NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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佐賀デビュー馬限定の2歳重賞。
ここまでメンバー中最多の4勝を挙げているミヤノウッドリーを巡る争いとなりそう。ここまで唯一2着に負けた2走前は、馬体太めもあったか逃げ馬をとらえきれず、それでも3着馬には大差をつけた。馬体を絞って臨んだ前走は再び盤石のレースを見せただけに、2走前の敗戦は気にしなくてよさそう。
イチノコマチはここまで6戦して2勝、2着3回。唯一の着外は小倉芝への挑戦で、地元佐賀では連対を外していない。前走シリウス特別はモーモーレッドに逃げ切られクビ差2着だったが、2走前のJRA認定戦ではミヤノウッドリーに唯一食い下がって2馬身半差2着。その安定したレースぶりを評価する。
ミヤノウッドリーに唯一土をつけたのがニューホライゾン。ただ続く前走のJRA認定戦では、ミヤノウッドリーに6馬身半ほどの差をつけられ3着に敗れているだけに、再度の逆転まではどうだろう。
前走シリウス特別でイチノコマチをクビ差でしりぞけたモーモーレッドだが、1400メートルの持ちタイムがそのときの1分32秒9ということでは、ミヤノウッドリーに対抗するには2秒ほどタイムを縮める必要がある。
勝負はここまで4頭。新馬戦2着のあと初勝利を挙げたシゲルスコーピオン、逆に新馬戦を制したあとの2戦目が2着だったウイニングザソウルらは馬券圏内まであるかどうか。
◎7ミヤノウッドリー
○6イチノコマチ
▲8ニューホライゾン
△3モーモーレッド
△4シゲルスコーピオン
△9ウイニングザソウル
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ダービーグランプリに続いて最終レースに行われるのは、2歳馬の岩手と北海道の交流、知床賞。さすがにこの時期の2歳馬は北海道勢が強く、重賞に格上げされてから昨年までの10年間で北海道勢が9勝。岩手唯一の勝利は一昨年のゴールデンヒーラーで、4歳になった今年も牝馬ながら先月の青藍賞を制するなど岩手の古馬戦線で活躍している。
今回は9頭立てで北海道からの遠征が6頭。門別の重賞で好走している馬が何頭かいるだけに、今回も北海道勢優位となりそう。
メンコイボクチャンは、ここまで4戦2勝、2着2回。前走イノセントカップは惜しくもクビ差2着だったが、勝ったスペシャルエックスはデビューから3連勝。それを考えれば、メンコイボクチャンもまだ底を見せていない。
ラビュリントスは8月11日のJRA認定ターフチャレンジが2着で、その勝ち馬デステージョがイノセントカップでメンコイボクチャン(2着)に2馬身差3着だった。盛岡1400メートルの舞台でその差を詰められるかどうか。
リュウノアスラームはフレッシュチャレンジを勝ったのみで、その後は4着が最高という成績だが、前走リリーカップは、勝ったスティールグレイスが圧倒的に強く、そこからコンマ8秒差の4着はむしろ評価できる内容。
デビューから2連勝のあとイノセントカップ5着のピーストークス、北海道勢では唯一中距離の1800メートル戦を経験しているプルタオルネなど、北海道勢同士の争いになりそう。
◎5メンコイボクチャン
○1ラビュリントス
▲8リュウノアスラーム
△4ピーストークス
△6プルタオルネ
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出走15頭に南関東から半数近い7頭が遠征。まるで南関東クラシックの延長戦を盛岡で戦うようなメンバーになった。
とはいいながら、狙ってみたいのは門別・王冠賞で逃げ切り圧勝を見せた北海道のエンリル。今年の北海道3歳戦線では、南関東から戻ったシルトプレが、北斗盃、北海優駿の二冠を制し、三冠は確実かに思われた。しかし王冠賞ではハナをとったエンリルが3コーナーから徐々に後続との差を広げ、シルトプレを8馬身ちぎって圧勝。シルトプレは2歳時、北海道所属のまま遠征した鎌倉記念を制し、全日本2歳優駿JpnIでも5着と健闘。その後、船橋に移籍し2戦したのみで北海道に戻ってきたが、南関東三冠の前哨戦では雲取賞3着、京浜盃5着。この世代、主役不在だった南関東3歳戦線でその成績なら、シルトプレは南関東に残っても三冠で好走できたはずで、それを難なくちぎって見せたエンリルは、ここに来て相当充実したと見る。北海道所属馬としては2017年のスーパーステション、19年のリンノレジェンドに続くダービーグランプリ制覇なるか。
黒潮盃では、デビューから短距離のみを使われ優駿スプリント2着だったエスポワールガイが、初めての1800メートルにもかかわらず逃げ切ったのには驚かされた。経験してなかっただけでもともとそういう素質はあったのだろう。今回はさらに200メートルの距離延長。エンリルと先行争いになるのかどうかと、前半の折り合いがカギになりそう。
東京ダービー2着、ジャパンダートダービーでも地方馬最先着の5着だったクライオジェニックは、黒潮盃では1番人気に期待されたものの、エスポワールガイをつかまえきれず1馬身半差でまたも2着。今回は地元岩手の村上忍騎手が鞍上となってどんなレースを見せるか。
同じく期待されながら好走続きで南関東ではタイトルに手が届いていないのがナッジ。黒潮盃でも3着だった。能力上位は間違いなく、あとは展開と運が味方するかどうか。
東京ダービーを6番人気で制したカイル、クラウンカップを制して東京ダービー4着だったフレールフィーユ、惜しくも北海道三冠を逃したシルトプレも前述の通り南関東で好走歴があり、南関東のこの世代の混戦をそのまま持ち込んだような争いになりそう。
◎14エンリル
○9エスポワールガイ
▲3クライオジェニック
△6ナッジ
△1カイル
△2フレールフィーユ
△5シルトプレ
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5月の兵庫大賞典以来となるジンギ、シェダルの直接対決が注目となる一戦。南関東から3頭の遠征があっても9頭立ての少頭数は、それゆえだろうか。その兵庫大賞典は、スタートから先頭に立ったジンギをシェダルがぴたりと追走。3コーナーからは3番手を離しての一騎打ちとなり、直線を向いて外のシェダルがやや遅れをとったものの、ゴール前でもう一度差を詰めた。しかしジンギがクビ差で振り切っての勝利。さらに兵庫所属馬として重賞最多勝記録を更新し続けているエイシンニシパが6馬身離れての3着、という結果。さて、今回は......。
6月の六甲盃以来4カ月近くぶりとなるジンギだが、ここ1年で負けたのは名古屋大賞典JpnIIIでの3着だけ。という成績なら、やはりこの馬が中心だろう。
一方のシェダルも、昨年末に中央オープンから移籍し、負けたのは名古屋に遠征した梅見月杯(3着)と、前述の兵庫大賞典のみ。重賞初制覇となった摂津盃では、ゴールを過ぎたあと「待ってろ、ジンギ」という三宅アナウンサーの実況が印象的だった。
さらに注目は、昨年の北海道三冠馬ラッキードリームだ。南関東でオープン特別を2勝し、転入初戦の特別戦を6馬身差で圧勝。2頭の間に割って入る可能性もある。
南関東からの遠征馬では、金沢のイヌワシ賞を連覇しているアイアムレジェンドに食い込む余地があるかどうか。
◎9ジンギ
○3シェダル
▲4ラッキードリーム
△5アイアムレジェンド
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過去5年で岩手所属馬が3勝と、地元馬の活躍が目立つが、遠征馬では北海道が1勝、2着3回で、3着4回の南関東より活躍が目立っている。
今回北海道から唯一遠征のケイアイサクソニーは、中央では芝1200から1400メートルで4勝。オープンクラスから今年春に門別に移籍し、勝ち星こそないものの1200メートルのA1特別で2着2回。1000メートルのグランシャリオ門別スプリントでも、勝ったアザワクから0秒5差の4着と好走した。芝1000メートルは絶好の舞台だろう。
川崎のプリモジョーカーは、ここ2年以上、南関東では川崎900メートルのみを使われ、その中にはA2特別勝ちもある。川崎スパーキングスプリントもでも勝ち馬から0秒8差の6着。芝は2歳時、北海道所属時代にJRA函館・札幌で2戦してともに着外だったが、それだけで芝不適とは判断できず、むしろ相手が強かったと考えるべきだろう。あらためて持てるスピード能力を芝で発揮できればチャンスはある。
浦和のスターオブケリーは盛岡ダート1200メートルの3歳重賞ハヤテスプリントを逃げ切った。名古屋に遠征した東海クイーンカップ(1700メートル)でも2着があったが、ハヤテスプリントのあとの繁田健一調教師のコメントでは「1200メートルが一番合う」とのこと。芝は今回が初めてだが、3歳牝馬の軽量53キロでそのスピードが生かせれば。
地元勢では前哨戦のハーベストカップで1、2着だったスギノヴォルケーノ、リンシャンカイホウが、遠征勢を相手にどこまでやれるか。
浦和のコパノキャリーは南関東での4勝が800〜900メートルという超短距離志向。2歳時に盛岡芝のJRA認定フューチャーステップで2着があった。
川崎のエールヴィフは、地方のダートでは結果が出ていないが、中央では芝1000〜1200メートルで2勝。芝での変わり身に期待だ。
◎8ケイアイサクソニー
○1プリモジョーカー
▲4スターオブケリー
△3スギノヴォルケーノ
△12リンシャンカイホウ
△10コパノキャリー
△7エールヴィフ
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