年に2度行われるクラス別定の重賞だが、ここ6回連続でA級馬が勝っているように、クラスごとに2キロずつの別定重量があっても、やはり格上のA級馬が強い。
ここはB級を4連勝してA級に上がったネオンオーカンから。東海ダービー3着のあと7戦連続連対と安定感も高い。明け4歳となっての初戦で重賞初制覇となるか。
タツフレンチはA2~A3の特別で3戦連続3着。8月にはA1特別4着もあり、格付け的にはこの馬が最上位。
リバルドホープは中央未勝利から転入してA級で徐々に成績を上げ、ここ2戦は連勝中。まだまだ上を狙えそうだ。
シルクヴェリタスは中央未勝利から転入してC級の下位クラスを4連勝中。53キロの軽量を生かしてどこまで上位に迫れるか。
ウォーターカリブは、中央未勝利から転入初戦の条件交流で初勝利。その後はA級3組で掲示板こそ確保しているものの、やや苦戦という近況。勝ち負けまではどうか。
コスモフィナンシェは、岩手で5戦4勝のあと今回が転入初戦。力試しとなる一戦。
◎ネオンオーカン
○タツフレンチ
▲リバルドホープ
△シルクヴェリタス
△ウォーターカリブ
△コスモフィナンシェ
エーシンクリアーの実績が断然だ。兵庫ジュニアグランプリJpnIIは6着だったものの、兵庫若駒賞までは5戦4勝、2着1回。兵庫若駒賞は、当時未勝利だったリュウノタケシツウに逃げ切られるかというところ、ゴール前猛追して差し切った。冷や汗ものの勝利だったが、それだけにむしろ強さが目立った。1700メートルは初距離だが血統的には問題ないだろう。
ライキピアはエーシンクリアーにクビ差2着と迫ったことがあり、イチノバーストとは1勝1敗と、この2頭は差がない。前でレースができることと、前走で1700メートルを経験していることからイチノバーストを対抗にとった。
リュウノタケシツウは、兵庫若駒賞でゴール間際までエーシンクリアーを苦しめ惜しくも2着だったが、その次走で初勝利を挙げた。前走初の1700メートル戦で大敗しているように距離延長は歓迎ではないのかもしれない。血統的にもアメリカの短距離血統だ。
オレタチセッカチは、デビュー勝ち以来しばらく勝てなかったが、前走でようやく2勝目。上積みがあれば。
◎エーシンクリアー
○イチノバースト
▲ライキピア
△リュウノタケシツウ
△オレタチセッカチ
グランシュヴァリエが高知県知事賞初挑戦となる。遠征競馬がほとんどのため、2010年の転入以降、高知ではここまで10戦して8勝、2着1回。交流の黒船賞JpnIIIを別とすれば、地元馬に負けたのは1回だけ。高知県知事賞どころか、地元重賞も今回が初出走。ほかには重賞勝ち馬が3歳のヒロカミヒメと、福山時代のムサシボーのみというメンバーだけに、ここは負けられない一戦。
相手は3歳牝馬のヒロカミヒメ。黒潮菊花賞を制し、古馬相手の黒潮マイルチャンピオンシップでもそれほど差のない4着と好走。前々走では連勝中のコスモワッチミーに半馬身差とせまる2着があった。ここでグランシュヴァリエと好勝負できるようであれば、来年が楽しみになる。
3番手以下は比較が難しい。セトノジャーニーは、前々走のA-2戦が高知での初勝利。ポッピイはこの秋に転入して勝利はないが、前走A級戦で2着と好走。ベルモントパッシオは、遠征しての重賞経験がある。前走そのベルモントパッシオに5馬身差をつけて勝ったバンブーマンユーは、勝ち方がフロックっぽかった。
◎グランシュヴァリエ
◯ヒロカミヒメ
▲セトノジャーニー
△ポッピイ
△ベルモントパッシオ
△バンブーマンユー
東海ゴールドカップといえば、かつては東海地区のチャンピオン決定戦ともいえるレースだったのが、交流が進んだ最近では、有力馬が他地区のレースを使うことも多くなり、やや微妙な位置づけになりつつある。チャンピオン決定戦といえたのは、2001年にミツアキサイレンスが勝ったあたりまでか。その後も2004年にミツアキタービン、2010年にヒシウォーシイが勝っているが、そのほかの年は印象が薄い。今年のメンバーにも重賞勝ち馬はノゾミカイザー、エーシンアクセランと2頭いるが、ともに最近ではA2でも勝負にならず、全盛時の力は期待できそうもない。
中心には、連戦連勝で出世してきたエーシンサンダー。前走笠松グランプリは7着だったが、オープンクラスがほとんどいない今回のメンバーなら勝負になる。
トーホウカイザーは、中央準オープンから名古屋に転入し、A1~A2の特別で3、1、2着。前走の2着も、今年7月の名港盃を制したミヤジメーテルに3馬身差。このメンバーなら十分勝ち負けになる。
中央時はダート重賞にも出走したエイシンダッシュ、北海道から転入して2連勝のエーシンマギー、中央500万下からの転入初戦となったA3特別を勝ったサイモンロードらがどんな走りをするかにも注目。
◎エーシンサンダー
◯トーホウカイザー
▲エイシンダッシュ
△エーシンマギー
△サイモンロード
この秋、さらに力をつけた3歳のロッソコルサに期待する。僅差3着の桂樹杯に続いての古馬との対戦となった青藍賞では、カミノヌヴォーと叩き合ってアタマ差の2着。1番人気のトーホクキングには1馬身半差をつけて先着した。その後に不来方賞、ダービーグランプリと岩手3歳二冠を制した。村上忍騎手は、すでに桐花賞5勝を挙げていて歴代2位。菅原勲騎手の9勝に近づくことができるかどうか。勝てば桐花賞は3年連続で3歳馬の勝利となる。
ジョーモルデューは、前走北海道からの転入初戦で1番人気に支持されたものの、人気薄の逃げ馬をとらえきれず半馬身差2着。連闘で臨む大一番だが、重賞で常に掲示板を確保していた道営時代の実績なら、ここでも十分勝負になる。
みちのく大賞典以来勝ち星がないトーホクキングだが、その後の重賞でも常に上位争い。
昨年2着のコアレスランナー、北上川大賞典を制したマイネヴィントらもそれほど差はない。
◎ロッソコルサ
◯ジョーモルデュー
▲トーホクキング
△コアレスランナー
△マイネヴィント