カイロスとイワミノキズナ以外には1勝馬が2頭に、そのほかは未勝利というメンバーで、馬券的には1、2着がどちらか、そして3着に入るのはどの馬かという予想になる。
無敵のカイロスは果敢に兵庫ジュニアグランプリJpnIIに挑戦したが、ゲートの中で暴れた上に、地元戦では経験したことのないハイペースで、向正面で早々と手ごたえをなくしてしまった。今回はそうした反動が心配な上に、初のマイル戦でもあり不安が少なくない。
対するイワミノキズナは、カイロスには先着したことがないものの、半馬身差まで迫った経験がある。加えて前走は1600メートル戦で2着に5馬身差をつける圧勝。臨戦過程からも逆転の可能性は十分と見る。
2頭のほかは実績的にかなり差があるだけに混戦の3着争いとなりそうだが、その中でも6戦3連対で、前走1600メートル戦でもまずまず好走の4着というマサタケローズが筆頭。前走でイワミノキズナに差はつけられているものの3着だったマルサンリンカーン、前走初勝利のブイアールラッキーあたりにチャンスがあるかどうか。
◎イワミノキズナ
◯カイロス
▲マサタケローズ
△マルサンリンカーン
△ブイアールラッキー
南部駒賞では北海道勢に3着まで独占を許す結果となったが、地元同士なら若駒賞でひとまず勝負をつけた感のあるロックハンドパワーが中心。9月のビギナーズカップでは4着だったとはいえゴール前は5頭横一線の大接戦だった。盛岡芝のレースを除けば、地元同士なら安定感も抜群。
ハカタドンタクは重賞で常に上位争いを続けてきたものの、若駒賞ではやや離されての5着。北海道2歳優駿8着は相手が強く、前走水沢のJRA認定戦で7月以来久々の勝利を挙げているだけに調子落ちはない。
マンセイグレネードはデビュー2戦目の初勝利が重賞の若鮎賞。しかしその後の重賞戦線では結果が残せず。初の水沢コースが合うかどうかだが、巻き返しのかかる一戦。
テンショウリバイヴは、重賞ではいずれも1秒以上の差をつけられての敗戦だが、前走でハカタドンタクにハナ差2着と好走。
エイブリーグレースは、10月の盛岡1200メートル戦では1番人気に支持されながらまったく実力を発揮できずの大敗。初距離初コースで変わり身があるかどうか。
◎ロックハンドパワー
◯ハカタドンタク
▲マンセイグレネード
△テンショウリバイヴ
△エイブリーグレース
11月14日の東海菊花賞に遠征(2着)したジャングルスマイルが不在となると、もはやナムラダイキチの相手になる馬はいない。白山大賞典JpnIIIでは2着だったが、その勝ち馬が、その後にジャパンカップダートGIを制するニホンピロアワーズなら、むしろ価値ある2着だったといえる。前走北國王冠はタートルベイに3秒差をつける一方的なレース。今回はそのときに負かしている相手か、A1組では足りないメンバーばかりだけに、まず負けることはない。12月24日の名古屋グランプリに登録があり、この馬の期待はむしろそこ。ニホンピロアワーズは休養で、そのほかのJRAのトップクラスも東京大賞典GIに向かうだろうから、楽しみは大きい。
相手は、その北國王冠で2着だったタートルベイ。6月の百万石賞でもジャングルスマイル、タートルベイに続く3着で、前走のA1特別も勝利。ときに取りこぼしはあるものの、今の金沢では不動のナンバー3。
▲がマーベラスキングでは、北國王冠の着順そのままなのだが、A1特別で2着3着という成績のこの馬の位置づけはやはりここ。
タートルベイかマーベラスキングが崩れた時に馬券圏内の目があるのはアポロヴァンドームだが、百万石賞では3秒離されての5着、北國王冠では6秒4も離されての9着では、勝ち負けまではちょっと遠い。
そのほかはA1ではまったく勝負にならないか、格下の馬ばかり。ただ抜けた1強というメンバーでは、2番手3番手の馬が勝負に行った時に惨敗というパターンがあるので、そうしたときに荒れる可能性はある。
◎ナムラダイキチ
◯タートルベイ
▲マーベラスキング
△アポロヴァンドーム
4歳馬が1頭のみで、あとは5歳以上という、わりと高齢馬が多いにもかかわらず、全馬が北上川大賞典初挑戦というメンバーで、ちょっと難解。
ここは実績からトーホクキングを本命に推す。6月のみちのく大賞典以来勝ち星から遠ざかっているものの、ダートグレード以外の地元重賞では常に上位争い。近走は1800メートル以下のみを使われているが、むしろ適性は2000メートル以上にあるのではないだろうか。後方からまくってくる脚質も、この長距離戦でこそ生きてくる。
コアレスランナーは、重賞初挑戦となった昨年末の桐花賞で2着。前々走の条件交流が5着とはいえ、地元馬で先着されたのはトーホクキングのみ。そして前走の1800メートル戦で6馬身差圧勝と、やはり距離は長い方がいい。逆転の目もあるかもしれない。
クリスティラビットは今回が重賞初挑戦となるが、今シーズンはA級二組から一組で10戦して7連対。7歳ながら堅実に力をつけてきている。
マイネルアトレは、芝ではあるものの2400メートルのせきれい賞で2着と、やはり長距離に適性がありそう。JRA時代も1800~2000メートルを中心に使われていた。
マイネヴィントはまだ格下だが、今シーズン11戦して6勝2着2回という高い連対率。まだまだ上がり目が期待される。
◎トーホクキング
◯コアレスランナー
▲クリスティラビット
△マイネルアトレ
△マイネヴィント
暮れの兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIに照準を合わせたオオエライジンが予定どおり出走してきた。地元戦は5月の兵庫大賞典、9月のA1特別とまったくの楽勝で、定量戦のここは負けられない。東京盃JpnII、JBCスプリントJpnIで厳しいペースを経験してさらに力をつけているはず。逆に厳しいレースをしたがために、疲れが残っていなければという心配もなくはないが、目標が次にあって出走させるからには順調にきているのだろう。
兵庫大賞典でオオエライジンの2着だったパーフェクトランを、ここでも相手筆頭に。中央オープンから転入して地方では6戦4勝。福山に遠征した西日本グランプリは6着だったが、園田ではオオエライジン以外に先着を許していない。9歳でもまだまだ元気だ。
エーシンアガペーは、摂津盃、姫山菊花賞でホクセツサンデーと1、2着を分け合った。今回もそうした時のイメージどおりのレースができるかどうか。
ワールドハンターは、中央オープンの実績があり、大井経由で転入して3勝。負けたのは金沢の遠征だけ。ただこれまではマイル以下を中心に使われてきているため距離が心配。
ニシノイーグルは、摂津盃3着に、楠賞2着と重賞で好走しているが、むしろ近走は特別での成績があまりよくない。馬券圏内に食い込めるかどうか。
笠松のサマーカップを制したシンボリバッハは近走好調だが、ほとんど1400メートル専用で使われてきているだけに、この距離がどうか。
ルーズベルトは転入後4連勝だが、大井のC1で通用しなかったのでは、ここではさすがに厳しいと見て無印にした。
◎オオエライジン
○パーフェクトラン
▲エーシンアガペー
△ワールドハンター
△ニシノイーグル
△シンボリバッハ