40分後、目が覚めたストームくんは大興奮。鼻をフウフウさせ、人間を威嚇するほどパニクっていました。
5分くらいしたらだいぶ落ち着いたけど、まだ麻酔のせいで少しボーっとしてます。
時間を置いて、馬運車へ。無事帰路に着きました。
今後の回復にもよりますが、全治は約3ヶ月。ここからはゆっくり休養し、回復を待ちます。
日本国内では内視鏡を使っての競走馬の手術ができる施設が、今私の知る限りでは3つしかないので、今回の美浦手術室では年間約100頭の手術をするということです。内視鏡による手術ができるようになり、劇的に回復率が上がったそうですよ。人間もそうですもんね。
獣医さんたちの技術の高さと経験の多さは素晴らしいし、関係者のストームくんに対する愛情も深い。
【ティーケーストーム】の怪我が一日も早く完治することを願っています。
昨日の安田記念のために、来日した香港の馬たちの調教を取材に行ったんですけど(馬女のひとりごと参照)、たった2日間でしたが、馬に対する考え方、扱い方などに感銘を受けました!!
1番印象に残ったのが、【アルマダ】を管理するジョン・サイズ調教師。
「12ヶ月休養させたのは、馬がウツのような状態になってしまったからなんだ。」
この発言をした時、日本のマスコミには笑いが起こりました。悪気は全くない。競走馬のウツなんて、聞いたことがないし考えたこともないだけ。
ここが、日本と外国の大きな違いなんだと思う。ジョン・サイズ調教師は、中でも特別『馬優先主義』が強い方ですが。
食欲が落ちて、やる気がなくなったのは、昨年の3月【グッドババ】にレースで負けた後なんだそうです。プライドが傷ついて、心が折れてしまったんでしょうか・・。それでも、肉体的に全く異常がないのに競走馬を12ヶ月も休養させるなんて、私は聞いたことがないです。
考えたら、競走馬はかなりの数が胃潰瘍。ストレス社会に生きているんです。
たくさんのお金が発生する生き物ですから、簡単に休ませることは出来ないけれど、こういう考え方もある、ということを教えていただきました。
地方競馬はダービーWeek真っ盛りですが、今日は先日の笠松競馬場明け渡し命令の件について書こうと思います。
まだ確定したわけではないので取り上げるのを控えていましたが、心配しているファンの方も多いと思って、私自身と笠松競馬の現場の方の意見を伝えることにしました。
笠松競馬場は、約98%が借地なんだそうです。そのため、廃止問題が浮上した時に地主の方々に協力してもらって、借地料を引き下げ、廃止を乗り切った。でもその後は、多少金額を上乗せしただけで、地主さんたちが納得のいく金額にはならなかったそうです。地主さんは何百人もいるために、話し合いは大変でしょうが、誠意が見られなかったということで、今回の提訴となった模様です。
訴えた地主さんは1/4ですし、すぐに競馬廃止・土地明け渡し、ということではないそうですが、地主さんたちの協力があってこその存続だったわけで、競馬ファンを大切にするのはもちろん、地主さんたちにも誠意ある対応が必要です。
笠松競馬場は存続といっても、なかなか状況は厳しく、賞金も手当ても低いし現場の方々の生活は大変です。笠松競馬組合の資金繰りも、大変なんだと思います。だからこそ、真摯な態度をもって地主さんたちと話し合ってほしいと思います。
こういったやり取りは、現場の人間にはなかなか伝わって来ません。笠松競馬場の騎手も調教師も厩務員も装蹄師も獣医師も記者もアナウンサーも、みんな一生懸命いいレースを見せようと頑張っています。
こういうニュースはいいもんじゃないし、「地方競馬の役目は終わった・・」みたいな記事も出てるけど、そこで働く人たちにとっては、ただただ自分のできることを精一杯やるだけなのです。
誘導馬だって・・
馬たちだって・・みんな頑張ってますっ!