黒潮皐月賞を逃げ切ったマイネリスペクトがその後も好調だ。前走、3歳1組戦では2番手に控え、4コーナーから直線で単独先頭に立つと、ゴール前迫ってきたリョウマクンを3/4馬身差で振り切った。今回は多くの馬が未経験の1900メートル戦だが、マイネリスペクトは中央在籍時に芝コースではあるものの1800~2000の距離経験がある。高知転入2戦目からの連続連対も7まで伸ばしている。二冠達成の可能性は高い。
相手にはもう一度ラブミールックを狙ってみたい。黒潮皐月賞は2番人気に支持され、4コーナーでは前に迫ったものの、直線突き放されてやや差のある4着だった。とはいえ今回のメンバーで古馬格付けに編入されているのはこの馬だけ。前々走C2級のマイル戦では2着に6馬身差をつけての圧勝だった。父はサウスヴィグラスだが、距離はこなせそう。
リョウマクンは、前走の1300メートル戦でマイネリスペクトを3/4馬身差ま追い詰めた。4月9日の1300メートル戦ではマイネリスペクトから7馬身も離されての3着だっただけに、当時よりかなり力をつけていると見てよさそう。高知では1300メートル戦しか経験がないが、血統的に距離延長はプラス材料。
シャイニーフェイトは、中央2戦未勝利から転入して2、1着と、高知ではまだ底を見せていない。一発の可能性はある。
マイネルシトラスは、黒潮皐月賞こそ8着惨敗だったが、それ以外の高知では2勝、2着1回。連下なら十分に狙えそう。
◎マイネリスペクト
○ラブミールック
▲リョウマクン
△シャイニーフェイト
△マイネルシトラス
今年、スーパースプリントシリーズがスタートするのに先駆け、九州では昨年から今年にかけて九州スーパースプリントシリーズが行われた。そのシリーズでは5勝を挙げたアビンニャー、4勝を挙げたギオンゴールドなど新たなスターが生まれたが、残念ながらその2頭はここには出走してこなかった。
目下3連勝中と好調のカミノチカラは、九州スーパースプリントシリーズを3戦して1勝、
2着1回と活躍。短距離から2000メートルあたりまで距離にはかなり融通がきき、冒頭に上げたシリーズの活躍馬不在の今回のメンバーなら堂々主役だろう。
フリートアピールは、大井から佐賀に転入して2戦目の荒尾どがしこ速かスプリントを勝利。そのレースはB級だったが、その後は佐賀のA級やオープンを勝利。前走はがくれ大賞典こそ11着に敗れたものの、スプリント能力と、A級でも勝ち負けの実力は示しているだけに、チャンスは十分。
地元荒尾勢ではペプチドジャスパーが筆頭。川崎から転入し、昨年2月以降17戦して掲示板を外したのは名古屋遠征のオッズパークグランプリ2010の8着のみ。それ以外でも13連対と常に上位争い。1000メートル以下の超短距離は今回が初めてとなるが、1400メートルの九州王冠を制しているだけに、この超短距離もこなす可能性はある。
エーシンカマンダーも今年12戦して掲示板を外したのはファン選抜大阿蘇大賞典のみという堅実な成績。とはいえこの馬は短い距離にはやや不安が残る。
そのほか、カシノダンクはJRA在籍時に未勝利戦でダート1000メートルを勝利。佐賀転入後は勝ち星がないが、今年3月の荒尾むしゃんよかスプリント(B級)で3着。テイエムメデテカは昨年11月以降勝ち星から遠ざかっているが、しかしその間にはA級特別で僅差の2着が何度かあった。以上2頭は3連単のヒモ穴候補としておもしろそう。
◎カミノチカラ
◯フリートアピール
▲ペプチドジャスパー
△エーシンカマンダー
△カシノダンク
△テイエムメデテカ
当初はラブミーチャンの登録があり、メンバー的に十分にチャンスはありそうな感じだったのだが回避。ブログによると翌週(24日)の名古屋でら馬スプリントのほうに出走するようだ。今年からスタートしたスーパースプリントシリーズの決勝ともいえる習志野きらっとスプリントを狙うのだろう。
ここは大井から遠征のヤサカファインを狙ってみたい。昨年の東京盃JpnIIでは、その後JBCスプリントJpnI制覇まで登り詰めたサマーウインドにハナ差まで迫っての2着。前走東京スプリントJpnnIIIは5着に敗れたが、ダート1200メートルはもっとも得意とする舞台。それゆえ門別まで遠征してきたのだろう。今年はJBCが地元の大井開催でもあり、それを目指すのであれば、このあたりのメンバーならきっちり勝っておきたいところ。
ミリオンディスクは、前々走の東京スプリントJpnIIIでは見せ場なく8着に敗れたが、前走かきつばた記念JpnIIIでは、逃げ粘るラブミーチャンをゴール寸前できっちりとらえて2着を確保した。昨年のこのレース以来勝ち星から遠ざかっているとはいえ、地方のダートグレードでは9戦して3着を外したのが東京スプリントのみという堅実ぶり。前めでレースを進めてヤサカファインの末脚を封じる流れに持ち込めれば連覇の可能性も十分。
3番手にはガブリン。近走あまりいいところがないが、このレースは2年連続2着。しかも今回鞍上の武豊騎手は、過去5年でこのレースに4回出場して3勝2着1回。森秀行調教師は同じく過去5年に7頭出走させて2勝2着3回。馬、騎手、調教師いずれもが相性のいいレースだけに、人気があまりないようであれば狙っておもしろい。
マルカフリートはダートで4連勝してオープン入り。前走初のオープンは12着に敗れたが、今回のメンバーなら上位争いに食い込むチャンスも十分。
地元勢は、前哨戦のエトワール賞を勝ったプリティゴールドのタイムが1分13秒5。昨年ミリオンディスクが出したレコードが同じ稍重で1分9秒6で、さすがにこのタイム差を縮めるのは難しいだろう。加えてそプリティゴールドが中央の1000万下で勝負にならなかったことを考えると地元勢はいかにもきびしい。ヤサカファイン以外の地方の遠征勢も、実績的に中央のオープンクラスが相手ではきびしい。
◎ヤサカファイン
○ミリオンディスク
▲ガブリン
△マルカフリート
ベストマイヒーローが断然だ。過去5走の馬柱を見ても一目瞭然。ベストマイヒーローが4連勝中なのに対し、それ以外の馬で1着があるのは、ヤマトスバルとサンリクロマンの5走前のみ。しかもその勝ち星は2歳時のものだ。2着もいくつかしか見当たらない。そんなメンバー構成にあって、ベストマイヒーローはここまで7戦6勝、先着されたのは芝のジュニアグランプリで北海道からの遠征馬のみということを書くまでもなく、地元同士ではレースぶりが抜けている。初の2000メートルも、むしろ他馬との差を広げるだけだろう。アクシデントでもない限り負けないと思う。
こうした抜けた馬が1頭いるときは、相手は勝負付けが済んでいない馬からというのがセオリーなのだが、そうした馬もまったく見当たらない。しかるに相手は七時雨賞の上位馬になるわけだが、3着のシーグランディが不在で、2着のヤマトスバルか4着のトーホクスピリットになるわけだが、ここは北海道デビューで冬季は大井で出走するなど経験豊富なヤマトスバルのほうが相手筆頭。
とはいえトーホクスピリットのほうも南部駒賞以外は大崩れがなく、常に堅実に結果を残すのは魅力だ。
相手のどちらかが崩れたときの3着候補としてはドキドキ。ベストマイヒーローからでは馬券の手も広げられないので、印もこのあたりまでとしておく。
◎ベストマイヒーロー
○ヤマトスバル
▲トーホクスピリット
△ドキドキ
前哨戦ともいえる駿蹄賞でのミサキティンバーの勝ち方は鮮やかだった。後方追走から直線一気という脚質ゆえ、2歳時のゴールドウィング賞こそうまく展開がハマって勝ったものの、新春ペガサスカップやスプリングカップでは2着と惜しいレースもあった。しかし駿蹄賞では3~4コーナーで外から一気に進出。直線では早めに抜け出し、2着のモエレウェバリングに3馬身差をつける完勝だった。こうしたレースができるようになったのは成長の証しだろう。女性騎手によるダービー制覇は、95年に安田歩騎手が北海優駿をダービーコートで勝っているが、山本茜騎手はこれに続くことができるかどうか。
駿蹄賞では1番人気に支持されながら4着に敗れたマルヨコンバットにもあらためて期待したい。2歳時、断然人気に支持された金沢の兼六園ジュニアカップでは、楽勝かと思えたものの4コーナーで外に逸走して2着。それで歯車が狂ったのか、その後はしばらく勝てず。しかし4月の新緑賞では直線で突き放し3馬身差の圧勝だった。前走駿蹄賞は見せ場なく4着に敗れたが、それで人気を落とすなら積極的に狙ってみたい。
ホッカイドウ競馬出身のエムザックハーツは、アタックチャレンジを勝って、その後移籍した南関東でも1勝。金沢に転入後は2、1、1着という成績。前走、北日本新聞杯は圧巻の大差勝ちだった。名古屋への遠征でどの程度の力を発揮できるか。
モエレウェバリングは、重賞未勝利だがここのところ新緑賞3着、駿蹄賞2着と堅実な成績。前走は中央への遠征は度外視してよく、3歳同士なら重賞でも引き続き上位争いの力は十分にある。
アムロは、前々走駿蹄賞こそ2番人気で7着に敗れたが、3歳1組では常に上位争い。まだまだ成長の伸びしろはありそう。
◎ミサキティンバー
○マルヨコンバット
▲エムザックハーツ
△モエレウェバリング
△アムロ