メンバー的にも、ラブミーチャンに昨年5月のエトワール賞以来の勝利を期待したいところ。前走さきたま杯JpnIIIは、横を向いているときにゲートが開いたそうで、やや出負けしてしまった。内枠にいたジーエスライカーがいつものように絶好のスタート切っただけに、外から追いかけるラブミーチャンには厳しい展開となった。昨年11月の笠松グランプリでも大きく出遅れ、地方馬同士のレースにもかかわらず4着に敗れたことがあった。今回は内枠に入ったこともあり、スタートさえ決めればスピードで押し切れるだろう。
相手筆頭には、11歳ながらこのレースのトライアルともいえる800メートルのムーライトオープンをレコード勝ちしたニシノコンサフォス。中央でも今年1月にダート1200メートルのオープン特別で5着と好走を見せていた。ここでもスピード能力は上位だ。
キングスゾーンは、前走のさきたま杯JpnIIこそ惨敗だったが、それまでは船橋や福山への遠征も含めて7戦連続連対と、地方同士の交流ならまだまだ全国区で活躍できる力を持っている。1400メートル以上なら先行できるスピードがあるが、1200メートル未満の距離を実戦で走るのは今回が初めてなだけに、上記2頭のスピードにどこまで食い下がれるか。
ここまで3頭の争いだろうが、いずれかが凡走した時に、コロニアルペガサスに連下に食い込むチャンスはありそう。
◎ラブミーチャン
○ニシノコンサフォス
▲キングスゾーン
△コロニアルペガサス
地元の期待馬となるはずだったアルドラゴンの回避は残念。ただ、最近は年齢ゆえかかなりズブくなって、木村健騎手が向正面から延々叩きどおしというレースが目立っていた。それゆえ出走していたとしてもこの820メートルという距離がどうだったか。
高知から遠征してきた2頭の実績が目立つ。グランシュヴァリエは、中央から高知に転入初戦となった昨年正月の報知オールスターカップでの2着に、マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIではエスポワールシチーらを相手に4コーナーで先頭に立とうかという勢いで3着。ダートグレードでも惨敗することはむしろ少なく、勝ち馬からそれほど離されず全体の真ん中あたりの着順でゴールすることが多い。地元高知では中央馬相手の黒船賞JpnIIIを別とすれば地元馬相手では5戦全勝と無敵だ。最大の不安点は未経験の距離だが、それはほとんどの馬にとっても同じことで、前がハイペースで飛ばして差しに向く展開になればこの馬にチャンスが増す。
相手は地元のシンボリバッハ。7歳だがデビューが4歳1月の川崎と遅く、たびたび休みもあるだけに、ここまでまだ23戦。中央では勝ち星を上げられず、しかしその後の園田では7戦5勝、2着3着各1回でA1特別まで一気に突破した。まだ底を見せていない上に、中央時代はダートの短距離を中心に使われていた。距離適性ではこの馬が上位かもしれない。
距離適性ということではポートジェネラルも上位。大井1200メートルの東京スプリントJpnIIIでは、09年、10年と2年連続であわやというシーンを見せて4着。地方馬同士ならまだまだやれる。
フィールドジュエルは中央準オープンから転入してA1特別で1、3着。その2戦が1700メートル戦で、中央時代は1200~1400メートルを中心に使われていただけに、前2走以上の力を発揮する可能性は十分。
ミナミノヒリュウはここ5戦連続で2着という成績。勝つまでは難しそうだが馬券にからむ可能性はある。
◎グランシュヴァリエ
○シンボリバッハ
▲ポートジェネラル
△フィールドジュエル
△ミナミノヒリュウ
カネサブラックの安定感には恐れ入るばかりだ。短いシーズンオフを挟んで目下5連勝中。1トンのばんえい記念を制し、その後720キロのばんえい十勝オッズパーク杯まで勝ってしまうのだから、この馬の幅広い適応能力には驚かされる。今回は別定プラス10キロだが、この程度はこの馬にとってはまったく問題にならないだろう。
相手筆頭は5歳のキタノタイショウ。昨シーズン終盤、チャンピオンカップではカネサブラック、ナリタブラックという2強よりわずか10キロ軽いのみで、この2頭に続く3着と大健闘。前走の大雪賞でも、カネサブラックを除く今回と同じようなメンバーを相手に接戦を制した。まだ5歳だが今シーズンは古馬一線級と互角の戦いを演じてくれそうだ。
フクイズミは、その脚質ゆえあっさり負けるという場面もめずらしくはなかったが、昨年後半あたりはその年齢ゆえか、むしろ見せ場を作る場面のほうが少なくなってしまった。今季も2戦して2、6着。ただそれほど大きく負けているわけではないので、重賞の負担重量なら見せ場をつくる可能性は高い。
ニシキダイジンは勝ち星こそあまり多くはないが、大崩れすることもほとんどなく、連下には常に押さえておきたい存在。
ホクショウダイヤは、ばんえい十勝オッズパーク杯2着のあと2連勝と、今シーズンは好スタートを切った。しかしそこで賞金を稼いだために、今回はカネサブラックと同じ別定プラス10キロ。その10キロがどう影響するか。
◎カネサブラック
○キタノタイショウ
▲フクイズミ
△ニシキダイジン
△ホクショウダイヤ
開幕最初の重賞・スプリングカップに続いてのナムラアンカーとジャングルスマイルの一騎打ちとなりそうだ。
そのスプリングカップは、ハナを奪ったナムラアンカーに、3コーナーでジャングルスマイルが迫ったが、直線ではナムラアンカーが突き放し2馬身半の決定的な差をつけた。しかしその後、ジャングルスマイルはA1特別を危なげなく3連勝。振り返ればジャングルスマイルは、09年秋に金沢に転入して以降、連対を外したのは昨年のJBCクラシックJpnIのみ。それ以外、金沢では22戦して一度も連対を外していないという安定感は抜群だ。スプリングカップではナムラアンカーより1キロ重い57キロだったが、今回は同じ56キロ。今度こそジャングルスマイルが中心だ。
一方のナムラアンカーは、スプリングカップを勝ったあとは、A1特別を2戦して3、2着と期待にこたえられていない。今回はジャングルスマイルに対してどんな作戦で臨むのかが見どころだ。
前々走でナムラアンカーに土をつけたゴールデンミション、今季ジャングルスマイルとまったく同じ4戦に出走して2着2回、3着2回のキタイセユニバースらが2強に割って入れるか、それとも3着に甘んじるか。
◎ジャングルスマイル
○ナムラアンカー
▲ゴールデンミション
△キタイセユニバース
いよいよロックハンドスターが地元岩手に登場だ。震災の影響で岩手競馬の開幕が遅れ、今季初出走となったのは門別に遠征してのコスモバルク記念。被災地への応援の意味もあってか単勝では1番人気に支持されたものの、見せ場をつくれずクラキンコの5着に敗れ、北海道と岩手の昨年の3冠馬対決は明暗が分かれた。とはいえロックハンドスターにとっては4か月の休養明け初戦に加え、長距離輸送、さらには初めて背負う58キロという斤量もあった。今回は地元同士の定量57キロなら、まず負ける要素はない。マーキュリーカップJpnIIIで中央勢との対戦へ向け、ここは通過点だ。
相手にはロックハンドスターの天敵ともいえるサクラマジェスティ。昨年9月27日のA級一組戦、早め先頭からロックハンドスターを1馬身半差で振り切ったレースぶりには驚かされた。桐花賞はロックハンドスターからコンマ5秒差の3着だったが、そのあたりが実力差だろうか。今季初戦となった前走あすなろ賞は1番人気に支持されながら5着に敗れたが、それを叩いて変わってくるだろう。再び王者に一泡吹かせる場面があるかどうか。
リュウノキングダムは、昨年末の桐花賞でロックハンドスターの10着と惨敗したが、年明けのトウケイニセイ記念では7番人気という低評価を覆しての勝利。前走では1200メートルの早池峰賞を制しているように、距離には融通がきくタイプ。まだ6歳なだけに、シアンモア記念や北上川大賞典を制した4歳時の勢いが戻れば、ロックハンドスター以外の相手となら十分勝負になるだろう。
ゴールドマインはトウケイニセイ記念2着に早池峰賞3着と、リュウノキングダムとそれほど差はない。09年の桐花賞を制しているように、2000メートルも十分こなせる。
コアレスレーサーは昨年の北上川大賞典で2着があり、A級一組戦では何度も勝っているように、重賞でも連下なら狙える力はある。
前走中央からの転入初戦でいきなりあすなろ賞を制したマイネルプロートスは、重賞初挑戦となる今回が試金石となろう。
◎ロックハンドスター
○サクラマジェスティ
▲リュウノキングダム
△ゴールドマイン
△コアレスレーサー
△マイネルプロートス