スーニが安定して強さを発揮するようになった。前走、東京スプリントJpnIIIの4コーナーでは抜け出すところがなかったが、ミリオンディスクをぐいぐいと外に押し出すようにして抜けてきた。しかもダート1400メートル以下では、連対を外したのは今年の根岸ステークスGIII(4着)のみ。そのレースにしても、勝ったグロリアスノアからコンマ3秒差だった。59キロは前々走の黒船賞JpnIIIで克服済み。スマートファルコンが休養明け初戦であることを考えれば、中心はこの馬。
スマートファルコンが浦和記念JpnII以来5カ月ぶりに復帰してきた。ダートでは初めて連対を外した(7着)浦和記念は、スタート後に他馬にぶつけられ、押さえがきかず暴走してしまった。しかも両トモとも落鉄していたそうだ。そのショックから立ち直っているかどうかが今回のポイント。昨年制している舞台だけに、スーニを負かせる可能性があるとすればこの馬だけ。
ミリオンディスクは、黒船賞JpnIIIではスーニから2馬身半差の3着。東京スプリントJpnIIIも同じく3着だが、こちらはクビ+半馬身まで迫った。この着差にも表れているとおり、ミリオンディスクは1200メートルのほうが成績が安定している。ゆえに今回もスーニを逆転するまでは難しい。2着争いまで。
ダイワディライトは昨年のカペラステークスGIIIでミリオンディスクにクビ差の2着と、実力的に差はなさそう。しかしこちらも活躍の舞台は1200メートル。ちなみにかつて3歳馬のダートグレードとして行われていた名古屋優駿を01年に制したナリタオンザターフは、この馬のおじにあたる。
地方勢はかなり厳しい。ダートグレード実績のあるプライドキムが、中央の何頭かが崩れたときに馬券圏内に食い込めるかどうか。
地元勢ではオープンを連勝中のサンキンスピーチが最上位だが、一昨年のこのレースで最下位に負けた以外にダートグレードの経験もないだけに、馬券圏内までは難しい。
◎スーニ
○スマートファルコン
▲ミリオンディスク
△ダイワディライト
△プライドキム
佐賀勢が圧倒的に強いレースで、過去5年で3着以内に入った15頭のうち12頭が佐賀勢。今回は、中でもダイヤアストライアに期待してみたい。前走ル・プランタン賞での9着惨敗は、強力な笠松勢を相手に早めの競馬をしてのものだけに参考外。3~4コーナーがゆったりした荒尾コースなら、花吹雪賞で見せたような強烈な末脚を見せてくれるだろう。
2番手にも佐賀のゴールドルミナス。前走の肥前特別は、ダイヤアストライアよりうしろから行って、さらに4コーナーでは外を回して、ダイヤアストライアにハナ差に迫る3着。2歳8月に2勝目を挙げて以来勝ち星から遠ざかっているものの、3歳になってからの6戦はすべて5着以内と堅実な成績。今回も上位争いには加わってきそう。
地元荒尾勢では、中央から転入後4連勝のシゲルオカメノカタに期待してみたい。対戦は3歳2組までだが、やはりまだ負けていないという魅力は大きい。
荒尾勢ではもう1頭、テイエムアコガレが地元に戻ってどんなレースを見せてくれるか。こちらも中央から転入して、荒尾では6戦5連対。前走はル・プランタン賞に遠征して、九州勢では最先着4着のゴールドセントに3/4馬身差の5着。飛燕賞を制したゴールドセントを物差しにすれば、ここで勝負になってもおかしくはない。
前走3歳1組特別を制した佐賀のメイオウセイ、高知で4戦4連対のリワードシャンヴルなどにもチャンスはありそう。
同日に行われる阿久利黒賞、福山ダービーは人気馬がはっきりしているの対し、こちらは混戦となりそうな一戦。
◎ダイヤアストライア
○ゴールドルミナス
▲シゲルオカメノカタ
△テイエムアコガレ
△メイオウセイ
△リワードシャンヴル
デビューから9戦全勝のムツミマーベラスか、重賞3勝のフォーインワンかという一騎打ち。
ムツミマーベラスは2歳時にデビューから無敵の8連勝で注目を集めたが、ヤングチャンピオンを前にして脚部不安のため戦線離脱。それ以来の復帰初戦となった4月24日の古馬A4特別を2馬身差で快勝して、デビューからの連勝を9に伸ばした。この時期の3歳馬が古馬のこのクラスで勝つというのは、相当なレベルにある。
一方のフォーインワンは、2歳10月の福山2歳優駿ではムツミマーベラスの4着に敗れたものの、そのムツミマーベラスがいないところで重賞タイトルを3つもさらっていった。前走は4月11日の古馬A4特別に出走して2着。負けたとはいえ、ムツミマーベラスと同じクラス、同じ距離のレースで、タイムはこちらのほうが上だった。
ムツミマーベラスには「負けていない」という魅力があるものの、長期の休養があったことと、今回が初距離の1800メートルという不安要素があり、順調にレースを使われているフォーインワンを本命とする。
おそらく2頭の馬連複は1倍台だろう。それも1.2倍とか1.3倍とかかもしれない。ただ、こうした完全な2強というような場合には、どちらかが惨敗というようなケースは競馬ではよくあること。馬券は1点勝負か、そうでなければ、人気2頭のどちらかから穴を狙って手広く流すかだろう。
どちらか一方が崩れた場合の相手としては、いずれも古馬C級での対戦があり、堅実な成績を残しているビクトリー軍団の3頭を挙げておきたい。
◎フォーインワン
○ムツミマーベラス
▲ビクトリーノブナガ
△ビクトリーヒマワリ
△ビクトリジュウベエ
ロックハンドスターが断然の存在。開幕初戦のスプリングカップは、逃げたダークライをぴったりマークする2番手を追走。直線を向くとまったく持ったままで6馬身差をつけて圧勝。今回、これといった新興勢力も見当たらず、よほどのアクシデントでもない限り負けることはないだろう。
相手筆頭にも、スプリングカップ2着のダークライで堅そうだ。そのスプリングカップでは直線だけでロックハンドスターには6馬身ちぎられたが、積極的にハナを切って、自分でレースをつくっての結果だけに、この2着は価値がある。直線追ってきたトーホクキングにも2馬身半差をつけていただけに、よほど無理にロックハンドスターを負かしにいったりしない限り、今回も2着争いは間違いない。
ダークライに先着する可能性があるとすれば、中央から転入2戦目となるイシノウォーニング。前走3歳Aの芝桜フェスタレースでは、ダークライに半馬身差と迫る2着。3着のベルデンアインには4馬身差、スプリングカップ3着のトーホクキングはさらにうしろの4着だっただけに、ダークライとはそれほど力の差はなさそう。
一応トーホクキング、ベルデンアインまで印はつけたが、ロックハンドスターからの馬券だと買い目は1点か2点に絞らなければならないだろう。
◎ロックハンドスター
○ダークライ
▲イシノウォーニング
△トーホクキング
△ベンデンアイン
ホッカイドウ競馬3歳三冠の初戦。1000メートルから1700メートルまで、年によってかなり距離が変わる重賞で、昨年は1700メートルだったが今年は1200メートルに短縮された。
エーデルワイス賞JpnIIIでオノユウの2着、大井で3歳特別を制して戻ってきたクラキンコが中心。デビューしてしばらくはまじめに走らないことも多く、ときに末脚が爆発すればとても強いレースをするという気まぐれな面があった。しかし前走大井のたんぽぽ賞では、落馬の空馬を気にしながら中団を追走し、長い直線をラチ沿いから伸びて差しきった。もはや遊ぶようなそぶりはあまり見られなかっただけに、同じように長い門別の直線なら期待は大きい。父、母が制した北海優駿も目指してほしいところ。
北海道復帰初戦となるメジャーテーストが相手筆頭。中央では芝を中心に使われ、1月の若竹賞(芝1800メートル)では、先日フローラステークスを制したサンテミリオンからコンマ6秒差の4着と好走。ただ中央ではダートで2戦していずれも惨敗と、もしかして芝のほうが力を発揮するのかもという不安はある。門別1200メートルでのデビュー戦は5馬身差圧勝も、ラブミーチャンと対戦した京都ダート1200メートル戦では1秒7差の9着という成績をどう評価するか。
パシコジュリエは10月にデビューして1、3着のあと、昨シーズン最終週の開催で1200メートルの2歳オープン戦を勝利。ちなみにそのレースで最下位に敗れていたのは、その後笠松に移籍して重賞2勝と大活躍のコロニアルペガサス。5カ月半ぶりの実戦だが、仕上がっていれば上位争いだろう。
サンサンフロアは8月以降6戦してオール連対。未来優駿2009サッポロクラシックカップでも2着だった。オールナイトボーイは2歳時のオープンで差のないレースをしていた。このあたりはどれだけ成長しているかだろう。
しかし正直、5カ月半ぶりに開幕した最初の重賞だけに、力をつけている馬、逆に期待ほど成長していない馬など、2歳時の実績どおりとはいかないような気もする。
◎クラキンコ
○メジャーテースト
▲パシコジュリエ
△サンサンフロア
△オールナイトボーイ