8月18日に行われるサマーチャンピオンJpnIIIの前哨戦ではあるが、最近では中央勢が圧倒的に強くなってしまったので、ここは別のレースと考えたほうがよさそう。
南関東から転入した2頭、コスモシェアト、マンオブパーサーが中心となりそう。
コスモシェアトは転入後、A級で6戦3勝、2着3回と、まだ連対を外していない。前走、黒髪山特別は、06年12月以来久々の1400メートル戦ながら、4コーナー5番手あたりから大外一気で差し切った。その安定度からコスモシェアトを上位にとる。
近4走のコスモシェアトの手綱をとっていた山口勲騎手が選んだのは、マンオブパーサーのほうだった。06年の3歳時にはダービーグランプリGIを制覇。今年2月にも船橋・報知グランプリカップを制したという、実績ではメンバー中ナンバー1。転入初戦の多良岳特別(1800メートル)も好位から抜け出して快勝。心配なのは、中央オープンのときにもやや苦労していた1400メートルの距離だ。
ステルスグリーンは、A1特別連勝のあと、多良岳特別ではマンオブパサーからコンマ5秒差の4着、黒髪山特別ではコスモシェアトからコンマ2秒差の3着。上位2頭とは勝負付けが済んだ感じだが、それほど差のないレースはしている。
ヘイアンレジェンドは、昨年9月に中央から転入し、13戦して3着を外したのが、佐賀記念JpnIII(8着)と前々走の高千穂峰特別の4着のみ。堅実な成績を残しているが、デビュー以来初挑戦となる1400メートルの距離でどんなレースを見せるか。
メガチューズデーは、中央未勝利から転入して7戦5勝。前走は1400メートルのオープンも制した。
連覇を狙っているエフケーフィルだが、昨年のこのレース以来勝ち星がないため、今回は見送り。
◎コスモシェアト
○マンオブパーサー
▲ステルスグリーン
△ヘイアンレジェンド
△メガチューズデー
フサイチバルドルは、たまに取りこぼすこともあるとはいえ、地元高知では安定したレースぶりが目立つ。重賞2勝を含む3連勝中と好調だ。赤岡修次騎手はここまで全国リーディングを守ってきたが、7月14日の大井開催で3勝を挙げた戸崎圭太騎手に逆転された。戸崎騎手162勝、赤岡騎手160勝と、その差は2。ここを勝って弾みをつけ、金土の開催で再びトップに立っておきたいところ。
相手筆頭はスパイナルコード。昨年は、夜さ恋ナイター初日に行われたこのレースを制してから6連勝。ただその後、オープンクラスでは上位争いすら難しいようなレースぶりが続いた。しかしここ4戦のA-1特別では、3、1、2、1着と完全に復調気配。ここを勝って昨年のように連勝のきっかけとしたいところ。
アースクエイクは08年6月に転入し、今回が重賞初挑戦。A-1特別ではまだ勝ち星がないが、前走はスパイナルコードから2馬身半差の2着。グランシングには先着しているだけに、上位争いにからんでくる力はある。
グランシングは、昨年3歳ながら古馬に挑戦した建依別賞でスパイナルコードの2着。11月にはA1特別を制したが、その後は勝ち星を挙げていない。ここ3戦もA-1特別で連続3着。ただ、勝ち馬からはそれほど離されていないだけに、馬券圏内にからめるかどうか。
昨年の2着馬オリジナルステップも、昨年10月以来勝ち星からはごぶさたとなっている。しかし昨年も、重賞やA1特別ではしばらく勝ち星から遠ざかって臨んだ一戦だった。怪我から復帰後初めての重賞騎乗となる宮川実騎手がどんなレースを見せるか。
◎フサイチバルドル
○スパイナルコード
▲アースクエイク
△グランシング
△オリジナルステップ
中央や他地区から転入して経験の浅い馬が何頭かいて、力の比較がなかなか難しい一戦。一応全国交流にはなっているが、他地区からの遠征はなく、8月12日に同じ舞台で行われるブリーダーズゴールドカップJpnIIの地元の前哨戦となる。
9歳だがリスティアダーリンの能力が上だろう。中央ではダート1700~1800メートルで5勝を挙げ準オープンまで出世し、障害でも1勝。その後東海地区ではオープンでの2着が最高という成績。今シーズンから北海道の所属で、オープンで2着、1着という成績なら、ここでも当然マークされる存在。9歳にしての重賞初制覇を狙う。
相手筆頭にはミスティックダイヤ。前走オープンのファルブラヴ賞では、2番手から直線単独で先頭に立って勝ったかと思ったところ、外から伸びたリスティアダーリンにギリギリのところで差されて2着だった。昨年は10月に道営スプリントを制すなど、やはり適性は短距離にあるが、前走の1800メートルでの好走のほかにも、昨年の道営記念では3着に入るなど、この距離のオープンクラスでも十分に通用する。
マチカネノワキは、今シーズン川崎から転入し、オープンで1、2、3着と常に上位争い。
サクラハーンは07年に旭川1600メートルで行われたこのレースの勝ち馬。前走ファルブラヴ賞は、1年ぶりの復帰戦で10着。さすがに11歳で全盛時の力を望むのは無理だろうが、それに近い走りができれば上位争いも可能。
中央1勝で転入してきたアルテマイスターは、A2特別を2連勝。まだ底を見せていないだけに、重賞のこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎リスティアダーリン
○ミスティックダイヤ
▲マチカネノワキ
△サクラハーン
△アルテマイスター
昨年園田での開催となったこのオッズパークグランプリで1~3着のマルヨフェニックス、キングスゾーン、アルドラゴン、3頭による再戦が見られるかと期待していたのだが、残念ながらマルヨフェニックスが回避してしまった。
昨年2着のキングスゾーン、3着のアルドラゴンには、ともにダートグレード実績があり、このメンバーの中では抜けた存在だ。問題はどちらが勝つかだが、キングスゾーンに分があると見る。ダートグレードではやや荷が重くなった感じだが、地方同士の全国交流ならまだまだやれる。船橋の房の国オープンを勝ち、水沢に遠征したシアンモア記念、みちのく大賞典は、ともにマルヨフェニックスと接戦の末、1、2着を分け合った。8歳でもまだまだ元気。地元名古屋で昨年1月のマイル争覇以来の重賞勝ちといきたいところ。
9歳のアルドラゴンも元気だ。前走園田フレンドリーカップは、直線内を突こうとして前3頭がカベになり、これは無理だろうという展開になったが、外に持ち出されると残り50メートルくらいで一瞬にして差し切った。地元兵庫ではほぼ無敵だが、昨年地元開催のオッズパークグランプリでは実際にキングスゾーンに4馬身もの差をつけられて3着。名古屋ではなく笠松への遠征だが、今年1月の白銀争覇では1番人気に支持されながら同じ兵庫のベストタイザンに負けているのも気になるところ。
2頭からはやや離れるが、笠松のエーシンアクセラン、トウホクビジンが続く存在。エーシンアクセランは、前走サマーカップでトウホクビジンを差のある3着にしりぞけ、念願の重賞初制覇。ただトウホクビジンもさきたま杯JpnIIIでは36秒台の末脚を使って追込み4着と健闘しているだけに、展開次第では上位2頭に割って入る可能性もある。
濱口楠彦騎手が鞍上となる大井のナカヤマパラダイスが不気味だ。中央から南関東に移籍しての2戦はともに大敗だが、移籍前の京都1200メートルのオープンでは、着順は10着も勝ち馬からコンマ4秒しか離されていない。3~4歳時にダートでの勝ち星もあり、このメンバーなら上位に食い込む可能性は十分にある。
高知のグッドヘラクレス、荒尾のペプチドジャスパーは近走ともに好調だが、このメンバーに入るとレベル的に厳しい。
◎キングスゾーン
○アルドラゴン
▲エーシンアクセラン
△トウホクビジン
△ナカヤマパラダイス
浦和・桜花賞5着、東京プリンセス賞5着と、重賞ではもうひとつの結果だったギンガセブンだが、相手強化となった関東オークスJpnIIでは、2番手追走から直線では一旦先頭をうかがい、あわやの3着に粘って見せた。この充実ぶりは本物と見る。芝は初めてだが、地方馬同士で、コーナーを4回まわる1700メートル戦ならゆったりした流れで関東オークスと同じような展開になるだろう。逃げられるかどうかは、内に入ったダークライとの兼ね合いとなりそうだが、先行逃げ切りを期待したい。
リュウノボーイも差はない。船橋からの遠征だが、デビューは岩手で、盛岡の芝は2度走って1着、3着。中央の芝の速い流れも2度経験している。前走、門別に遠征しての北海優駿は、勝ったクラキンコに1馬身+クビまで迫る3着。川崎・クラウンカップ3着、船橋・東京湾カップ5着があり、南関東から出れば全国区で通用するレベルだろう。引き続き鞍上となる菅原勲騎手は、このオパールカップで5年連続連対中なのもプラス材料だ。
セイントフォースは、南関東では重賞実績もなく、それほど目立った存在ではないが、2度の中央芝500万下挑戦では、いずれも勝ち馬から0秒3差と健闘。後方追走から上がり34秒台の末脚を繰り出して差を詰めている。芝で一発があっても不思議はない。
地元勢ではダークライに期待したい。盛岡芝は1戦1勝。重賞でも常に善戦していて、冬季休催明け後は7戦5連対。2連勝と好調でここに臨む。
ポップコーンは、ここ4戦連続で2桁着順とふるわないが、2歳時はクローバー賞2着があり、札幌2歳ステークスにも出走(5着)した。ここまで中央の芝には5回出走し、いずれも勝ち馬からの着差は1秒以内。地方同士の芝での一戦なら、アッと言わせる場面があってもおかしくない。
◎ギンガセブン
○リュウノボーイ
▲セイントフォース
△ダークライ
△ポップコーン