若いときの木村だったら、無理やりインに突っ込んでハラんでいたかもしれない。しかし、経験が木村に捌きの幅を広くしていた。スピード面でも全国屈指の木村だが、攻めにも多彩さが出てきた。
3着には、久門徹を抑えて荒尾が粘っていたが、金子大輔が機力を活かして浮上してきた。0オープンの大外からという厳しい位置から良く健闘した方だ。荒尾はエンジン仕上がり切らずに苦戦したが、それでもスタートを決めてくるあたり流石と言える。
早船歩は両隣にスタート行かれて見せ場を作れなかったが、エンジンは安定しているし、準決などを見る限り独走展開を作れれば戦えることを証明した。爆発力ある牧瀬嘉葵はもう少し安定感が出れば成績も良くなってくるだろう。佐藤貴也は果敢な走りを更に磨きをかけたいところだ。
優勝戦はしっかり決める高橋貢!
中村雅人や池田政和、早川清太郎は優出モレしてしまったが、それ以外は順当に勝ち上がった優勝戦。準決の10メートルオープン戦から0オープンでの戦いになり、更にスタート力がカギとなる。
優勝戦の本命には高橋貢を推す。準決では、逃げる牧瀬嘉葵を捕まえられず2着に終わったが、優勝戦までにはしっかりエンジンを立て直してくるとみた。また、0オープンの2枠はいい位置なので、トップスタートからそのまま押し切りもある。当大会との相性も抜群で、毎年冬に開催されるシルクカップでは無類の強さを見せてきた。地元の声援を一身に受けて人気に応えそうだ。
相手候補筆頭は木村武之。今節は安定した動きを見せている。3日目の準決へ向け全員乗りのレースをも制しているように、今節は気合の入り方が違う。高橋貢を抑えてスタート先行するようなら、誰にも抜かれずゴールするシーンもありそう。伊勢崎との相性がいい点も好材料だ。
3番手には金子大輔。0オープンの大外はいかにも厳しいイメージだが、エンジンの仕上がりは良好。少なくとも牧瀬よりは先行できるので、7番手からのレースはできる。周回が延びても苦にしないタイプなので、8周戦になるのはチャンス倍増。伊勢崎ではSGを制したこともあり、走路の特徴は掴んでいる。
その他では佐藤貴也に注意したい。準決で大幅に機力アップしてきた。6枠なのが少し気がかりだが、前団のインを突いて浮上してくるか。実力を考えれば荒尾聡も怖いのだが、近況は仕上がりを欠いている。準決もなんとか2着まで行けたが、その動きは一杯一杯。しっかり立て直してこれないと厳しいレースが強いられる。久門徹は準決で大幅に試走タイムを上げてきた。センターから飛び出せるようなら見せ場を作れるかも。
◎高橋貢
○木村武之
△金子大輔
△佐藤貴也
▲荒尾聡