ポートジェネラルは前走、800メートルの園田FCスプリントでハナこそ奪えなかったものの、ゴール前ラチ沿いから伸びて3着を確保。地元にもどってこの距離ならスピード能力を発揮できるはず。5走前の福永洋一記念こそ1600メートルという距離もあってか6着に敗れたが、今年、それ以外の地元のレースでは常に上位争い。昨年2月の黒潮スプリンターズカップ以来久々の重賞勝ちが期待できそうだ。
マルハチゲティは南関東から転入し、C級から前走A-4まで18戦して連対を外したのが1度だけ。まだまだ上のクラスでの活躍が期待でき、格上挑戦となる今回もいきなり結果を残してもおかしくはない。
プラネットワールドは昨年9連勝があり、その後も徐々にクラスを上げてきた。3走前からA1特別に出走して3、4、1着。07年3歳時の黒潮菊花賞以来の重賞挑戦となるが、このクラスでも楽しみな存在。
リワードブライトンは、3歳時の重賞で2戦2着2回、今年の福永洋一記念でも3着と、重賞でも上位に食い込んでいる。ここ3戦はA級の上位クラスで連続連対。オープンクラスでも通用するところを見せている。
ウィザードブラストは福永洋一記念2着のあとA-1特別を3戦して5、3、3着とまずまずの好走。距離短縮は微妙だが、差しが決まる展開になれば。
◎ポートジェネラル
○マルハチゲティ
▲プラネットワールド
△リワードブライトン
△ウィザードブラスト
サマーカップといっても近年は6月の梅雨真っ只中という時期に行われていて、いまいち季節感がなかったのだが、今年は7月1日の開催になった上に、先週からすでに猛暑に突入している状況ゆえ、レース名に季節がついてきた。逆か。季節にレース名がついてきたのか。いや、両方か。
前走、乗鞍短距離特別組が5頭いて、その再戦という感じだが、中央から転入初戦のエーシンクールディが強そうだ。今年1月に根岸ステークスGIIIで3着があり、その後休養を挟んでダートのオープンで8、9着。着順はともかくオープンで勝ち馬から1秒差以内というのは、このメンバーに入れば断然だ。距離的にも中央でもっとも活躍した1400メートルならなおさら力を発揮しそうだ。
相手にはトウホクビジン。前走はめずらしく逃げの手に出て、そのまま逃げ切り。4番人気での勝利だった。この馬は4月の東海クラウンもそうだったように、地元の特別などでもあまり人気にならない。おそらくダートグレードや地方の一線級が集まる広域交流の重賞への出走が多く、一見して下位の着順が多いためにそうなってしまうのだと思う。前々走の800メートル戦はさすがに惨敗だったが、ヒシウォーシイあたりのレベルの馬がいない東海地区のオープンやA2特別なら、常に上位争いができる力はあると思うのだが。
エイシンアマデウスは、中央から転入して今回が3戦目。初戦の800メートル戦3着に続いて、前走もトウホクビジンにコンマ8秒差の3着。今回も十分に馬券圏内は狙える。
以下はやや離れるが、中央1000万下から転入して、前走トウホクビジンの4着だったリリーレインボー、今年中央から名古屋に転入してまだ勝ち星はないものの、A2特別で善戦しているカツヨトワイニングあたりも連下に食い込む余地がありそう。
◎エーシンクールディ
○トウホクビジン
▲エイシンアマデウス
△リリーレインボー
△カツヨトワイニング
エトワール賞の上位馬が揃って出走し、その再戦模様。そのエトワール賞のゴール前は4頭の接戦で、展開ひとつで着順は変わりそう。
中心はアンペア。エトワール賞は直線半ばで一旦は先頭に立ちかけながら、後続に交わされ4着。それでもコンマ3秒差。続く北海道スプリントカップJpnIIIでも、勝ち馬からは離されたものの、地方最先着のミスティックダイヤにアタマ差で5着だった。昨年のシーズンスタートにともなって川崎から戻って以降、掲示板を一度も外さない安定した成績が光る。1000メートルという距離もマイナスにはならないはずだ。
ミスティックダイヤも差はない。エトワール賞、北海道スプリントカップJpnIIIではそれぞれ2、4着とアンペアに先着。もともと09年の道営スプリントを制しているように短距離での実績が目立つが、それ以降1勝しかしておらず、1年近く勝ち星から遠ざかっているのが気になるところ。
中央からの転入初戦でエトワール賞を制したのがプリティゴールド。直線、狭いところからよく抜け出したと思う。ただ今回は距離短縮の1000メートル戦だけに、前回のようにうまくハマるかどうか。
重賞初挑戦のエトワール賞で1番人気に支持されながら、接戦4頭からやや離れた5着だったのがスズカランクス。前走は、北海道スプリントカップJpnIIIの最終レースとして行われたA3-1組特別に出走し、逃げきるかに思えた展開だったが惜しくもハナ差の2着。オープンクラスに入ると、まだ胸を借りる立場。3歳デビューから連戦連勝でクラスを上げてきただけに、成長の余地は残している。
3歳から1頭、パフォーマンスが挑戦してきた。1200メートルの北斗盃を制し、北海優駿は7着という結果から、やはり期待は短距離だろう。エトワール賞の勝ちタイムが稍重で1分13秒5だったのに対し、北斗盃は重馬場ながら1分13秒2と上回っている。初めての古馬との対戦となるが、斤量差もあり一発の可能性はある。
サクラサクラサクラはエトワール賞で3着と好走。ただ、まだオープンクラスで勝ち負けまでは未知数。
◎アンペア
◯ミスティックダイヤ
▲プリティゴールド
△スズカランクス
△パフォーマンス
△サクラサクラサクラ
4歳1冠目の柏林賞。2歳シーズン2冠を制し、3歳ではばんえい菊花賞を制したテンマデトドケがトップハンデの720キロ、ポプラ賞で5歳馬を一蹴したトレジャーハンターが710キロ、ばんえいダービーを制したミスタートカチが700キロ、そして唯一の牝馬ツジノコウフクヒメが660キロと、上下60キロ差の微妙なハンデがついて、難解ではあるものの馬券的にはおもしろそうな一戦となった。
中心はトレジャーハンター。前々走、4歳同士のライラック賞は、トップハンデのテンマデトドケが取消し、結果的には出走馬中でトップハンデとなったものの見事に勝利。冒頭でも触れたポプラ賞で5歳馬を破ったことに加え、5走前にA1級-1組も勝っている。この時期の4歳馬としては相当にレベルの高い成績といっていいだろう。
相手にはミスタートカチ。今季まだ勝ち星はないが、常に掲示板を外さない堅実な成績。着差でも勝ち馬から10秒以上離されることはめったにない。近2走、A2級で好走というのも能力上位。
レットダイヤはライラック賞でトレジャーハンターの2着。トレジャーハンターと20キロ差というのは今回も同じだ。ばんえい大賞典を制した意地を見せたいところ。
テンマデトドケは、ハンデに泣いて年明け以降まったくいいところがないが、ここらあたりで実績ナンバー1をアピールしておきたいところ。
ライラック賞3着だったファーストスターは、今回もトレジャーハンターやレットダイヤとの重量差では変わっていない。引き続き入着の期待。
◎トレジャーハンター
○ミスタートカチ
▲レットダイヤ
△テンマデトドケ
△ファーストスター
前走、ともに2着に大きな差をつけて圧勝した地元福山のフレアリングマリーか、高知のミストラルかという争い。
ここは高知から単騎遠征のミストラルに賭けてみる。中央未勝利から転入して8戦連続連対。前々走の黒潮皐月賞は1番人気に支持されながら2着。ペースを握られたマイネリスペクトの宮川実騎手にうまく乗られた感じの敗戦だった。2~3番手の好位から抜け出すスタイルだったが、前走ではやや強引にハナを奪うと、直線では後続を突き放しての楽勝。ひと皮むけたようなレースぶりが際立っていた。
フレアリングマリーは、道営未勝利から転入して11戦10連対。前走パール賞は2番手追走から直線突き放しての圧勝だった。唯一連対を外したのは、佐賀に遠征したル・プランタン賞での7着。つまり福山では連対を外していない。しかしやはりル・プランタン賞での敗戦が気になる。グランダム・ジャパン3歳シーズンで優勝したマンボビーンや、そのマンボビーンを負かしたことがあるリジョウクラウンあたりに負けたのならわかるが、重賞実績のない馬たちにも先着されての7着はちょっと負け過ぎ。それゆえ本命はミストラルに譲った。
3番手にはムツミマックス。福山ダービーを制すなど重賞3勝を挙げ、福山のこの世代トップに君臨していたが、パール賞ではフレアリングマリーに7馬身差をつけられての2着と完敗。高知のミストラルがどのあたりの実力なのかは置いておくとして、ムツミマックスが巻き返して福山の世代トップを守るのか、それともフレアリングマリーに完全にトップを明け渡してしまうのかは興味があるところ。
ミサゴドライヴは、前走パール賞では差のある5着と敗れたが、ハナを切って終始うしろからフレアリングマリーに突かれる厳しい展開だった。フレアリングマリー以外のメンバーとはそれほど差はなく、ここでの巻き返す余地は残している。
マルサンスパイスは、昨年末のヤングチャンピオン以降は掲示板を外さない堅実派。パール賞には出走していなかったが、ここでも連下は狙える。
ムツミマックスと世代トップを争っていたユメミルチカラだが、ここ2戦はまったくいいところなく惨敗。復活を期待して印をつけた。
◎ミストラル
○フレアリングマリー
▲ムツミマックス
△ミサゴドライヴ
△マルサンスパイス
△ユメミルチカラ