出馬表を見てちょっと唖然。この世代の期待を背負ったトーコー軍団の有力馬の名前がない。牝馬のトーコーニーケが同日に行われる名古屋・若草賞に遠征するのはグランダム・ジャパンのタイトルを狙ってのことゆえ仕方ないが、大晦日の園田ジュニアカップを制したトーコーポセイドンは仕上がり遅れ、年明けに笠松のゴールドジュニアを制したトーコーガイアも放牧先からの帰厩が遅れたとのこと。結果、重賞勝ち馬が1頭もいないというメンバーで兵庫一冠目の菊水賞が争われることになった。
ここに来て3歳AB特別を2連勝と調子を上げてきているクリノエビスジンが中心。12月にはトーコーガイアに1秒差をつけられたとはいえ3着(同着)があり、その後確実に力をつけていることを考えれば、ここでは能力的に上位だろう。
エナエビスは、デビューからの2戦ともに楽勝で連勝。3歳同士のまだ下級条件だけに、実力は未知数だが、一冠目が重賞勝ち馬のいないメンバー同士の対戦というのは、この馬にとっては大きなチャンスだ。
ニホンカイセーラは、園田ジュニアカップでトーコーポセイドン、トーコーガイアに続いての3着。重賞実績という面ではメンバー中最上位だが、その後も3着続きで、目下4戦連続3着。勝ち星もここまで1つのみで、勝ち味に遅いタイプなのかもしれない。
アヴェスターは、前走6頭立ての6着。勝ったのはクリノエビスジンで、やや離されての敗戦だけに気になるところ。ただ牝馬同士とはいえ、ここまで重賞3戦と経験は豊富。名古屋に遠征しての梅桜賞4着も、それなりに評価していいだろう。
トーコーアンジェは初勝利がデビューから10戦目の今年1月。前走の3歳BC戦がようやく2勝目だが、2着に5馬身差をつけての逃げ切り楽勝だっただけに、ここにきて力をつけている可能性はある。
◎11クリノエビスジン
◯12エナエビス
▲3ニホンカイセーラ
△10アヴェスター
△4トーコーアンジェ
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黒船賞JpnIIIで期待されたエプソムアーロンだが、3コーナーあたりで一杯になって8着。どうやら万全の状態にはなかったようだ。地元同士ならまだ負けなし。仮に状態イマイチでも出るからには負けられない一戦だ。
唯一エプソムアーロンを負かす可能性があるとすればファイアーフロート。ダートグレードへの挑戦が多く、着順的にはよくない成績が続いているが、地元同士のレースで先着されているのはエプソムアーロンのみ。どこまで食い下がれるかだが、馬券的には真っ向勝負に行ったときに惨敗という可能性も考えておく必要もあるかもしれない。
A-3だが、1400mに距離短縮となって楽勝という内容で2連勝のオオミカミがちょっと怖い存在。
A-2級で好走続きのドゥフトライネンは崩れることが少なく、連下争いにはからんできそう。
◎2エプソムアーロン
○9ファイアーフロート
▲7オオミカミ
△5ドゥフトライネン
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中央未勝利から転入後3連勝中のクーファシーズンズがまだ底を見せていない。不良馬場だったとはいえ、1分23秒台とか24秒台の勝ちタイムはメンバー中でも最上位。ここも逃げ切って4連勝に期待したい。
相手筆頭はエンチャンター。こちらも中央未勝利から転入して、7戦4勝、2着3回。その2着のうちの1度はクーファシーズンズに1馬身差まで迫ってのもの。3着馬には9馬身差をつけていた。レースぶりから逆転もあるかもしれない。
JRAのチューリップ賞で果敢に先行したクロスオーバー。別府真衣騎手が騎乗停止中のため、佐賀・花吹雪賞で手綱をとった金沢の畑中信司騎手が呼ばれての出走。前々走古馬B-2は、今回のメンバー中最上位の格付けだが、逃げたものの勝ち馬から2秒1離されての8着。花吹雪賞勝ちで賞金を稼いでしまったため、古馬混合の格付けでは苦しいかもしれない。今回、先行タイプが何頭かいるだけに、内枠からハナに行ってマイペースに持ち込めれば。
金の鞍賞を制したニシノマリーナは、前走古馬C1級で5馬身差圧勝だったが、ときに惨敗もあり中心としては狙いにくい。
金の鞍賞2着のマルチヴィグラスも前走古馬C2級特別で2着の好走があり見限れない。
◎8クーファシーズンズ
○10エンチャンター
▲2クロスオーバー
△6ニシノマリーナ
△9マルチヴィグラス
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8歳だがダノンカモンに重賞初制覇のチャンスと見る。休養明けに東京競馬場のダートグレードを2戦。根岸ステークスGIIIは着順こそ9着だがゴール前は大接戦で、勝ち馬からわずかコンマ4秒差。GI/JpnI馬がひしめくフェブラリーステークスGIでコンマ7秒差の7着も好走といっていい。距離は違うがかきつばた記念JpnIII(2着)で名古屋コースの経験もあり、別定54キロもかなり有利。あとは1900メートルの距離がこなせるかどうか。
地元名古屋のサイモンロードは、どこかでダートグレードのタイトルが獲れる器と見ている。昨年の梅見月杯(1900メートル)では2分0秒3というタイムがあり、過去の名古屋大賞典JpnIIIの勝ちタイムを見ると2分1秒台や2秒台の決着もめずらしくないだけに、十分に通用するレベル。エーシンモアオバーとの兼ね合いもあるが、内枠からマイペースでレースを進められればチャンスはある。
ソリタリーキングは、1番人気に支持された前走佐賀記念JpnIIIではランフォルセに半馬身差の2着だったが、佐賀特有の馬場の重いラチ沿いを突いたからということはあったかもしれない。JpnIIIクラスのメンバーならあっさり勝てる実力はあるが、ここ1年での勝ち星がマーキュリーカップJpnIIIのみという勝ちきれない面もある。
オオエライジンは力の使いどころが難しい。3歳時から早めに先頭に立つと遊んでしまうところがあり、前走佐賀記念JpnIIIでも仕掛けがちょっと早かったかもしれない。一方で、報知オールスターカップのようにライバルとの叩き合いになればしぶといところを見せる。
エーシンモアオバーは、ここ2戦で負け過ぎているのが気になるところ。ランフォルセは前走佐賀記念JpnIIIは戸崎騎手の好騎乗が光ったが、名古屋コースは2度とも勝ち馬から差をつけられて負けているのがどうか。
◎9ダノンカモン
◯2サイモンロード
▲7ソリタリーキング
△1オオエライジン
△4エーシンモアオバー
△3ランフォルセ
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昨年のばんえい記念はカネサブラックが見事に引退レースを勝利で飾ったが、2着ギンガリュウセイ、3着キタノタイショウのレースぶりを見て、今シーズンはこの2頭が中心になるだろうと確信した。そのとおり、シーズンがスタートしてキタノタイショウがばんえい十勝オッズパーク杯と旭川記念を獲り、ギンガリュウセイは得意の北見記念を3連覇。秋に不振に陥ったキタノタイショウも帯広記念2着で復調し、やはり今回のばんえい記念はこの2頭の勝負と思わせたところ、残念ながらギンガリュウセイは間に合わなかったようで回避。それゆえキタノタイショウの1本かぶりとなりそうだが、相手は難しい。
ばんえい記念は1000キロという特殊な重量だけに、可能性のある馬とない馬がはっきりと分かれるので、相手は消去法で選んでみたい。
まずファーストスターとアアモンドヤワラは明らかに格下。ホッカイヒカル、ホクショウダイヤは800キロ台前半までというタイプ。フクドリは、昨シーズンは岩見沢記念2着、北見記念3着と重賞で好走を見せたが、今シーズンはその勢いがなく、3走前から2走前に久々に2連勝したものの730キロという軽量の一般戦でのこと。最重要ステップの帯広記念を制したホリセンショウだが、9番人気で障害先頭はうまくいきすぎた。そこから110キロ増で再びというイメージは沸かない。
相手として残ったのは、ニュータカラコマ、インフィニティー、シベチャタイガーの3頭。
その中で筆頭はインフィニティーとした。今シーズンのばんえい十勝オッズパーク杯が重賞初挑戦で3着。北斗賞を制し、そのほかの重賞でも善戦して、重賞で掲示板を外したのは岩見沢記念の1戦だけ。この1年での成長と、重賞戦線での勢いが感じられる。
シベチャタイガーの今シーズンは5月に挙げた1勝のみだが、年齢をかさねてズブくなり、700キロ台のスピード勝負ではいかにも厳しい。ばんえいグランプリは着順こそ5着だが、勝ったホクショウダイヤから2秒4差という接戦で、北見記念でも2着と好走。昨年のばんえい記念はかなり離されての8着だったが、他馬が1000キロの重量に苦戦すればチャンスはある。
岩見沢記念を制すなど、明けて6歳のニュータカラコマが、いよいよ高重量の重賞戦線で戦える力をつけてきた。ばんえい記念はもちろん初めてだが、勢いで突破する可能性はある。
◎1キタノタイショウ
○7インフィニティー
▲10シベチャタイガー
△8ニュータカラコマ
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