
寒菊賞は岩手M3格付けで2歳重賞でもややマイナーな印象があるが、過去5年の勝ち馬を見るとすごい。2016年のベンテンコゾウは門別に遠征しての二冠制覇。17年のチャイヤプーンは岩手ダービーダイヤモンドカップを制して、船橋に移籍して戸塚記念を制し、さらに岩手に戻ってダービーグランプリを勝った。18年のパンプキンズも東北優駿、ダイヤモンドカップの二冠制覇。19年のグランコージーはダイヤモンドカップを制して、不来方賞とダービーグランプリがともに3着。そして昨年のリュウノシンゲンは、やはりダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠制覇。いずれも3歳になって世代のチャンピオン級の活躍を見せた。今年もこのレースからそんな活躍馬が出ることを期待したい。
クロールキックは北海道所属として出走した南部駒賞で、北海道勢が上位3着まで独占したなかで2着。しかも地元最先着4着のカクテルライトは大差がついていた。門別では未勝利戦を勝ったのみだが、1700メートルのJRA認定ウィナーズチャレンジで2着という実績。岩手転入初戦となるが、このメンバーでは能力断然といえそう。
相手には、やはりホッカイドウ競馬出身のカクテルライト。転入初戦こそ2着だっが、その後ビギナーズカップ、若駒賞を連勝。南部駒賞は前述のとおりの4着で、プリンセスカップも4着。ここ2戦が強敵相手に苦戦したが、メンバー中、重賞を勝っているのはこの馬だけ。
リュウノガルシアはビギナーズカップ3着、若駒賞2着で、いずれもカクテルライトの後塵を拝した。ただその後の2戦で力をつけていれば、カクテルライトには逆転の可能性はありそう。
サンエイブレーヴは若駒賞、知床賞ともに3着でリュウノガルシアに先着されていた。しかし前走水沢1600メートルの太夫黒特別ではリュウノガルシアに1馬身差をつけて勝利と逆転。○▲と能力差はない。
カンパニョーラは盛岡芝の新馬戦を勝ち、前走初ダートとなった水沢戦で、北海道から転入初戦のキモンリッキーの2着。ここでも2、3着争いに割って入る可能性はありそう。
◎4クロールキック
○10カクテルライト
▲9リュウノガルシア
△7サンエイブレーヴ
△6カンパニョーラ
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昨年、3歳ながら中日杯を制し、今年金沢では重賞のみ7戦して5勝というハクサンアマゾネス。今回、ほかに今年重賞を勝った馬がいないというメンバーなら断然。競馬だから何があるかわからないが、ほとんど負けようがないのではないか。
相手候補の比較が難しいが、今シーズン2000メートル前後の重賞・A1特別で安定して能力を発揮しているのがトップロイヤル。掲示板を外したのが、白山大賞典JpnIII、JBCクラシックJpnIというダートグレードだけ。ただハクサンアマゾネスには、利家盃で1秒0、3着だった百万石賞でも1秒6という決定的な差をつけられているだけに、やはり逆転までは難しい。
兵庫から大井を経由して今シーズン転入してきたエイシンレーザーは、転入初戦を勝ったのみだが、金沢スプリングカップ、利家盃を含めて2着が4回。百万石賞こそ6着だったが、安定して上位に食い込んでいる。
一昨年の中日杯を制したティモシーブルーだが、今シーズンはA1特別で1勝したのみで、重賞でも利家盃で3着があるだけ。11月の2戦も差のある着外と勢いがない。連下争いにからめるかどうか。
川崎から転入して特別戦2勝のウインオスカーだが、ほとんどの実績は短距離で、2000メートルという距離がどうか。
◎12ハクサンアマゾネス
○6トップロイヤル
▲10エイシンレーザー
△9ティモシーブルー
△3ウインオスカー
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昨シーズンは水沢競馬場が降雪や馬場凍結のため12月中旬から1月の開催で中止が相次ぎ、このトウケイニセイ記念も行われなかった。そのリスクを考慮してか例年より1カ月ほど繰り上げての実施となった。
北上川大賞典の上位馬が不在となれば、ヒガシウィルウィンが断然。今シーズン、ここまで4戦。初戦の赤松杯こそ5着に敗れたものの、シアンモア記念を勝って、みちのく大賞典はエンパイアペガサスにハナ差2着に敗れたが、これといった強敵のいない青藍賞は完勝だった。北上川大賞典で3連覇を達成したエンパイアペガサスが不在というメンバーでは負けられない一戦だ。
相手選びが難しいが、夏から秋にかけ盛岡のすずらん賞、長月特別とマイル戦を連勝したタイセイブラストに期待する。昨年春に南関東から転入して、ここまで重賞タイトルは今年7月の栗駒賞だけだが、前述のとおり昨シーズンは白嶺賞、トウケイニセイ記念と、水沢1600メートルの重賞が2つも中止になってしまったのは残念だったに違いない。ここ2戦はともに8着惨敗だが、そもそも1200メートルは実績がない。得意のマイル戦に戻ってヒガシウィルウィンに真っ向勝負だ。
ユノートルベルは青藍賞でヒガシウィルウィンの2着。3コーナーではまだ中団よりうしろの位置取りから、メンバー中最速の上り3ハロン38秒5という脚を使って2着争いを制した。今回は初めての水沢コースがカギとなりそう。
中央3勝クラスからこの秋に転入したプロヴィデンスは、盛岡1800メートルで2戦してともに2着。中央時代はダート1400メートルを中心に使われており、距離短縮はプラスになりそう。
ツクバクロオーは高知からの転入初戦。昨年は福永洋一記念を制し、黒潮マイルチャンピオンシップ、高知県知事賞がスペルマロンの2着だから、高知ナンバー2の存在だった。ただ今年はここまで3戦のみで勝ち星もなく、7月以来5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
◎3ヒガシウィルウィン
○11タイセイブラスト
▲7ユノートルベル
△4プロヴィデンス
△1ツクバクロオー
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スーパースナッズは、高知から転入初戦となった1400メートルのA2特別を楽勝。逃げて直線で後続を振り切ると、直線半ばあたりからは流すようなゴールで2着に5馬身差。たしかに今回のメンバーと比べると格下だったが、勝ちタイム1分28秒7は、ミスカゴシマが勝った今年の吉野ヶ里記念の勝ちタイムより1秒1も速い。それがほとんど追われずに出したタイムということでは、能力は高い。重賞初挑戦での勝利に期待したい。
ミスカゴシマは遠征競馬では結果を残せなかったものの、夏には吉野ヶ里記念を連覇し、前走有明海賞はハイペースで逃げたノーフィアーをみずから負かしに行って直線抜け出し、2着チェキラ以下を寄せ付けなかった。地元1400メートルの舞台では強い。
その有明賞で2着だったのがチェキラ。4月に大井から転入し、1300/1400メートルで9戦オール連対。重賞初挑戦となった佐賀オータムスプリントでも2着に好走。まだ底を見せていない。
中央オープンから移籍して圧倒的なスピードで4連勝と注目されたノーフィアーだが、6着に沈んだ吉野ヶ里記念以降の成績が冴えない。前走有明海賞では向正面で後続を離しての逃げになったので、そのまま粘り込むかとも思ったが直線失速して4着。巻き返しがあるのかどうか。
吉野ヶ里記念がミスカゴシマの2着で、サマーチャンピオンJpnIIIでは地方最先着の5着だったテイエムチェロキーだが、ここ2戦がいまひとつの内容。調子を戻しているかどうか。
前走900メートル戦でドラゴンゲートに3/4馬身差で食い下がったロトヴィグラスも侮れない。
◎4スーパースナッズ
○1ミスカゴシマ
▲7チェキラ
△10ノーフィアー
△6テイエムチェロキー
△9ロトヴィグラス
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ばんえい菊花賞では牝馬が上位3着まで独占。イオン、サクラヒメがほぼ同時に先頭にで障害をクリアして、イオンのほうが10kg重かったということもあるが、サクラヒメはあっさりと突き放し、残り20mあたりから渡来騎手はほとんど何もしないままの楽勝だった。6月28日のC1-1組以降は3着以内を外すことがなく、着実にクラスを上げて力をつけた。定量戦の今回はかなり堅い軸ではないか。
逆転の可能性はイオンに期待する。ばんえい菊花賞は牝馬同士の中ではトップハンデで、しかも第2障害最初に仕掛けたタイミングはちょっと早かった。今回は定量戦ゆえ、第2障害までも楽に進めるだろうし、溜めて仕掛ければ見せ場以上もありそう。黒ユリ賞、ばんえい大賞典と重賞2勝に、A2戦でも3着好走があるという実績と経験では最上位。
ばんえい菊花賞2着だったミソギホマレは重賞勝ちこそないが、黒ユリ賞2着、イレネー記念3着という実績。ここ7戦連続連対中ということでは、上のクラスでもやれる実力はある。
ばんえい菊花賞では1、2着馬より10kg軽い重量で3着だったアバシリサクラだが、今回は定量戦となってどこまで食らいついていけるか。
ここまで4頭の勝負と見るが、どれか2頭が凡走したときの3着候補としてミラクルクイーンとニュクス。
◎9サクラヒメ
○3イオン
▲1ミソギホマレ
△6アバシリサクラ
△5ミラクルクイーン
△2ニュクス
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