グランダム・ジャパン3歳シーズンのポイント争いがおもしろいことになっている。今回ののじぎく賞、関東オークスJpnIIと2戦を残し、トップは24ポイントでコパノバウンシ、2位がトーコーニーケで20ポイント、3位がクロスオーバーで15ポイントと、上位3頭がここで激突する。仮に地元のトーコーニーケがここを勝つとすると、グランダム・ジャパンのポイント区分★★で地元の1着10ポイントをプラスして30ポイント。対するコパノバウンシは★★の他地区ゆえ、3着でも7ポイント加算で計31ポイントとなり、トーコーニーケを1ポイント上回る。ただ最終戦の関東オークスは★★★ゆえ、出走してゴールさえすれば2ポイント加算されるというところがまた微妙だ。
トーコーニーケにとっては、グランダムの女王を狙うからには、地元ゆえ負けられない一戦だ。名古屋に3戦連続で遠征したが、前走東海クイーンカップは、後続を寄せつけずという内容で充実ぶりを示してみせた。3走前の梅桜賞2着のときは距離(1800メートル)が長かったと言われたが、東海クイーンカップ(1600メートル)のレースぶりから、今回の1700メートルも問題ないのではと見る。
距離ということでは、父がサウスヴィグラスでもあり、コパノバウンシのほうがむしろ不安は大きい。とはいえこちらも、1600メートルの留守杯日高賞では3~4コーナー先頭から後続を突き放して4馬身差をつけた。名古屋・若草賞ではトーコーニーケに2馬身差の2着で、その後、東へ西へという長距離輸送の影響も気になるところ。
高知のクロスオーバーは、今年これが8戦目。連戦の疲れは、果たしてありやなしや。仮に疲れなどがないとすれあば、強い相手と厳しいペースを経験しているだけに、ル・プランタン賞以上の能力を発揮してあっと言わせる場面はあるかもしれない。
名古屋・梅桜賞で、一気のまくりから先頭に立ってあっと言わせたのがユノエスケープ。そのレースぶりから、同じ1800メートルのル・プランタン賞は1番人気に支持されるも5着と案外だった。人気薄の時に思い切った作戦で穴を演出するタイプなのかもしれない。
カーネルキッスは、デビューした北海道では短距離ばかりを使われていたが、7番人気で臨んだル・プランタン賞は、ノーマークだったこともあったのだろうが、クロスオーバーに2馬身差2着と好走。スローで流れに乗れれば上位に食い込むチャンスも。
金沢でデビューから4連勝と期待されたイグレシアスだが、その後移籍した南関東では、同世代の一線級相手に6着が最高という成績。ただコパノバウンシも南関東では一般戦で2勝を挙げているのみという成績だけに、この馬も上位争いの可能性は十分ある。
◎8トーコーニーケ
◯6コパノバウンシ
▲2クロスオーバー
△3ユノエスケープ
△9カーネルキッス
△11イグレシアス
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それにしても赤松杯でのナムラタイタンのレースぶりは圧巻だった。1周目のスタンド前でハナを奪うと、向正面ではすでに2番手以下に5馬身ほどの差をつけ、直線ではまったく追うところもなく、鞍上がうしろを確認しながらのゴールで、2着には大差がついた。こういう1頭だけ抜けて強い馬がいる場合、2着以下は実力通りの決着にならないケースが多いのだが、やはりこのときも2着以下は、6、7、5番人気と続いた。それゆえ、赤松杯での2着以下の着順はあまり気にしないようがよい。そういえば盛岡のマイル戦といえば、ナムラタイタンは中央所属として出走した一昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIでは、スタートで前につんのめるようにして落馬した。そういうアクシデントさえなければ負けることはないだろう。
相手筆頭は、盛岡のマイル戦が得意のトウホクビジン。このコースでは、一昨年の絆カップと、昨年のシアンモア記念と、重賞を2勝している。で、今回が通算145戦目。それにしてもダートグレード勝ちがなく、しかも南関東所属でもないのに、収得賞金4300万円余りはすごい。ひとつのレースで獲得した最高賞金は、2010年クイーン賞JpnIIIでの3着と、そしてなんと!昨年のこのレースを勝っての、ともに500万円。今回、ナムラタイタンを負かしにいくことはおそらくないだろうから、うしろのほうを追走していって直線追い込み、あれれれれれ、2着に来てる、という場面が想像できる。
ミカエルビスティーは転入初戦のA級一組特別で3着。中央では、芝ではあるものの準オープンで12月に勝ち馬からコンマ8秒差で5着なら、ナムラタイタン以外の馬が相手なら十分通用する。あとはダートへの適性と、2戦目での上積みがあるかどうか。
大井から遠征のアクロスジャパン、赤松杯は惨敗だったが、冬休み明けの初戦を制しているハカタドンタクらにも好走の目はある。
◎3ナムラタイタン
◯11トウホクビジン
▲8ミカエルビスティー
△6アクロスジャパン
△2ハカタドンタク
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例によって佐賀のB級重賞。
コスモウィローは2連勝中。しかも一昨年12月のC2級から3着を外さない堅実な成績でクラスを上げてきた。前走はB級2組の特別だったが、まだまだ余裕があっての逃げ切りだった。B級1組に入っても十分勝負になりそう。
ガウチョは、中央から転入初戦の前走、B級1組の新緑特別で好位追走からゴール前ひと伸びして接戦を制した。中央時代は芝もダートもマイル以上の距離を使われており、距離延長はプラスだろう。
トップザバードは、新緑特別で後方から直線伸びてガウチョにクビ差の2着。昨年末に佐賀に転入し、7戦して勝ち星はないものの、2着と3着が2回ずつ。今回は山口勲騎手に乗り替わって、さらに上をという期待もできる。
ホワイトショウフクは中央1000万クラスからの転入初戦。近走は2桁着順ばかりだが、そのクラスで勝ち馬から2秒前後の差なら、ここでも十分勝負になりそう。ただ昨年あたりからは1800メートル以上では大きな差をつけられて負けており、期待は1400メートルに出走したときかもしれない。
シルクユージーは、すみれ賞から陽春特別(B級1組)を連勝したが、1番人気に支持された前走でコスモウィローの4着。とはいえゴール前で鋭い脚を使っていただけに、巻き返す可能性はある。
◎2コスモウィロー
◯9ガウチョ
▲5トップザバード
△4ホワイトショウフク
△6シルクユージー
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リーダーズボードが新春ペガサスカップ以来4か月ぶりの復帰戦。地元では9戦9勝、それもほとんどが一方的なレース。兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも見せ場があっての3着という実力。2歳時は使いづめだったため疲労回復のための今回の休養。いずれはダートグレードを狙う期待馬だけに、今回もどんな勝ち方を見せるか。
ドクターナイーヴはスプリングカップこそ3着に敗れたが、前走新緑賞は1番人気にこたえての勝利。トーホウボンバーに3/4馬身まで差を縮められたとはいえ、ゴール前で手綱を緩めてのもの。中央から転入後、8戦6勝、2着3着各1回と崩れたことがない。
トーホウボンバーも中央から転入後、9戦して8連対。ただここ3戦連続して2着と勝ちきれない面はある。
スウィフトダンサーは、前走古馬に編入されてB級5組を勝ったという実力は認められるが、3歳になって3回出走した名古屋・笠松の重賞では5着が最高と、メンバーが揃うと力が発揮できない面はある。
ピースフルリバティは、2歳時の若獅子特別でリーダーズボードの2着。このときの3馬身差は、リーダーズボードに対しては地元馬でもっとも少ない着差(同じ3馬身差がもう1頭いるが今回は不出走)。そのときの1分43秒8というタイムも、リーダーズボード以外では名古屋1600メートルのメンバー中最速の持ちタイム。2着は狙える力はある。
リーダーズボードが負けることはないだろうが、こうした抜けて強い馬が1頭だけいる場合は、それに真っ向勝負を挑む馬と、そうではない馬がいて、2着以下は実力通りに決まらないようなことも少なくなく、また1800メートルはほとんどの馬にとって初距離でもあり、予想は難しい。
◎5リーダーズボード
○11ドクターナイーヴ
▲8トーホウボンバー
△2スウィフトダンサー
△6ピースフルリバティ
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A級馬57kg、B級馬55kg、C級馬53kg(牝馬2kg減)で年に2回行われるクラス別定の重賞。かつては勢いのあるB級馬の活躍が目立ったが、最近ではA級馬の勝利が続き、昨年4月にB級馬が勝ったのが2009年5月以来。今回は9頭立てで8頭がA級馬。とはいえ唯一のB級馬ゴールドピューマも3連勝中と侮れない。
例年、一線級の出走が少ない重賞なのだが、エーシンバサラは名古屋のトップに近い位置を争えそうな1頭。中央500万からの転入初戦となった新春盃で3着と好走。A3特別を勝って、前走A1特別は新春盃の勝ち馬ノゾミカイソクにアタマ差まで迫っての2着。ここを勝って勢いをつけたいところ。
ゴールドピューマは9戦連続連対中で、B1特別まで3連勝でここに臨む。B級やC級の馬でこのレースで好走するのは、この馬のように上のクラスにいっても好勝負が期待できそうな馬。ちなみに昨年4月にB級からこのレースを制したキクノグラードも、同2009年5月のハードインパルスも、3連勝でこのレースに臨んでいた。
前走でA3特別を勝っているトキノサコン、ブレーヴスキーや、昨年8月にA1特別で2着があり、その後もA3あたりでは常に上位争いをしているボンドストリートらにもチャンスはありそう。
◎6エーシンバサラ
○4ゴールドピューマ
▲1トキノサコン
△3ブレーヴスキー
△8ボンドストリート
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