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2007年9月 アーカイブ

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9/17ばんえいプリンセス賞予想 斎藤修

好調ペガサスプリティーから

 今シーズンから3歳牝馬にも三冠路線ができ、その二冠目となるばんえいプリンセス賞。88年まで重賞で、その後は特別として行われてきたが今シーズンから重賞格上げとなった。
 250万未満のクラスが650キロで、クラスが1つ下がるごとに10キロずつ減となる別定戦。
 650キロがばんえい大賞典を勝ったプリンセスモモと昨年度の黒ユリ賞勝ち馬ニシキガールで、640キロが今シーズン牝馬一冠目の黒ユリ賞を勝ったエリザベスライデン。重賞勝ち馬はこの3頭で、あとは630キロが5頭、620キロが2頭。
 牡馬三冠は、一冠目が別定戦で秋以降に行われる二冠、三冠が定量戦なのと比べ、牝馬は一冠目、二冠目が別定戦なので牡馬三冠より牝馬三冠のほうが獲るのは難しそう。ただ、牝馬の場合は牡馬の三冠にも出られるので、そういう意味では三冠より多くのタイトルを獲る牝馬が出てくるかもしれない。

 「同世代同士の別定戦の重賞ではトップハンデはまず来ない」というのがぼくのセオリーなのだが、このばんえいプリンセス賞は特別で行われた過去5年を見てみると、03年のサダエリコ、04年のエンジュオウカンが、ともに最軽量馬とは40キロもの差のあるトップハンデを負担しながら2着に入ったという実績がある。サダエリコはその前に行われたばんえいオークスとダービーを勝っていて、その後に菊花賞を制し変則三冠馬となった。エンジュオウカンはその後ばんえいオークスとダービーを制し、菊花賞は2着。つまりそれほどの馬でも40キロも差があったら勝つのは難しいということなのだ。
 さて今年は。プリンセスモモとニシキガールが最軽量馬とは30キロ差のトップハンデ。サダエリコやエンジュオウカン級とも思えず、中心には推しにくい。
 一冠目の黒ユリ賞の結果を見ると、620キロのプリンセスモモが7着に負けていて、今回と同じ20キロ軽いペガサスプリティー、アグリタカラ、ダイヤローズ、そして今回は30キロ差になったヒカルアサヒが先着しているのだから、これらは今回もプリンセスモモより先着する可能性は十分にあると考える。
 中心にするのはその中から近5走で4勝と好調のペガサスプリティー。相手には、100万未満のクラスとはいえここ3戦で2、2、1着のダイヤローズ。近走イマイチのヒカルアサヒだが、黒ユリ賞2着があり、今回は最軽量なのが魅力。トップハンデのニシキガールは押さえるが、プリンセスモモ、エリザベスライデンは今回の負担重量では厳しいように思う。
 ◎ペガサスプリティー
 ○ダイヤローズ
 ▲ヒカルアサヒ
 △ニシキガール
 △アグリタカラ
 めずらしく今回は上位3頭が矢野さんと同じ予想になってしまいましたが、さてどうなるでしょう。

9/17ばんえいプリンセス賞プレビュー

2007年9月15日(土)

 9月17日(祝・月)のメインレースに第31回ばんえいプリンセス賞が行われます。
 今季すでに行われた3歳限定の黒ユリ賞・ばんえい大賞典と同様、今回も別定重量での一戦となり格付けごとに620~650キロの負担重量が設定されました。メンバー的には、一冠目・黒ユリ賞の再戦模様です。
 実績上位なのが、いずれも重賞勝ちのあるプリンセスモモニシキガールエリザベスライデンの3頭。黒ユリ賞では600キロのエリザベスライデンが2着に10秒以上の差をつけ勝利しましたが、7着プリンセスモモが620キロ、9着ニシキガールが630キロとハンデを課せられていたため、3頭の実力差を計るには5キロ以内の重量差で対戦したばんえい大賞典(7月29日)と、はまなす賞(8月19日)のほうが参考になります。
 ばんえい大賞典を逃げ切り、はまなす賞でも牝馬最先着の4着に健闘したのがプリンセスモモニシキガールがそれぞれ4、7着、エリザベスライデンが両レースとも8着だったことから、現在の3歳牝馬実力ナンバー1はプリンセスモモと言えるでしょう。
 そのプリンセスモモは今回、ニシキガールエリザベスライデン以外とは20~30キロの重量差がつきますが、牡馬相手に互角にわたりあっている近況、レース当日はばんえい大賞典と同じ軽い馬場が予想されることなどから中心に期待をかけたいところです。
 焦点は2着争い。600キロを曳いた黒ユリ賞で2着に追い込んだヒカルアサヒは、エリザベスライデンより20キロ軽い重量と恵まれまれただけに今回も一発の可能性があります。また女性騎手の10キロ減量はあったもののヒカルアサヒと今季7回対戦して、6勝1敗と圧倒しているトモエマツノにもチャンスがありそうです。
 もちろんエリザベスライデンニシキガールらが巻き返してくる可能性はありますが、近走の成績がイマイチなだけに強気には出にくいところです。
 ほか、黒ユリ賞で3着だったアグリタカラ、100万円未満で3戦連続連対と調子が出てきたダイヤローズ、堅実な成績を残しているペガサスプリティーノリノメイチャン、少しでも上位を目指したいミスダイヤが出走します。

出走表はこちら

【参考レース】
6/17黒ユリ賞(勝ち馬:エリザベスライデン)
7/29ばんえい大賞典(勝ち馬:プリンセスモモ)
8/19はまなす賞(4着:プリンセスモモ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(9/15~9/17)

2007年9月14日(金)

 ナイター開催ラストウィークの今週は、テレビの競馬中継でおなじみの人気女性キャスターによるトークショーや、騎手のサイン入りグッズの当たる抽選会など様々なイベントが催されます。また重賞・ばんえいプリンセス賞を含め特別が5レースも組まれるなど番組面でも充実しており、見どころ満載の3日間となりそうです。

 9月15日(土)のメイン第11レースは初秋特別(430万円未満)です。
  前開催のJALツアーズカップ(混合500万円未満)を制したのがミスターセンプー。障害3番手から豪快に脚を伸ばして差し切り、障害に苦戦した十勝ワインばんえいラベル発売記念特別(8月18日・430万円未満)の最下位から巻き返しました。昨季は650万円条件で活躍、かつてのオープン経験馬としてはここで立ち止まるわけにはいきません。
 9月2日に行われた4歳重賞・銀河賞5着のメジロショウリキは、その十勝ワインばんえいラベル発売記念特別で2着に追い込みました。今季このクラス(混合戦含む)で4戦3連対と好調だけに、今回も好勝負の期待が持てます。
 銀河賞でメジロシウリキらを破っているのがツジノコウフク。今回も出走しているヒロノドラゴンとの一騎打ちを制しています。トップハンデ700キロですがその底力に期待したいところです。
 銀河賞は競走除外も今季この条件で1勝を挙げているテンカ、堅実なストロングペガサスらも差はありません。

 9月16日(日)のメイン第11レースはポテト特別(オープン)です。
スターエンジェルは、ここ3走のオープンで2連対と好調です。オープンの一線級に入っても引けを取らない実力の持ち主ですが、いまいちアテにしずらい馬。昨季の開幕までさかのぼっても1番人気に推されたのが1回だけということがそれを物語っています。アンローズが回避したため、今回もここ数開催のオープンとほぼ同メンバーとなりました。障害さえうまく抜けられば好走の期待も高まります。
 決め手に欠けるところはありますが、ナリタボブサップスーパーロイヤルらも争覇圏。また昇級2戦目となるヤマノミントも昨季後半はオープンで好勝負していた実績があり注目です。

 この日の第10レースは南北海道産駒特別(2歳産地限定)。例年行われる産地限定の2歳特別戦です。
 期待したいのはライデンロック。前走2歳A1では8着に敗れましたが、青雲賞で1、2着だったコトブキタイガー、ホクショウジャパンに次ぐ3番人気に推されました。メンバー的に恵まれた感の強い今回は負けられないところでしょう。
 目下2連勝の牝馬スーパーシャトルや、2戦連続連対中のオオバコも侮れません。

 9月17日(祝・月)のメイン第11レースは、3歳牝馬三冠の第2弾・第31回ばんえいプリンセス賞です。このレースは別掲のばんえいプリンセス賞プレビューをご覧ください。

 この日の第12レースは秋天特別(360万円未満)です。
 今季250万円条件からスタートしたタカラオーシャンは順調に勝ち星を重ねてきました。今回がこのクラスへの昇級戦ですが、前開催の十勝あずき特別(混合360万円未満)では、キングシャープ以下今回のメンバーを一蹴しています。ハンデは積まれましたがその勢いは見逃せないものがあり中心の期待です。
 同じく今回が昇級戦なのが4歳馬のメダマ。8月12日の300万円未満では、先頭で障害を越えたタカラオーシャンから4秒差の2着に好走。離れた3番手からよくここまで追い込んだという印象で、勢いでは完全に優っていました。このときタカラオーシャンとの重量差は10キロだったのが今回はさらに20キロ差とひらいたことで逆転まで一考です。
  ほか、このクラスの上位安定勢力であるホクショウドラゴンや、キングシャープアローファイターらも好勝負が期待できるでしょう。

レース回顧(9/8~9/10)

2007年9月11日(火)

 8日(土)に行われたのは長月特別(3歳以上混合700万円未満)。馬場水分6.6%、1分29秒6の高速決戦を制したのは、好調ギャンブラークインでした。
 第2障害は、シンザンウィークと並んで仕掛けたギャンブラークインが、ひと腰でこれをまとめて先頭クリア。遅れてシンザンウィーク、トウリュウが越え、並んでアローコマンダーとホクショウダイヤが続いていきました。しかし先頭のギャンブラークインの逃げ脚は快調で、そのままゴールまで一直線。文句なしの快勝を演じました。2着は粘るシンザンウィークと追い込んだホクショウダイヤの争いとなり、同タイムの末、ホクショウダイヤに軍配が上がりました。

 9日(日)は金杯(3歳以上オープン)が行われ、9番人気のトカチプリティーが優勝。2着には1番人気のフクイズミが入りましたが、馬連単は万馬券となりました。
 軽ハンデを味方に、真っ先に障害に挑んだトカチプリティーは、楽に先頭でクリア。一気に後続との差を広げて、逃げ切りを図ります。2番手からミサイルテンリュウ、カネサブラック、フクイズミの3頭が追撃態勢に入りましたが、軽馬場を考えれば、逃げるトカチプリティーにとってセーフティーリード。その脚取りは最後まで衰えず、結局トカチプリティーが逃げ切り勝ちを収めました。いつもの切れはなかったものの、よく伸びたフクイズミが2着。障害6番手から豪快な末脚を見せたサダエリコが3着に入線し、牝馬3頭の上位独占となりました。

 10日(月)はメインレースに新涼特別(3歳以上500万円未満)が行われました。ここを制したのはキョクシンオー。前走5着から巻き返し、力のあるところを改めて証明しました。
 各馬が障害を一斉に駆け上がり、障害後もキョクシンオー、ユウセイマーチ、ニシキユウが横並びのまま脚を伸ばす大激戦。残り20メートル付近でユウセイマーチが離脱して2頭の一騎打ちとなりましたが、終始半馬身ほどのリードを保っていたキョクシンオーが粘りきって先頭でゴールイン。ニシキユウが2着で、3着にユウセイマーチが入線しています。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(9/8~9/10)

2007年9月 7日(金)

 先週日曜に行われた4歳馬による重賞・銀河賞は、ツジノコウフクが重賞初制覇を飾りました。
 今週の競馬にもその銀河賞出走馬が何頭か参戦していますが、古馬混合戦に出走する3、4歳馬は、古馬との力量差を考慮し10キロの減量がなされます。さらに牝馬には世代を問わず20キロの減量(牝馬限定戦は除く)があることから、3、4歳の牝馬は30キロもの減量特典が得られることになります。
 わずか5キロの重量の加減で着順が大きく変わることもあるばんえい競馬でこの減量の恩恵は大きく、人気薄の軽量3、4歳馬が上位に食い込み波乱を演出することもあるので注意が必要です。

 9月8日(土)のメイン第11レース長月特別(混合700万円未満)は、ここ数開催の同条件戦とほぼ同じメンバー構成となりました。
 グレートサンデーは前々開催(8月13日)の勝毎花火大会記念特別では障害に苦戦し最下位も、前開催のじゃがいも特別ではカカリの良さが戻り3着に巻き返しました。8月4日のシーサイド特別で勝利しているように、これくらいは走って何ら不思議のない馬だけに、今回は勝利の期待が高まります。
 第2障害先頭から押し切る競馬で2連勝中なのがギャンブラークイン。ここ5戦連続して手綱を取っている西謙一騎手もすっかり手の内にいれたようで、3連勝の可能性もあるでしょう。しかし今回は前走からプラス5キロとなる705キロを課せられました。5キロの差とはいえ先行力に影響を及ぼさないかが心配です。
 600万円条件に昇級してからの2戦、勝毎花火大会記念特別、じゃがいも特別でそれぞれ4、3着と健闘しているハヤテショウリキも有力。トップハンデ720キロを課せられた前走銀河賞は6着だったホクショウダイヤも、今回は705キロに戻ることから見直しが必要でしょう。

 9月9日(日)のメイン第11レースは金杯(オープン)です。
 8月12日のばんえいグランプリで1、2着だったエビスオウジャと、フクイズミが出走します。そのばんえいグランプリは、早め障害クリアから粘るエビスオウジャに、末脚切れるフクイズミが迫る見ごたえのあるレースでした。
 ばんえいグランプリは不出走だったミサイルテンリュウもここに出走してきました。今季旭川記念、北斗賞と重賞を連勝して好調です。
 旭川記念でも2着だったフクイズミを含め3頭が揃い踏みするのは今季初のこと。ある意味、ナイター最後の古馬チャンピオン決定戦になりました。
 今回、エビスオウジャ、ミサイルテンリュウがトップハンデ740キロなのに対して牝馬のフクイズミは25キロ軽い715キロで三つ巴の混戦が予想されます。
 710キロで出走できる近走堅実な牝馬サダエリコトカチプリティーらも、前述3頭といずれも近走よりハンデ差がひらいており一発の可能性を秘めています。

 9月10日(月)のメイン第11レースは新涼特別(500万円未満)です。
 4歳牝馬のニシキユウは430万円条件で2連勝して臨んだ前走銀河賞は3着。前の2頭と離されたとはいえ先行して粘り込む自分の競馬はしており、相手が悪かったとしか言いようがありません。昇級初戦とはいえ基礎重量から30キロ軽い今回の670キロは断然有利で、注目の1頭です。
 銀河賞で最下位の8着に敗れたカネサテンリュウ。第1障害でヨレて後方に置かれ、7着馬がゴールインしたときはまだ第2障害と格闘中と、レースになりませんでした。しかしその前2走の混合500万円未満はともに2着と力はあります。立て直してくればここは勝ち負けでしょう
 ライジングサンは今季このクラス(混合戦含む)で11戦して複勝圏を外したのが4回だけと堅実だけに侮れません。また前走の混合500万円未満で5着のキョクシンオーも巻き返しを狙っています。

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