正月の川崎・報知オールスターカップであわやというレースを見せたグランシュヴァリエがここで重賞初制覇を狙う。中央3勝から高知に移籍し、その初戦がいきなり川崎への遠征。4コーナーで先頭に立って勝ったかと思ったところ、ゴール前でマズルブラストに交わされ惜しくも半馬身差の2着。その後地元高知で2連勝し、黒船賞JpnIIIは距離不足もありさすがに惨敗だったが、地方ではまだ底を見せていない。南関東の重賞で堂々互角に渡り合った実力をここでも見せるはず。一昨年のスペシャリストに続いて、高知勢の勝利なるかどうか。
昨年秋から充実著しいのがヒシウォーシイ。東海菊花賞では東海ダービー以来1年5カ月ぶりとなる重賞制覇を果たし、ここ2戦はマーチカップ、スプリング争覇と笠松コースで重賞を連勝。さらに連勝を伸ばせるかどうか。
昨年のこのレースでクインオブクインの4着に敗れたエーシンアクセランだが、昨年の臨戦過程とは異なり、今年は4戦連続連対中。好調で臨むだけに、昨年より上の着順を目指したいところ。
A級の下位からA2特別まで5連勝でここに臨むエーシンサニーデイ、前走スプリング争覇3着のエイシンインパールと、伊藤強一厩舎のエーシンおよびエイシン軍団は3頭ともに近走好調。
大晦日の東海ゴールドカップでキングスゾーンをアタマ差でしりぞけたノゾミカイザーも展開次第で一発の可能性。
◎グランシュヴァリエ
○ヒシウォーシイ
▲エーシンアクセラン
△エーシンサニーデイ
△エイシンインパール
△ノゾミカイザー
カネサブラックの4連覇で今年も固いのだろうなあ、などと思いながら発表された出馬表を見て驚いた。ナカゼンスピードが他のオープン馬よりも30キロも軽い690キロ。なるほど、2006年3歳シーズンのばんえいダービー制覇やばんえい菊花賞2着などの賞金が今シーズンからカットされ、負担重量の格付けが3つも下がったのだった。昨年終盤の充実ぶりは目覚しく、12月からオープン(混合含む)で7連勝。その後、1月31日のオールカマーは同重量のカネサブラックの2着に敗れたものの、着差はわずか3秒6。続く2月7日の立春特別ではナリタボブサップの2着に敗れたものの、10キロ軽い重量でコンマ2秒差の大接戦。それでいて今回30キロもの重量差がつくのなら、逆転は確実。加えてカネサ、ナリタの両実績馬は、ばんえい記念を使った反動も気になるところ。
それなら相手筆頭にも若い5歳のライデンロック。昨シーズン終盤はオープンでも互角に戦えるまで力をつけたが、カネサブラックなどトップクラスにはやはり苦戦していた。しかしここはフレッシュな状態で逆転に賭けたいところ。
カネサブラック、ナリタボブサップは、昨年のこのレースもばんえい記念を使ったあとにもかかわらず、ワンツーを決めてその実力を示した。今シーズンも古馬重賞戦線で中心的な地位は揺るぎそうもない。
◎ナカゼンスピード
○ライデンロック
▲カネサブラック
△ナリタボブサップ
グランダム・ジャパン3歳シーズンの第2戦、留守杯日高賞での笠松勢4頭の上位独占には驚かされた。エレーヌ、コロニアルペガサスの2頭については、遠征などを含めて重賞実績があり、ワンツーも十分ありえると思い、そうした予想でもあったのだが、まさかプティフルリール、ショートエアリーまで続いて入線するとは。4着のショートエアリーから地元最先着5着のダンストンルティーは2馬身差。勝ち馬からは1秒9も離され、地元期待のダイメイジュエリーも9着に沈んだ。
その笠松4頭とも、水沢から佐賀へという長距離輸送にもかかわらず、中5日という強行軍で遠征してくることになった。
「ル・プランタン賞に出走するかどうかは、その後の調子を見て」とのことだったので、4頭ともに疲れなどは心配ないのだろう。
水沢での圧倒的なレースぶりから、今回もエレーヌ、コロニアルペガサスという実績馬2頭の上位争いと見る。
これに待ったをかけたいのが、ゴールドセントとダイヤアストライア。
ゴールドセントは、花吹雪賞2着のあと飛燕賞を制し、前走古馬B2戦でも勝ち馬から離されはしたものの2着と好走した。年が明けてからの充実ぶりがうかがえる。
ダイヤアストライアは、花吹雪賞での最後方から直線一気の差し切りは強烈だった。しかし飛燕賞では3着に負けているように、展開に左右される面はありそう。
重賞初挑戦の新興勢力では、今年2月までに8戦して勝ち星がなかったハードリベンジが、ここのところ3連勝。急激に力をつけた可能性はある。
◎エレーヌ
○コロニアルペガサス
▲ゴールドセント
△ダイヤアストライア
△ハードリベンジ
グランダム・ジャパン3歳シーズンの2戦目。笠松から同厩舎・同馬主の4頭が、そのボーナスを目指して大挙遠征してきたのには恐れ入る。
本命はそのうちの1頭、エレーヌ。北海道から笠松に移籍して以降、地方では負けなし。落馬を負けたというかどうかは微妙だが、園田クイーンセレクションでは、コロニアルペガサス以下を振り切って直線で完全に抜け出したところ、ムチに驚きラチ沿いに横っ飛びして騎手が落馬してしまった。あのまま普通に走ってしれば勝っていたレースだろう。近走は中央遠征を除けば、名古屋・スプリングカップ、笠松・新緑賞と重賞を連勝。ともに2着はタンブリングダンスだが、スプリングカップが馬体を併せての叩き合いの末、クビ差の勝利だったのが、前走新緑賞は先に抜け出し、コロニアルペガサスをまったく寄せつけずの1馬身半差。ここにきてさらに力をつけていると見る。
グランダム・ジャパン3歳シーズンの第1戦、浦和・桜花賞4着で5ポイント獲得しているのがコロニアルペガサス。園田クイーンセレクションは、前述のようにエレーヌの落馬でラッキーな勝利。ゴールドジュニアの3着は、相手がラブミーチャンではさすがに参考外。前々走福山の若草賞は7馬身差の圧勝だった。前走浦和・桜花賞は4着だが、今回のメンバーなら勝負になる。
地元勢では北海道から転入して4連勝のダイメイジュエリーが断然。前走、冬休み明けのあやめ賞は勝つには勝ったが意外にも辛勝。このひと叩きで変わってくれば地元の期待にもこたえられるだろうが、順調度ではやはり上位2頭には劣る。おそらくここまで3頭の勝負だろう。
ダンストンルティーは、2歳時に今回と同じ水沢1600メートルの知床賞で北海道からの遠征馬を相手に勝利。ヒバリエクスプレスは2歳時のプリンセスカップでダイメイジュエリーにクビ差の2着、前走あやめ賞でもクビ+3/4馬身差の2着とそれほど差はない。この2頭は上位3頭のどれかが崩れたときの3着候補。
3頭に人気が集中するだろうから、馬券的にはあまり手を広げられないだろう。
◎エレーヌ
○コロニアルペガサス
▲ダイメイジュエリー
△ダンストンルティー
△ヒバリエクスプレス
08年の帝王賞JpnIで、勝ったフリオーソから差のない4着と好走したマルヨフェニックス。ダートグレードのひとつやふたつくらいはそのうち、と思わせながらも、そのタイトルがないまま今年6歳。前走の名古屋大賞典JpnIIIは、そうした応援もこめて◎にしてみたのだが、勝ったラヴェリータからは2秒も離された4着だった。とはいえ地方勢では最先着で、5着のマイネルアラバンサには4馬身差をつけた。地方勢同士ならまだまだ負けられない。今回のメンバーで、ほかに重賞勝ちは、荒尾時代のケイウンヘイローと、2年前の3歳時に快進撃だったサチコゴージャスのみ。定量戦でもあり、言い方は悪いかもしれないが、マルヨフェニックスにとっては前々走の東海クラウン同様、調教代わりといった相手だろう。
こうした断然の1強では相手探しが難しい。それなりの実力馬が真っ向勝負を挑んだときに惨敗し、着狙いの人気薄が台頭するというようなパターンがよくあるからだ。
さすがにそうした裏の裏まで予想はできないので、実力どおりに評価すれば相手はケイウンヘイローだろうか。昨年9月の荒尾から転入直後は今ひとつのレースぶりだったが、年明けからA1特別でも常に上位争いができるようになってきた。
地元東海勢に近走好調な馬があまりいないだけに、兵庫からの遠征馬2頭にチャンスがありそうだ。チャンスといっても、もちろんマルヨフェニックスの2着争いだが。ゲイリーディライトは、ここ2戦こそ結果が出ていないが、昨年末から3走前までは兵庫のA1特別で上位争いを続けていた。仮にマルヨフェニックスがいなければ、このメンバーなら勝っても不思議はない。1400メートルの距離も、もっとも得意とするところ。
プリンセスジュディは、昨年夏にJRAから園田に戻り、堅実に入着を重ねてA1まで出世してきた。再転入後は15戦して掲示板を外したのが2回だけ。1400メートルを中心に使われているだけに、ここでも上位に食い込む可能性は十分にある。
エイシンイッテンは、中央からの転入初戦こそマルヨフェニックス、エーシンアクセランに続く3着で、このクラスでも勝負になるところを見せたが、続く前走は7着惨敗。調子が戻っていれば上位争いも。
◎マルヨフェニックス
○ケイウンヘイロー
▲ゲイリーディライト
△プリンセスジュディ
△エイシンイッテン