それにしても高知の賞金の充実ぶりには驚かされる。この年末の開催から条件クラスの賞金まで一気にアップし、1着賞金が最下級条件で20万円、C1クラスで40万円となった。たしかに馬の値段や預託料を考えれば、安定して競馬を続けるにはそのくらいが最低ラインなのだが、一時は1着賞金が10万円を切ったことを考えると、驚くべき回復ぶりだ。この金の鞍賞も2010年に復活してからしばらくは27万円だったのが、昨年60万円、そして今年は140万円にまでなった。
中心は、やはりフリビオンだろう。黒潮ジュニアチャンピオンシップ制覇を含め、目下4連勝中。ディアマルコに続いて、高知生え抜きから全国区へという期待もかかる。
フリビオンのほかに高知生え抜きはキンタマーニとハルノフラワーで、しかし2頭ともに未勝利。門別からの転入馬を相手に高知デビューのフリビオンが圧倒的に強そうというのも、今の高知の充実ぶりを示している。うんと特別でフリビオンの2着、3着だったタッチスプリント、パッパカが今回も相手候補。あとはヴァルムに食い込む余地があるかどうか。
◎4フリビオン
◯8タッチスプリント
▲2パッパカ
△9ヴァルム
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今年から中島記念が1800メートルに距離短縮され、そしてこのレースがA級馬による2000メートルのS2重賞。
昨年の中島記念では3歳ながら1番人気に支持されたキングプライドだったが、キョウワカイザーに4馬身差をつけられての2着。そのキングプライドが5月以来となる復帰戦。今回は7頭立てと少頭数に加え、ほかの馬はほとんどが近走で勝ち馬から1秒以上の差をつけられての惨敗続きというメンバーだけに、休養明け初戦でも負けられない一戦だ。
消去法で相手を選ぶと、すべて消えてしまいそうなメンバーだが、ヒショウはA2の一般戦とはいえ好走があり、2走前の周防灘賞でも、カーバやタイセイマスタングに先着しているだけに、やはりこの馬が相手筆頭になりそう。
前走新燃岳特別でキョウワカイザーに1.1秒差6着というタイセイマスタングが3番手。ただ1400メートル戦を中心に使われており、この馬にしてもあまり信頼はおけないのだが。
◎1キングプライド
◯5ヒショウ
△4タイセイマスタング
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B級馬による1400メートルのS2重賞。
4歳牝馬のダンシングが好調だ。近5走1400メートルのS2重賞もしくはB級特別で2勝を挙げたほか、負けても勝ち馬とはコンマ7秒以内での入線。今回のメンバーではもっとも成績が安定している。
テイエムトッピモンは、ここ2戦は差のある敗戦だが、勝ったのがB級ではモノが違うコウザンゴールドでは仕方ない。1400メートル戦もB級ですでに3勝を挙げているだけに、距離短縮はむしろプラスになりそう。
プレミールキャットは兵庫から転入してここまで4戦。3着が2回という成績で、ダンシングとの対戦では1秒差の4着に敗れているが、今回のメンバーなら上位を狙えそう。
ダノンミルは7月以来となる1400メートル戦がどうか。マイネルカペラはここ3戦、B級の一般戦ではあるものの、1400メートルになって調子を上げてきている。
◎4ダンシング
◯11テイエムトッピモン
▲6プレミールキャット
△10ダノンミル
△8マイネルカペラ
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シークロムは、南部杯、JBCスプリントと両JpnIではさすがに結果を残せなかったものの、今回と同じ水沢1600メートルの青藍賞では、その後笠松グランプリで連覇を果たすことになるラブバレットを1馬身半差で振り切って見せた。3歳時にはマイルの重賞で2勝を挙げた実績もあり、中央移籍や南関東を経験して充実してきた。
中央から転入初戦のナリタスーパーワンは、ダートオープンで入着という実績からはあっさりがあっても不思議はないが、いきなりの水沢の重い馬場、しかもおそらくは道悪で、それに対応できるかどうかという不安もあるので対抗まで。
アントニオピサは、大井ではA級で頭打ちとなったが、転入初戦のA級特別を勝って、北上川大賞典でも2着。マイル戦は大井で昨年の武蔵野オープンを勝った実績があり、勝ち負けの目は十分にある。
スマートレジェンドは船橋から転入して2戦目から6戦連続3着以内だが、初めての重賞でどこまでやれるか。
夏には牝馬ながらみちのく大賞典を制したミラクルフラワーだが、あと一息という近況ではあまり強くは推せない。
◎1シークロム
○4ナリタスーパーワン
▲6アントニオピサ
△2スマートレジェンド
△5ミラクルフラワー
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ここは実績的にも白山大賞典JpnIIIの1、2着、ケイティブレイブとアムールブリエの一騎討ちだろう。白山大賞典は、2番手から直線で先頭に立った55キロのケイティブレイブに、牝馬ながら57キロを背負っていたアムールブリエが1馬身差まで迫って2着。それが今回は2頭ともに55キロ。アムールブリエにとっては昨年も同じ55キロで勝っている舞台で、しかもこれがラストランということでは負けられないところ。
ケイティブレイブは、白山大賞典JpnIII、浦和記念JpnIIと連勝。両レースともほかにハナを主張する馬がいて2番手からの競馬になったが、今回はハナを切れそうなメンバーで、どんなペースでレースを引っ張るかが見どころとなりそう。
ユーロビートは、一線級が集まったJBCクラシックJpnIの6着は仕方ないとして、東京記念では超スローで単騎逃げとなったストゥディウムが直線で粘るところ、これをとらえて突き放してというレースぶりは、さすがにグレードウィナーの実力を見せた。それが昨年のマーキュリーカップJpnIII以来1年以上ぶりの勝ち星となったが、その間にもダイオライト記念JpnII・3着などダートグレードでの入着はたびたびあった。展開ひとつで上記2頭に割って入る可能性もあるのではないか。◎◯に人気が集中するだろうから、馬券的にはこの馬を狙ってみるのも面白いかもしれない。
ストロングサウザーは、好走と凡走の落差が大きくなかなかに狙い所の難しい馬。白山大賞典JpnIIIは2着のアムールブリエに半馬身差、浦和記念JpnIIは勝ったケイティブレイブから3秒7離されての大敗。さすがに逆転までは難しいだろう。
地元の期待はカツゲキキトキト。遠征した白山大賞典JpnIIIは6着だったが、地元名古屋では地方同士とはいえ2月から負けなし。ここは来年へ向けての試金石。
メイショウヒコボシは、浦和記念JpnIIではケイティブレイブから1秒9離されての4着。今回も同じように差をつけられたとしても、出走馬の能力差に加え、長距離戦ということもあり、馬券圏内に入る可能性はある。
◎アムールブリエ
◯ケイティブレイブ
▲ユーロビート
△ストロングサウザー
△カツゲキキトキト
△メイショウヒコボシ
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