11戦10勝、2着1回のムツミマーベラスか、これに福山ダービーで土をつけたフォーインワンか。地元福山勢同士なら2頭のどちらかという勝負だが、単騎遠征の九州ダービー栄城賞3着馬、高知のリワードシャンヴルとの比較がポイントとなりそうだ。
フォーインワンは、福山ダービーを制したあと遠征した東海ダービーではエレーヌから2秒3離されての5着。一方リワードシャンヴルは、栄城賞で4馬身先着されたゴールドセントが、4月のル・プランタン賞でエレーヌから2秒3差の4着。エレーヌを物差しにすれば、フォーインワンのほうが力は上ということになる。さらにフォーインワンにとっては、地元に戻っての一戦だけに、ダービー馬として負けられないレースとなりそうだ。
相手は高知のリワードシャンヴル。ムツミマーベラスは前走の3歳特別で再び7馬身差の圧勝を見せたが、福山ダービーでフォーインワンにつけられた4馬身の差は決定的だった。初めての1800メートル戦だっただけに、距離的なこともあるのかもしれない。今回も同じ1800メートル戦だけに、あまり強気にはなれない。
おそらくこの3頭の勝負だろうが、どれかが崩れたときの3着候補としては、福山ダービー3着に加え、前走古馬B6戦でも差のない3着と好走したビクトリーヒマワリ、前走古馬C2戦を快勝のマリンケハラッショあたりか。
◎フォーインワン
○リワードシャンヴル
▲ムツミマーベラス
△ビクトリーヒマワリ
△マリンケハラッショ
2冠を制したクラキンコが、北海優駿から中2週で、牝馬同士のここを使ってきた。ジャパンダートダービーJpnIへは遠征せず、8月19日の王冠賞でホッカイドウ3歳3冠を目指し、しばらくは地元戦を使っていくとのこと。しかし1200メートルの北斗盃から、2600メートルの王冠賞まで制しての3冠となったら、それはそれでスゴイことではある。北海優駿は、父クラキングオー、母クラシャトルと、父母仔制覇となったが、王冠賞でも父仔制覇がかかる。
対するのが、船橋から遠征してきたプリマビスティーだ。昨年のエーデルワイス賞JpnIIIを制したのがオノユウで、1馬身半差の2着にクラキンコ、さらに1馬身差の3着がプリマビスティーだった。東京2歳優駿牝馬を制したあとは、中央の芝に挑戦して8、11着。前走は東京プリンセス賞で勝ち馬から1秒1差の6着だった。そこでは元ホッカイドウのショウリダバンザイが、勝ちに等しい2着と好走していただけに、その力関係や地の利という要素を考えても、やはりプリマビスティーよりクラキンコを上位にとるべきだろう。
北斗盃で唯一クラキンコに1馬身半まで迫ったパシコジュリエ、中央から転入して3連勝のヤマノオレンジあたりが2頭に割って入れるかどうか。
◎クラキンコ
○プリマビスティー
▲パシコジュリエ
△ヤマノオレンジ
別定戦だが加増される馬はなく、牡馬770キロ、牝馬750キロで争われる一戦。
昨シーズン重賞5勝を挙げ、安定感ではダントツのカネサブラックだが、なぜかこの旭川記念とは相性が悪い。06年に勝っているものの、これは4歳馬限定の旧・旭川記念。かつての旭王冠賞が旭川記念に変わった07年からは、7、5、4着と、この馬にはめずらしく馬券圏内にも入れていない。ただ昨年までと違うのは、3連覇していたばんえい十勝オッズパーク杯で今年は2着に敗れたこと。そのばんえい十勝オッズパーク杯は30キロも軽いナカゼンスピードに逃げ切られてのもので、むしろ今回こそはと万全の態勢で狙ってくるだろう。
相手には、今季初戦の十勝岳特別を快勝したフクイズミ。今の乾いた馬場は、他の馬のスピードが削がれるだけに、この馬の末脚が生きるはずだ。
いよいよ古馬一線級に肩を並べるだけの力をつけてきたライデンロックが3番手。今シーズンに入って2戦は着外だったが、その後の2戦を連勝。特に、同重量のニシキダイジン、ホクショウダイヤ、ナリタボブサップらを相手に快勝した前走のレースぶりには価値がある。
ナリタボブサップも本来の力からすれば当然上位争いだが、今シーズンは4戦1勝と、いまひとつ調子が上がっていない。
昨年2着のホクショウダイヤは、今年も上位に迫れるかどうか。
◎カネサブラック
○フクイズミ
▲ライデンロック
△ナリタボブサップ
△ホクショウダイヤ
シアンモア記念で接戦を演じた東海の2頭が、ここにも揃って遠征してきた。キングスゾーンにとっては、このレース連覇に加え、シアンモア記念から岩手の重賞連勝もかかる。
対する地元岩手勢は、そのシアンモア記念で3着だったゴールドマインが今回は不在。近走オープンクラスで1秒以上の差をつけられて負けているメンバーがほとんどでは、厳しい戦いとなりそうだ。
期待したいのは船橋のライジングウェーブ。2000メートルのゆったり流れる展開は、この馬に味方しそうだ。昨年5月の大井記念以来勝ち星から遠ざかっていて、特にここ2走は掲示板も外しているが、相手が好調のマズルブラストや、ダートグレードでも上位争いのセレンではしかたない。3走前の報知オールスターカップでは、1番人気のマルヨフェニックスが8着に沈み、ライジングウェーブは勝ったマズルブラストからコンマ3秒差の3着。このときはマルヨフェニックスがまったくらしくないレースぶりだっただけに、これがそのまま力差ではないが、近走のお互いの対戦相手を考えれば、やはりライジングウェーブに分がありそうだ。
シアンモア記念では、叩き合いの末キングスゾーンに半馬身差で屈したマルヨフェニックスだが、この距離で雪辱を果たしたいところ。
おそらくこの3頭の争いだろうが、どれかが崩れたときに食い込むチャンスが回ってきそうなのが、菅原勲騎手を配してきた船橋のセトノギムレット。南関東ではA2格付けだが、昨年キングスゾーンが勝ったときの2着リュウノキングダムも、やはり南関東A2クラスだった。
地元勢では中央から転入初戦を圧勝したジョウテンロマンに未知の魅力がありそうだが、移籍前は中央1000万下で2桁着順が続いていたレベル。このレベルでは、残念ながら上位3頭に太刀打ちはできないだろう。
◎ライジングウェーブ
○マルヨフェニックス
▲キングスゾーン
△セトノギムレット
昨年秋に中央から転入し、連戦連勝を続けているジャングルスマイルがいよいよ重賞に駒を進めてきた。3走前のB1一般戦でクビ差まで迫られる辛勝があったものの、その後はB1特別で5馬身差、前走A2特別は6馬身差。金沢では10戦無敗で重賞タイトルに挑むことになる。初めてのオープンクラスとの対戦となるが、一気に突き抜けてほしいところ。
相手探しは混戦だが、大井から転入してA1特別で3、2、1着と確実に成績を上げてきたコーワキングが筆頭。南関東では準重賞や重賞でも入着歴があるだけに、ジャングルスマイルの連勝をストップさせる可能性があるとすればこの馬だろう。
10歳になったビッグドンもまだまだ侮れない。今シーズン初戦のスプリングカップを制したものの、前走のA1特別は最下位に惨敗。成績にムラが目立つようになってきたが、長距離線ではまだまだしぶとく上位に食い込んでくる。
昨年の中日杯2着のナムラグローリー、B1~A2で4戦連続連対中のバチェラーなども連下なら。
◎ジャングルスマイル
○コーワキング
▲ビッグドン
△ナムラグローリー
△バチェラー