ランク上位者がエンジン上向きで激しい競り合いが見もの!
今回は今までのプレミアムカップとは大きく変更された点がある。それはS級とA級を完全に分けて戦わせ、最終日には両方の優勝戦が設けられた事だ。圧倒的な力の違いによる単調なレースが減るのと、優勝戦が2つあるのとで楽しみは倍増された。
前回に続いて今回も山陽オートレース場での開催となる。まずは地元開催ということで、無意識にでも力が入ってしまう山陽勢の選手の動向を見てみたい。今期山陽ランク1位の角南一如(山陽)は直前に飯塚一般開催に参戦。優勝戦ではレース後半追い上げてきての3着だった。この開催では予選、準決でも角南らしい走りが戻ってきていたのが印象的だった。だいぶ復活してきたと見ていい。次に、濱野淳(山陽)。近況はパーツ交換を繰り返す厳しい状況が続いていたが、前節の船橋開催ではようやくエンジンが仕上がった様子。藤岡一樹(山陽)、佐々木啓(山陽)は、直前に飯塚一般開催に参戦し、マズマズの伸びを示していた。岩崎亮一(山陽)、岡部聡(山陽)はやや不安残りの状態。小林啓二(山陽)は、通算1600にリーチがかかってる状態で、そちらの動向にも注目を。
外来勢では、地区全体で好調な船橋勢をまず追ってみる。前回地元開催では、永井大介(船橋)が雨走路で優勝。準決までの晴れの動きはやや不満だったが、優勝しての参戦となるので流れは良い。中村雅人(船橋)は逆に、優勝戦は雨に泣かされた形。準決などの良走路の動きは良かったので期待できる。その他では、内山高秀(船橋)、森谷隼人(船橋)が状態良さそう。
川口地区は、川口でランク1位の高橋義弘(川口)にまだ元気が戻ってきてないが、平田雅崇(川口)がようやく動き上昇。鈴木清(川口)は船橋開催で優出。また、佐藤裕二(川口)も5月の飯塚開催で優出しており、エンジンは堅調と言える。
伊勢崎は、高橋貢(伊勢崎)に近況優勝がないが、エンジン自体はソコソコの動きをしている。2番手の早川清太郎(伊勢崎)は、浜松開催で最終日に反則してしまっているし、エンジン的にもイマイチな状況。他の選手も、あとひと伸び!という状態が続いている。
浜松勢で好調なのは金子大輔(浜松)。飯塚のG2で2回の優勝戦で共に2着。だいぶ安定感が出てきた。木村武之(浜松)は悪くはないが、本人としては不満が残る状態だろうし、伊藤信夫(浜松)も本調子になってはいない。笠木美孝(浜松)、岩科鮮太(浜松)らも整備が必要な感じ。
最後に飯塚勢はと言うと、直前の地元一般開催で久門徹(飯塚)が久々に優勝した。開催間隔も空いてないので、いい形で参戦できる事だろう。強烈な突っ込みができている浦田信輔(飯塚)や、本来のスタートが戻ってきた有吉辰也(飯塚)は、エンジン的にも上々と言える状態。逆に荒尾聡(飯塚)や東小野正道(飯塚)は、現状では厳しい戦いが想定される。ただし、2人とも整備に熱心に取り組むので、節中に上昇も十分あり得そう。
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主な出場予定選手
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角南 一如〔山陽 S-14(27期)〕
濱野 淳〔山陽 S-15(24期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-16(25期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-22(期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-1(22期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
S級やA級上位選手が不在で優勝候補は青山周平!
この後に開催されるプレミアムカップに上位級選手が多数斡旋される関係で、今節はランク的に中堅選手勢の争いとなる。その中でも青山周平(船橋)の実力がズバ抜けており、シリーズを引っ張っていく存在となりそう。
まずはその青山の近況はと言うと、前走は飯塚のGⅡダブルチャンピオンシップで、4日目のプレ優勝戦では良走路で見事1着。最終日の本優勝戦では、やや不安定な走路で篠原睦(飯塚)のミスのない走りを攻略できず準優勝に終わった。ただ、予選、準決勝と危なげない動きを見せていたので、今回の伊勢崎でも青山はいい走りを見せてくれそうだ。同地区船橋から気配の良い選手は、福田裕二(船橋)。前節の地元一般開催では、2日目に良走路で上がり3.42の好タイムをマークし復活を思わせる動きを見せていた。他にも、木部匡作(船橋)が、前々節優出の動きを保って、前節も健闘していた。伊勢崎は準地元になるので気合も入るところだろう。
他の外来勢では、高林亮(飯塚)の動きに注目。レース展開に左右されやすいタイプではあるが、自分のリズムに持ち込めれば持ち味のスピードを発揮して見せ場を作れる。また、同地区の田島敏徳(飯塚)が、やや上向きの気配。課題のスタートは相変わらずだが、エンジンが上向いたのか道中のアシは良くなっている。
浜松勢は、若手に注目。辰巳裕樹(浜松)、藤波直也(浜松)が着実な成長を見せており、スピードも上がってきている。逃げる展開になればアタマから狙える存在だ。もちろん、スタート力健在の鈴木辰己(浜松)や、良い伸びを示している今田真輔(浜松)らも活躍の場は十分ある。
地元勢はやや手薄だが、個性のある選手が揃っている。スピード戦になれば、北渡瀬充(伊勢崎)、桜井晴光(伊勢崎)に出番あり。混戦になるようなレースなら中野光公(伊勢崎)、田中哲(伊勢崎)が活躍しそう。一発力あるのは、矢内昌木(伊勢崎)あたり。
また、この時期は重走路でのレースになることが多いので、今節参戦する選手の中でも雨巧者を挙げると、柿沼進一(伊勢崎)、野沢守弘(伊勢崎)、伊藤弘幸(伊勢崎)、芝崎茂信(船橋)、桜井厚志(浜松)、室田泰利(飯塚)、水崎正二(飯塚)、福永貴史(山陽)、丸山智史(山陽)となる。
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主な出場予定選手
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福田 勝則〔伊勢崎 A-55(24期)〕
笠原 三義〔伊勢崎 A-56(24期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-67(28期)〕
中野 光公〔伊勢崎 A-69(25期)〕
青山 周平〔船橋 A-87(31期)〕
今田 真輔〔浜松 A-83(29期)〕
高林 亮〔飯塚 A-63(27期)〕
松井 大和〔山陽 A-91(30期)〕
S級不在でA級勢の争い激化!
6月19日から開催されるプレミアムカップにS級が全選手参加するので、今節はA級とB級のみでの開催となる。普段はS級勢にやられてしまっている選手も、ここはチャンス所と気合を入れてくる。
まず地元選手で好調なのは吉田幸司(川口)。苦手の雨では成績イマイチだが、晴れではこのところ好成績が続いている。武器のスタート力も健在で、序盤から積極的に仕掛けて行くシーンが見られる事だろう。他では、且元滋紀(川口)がエンジン状態マズマズ。レースの展開を冷静に見ながら、コースを決めて行く巧さがある。
その且元同様に実績高いのは、篠崎実(川口)。年齢的には還暦を超えているが、走りそのものは果敢の一言。前を行く選手にわずかな隙でもあれば、迷いなく突っ込んで行く。混戦となれば最大の力を発揮できるだろう。また、福田茂(川口)もかつては川口を代表する選手だった。最重ハンで長く走っていた事を考えれば、今のハンデ位置は魅力と言える。走りが粘り強く、何度でも攻撃を仕掛ける姿勢にはファンの心を打つモノがある。
外来勢ではまず、鈴木聡太(船橋)。直前に参戦していた浜松のG1ゴールデンレースでは、嬉しい優出を決めた。基本的にエンジンは大崩れしないので、今節も初日から狙いとなる。同じ地区の石井大輔(船橋)は、飯塚ナイターからの転戦だが、ソコソコ戦える状態にある。岩沼靖郎(伊勢崎)は、地元の一般開催で優出しているので、いい形での参戦となった。田代祐一(伊勢崎)も、今回のメンバーでは気合が入らざるを得ない。山浦博幸(浜松)は只今、エンジン上昇中。外めのコースを使って捲り上げて行きそう。その他、辻大樹(飯塚)、満村陽司(山陽)、田中進(飯塚)らも、直前の飯塚ナイターでそれなりの動きを示していた。
最後に、車券的に狙って妙味な選手を挙げたい。栗原勝測(船橋)と櫻木公和(飯塚)。この2選手は試走タイムが出なくても、レースではインを鋭く突いて行けるので、人気薄なら積極的に車券に絡めたい。
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主な出場予定選手
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篠崎 実〔川口 A-66(9期)〕
柴山 信行〔川口 A-71(19期)〕
福田 茂〔川口 A-75(12期)〕
平川 博康〔船橋 A-58(28期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-68(25期)〕
須賀 学〔浜松 A-60(19期)〕
阿部 仁志〔飯塚 A-61(29期)〕
林 弘明〔山陽 A-84(24期)〕
好調キープの地元主力陣! 外来は山陽勢の層が厚い印象!
前節のナイターからはまた一変して昼間開催となった今節。間隔自体は空いてないので、前節の動きを参考に車券を考慮したい。
地元の主力の近況はと言うと、まず荒尾聡(飯塚)。前節のGⅡはしっかり優出を決めた。本優勝戦は完全な良走路ではなかったので参考にしにくいが、プレ優勝戦ではスタートで大きく出遅れながら強烈な追い上げを見せていた。レースアシは問題なく、本来のスタートが戻れば今節も優勝争いに参加してくる。次に、篠原睦(飯塚)。プレ優勝戦ではいい所がなかったが、本優勝戦では不安定な走路を味方に付けて見事優勝した。抜群のスタート力と絶妙なコース取りが武器で、今のところ飯塚開催は2節連続優勝中と勢いはナンバー1。前節に通算1000勝を決めた浦田信輔(飯塚)も、相変わらずエンジンは良い状態に保てている。雨さえ降らなければ、鋭い差しを連発して最後方からでも追い込んで行く。有吉辰也(飯塚)は前節は優勝戦に乗れなかったが、課題のドドドもだいぶ解消してきた模様。エンジン自体も悪くはないので見せ場を作れる。一方、東小野正道(飯塚)は、ややエンジンが安定しない様子で、当日の試走がかなりカギとなりそうだ。
他にも、前節に優出している久門徹(飯塚)や、スタートが切れに切れている岩見貴史(飯塚)、試走タイムが出ている瀧下隼平(飯塚)の大駆けなど、見所はたくさんある。
外来勢は、イン戦得意な五十嵐一夫(船橋)や好スタートから速攻がある早船歩(船橋)、強引な攻めが魅力の岩科鮮太(浜松)などが来場するが、何と言っても注目の地区は山陽。
スピードに磨きがかかってる藤岡一樹(山陽)や後半追い込み型の角南一如(山陽)。スタート、捌き、雨走路となんでもこなせる佐々木啓(山陽)、混戦になってもレース運びが巧い松尾啓史(山陽)など、タレントが豊富だ。また、長らくスランプに入っていた岡松忠(山陽)が、本来の動きを取り戻してきてる。
また、鐘ヶ江将平(飯塚)、中尾貴志(飯塚)、渡辺篤(浜松)ら、31期の成長ぶりも楽しみだし、今節、特注の1車小里健太(飯塚)は、スタートにやや不安あるが、道中の伸びは素晴らしいので注目してほしい。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-11(25期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-12(25期)〕
角南 一如〔山陽 S-14(27期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-18(29期)〕
岩科 鮮太〔浜松 S-32(29期)〕
篠原睦が絶妙なコース取りで逃げ切り!
重走路で始まったダブルチャンピオンシップ5日目は、徐々に走路から水気が引けてきたものの、優勝戦でも完全な良走路にはならなかった。不安定な走路を制したのは飯塚26期篠原睦だった。
好スタートで早々逃げ態勢を作った篠原は、すぐ直後に青山周平がピタリマーク追走していたので、後ろをけん制しながらの走りになった。更に、金子大輔が再三インに飛び込んでくる厳しい展開となった。しかし、勝手知ったる地元走路で、コースをしっかり守り通して記念制覇。嬉しい結果となった。直前の一般開催を重走路で優勝していたのが、気持ちに余裕を持たせる形になったことだろう。
青山は終始仕掛けどころを探っていたが、最後まで先頭に立つことはできなかった。それほど篠原のコース取りが上手かったと言うことだが、まだオートの経験が浅いながらあそこまで走れたのは流石だ。これからの活躍に期待しないではいられない。
エンジン的には一番よさそうだった金子は、回りきれなかったとは言え、果敢に攻めていった姿勢には好感が持てる。車券を持っていたオートファンを納得させる走りができていた。荒尾聡は試走からやや精彩を欠いていたが、最後まで諦めない走りをしていたのが印象的だった。これからもオートレースを盛り上げていってくれることだろう。