骨膜炎のため1冠目の菊水賞と2冠目の兵庫チャンピオンシップJpnIIを回避したオオエライジンだが、3冠目のここには間に合った。ここまで重賞3勝を含め、デビューから敵なしの5戦全勝。実績的には圧倒的だ。ただ不安や死角がないわけではない。当然のことながら3か月ぶりの実戦。さらに、ここまで負けなしとはいえ、菊水賞を制したホクセツサンデーとは、大晦日の園田ジュニアカップ以来半年近くも直接対戦がない。ならば順調に使われ、中央の一線級相手の兵庫チャンピオンシップJpnIIでも2着と好走したホクセツサンデーの成長が上回っている可能性も考えられる。というわけで今回はその可能性に期待してホクセツサンデーが中心。
当然相手はオオエライジンだが、3番手には牝馬のナナクサを挙げる。菊水賞ではホクセツサンデーに2馬身差をつけられての2着だったが、直線半ばまで食い下がった内容は見どころがあった。今回もマイペースで逃げ、どこまで粘れるか。
グリーンアイズはデビュー戦で7着に負けたものの、その後は10戦して3着を外さないという堅実な成績。菊水賞は取消となったが、前走3歳の特別戦を快勝し、引き続き好調であることを示した。
菊水賞4着のニシノイーグルは、有力勢がハイペースで競り合って追い込みが届く展開になればチャンスが出てくる。
◎ホクセツサンデー
○オオエライジン
▲ナナクサ
△グリーンアイズ
△ニシノイーグル
この時期の北海道の3歳戦は難しい。2歳時のトップクラスのほとんどが中央や大井などに移籍してしまい、残った馬たちはほとんどが休養明け。重賞戦線上位で活躍してきた中には成長が止まった馬たちがいるかもしれない反面、2歳時には重賞に出ていなくても、ここにきて急激に力をつけてくる馬たちもいるからだ。それゆえ開幕初日に行われた3歳1冠目の北斗盃は6→3番人気での決着。トライアルのカネヒキリ賞も2→6番人気での決着だった。おまけに1冠目の北斗盃が1200メートルなのに対し、2冠目となるここは一気に距離が2000メートルまで延びる。
中心は、これが門別では重賞初挑戦となるサントメジャー。ここまで唯一の重賞挑戦だった川崎・鎌倉記念での13着は、初めての左回りで3~4コーナーで大きく外にふくれたため。門別コースでは7戦して負けたのはデビュー戦の3着のみと底を見せていない。開幕後2連勝は、冬季に中央に移籍して力をつけてきたものと思われる。
相手筆頭にはエバーオンワード。2歳時、1800メートルのブリーダーズゴールドジュニアカップ2着に、北海道2歳優駿JpnIIIでも3着という実績。今季初戦となったトライアルのカネヒキリ賞は3着だが、そこを叩いて状態は上向きと見る。
3歳になって力をつけたのがスタープロフィット。2歳時はアタックチャレンジを勝ったのみで、岩手に遠征した南部駒賞での3着がある程度だが、今季初戦のJRAとの条件交流では4馬身差の圧勝。血統的にも、父は今ダートでもっとも勢いのあるゴールドアリュールだ。
カネヒキリ賞を勝ったモリデンクーバーは、1700メートル戦で4戦2勝、2着2回と距離が延びて力を発揮しそう。
2歳時にブリーダーズゴールドジュニアカップ4着があるピエールタイガーは、北斗盃こそ3着だったが、ひと叩きの効果と距離延長に期待。
◎サントメジャー
○エバーオンワード
▲スタープロフィット
△モリデンクーバー
△ピエールタイガー
ダービーウイークの初戦として行われる九州ダービー栄城賞は、今年から月曜日開催となった。
それにしてもリリーの荒尾ダービーでの勝ちっぷりは圧巻だった。向正面から徐々に後続を離しにかかり、最後は余裕のゴールで2着に3秒5の大差をつけた。1月の花吹雪賞、2月の飛燕賞では、ともにヒシダイアナの後塵を拝しての2着だったが、ル・プランタン賞ではマンボビーンの2着もヒシダイアナ(3着)には逆転の先着。そして荒尾ダービーの圧勝。前走、古馬B2級でも3馬身差の快勝とくれば、ますます力をつけていると見ていいだろう。九州2冠獲得の可能性は高い。
相手にはやはり実績的にヒシダイアナ。花吹雪賞、飛燕賞を連勝したあとは勝てていないが、いずれも今年はレベルの高い兵庫勢に敗れてのもの。そうした強い相手との経験は生きるはず。ただ遠征の反動でガックリという可能性も否定できない。
カノヤハヤブサは、トライアルの鯱の門特選でリネンハイブリットとの接戦を制しての勝利。中央遠征の2戦は惨敗だが、それを除けば佐賀では5戦4勝。特に中央遠征後は3連勝で、力をつけているうえに底を見せていない。前走のレースぶり、そして血統的にも距離延長は歓迎だ。この馬の一発も考えたい。
そのカノヤハヤブサと接戦を演じたリネンハイブリットにも当然チャンスはありそう。中央未勝利から転入し、4連勝で臨んだのが鯱の門特選だった。
連下の可能性としてはコスモノーズアートも。この馬も中央未勝利からの転入組で、佐賀では10戦して9戦が3着以内という堅実派。鯱の門特選は先の2頭からやや離されての3着だけにちょっと差はありそうだが、展開次第で粘れるかどうか。
◎リリー
○ヒシダイアナ
▲カノヤハヤブサ
△リネンハイブリット
△コスモノーズアート
出走11頭中、コスモバルク記念に出走していた馬が7頭。そのコスモバルク記念は、クラキンコが直線で抜け出し、ゴール前迫ったショウリダバンザイがクビ差2着。クラキンコは昨年の道営記念は5着だったが、そのとき先着された馬もここは不在。そしてコスモバルク記念にも道営記念にも出走していない馬は明らかに格下で、クラキンコの重賞連勝は濃厚といえそうだ。
コスモバルク記念出走馬は、全馬が当時と同じ斤量。となると、興味はショウリダバンザイが逆転できるかどうか。
そしてカゼノコウテイが3番手。道営記念ではクラキンコに続く6着で、コスモバルク記念は4着だった。しかし道営で重賞初挑戦となった昨年10月の瑞穂賞では、その後に道営記念を制するオネストジョン、同2着のコパノカチドキらをまとめて負かしていただけに、逆転の可能性もある。
前走オープン勝ちのマチカネカミカゼに、コスモバルク記念の勝ちタイムと同タイムで前走B4-1組を圧勝したリアライズトロイカが連下候補。
◎クラキンコ
○ショウリダバンザイ
▲カゼノコウテイ
△マチカネカミカゼ
△リアライズトロイカ