平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!
平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!レースがすべて終了した後には、セレモニーがありました。
最終レースの直前に、たくさんの警官を引き連れて競馬場入りした羽田市長が挨拶に立つと、ファンからは福山競馬廃止の無念を訴える声が飛びました。
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そして、ジョッキーひとりひとりからのご挨拶。
池田敏樹騎手
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「口下手なので、あまり上手くしゃべれませんが...
僕はこの後、笠松競馬に行くことになりました。
これからも...競馬を好きでいてください!」
嬉勝則騎手
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「4月から、韓国の釜山競馬場で騎乗することになりました。
もしよかったら...見に来てくれたら嬉しいです。
福山競馬を忘れないでください!」
岡崎準騎手
「今まで、本当にありがとうございました。
わたしは、引退します。
競馬を愛してくれて、本当にありがとうございました!」
岡村卓弥騎手
「僕は期間限定で福山に来たんですけど、受け入れてくれて、関係者のみなさんにはとても感謝しています。
高知に帰ってからも、ここで教わったことを忘れずに頑張ります!
ありがとうございました」
佐原秀泰騎手
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「僕は、川崎競馬場に移籍することになりました。
高知から福山に来て、ここにはいい想い出しかありません。
引退される先輩たちの分も、川崎で頑張ります!」
下村瑠衣騎手
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「門別から移籍して来て...福山所属になれて本当に幸せでした。
福山競馬が...大好きです!!!」
周藤直樹騎手
「僕は親の反対を押し切って騎手になりました。
今日、競馬場にいっぱい子供たちがいますが、いつかこの子供たちの中の誰かが、福山競馬を見て競馬の道を選んだって言ってくれたら...そういう子に出会ったら...すごく嬉しいです」
楢崎功祐騎手
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「これからは、大井で頑張ります。
...すごく淋しいです。本当はもっと...ここで乗りたかったです」
野田誠騎手
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「20年前にデビューして、こんなに長く乗れるとは思っていませんでした。
僕は引退することになりましたが...これからも競馬を好きでいてください」
藤本三郎騎手
「僕は今日で最後ですが...また他で、馬の仕事をさせてもらいます。
本当にありがとうございました」
松井伸也騎手
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「僕は、門別に行くことになりました。
福山の関係者、そしてファンのみなさんのこと...一生忘れません!!」
三村展久騎手
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「たくさんのファンの方に来ていただいて、本当にありがたいです。
4月から、大井に行くことになりましたが...
馬の走る姿...感動を...
これからも、馬たちを応援してください」
山田祥雄騎手
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「僕はこの後名古屋に行きます。
福山で10年間育ててもらったので、その経験を生かして頑張ります!」
渡辺博文騎手
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「この後は佐賀競馬に行くことになりました。
今日は同級生が応援に来てくれて、この場を借りてお礼を言いたいです。
本当にありがとう!
最後の最後まで付き合ってくれて...本当に...ありがとうございました!」
騎手会長・黒川知弘騎手
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「正直、もうちょっと乗りたかったですが...3月いっぱいで引退します。
福山で乗れて、本当に良かったと思っています。
応援してくれたみなさんにも、お礼を言わせて下さい。
ありがとうございました。
廃止に対しては、悔しい想いもありますが...
福山所属の騎手は5名が引退し、10名が移籍することになりました。
他の競馬場の人たちが、同じ想いをしなくてもいいように...
これからも、競馬を好きでいてください。
応援して下さい。
最後は僕らしく...湿っぽいのは苦手なので...
みんな!ありがとー!!!!」
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時折涙に言葉を詰まらせながら、ひとりひとりが感謝の気持ちを伝えました。
この後は全国各地の競馬場や牧場、競馬とは別の道を歩む人もいますが。
福山で養った勝負根性は、永遠に続いて行くはずです。
それぞれの場所で、新たな活躍を期待しています。
セレモニーが終わった後には、馬場開放がありました。
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普段入ることのないコースの中で、ファンの方々も福山の砂を踏みしめていました。
急激に気温が下がる中、ジョッキーたちも薄着のままでファンと交流。
勝負服やステッキなどをあげたり、サインを書いたり。
1時間以上に渡って、全員で福山競馬の最後を惜しみました。
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63年間、たくさんのドラマを見せてくれた競馬場。
最後の最後まで、ファンと関係者に愛された競馬場。
ありがとう、福山競馬。
絶対に忘れません。
24日、福山競馬最後の開催が終了しました。
当日は朝からたくさんのファンが詰めかけ、福山最後のレースを見届けました。
最終的な発表では1万237人の来場者だったということで、改めて、福山競馬が愛されていたこと、潜在的な競馬ファンはたくさんいるということを教わりました。
第1レースに騎乗した藤本三郎騎手は9着だったけれど、レース後スタンド前まで戻って、ファンにステッキを投げました。
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突然の出来事に、一瞬みんな驚いていたけれど、その後はステッキの争奪戦。
馬から降りた藤本騎手は、
「騎乗する全部のレースでステッキ投げるよ。今日はそのつもりやったから」
と、少し照れ臭そうに笑いました。
その言葉通り、騎乗した5レースすべてにおいて、使用したステッキを客席に投げ入れ、ファンからは、
「さぶちゃ~ん!!」「ありがとう!!」
と、大きな声援を受けていました。
藤本騎手はこの日で騎手を引退し、これからはミッドウェイファームで馬を育てて行くそうです。
「最後のレース、気持ちよう乗れた」
ファンに愛されたさぶちゃんは、満面の笑みで勝負服を脱ぎました。
門別から期間限定で福山にやって来た下村瑠衣騎手は、その後正式に福山所属となりました。
この日の第7レース、2着という成績で福山での騎乗を終えました。
「今日は悔いの残らないレースをしようと思ってました。
勝てなかったのは悔しいけど、でも今の自分の全力が出せたと思います。
やれることはやれたので、気分的にはスッキリしてます。
ゴールした後、スタンド前まで行って『ありがとうございました!』ってファンの方々に言えました。
本当は勝ってウィニングランしたかったですけど。
福山では、本当に楽しいことばっかりであっという間でした。
門別から福山に来た日に、廃止って新聞に載ったのでびっくりしたんですけど。
その頃は、騎手を続けようか悩んでいたので...とにかく24日まで、精一杯頑張ろうって思ったんです。
でも実際に今日の日が近づいてきたら...もっともっと乗りたくなって、騎手を続けたい!って思うようになりました。
今になってみると、門別でももっと頑張れたのかもしれません。自分の努力が足りなかった、考えが甘かったんです。
ここに来て、いろいろな方に出会って、わたし自身の考え方も変わりました。
福山に来ることが出来て、本当に幸せです。
この後は高知で乗るんですけど、30日31日は福山所属として乗って、4月から高知所属になるのでそこからは新しい勝負服にして、心機一転頑張ります」
福山最後のレースは、ファン投票を実施した『ファイナルグランプリ』。
その実況中には、このレースに挑んでいる馬たちと騎手の名前、さらに、騎乗していない騎手たちの名前も登場しました。
2013年3月24日 福山ファイナルグランプリ
福山の最後に相応しい、素晴らしい実況でした。
『ファイナルグランプリ』を制したのは、昨年末に門別から移籍して来た【ビーボタンダッシュ】。
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勝った【ビーボタンダッシュ】だけでなく、みんなでウィニングラン。
大きな大きな拍手で迎えられました!
馬主の村上卓史さんによると、この後は再び門別に戻るとのこと。
福山最後の勝利を飾った馬として、今後の活躍にも期待したいですね。
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そして、一番最後に福山のゴール板を駆け抜けたのは...ファン投票第1位の【クラマテング】でした。
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長きに渡って福山競馬を支え続けてくれた馬。
復活を託しての、ファン投票1位だったと思います。
結果は大差のしんがり負けでしたが...
ゴールに入った時、場内から大きな拍手が沸き起こり、【クラマテング】の頑張りをみんなで称えました。
この光景を目の当たりにしたら、競馬をただのギャンブルだなんて、誰も言えないと思います。
競馬とは...馬を愛し、人を愛し、関係者とファンとで一緒に作るもの。
その舞台である福山競馬場が無くなってしまったことは、本当に残念です。
いよいよこの日がやって来てしまいました。
今日は福山競馬ファイナルDAYです。
1レース前から、場内にはたくさんのファンの方々が詰めかけて、廃止を惜しみつつ最後の福山競馬を楽しんでいます。

空は少し雲がありますが、外で過ごすのにちょうどいい気温。
まさに競馬日和です☆
現在の馬場状態はやや重。
基本的には前有利の馬場ですが、1レースから追い込みの馬も頑張ってましたから、展開によって様々な決着が見られそうです。
メインは最終12レースの『ファイナルグランプリ』。
*24日福山 第12レース『ファイナルグランプリ』 1800m 16:30発走*
本命にしたのは、ファン投票第1位の【クラマテング】。
全盛期は越えてしまった印象ですが、長い間福山の顔として活躍して来た馬。
最後のレースでファンに推されるのも良くわかります。
コンビを組むのは、嬉勝則騎手。

「ファン投票1位はびっくりしました。改めて、人気ある馬だな~と思いましたね。
この馬はね、最初の頃は悪かったんですよ。本馬場でダク踏めないから、コースの中の小さな馬場で踏んで、本馬場に出たらすぐにキャンターという調教をしていて。
他の馬がいると怖いみたいで、ブリンカーを付けたらだいぶ落ち着いてくれました。若い頃に比べると、今は大人になりましたね。
長い間頑張って走ってくれてるし、35勝もしたんだから。本当にたいしたもんですよ。
調子が浮いたり沈んだりの激しい馬なんだけど、ここに来て調子が上がって来たんでね、最後勝ってもらいたいね」
多くのファンの愛を乗せて、嬉騎手とのコンビに夢を託します!
【グラスヴィクター】は1月の『福山大賞典』をレコード勝ち。
安定して力を発揮してくれるので、信頼度が高いです。
騎乗するのは今期リーディング独走中の佐原秀泰騎手。
第2レースを快勝して、ウィニングランして場内をさらに盛り上げていました。
「最後は狙っていきたいですね。ファンの方々と一緒に盛り上がれるように、一生懸命頑張ります!」
17日にダービージョッキーとなった佐原騎手。

一段とパワーアップした騎乗で、魅せてくれるんじゃないでしょうか。
【ビーボタンダッシュ】は、昨年末に福山に移籍して、まだ勝ち星は1勝なのですが。
重賞でも2着3着と力のあるところを見せてくれています。
先行して渋太く粘る脚質だし、前走3着で離されたといっても、1,2着は高知のトップホースたち。価値のある3着だったと思います。
◎7、クラマテング
〇10、グラスヴィクター
▲6、ビーボタンダッシュ
△3、フレアリングマリー
福山競馬、いよいよあと2日となってしまいました...。
今日の5レースには、日本でのアラブ系最後の競走馬【レッツゴーカップ】が出走し、これがラストランとなりました。
結果はしんがり負けだったけれど...
ゴールした時には場内から拍手が巻き起こり、レース後にはファンの方々へご挨拶。
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たくさんの方々が、【レッツゴーカップ】の頑張りを称えました。
これで、アラブ系の競走馬は日本からいなくなってしまうことに...
とても淋しいですが、サラブレッドとはまた一味違う、丈夫さと渋太さで魅了してくれたアラブ系競走馬たちの姿は、たくさんのファンの方々の想い出に残っていると思います。
【レッツゴーカップ】は、この後は京都の高宮ライディングファームに行くそうです。
関係者のみなさんのお話では、本当に賢くておとなしいそうなので、第二の道もたくさんの方に愛されそうですね☆
本当に長い間、お疲れ様でしたと言いたいです。
この5レース、勝ったのは約1年ぶりの福山凱旋となった楢崎功祐騎手。
韓国で武者修行を果たし、一段とパワーアップしている印象です。
ラスト2日間、大暴れしてくれるんじゃないでしょうか。
さらに今日は、浦和の水野貴史騎手も騎乗しているのです!

今回はすべてエキストラ騎乗。
高崎で廃止を経験している水野騎手にとって、今回の福山廃止は決して他人事ではありません。
自ら志願して、騎乗出来るようお願いしたそうです。
直接的な福山の関係者だけでなく、競馬に携わる多くの人たちが、福山の廃止を惜しんでいます。
実況の西田アナウンサーが言いました。
「たくさんの人たちに、福山の廃止を見て欲しい。廃止になる競馬場の関係者がどんな表情をしているのか、ファンの方々が何を想うのか...実際に目にして、もう2度と廃止になる競馬場が出ないように...。今回の廃止を教訓に、みんなで頑張って行きたいです」
ラスト2日、しっかりと目に焼き付けてきます!!
高知からプロペラ機に乗って、さらに新幹線に乗って名古屋にやって来ました。
まずは腹ごしらえにと、名物の串カツ☆
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揚げたてのアツアツです!
味噌をた~っぷり漬けていただきました♪
エネルギーチャージをしたところで、昨日の負けを取り返すべく、展望して行きたいと思います!!
*20日名古屋 第9R『名古屋大賞典』 1900m 16:10発走*
本命は【エーシンモアオバー】。
前走の『佐賀記念』では【ホッコータルマエ】に完敗しましたが...。
あの時は58キロで、今回は57キロでの出走。
【ホッコータルマエ】と2キロ差ということは変わらないけれど、58キロからのマイナス1キロは楽になると思います。
今回の舞台はレコード勝ちした名古屋。
『名古屋グランプリ』では厳しい展開だったのに、渋太い走りでタイトル奪取。
このコースはかなり合っているようだし、ここは狙って来ているんじゃないでしょうか。
【ホッコータルマエ】は実力もさることながら、55キロで出走出来るアドバンテージがあります。
崩れないけれど、もうひとつ勝ちきれないレースが続いていましたが、前走きっちり勝ってそのイメージも払拭。
ここでは中心の1頭でしょう。
地元【サイモンロード】は、前走の『梅見月杯』で8馬身ぶっちぎる圧倒的な強さを見せつけました。
最後は押さえる余裕もあったけれど、時計も優秀。
一気のメンバー強化ですが、どこまでやれるか楽しみです。
久しぶりの実戦になる金沢の【ジャングルスマイル】は、雪の影響を大きく受けることなく順調に調教を消化して来ました。
前に行ったら渋太い馬で、先手を取れれば見せ場を作ってくれるんじゃないでしょうか。
◎7 エーシンモアオバー
〇5 ホッコータルマエ
▲4 サイモンロード
△6 ジャングルスマイル
△3 ランフォルセ