28日、帯広競馬場で行なわれた『ばんえい記念』。
1年の総決算というだけあって、ばんえい界最強馬たちが、1トンという最も重い荷物を背負って戦いました!
1番人気は1,7倍で【カネサブラック】。
昨年初挑戦したこのレースで2着に健闘☆
今季は『ばんえい十勝オッズパーク杯』『北斗賞』『岩見沢記念』『北見記念』『チャンピオンカップ』と、重賞を勝ちまくってばんえい界の頂点に君臨しています。
2番人気は2,6倍で【トモエパワー】。
初挑戦の2007年から、このレース3連覇中☆
前人未到の4連覇を目指します!
当日の馬場水分は4,6%。天気は晴れでした。
レースは、【ナリタボブサップ】が先頭で第1障害をクリア。
第1と第2の間は、どの馬も少しづつ刻みながら進んで行きます。
第2障害に1番手で挑んだのが【ニシキダイジン】。
他の馬たちも次々に第2障害にかかりました。
【ニシキダイジン】が第2障害を越えると、続いて【カネサブラック】が、そして【ナリタボブサップ】は1トンの荷物をひと腰で上げきって2頭を追いかけます。
最後の直線は3頭による激しい攻防戦。
【ナリタボブサップ】が出たかと思えば【ニシキダイジン】が盛り返し、ゴール前では【カネサブラック】がもう一度伸びて来る...。
激しい戦いを制したのは、【ニシキダイジン】でした!
昨年は初挑戦で4着。今年は6番人気という評価でしたが、2度目の挑戦で大きな仕事をやってのけました。
騎乗した藤野俊一騎手に早速インタビュー☆
:おめでとうございます!大接戦を制しての勝利でしたね。
「ありがとうございます。まさか勝つまでとは思ってなかったけど、馬がよく頑張ってくれましたよ」
:レース前はどんなイメージでした?
「実は、一度辞めてしまった佐々木一男厩務員に、もう一度戻って来てくれって馬主さんが頼んでいたんですよ。
ベテランで、腕も確かな厩務員さんなんです。
11月頃戻って来てくれて、このレースに向けて馬を最高の状態に作ってくれた...。
だからいい成績を残せたと思っています」
:1トンを引くとなると、普段のレースとはポイントも変わってきますよね?
「このレースは、とにかく第2障害までいかに楽をさせるか。馬の息づかいを見ながら、少しづつ少しづつ進んで行きます。
ちょっとでも無理をすると、荷物が重いので必ず最後に止まりますからね」
:レースを振りかっていただいて...第1障害は3番手でクリアしました。
「第1障害であんまり後ろだと、第2障害までに息が入らないので、あの位置で越えられたのがまず良かったですね」
:その後は第2障害まで、何度も刻みながら進みましたが、周りの馬は気になりますか?
「やっぱり有力馬の動きや息づかいは気になりますよ。みんなそれぞれ気にしているけど、自分の考えた乗り方で乗る、そんな感じです」
:そして第2障害には1番で挑みましたね。
「最初のひと腰目で、自分でもビックリするくらい上まで上がれたんです。ここまで上がれたら、先頭で越えられるなと思いました」
:最後の直線の攻防は見ごたえがありました!
「この馬は残り30mのところで止めたがる癖があるんですけど、そこさえ越してしまえば最後まで我慢してくれる。
だから、残り30mまでは2回刻んで、息を入れました。
逆に【カネサブラック】はゴール前に息が切れる印象だったし、【ナリタボブサップ】は勢いは良かったけど、1度止まるとモロい面があるので。
30mを過ぎたら、あとはとにかく辛抱。本当に馬が頑張ってくれました」
:馬主さんも厩務員さんも、喜びは大きかったんじゃないでしょうか?
「そうですね。みんなすごく喜んでくれましたよ。これからみんなでお祝いをすると思います」
:藤野騎手にとっては、『ばんえい記念』5回目の制覇となりましたね!
「(99年、00年シマヅショウリ 05年、06年スーパーペガサス)前の4回は、自分が目標になる馬だったからね。
先頭で第2障害を越えたら、あとは他の馬の動きを見ていればよかった。
でも今回は立場が違う。挑戦者だからね。
このレースは5回目の勝ちだけど、今までとは一味違う嬉しさがありますよ」
:今季はリーディング第2位、通算勝利数も1970勝と2000勝が見えて来ましたね。
「今の目標は2000勝することです!今年中には達成出来るんじゃないかな」
今年も大きな感動をくれた『ばんえい記念』。
【ニシキダイジン】の関係者のみなさま、おめでとうございます!
そして出走した10頭の馬たち...本当にお疲れ様でした!!
18日木曜日に行なわれた大井『京浜盃』。
1番人気【ブンブイチドウ】に騎乗したのは、園田所属の木村健騎手でした!
結果は5着だったけれど、この日は約3ヶ月の休み明けでプラス19キロ。
「3コーナーまでは良かったけど、最後伸びを欠いたのはちょっと重いせいかな。
叩いて良くなると思います」
ということでした。
同じくこのレースには、岩手の冬季休催中に期間限定騎乗している菅原勲騎手が、【セイントメモリー】に騎乗。
今年は【マンオブパーサー】で『報知グランプリカップ』を制したり、人気薄の馬で何勝もしたり、中央競馬で誘導馬に騎乗したりと大活躍の期間限定騎乗となりました!
そして...
来年度からは、期間限定騎乗の規定が大きく変わります。
① 通算 1,000勝以上の騎手。
冬季休催競馬場(北海道、岩手、金沢)所属 騎手は、通算 800勝以上。
② リーディング5位以内の若手騎手。
期間限定騎乗を行う年度の前年(歴年)に、所属する競馬場でリーディング5位以内の成績を収めた満25歳以下(前年の12月31日現在)の騎手。
③ 技術研鑽騎手。
南関東地区で技術の研鑽を目指す騎手免許取得後騎乗経験8年以下、通算 200勝以下の騎手。(騎手免許取得後騎乗経験3年未満、又は通算50勝未満の騎手は除く)。
受入れ人数は以下の通り
① 勝利度数実績騎手 各競馬場で2名以下
② リーディング5位以内の若手騎手 各競馬場で1名以下
③ 技術研鑽騎手 各競馬場で1名以下
そして期間限定騎乗期間 は...
① 勝利度数実績騎手 1名1回2ヵ月以内
② リーディング5位以内の若手騎手 1名1回2ヵ月以内
③ 技術研鑽騎手 1名1回3ヵ月以内
これまでは2000勝以上の騎手(北海道は1000勝)が、各競馬場1名で最大4名だったのが、この改定によって、最大16名までが期間限定騎乗が可能となりました!
来年度の期間限定騎乗者は...
① 内田 利雄(旧宇都宮所属)
村田貴広(浦和)
22年4月26日~6月25日
村上 忍(岩手)
齊藤 敏(船橋)
平成23年1月17日~3月18日
山口 竜一(北海道)
林 正人(船橋)
平成22年11月29日~平成23年1月28日
服部 茂史(北海道)
佐野謙二(大井)
平成22年12月6日~平成23年2月4日
鮫島 克也(佐賀)
宮本 康(大井)
平成22年9月13日~11月12日
五十嵐 冬樹(北海道)
池田 孝(川崎)
平成22年11月29日~平成23年1月28日
吉原 寛人(金沢)
内田勝義(川崎)
平成23年1月17日~3月18日
②桑村 真明(北海道)
佐々木 仁(川崎)
平成22年11月29日~平成23年1月28日
昭和62年3月26日生
大山 真吾(兵庫)
山藤統宏(大井)
平成22年9月13日~11月12日
昭和59年2月14日生
③山本 聡哉(岩手)
佐藤賢二(船橋)
平成23年1月17日~3月4日
昭和63年1月30日生
阪上 忠匡(笠松)
栗田裕光(大井)
平成22年5月17日~7月30日
昭和58年12月15日生
11人の騎乗者が決定しました。
地方競馬全体のレベルアップに繋がるこういう改定は、本当に素晴らしいですよね!
全国のジョッキーたちに、競馬をドンドン盛り上げて欲しいです☆
88期生の修了記者会見のあとに、センターに完成した、国際厩舎を見学して来ました!
詳しいことはこちら→地方競馬情報サイト:トピックス
地方から海外に挑戦する時や、海外から地方に挑戦する時のために作られた、国際検疫厩舎。
まだ具体的に使用する馬は出ていませんが、これからはドンドン国際化して行ってほしいですね!
馬房はかなり広かったですよ!
地方競馬教養センターは、坂路が出来たり、大井の外厩になったり、そして国際厩舎が出来たりと、ここ数年大きく進化してますね。
私がいた頃とはだいぶ様変わりしています。
考えてみると、私が入ったのは......14年前!!こわっ。。。
続いては、兵庫所属の2人☆
まずは、杉浦健太(すぎうら・けんた)くん17歳。
出身は園田競馬場の近くで、子供の頃からお父さんと遊びに行っていました。
騎手になりたい!と言ったら、競馬好きのお父さんはとても喜んでくれたそうです。
「初めて厩舎に行った時には、想像していたのと違ってて、今まで味わったことのない感覚でした。でもみなさん優しくしてくれて、すぐに環境に慣れました」
目標とするジョッキーは、園田のリーディング・木村健騎手!
「とにかく追えるし、馬を動かせる。すごい人です!」
センターを出たら、「まずは焼肉をいっぱい食べたいです(笑)」
と話してくれました。
成長期の彼らにとって、センターの食事は物足りないでしょうね。
身体のことを考えて作ってるメニューだから、しょうがないけど。。
好きな有名人は、山下智久くんと市川由衣さん。
「しっかりしてる女性が好き☆」ということでした!
もう1人の園田所属は、田野豊三(たの・とよかず)くん17歳。
大阪府出身の田野くんは、少年野球を引退したあとに乗馬を始めました。
お兄さんは中学でも野球を続けたそうですが、小柄な田野くんは体格が合わないと言われ、何か他のスポーツをやりたいと思ったそうです。
体験乗馬から始めて、中学で3年間通ったそうです。
「やっぱり乗馬と競走は全く違いますね。特にバランス重視で乗るところが、もう全然違います」
大阪出身ですが、ジャイアンツファン。
センターを出たら、スノボがしたいそうです!
好きな有名人は、戸田恵梨香さんと岡村隆史さんということでした!
続いては、高知所属の岡村卓弥(おかむら・たくや)くん17歳。
小学生の頃、地元・高知競馬場に連れて行ってもらった時に、騎手に憧れたそうです。
現在は、下半身強化中。
「実習に行った時、先輩騎手からも言われたので、毎日筋トレしてます」
目標とするジョッキーは、高知リーディング・赤岡修次騎手と、兄弟子である永森大智騎手。
ついに23歳のジョッキー登場ですね!
現在高知競馬場には、御神本訓史騎手が限定騎乗中。
「姿勢がすごく綺麗だし、レースや乗り方など勉強したいです!」
と話していました。
センターを出たら、「先輩たちと、カツオが食べたいです!」
高知のカツオ、美味しいですもんね。
そして8人目は、佐賀所属の村松翔太(むらまつ・しょうた)くん17歳。
山梨出身の村松くんは、子供の頃に牧場に行った時に馬が好きになったそう。
「最初に厩舎に行った時は、テレビで見てるのとは違う雰囲気でした。
すぐに慣れたんですけど、とにかく言葉に苦労しました...。
最初は何を話してるのかわからなかったけど、今では自分も九州の言葉を話してますね(笑)」
所属の山田義人厩舎のOP馬、佐賀を代表する1頭【ヘイアンレジェンド】の調教にも跨ったそうですよ。
目標とするジョッキーは、山口勲騎手、真島正徳騎手、新原健伸騎手の3人。
現在は、とにかく筋力アップを頑張っているそうです。
好きな有名人は、辺見えみりさん、山本モナさんと年上好き...
男性では相川翔さんで、Vシネ好き...渋い17歳でした!
写真撮影では、恒例の「南関東だけ集まって~」が始まったので、こちらも対抗して、恒例の「南関東以外集まって~」で撮影して来ました!
オッズパーク組6名。
ポーズ取ってって言ったら最初拒否られましたが...最後はハニカミ笑顔でハイポーズ☆
こっそり南関組も撮ってますけど。
各競馬場で、みんな頑張れ頑張れ~
3月6日、地方競馬教養センターにて、第88期騎手候補生たちの修了記者会見が行なわれました!
今年もそういう季節なんですねぇ...
卒業予定者は8名。これから免許試験に挑むということです!
17歳から21歳の、フレッシュヤングたち☆
8人中7人が平成生まれですよ!怖いですねぇ~...
それでは北から1人づつ紹介して行きましょう!
まずは、岩手競馬所属の菅原辰徳(すがわら・たつのり)くん17歳。
名前を見てお気づきの方もいると思いますが、お父さんがジャイアンツ・原辰徳監督のファンなのだそう。
でも本人は、宮城県出身ということで楽天ファン。
そして、プロフィールで一際目を引いたのが、目標とするジョッキー。
中央競馬の、田辺裕信騎手なんだそうです。
「昔から競馬をよく見ていて、一人だけ姿勢や追い込みが綺麗だな、と思う騎手がいたんです。
それが田辺騎手でした」
昔からって...田辺騎手はまだ26歳なんですけどっ!
怖いですねぇ~...
身長165cmありますが、毎日ランニングして体重を保っている努力家です。
「自分はどんなに辛いことがあっても、くじけずにやり通せます!」
と、力強い言葉。
ちなみに好きな有名人は、女性がAKB48の渡辺麻友さん、男性がやっぱり田辺裕信騎手ということでした!
続いては大井所属の2人☆
千田洋(ちだ・ひろし)くん20歳。
生まれは岩手県で、水沢競馬場の近く。
高校時代は乗馬部に所属していて、国体やインターハイに出場したほどの腕前です。
ただ、その豊富な乗馬経験故に、モンキー乗りには悩んだそうです。
「もう全然違いましたね。
馬術のクセで、ハミをいじってしまい持っていかれることが多かったです。
色々考えて、馬を気持ちよく走らせるようにしました」
目標とする騎手は、クリストフ・ルメール騎手、柏木健宏騎手、桑島孝春騎手の3人。
「信頼されて、愛される騎手になりたいです!まずは初勝利!1年目は10勝が目標です」
好きな有名人は、こちらもAKB48。中でも篠田麻里子さんがお気に入りとか。
男性ではトータルテンボスということでした!
同じく大井所属の横川怜央(よこがわ・れお)くん17歳。
おそらく...日本初ではないでしょうか。
彼は両親共に、元ジョッキーなんだそうです!
お父さんは横川健二元騎手、お母さんは神野治美元騎手で、お2人とも名古屋競馬所属でした。センターに合格した時には、とても喜んでくれたそうです。
目標とするジョッキーは、戸崎圭太騎手と有年淳騎手。
有年騎手は25歳ですから、最近の傾向としては、活躍している若手ジョッキーを目標に挙げるケースが増えてますね。
横川くんは教官からの評価も高いですし、注目度も抜群☆
「何事にもチャレンジ!」
と、笑顔で話してくれました。
お次は笠松所属の森島貴之(もりしま・たかゆき)くん21歳。
88期最年長の彼は、中学を卒業してから4年間鉄工所で働いていました。
小柄なこともあり、職場の先輩に勧められて、競馬の世界に入ったそう。
「出身の三重県には競馬場がないし、見たことがなかったんです。
でも先輩に教えてもらって、全く違う世界に入りたいなと思っていたので、思い切って飛び込みました。
最初は馬が大きく思えて近づくのも怖かったですけど(笑)、入った以上辞めるのはカッコ悪いし、もう意地でしたね。
今は、馬が大好きです!あの時辞めなくて良かった」
阪神ファンの森島くんは、センターを出たら野球観戦に行ってみたいそう。
「今まで、本当に狭いところで生きてきたから...。少しずつ、色んなものが見たいです!」
ブルーハーツと西野かなさんを愛する、21歳でした。