定量戦でもあり、6連勝でばんえい菊花賞を制したニシキウンカイには逆らえそうもない。前々走でB3を勝っているだけに格付け的にも最上位。競馬だから何があるかわからないが、近走のレースぶりからは、負けるところは想像できない。
相手筆頭はマゴコロ。昨シーズン最終戦となった黒ユリ賞で2着があり、今シーズンの始動は夏からとなったが、掲示板を一度も外さないという安定したレースぶり。近走のB4で上位争いというのも、ニシキウンカイに次いでの実力上位だ。
経験でいえば、同世代同士の重賞に2歳時から皆勤のタカラハヤヒメ。重賞ではほとんどが10秒以上の差をつけられての敗戦ながら、唯一牝馬同士の黒ユリ賞は大接戦での5着。B4クラスでも善戦しており、牡馬と重賞を戦ってきた経験は生きるはずだ。
今年9月以降掲示板をはずさず善戦続きのセタナセンプー、黒ユリ賞を勝っているハイカラサン、ここ2走好レースのベニコマらも馬券圏内として押さえておく必要がありそうだ。
◎ニシキウンカイ
◯マゴコロ
▲タカラハヤヒメ
△セタナセンプー
△ハイカラサン
△ベニコマ
鞆の浦賞を制したキモンエンジェルに勢いがある。その鞆の浦賞は、スタートからハナを奪ってスローペースに落とし、3~4コーナーから後続を離しにかかると直線では後続を寄せつけずというレースだった。今回は隣のマイネルプレジャー、モンゴールドらとのハナ争いがカギとなりそうだが、前走A3・B1特別でも惜しい2着があるように、まだまだ上に行ける。鞆の浦賞のときの岡田祥嗣騎手に戻るのもプラスだ。
アグリノキセキは、鞆の浦賞ではキモンエンジェルをとらえきれず2着。その後2戦は人気を裏切っての着外だが、実力はたしかなだけに巻き返しに期待がかかる。
鞆の浦賞で3着だったマイネルプレジャーは、福山転入後5戦してすべて3着以内と安定した成績。今回も上位争いに加わってきそう。
9カ月以上も勝ち星から遠ざかっているクーヨシンだが、それでも銀杯2着、紅葉賞3着と好走。きっかけ次第では復活も。
紅葉賞を9番人気で制したキャニオンサクセスは、今回あらためて実力が試される。
◎キモンエンジェル
◯アグリノキセキ
▲マイネルプレジャー
△クーヨシン
△キャニオンサクセス
グランダム・ジャパン2歳シーズンも、これが終われば最終戦の東京2歳優駿牝馬を残すのみ。すでにポイントを獲得している、トチノスカーレット、ニイカップクイーン、ルードらが上位争いなら、2歳女王争いはさらに混沌としてきそうだ。
北海道からの遠征馬4頭を含め、出走12頭のうち北海道デビュー馬がじつに9頭。実績どおりに走ればトチノスカーレットだろう。イノセントカップ2着があり、エーデルワイス賞JpnIIIでは勝ったハニーパイからコンマ5秒差の5着。ハニーパイといえば、例年以上にレベルの高かった兵庫ジュニアグランプリJpnIIで3着に食い込んだ実力。前走笠松・プリンセス特別は案外だったが、巻き返しに期待したい。
ブリリアントロビンは、道営から転入初戦の前走を1番人気にこたえて完勝。リリーカップやエーデルワイス賞JpnIIIは着外だったが道営で2歳オープン勝ちがあるだけに、ここでも勝負になる。
ルードは、オーナーがトウホクビジンなどと同じで遠征が多く、すでに4競馬場で重賞に出走。勝ちきるまではいかないが2、7、3、4着と善戦。相手関係的にも今回はそれほど厳しくなったという感じはなく、上位争いの可能性は高い。
知床賞でワタリルーブルをとらえての勝利となったミネサランサジャ。そのワタリルーブルはビギナーズカップを逃げ切って重賞を勝った実績。前走フューチャーステップで6馬身差圧勝のコウギョウデジタル。近走いまひとつもデビュー戦で衝撃のスピードを見せていたニイカップクイーンらも馬券圏内を狙える。
◎トチノスカーレット
◯ブリリアントロビン
▲ルード
△ミネサランサジャ
△ワタリルーブル
△コウギョウデジタル
△ニイカップクイーン
中央のダート路線の層がますます厚くなってきている。古馬や3歳戦はもちろんだが、特に近年は2歳ダートのレベルアップが目覚ましい。今年はエーデルワイス賞JpnIIIこそ道営のハニーパイが制したが、北海道2歳優駿JpnIIIはJRA勢のワンツー。以前なら経験の差で道営勢が互角以上の戦いをしていたが、近年はJRA勢がかなり優位に立ってきているように思う。ここにもダートですでに2勝を挙げている馬が3頭出走と強力だ。
中でもケイアイレオーネを狙う。芝では3戦未勝利で、ダートを走ったらあっさり2連勝。前走は東京の長い直線で中団からの差し。内外離れての叩き合いを制した実力は確かだ。
アースゼウスは、ヤマボウシ賞でアップトゥデイトの3着に負けたあと、前走の1200メートル戦を逃げ切り勝ち。最後は2着馬に迫られたが、道中は後続の脚色を測りながら余裕を持っての逃げだった。今回もマイペースの逃げに持ち込めるかどうか。地方馬に逃げ馬が何頭かいるだけに、無理に競りかけられるたときにどうか。
ヤマボウシ賞を差し切ったアップトゥデイトは、ダートでは2戦2勝とまだ底を見せていない。主戦の佐藤哲三騎手の負傷は残念だが、手綱がまわってきた下原理騎手にとっては大きなチャンスだ。
ハニーパイは、エーデルワイス賞JpnIIIの勝利を含め、重賞で2勝、2着1回。しかしそれはいずれも牝馬が相手。今回は牡馬が相手になるうえ、初めての長距離輸送と、越えなければいけないハードルがたくさんある。
同じく北海道から遠征のヨウメイモンは、ここまで9戦。そのうち1200メートルでは7戦オール連対なのに対し、1700メートルは2戦していずれも馬券圏外。1400メートルという距離がどちらに転ぶか。
兵庫若駒賞を単勝元返しで制したエーシンクリアーは、地元のこの世代では抜けた存在。カイロスは福山でデビューから7戦7勝。これまで福山からは地元では無敵でも遠征に出てがっかりという馬が何頭かいたが、「この馬は違う」というのが地元の評価。ともに今回は一気の相手強化だけに、どこまで食い下がれるか。
◎ケイアイレオーネ
◯アースゼウス
▲アップトゥデイト
△ハニーパイ
△ヨウメイモン
△エーシンクリアー
△カイロス
地方全国交流として復活してから過去2回のダービーグランプリは、2010年はロックハンドスターが3冠を達成し、その後に桐花賞も制覇。昨年はカミノヌヴォーが2冠に加えて桐花賞制覇と、地元岩手所属馬が強さを見せている。今年は地元のアスペクトに、北海道のニシノファイター、金沢のアルドラ、名古屋のマイネルセグメントと、各地のダービー馬が揃い、ダービーグランプリの名にふさわしいメンバーとなった。
中心は、前走不来方賞を楽勝した地元のロッソコルサ。3走前には芝の桂樹杯で大接戦の3着、2走前にも青藍賞でカミノヌヴォーにアタマ差2着と、古馬の一線級とも互角に渡り合える実力の持ち主だ。
どちらを本命にするか迷ったもう1頭が、名古屋のブライトシンプー。岐阜金賞はスタートで出遅れながらも最後はサカジロスイセイとの叩き合いを制した。この馬も古馬のオープンクラスと互角の勝負。ロッソコルサもブライトシンプーも春のダービーは2着で、秋になって力をつけてきた。
北海道の2冠馬ニシノファイターは、古馬との重賞では苦戦したが、前走のオープン特別では人気のハタノゼフィロス、ステイヤーズカップ2着のサムライジャパンをしりぞけての勝利。道営シーズン終了後にどれだけ余力を残しているか。
マイネルセグメントは、東海ダービー以来勝ち星がないが、もともとムラ駆けのタイプ。東海ダービーも駿蹄賞7着から狙っての勝利。ここ一発の仕上げで臨んでくれば、東海ダービーの再現もあるかもしれない。
大井のショコラヴェリーヌは、3歳になっての勝ち星は古馬B2特別での1勝のみだが、戸塚記念ではアスカリーブルから0秒8差の7着。アスカリーブルといえば関東オークスJpnIIを制すなど、牝馬ながら今年の地方の3歳を代表する1頭。それに4馬身ほどの差なら十分可能性はある。
不来方賞2着のユウキタカラオーは、中央未勝利から転入して5戦連続連対。まだまだ未知の部分はある。
岩手ダービーダイヤモンドカップまで圧倒的な強さを見せていたアスペクトだが、その後は大敗続きで不来方賞も8着。マイペースの逃げに持ち込んで粘る場面はないだろうか。
◎ロッソコルサ
◯ブライトシンプー
▲ニシノファイター
△マイネルセグメント
△ショコラヴェリーヌ
△ユウキタカラオー
△アスペクト