08年の兵庫牝馬特別時代を含め、このレース3連覇のかかるキーポケットの実力が断然。昨年11月の兵庫クイーンカップ(6着)まで、出走してきた重賞は牝馬限定戦のみ。ところが今年正月の新春賞で初めて牡馬との重賞に挑戦すると、カラテチョップとの接戦を見事にハナ差で制した。そのカラテチョップはといえば、その後先日の佐賀記念JpnIIIに遠征し、中央3頭の争いから2馬身半差で地方最先着の4着。その実力比較からも、キーポケットはこのメンバーに入れば断然。
今回は兵庫勢が断然優勢。ホールドマイラヴは08年から09年にかけて連戦連勝でオープンまで出世すると、昨年は5つの重賞に出走して園田チャレンジカップを制し、そのほかもダートグレードの兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを除けばいずれも掲示板確保と善戦。キーポケットに次ぐ実力の持ち主だ。
バージンサファイヤは、昨年3歳牝馬同士ののじぎく賞を制し、続く兵庫サマークイーン賞では同斤量のキーポケットにハナ差の2着。近走はA1A2で苦戦しているが、重賞で勝ち負けする力があることは証明済み。
地元勢では堅実な成績でクラスを上げ、クイーンカップを制したビービーバイラがどこまで兵庫勢に迫れるか。
名古屋のクロスウォーターも牡馬オープンクラスと善戦しているだけに、上位に食い込む可能性は十分。
◎キーポケット
○ホールドマイラヴ
▲バージンサファイヤ
△ビービーバイラ
△クロスウォーター
花吹雪賞、日峯特別それぞれの1~4着馬がそろって出走してきた。ただ、ゴールドルミナスとモエレダイヤモンドが両レースに出走して4着以内に入っているため、実際には6頭だが。
両レースは、ともに離れた最後方を追走していた馬の強烈な追い込みが決まった。その2頭が一緒に走って同じようなレースができるとも思えず、ここは好位で折り合って早めに抜け出せるモエレダイヤモンドをもう一度狙ってみたい。いずれのレースでも1番人気に支持され4、3着と期待を裏切ったが、人気を落としそうな今回、雪辱に期待したいところ。
ダイヤアストライアは中央から転入して2戦2勝と、まだ底を見せていない。相当に力抜けている可能性もあり、この馬が三たびあっさりという場面があっても不思議はない。
花吹雪賞でダイヤアストライアと同じような脚色で直線一気に伸びてきたゴールドセントにも再びの期待がかかる。
日峯特別2着のメイオウセイはこれまで掲示板を外したのが1度だけと堅実な走りが魅力。
日峯特別を勝ったウインクルムはどうだろう。成績を見てもムラがあるように、展開に左右される面があるのかもしれない。
どちらのレースにも出ていない馬ではケイエムサンクス。九州ジュニアグランプリ2着があり、年明け後はいまひとつのレースぶりが続いているが、古馬C1に編入されてのレース。一発があってもおかしくはないが、着外に敗れている2戦がともに1750メートルだっただけに、距離的な不安はある。
◎モエレダイヤモンド
○ダイヤアストライア
▲ゴールドセント
△メイオウセイ
△ウインクルム
△ケイエムサンクス
年明けの重賞・若駒賞2、3着のムツミクリーク、ビクトリーヒマワリの2頭が実績的に抜けている。12月のヤングチャンピオンではビクトリーヒマワリが2着でムツミクリークが4着と、若駒賞と逆の決着だっただけに、この2頭の間にはそれほど力の差はなさそう。ここは前走3歳1組戦で離された4着のムツミクリークよりも、メンバー中唯一古馬にもまれたビクトリーヒマワリを上位にとる。
2頭に食い込む可能性があるのは、ローズカドリーユかワイエスオジョー。
ローズカドリーユはデビュー2戦目に勝利を挙げたのみだが、ここ6戦は2歳2組戦で2着と3着が3回ずつ。勝ちきれないが堅実に走っている。1600メートルでも結果を残しているだけにここでも十分に上位を狙えそうだ。
ワイエスオジョーは、ヤングチャンピオン5着に若駒賞6着と、上位2頭との直接対決でやや分が悪い。ただそのほかに3歳1組で善戦している馬がいないだけに、上位2頭のどちらかが崩れれば、食い込む余地はあるだろう。
◎ビクトリーヒマワリ
○ムツミクリーク
▲ローズカドリーユ
△ワイエスオジョー
3連勝中のマイネルアラバンサに人気が集まりそうだ。地方のダートに徐々に慣れてきたのか、前々走名古屋記念、前走ウインター争覇は、ともに圧勝。とはいうものの、その2戦ともに重賞としてはややメンバーが軽かったように思う。実際に、転入初戦の東海菊花賞でちぎられたヒシウォーシイ、キングスゾーンとは、そのとき以来の対戦となる。
ここは南関東や福山遠征も含めて5戦連続連対中のキングスゾーンから狙ってみたい。昨年は名古屋・マイル争覇、水沢・みちのく大賞典と2つの重賞勝ちがあるとはいえ、秋ごろまでは今ひとつのレースぶり。しかしここ3戦は、先行して粘るかつてのキングスゾーンが戻ってきた。特に前走福山に遠征してのマイル争覇は、3コーナーで先頭に立つと、東海地区の重賞を勝ちまくっているベストタイザンを半馬身差で振り切ってコースレコードでの勝利。マイネルアラバンサにも勢いがあるが、キングスゾーンも好調だ。
大晦日の東海ゴールドカップでキングスゾーンをアタマ差でしりぞけて勝ったのがノゾミカイザー。前々走のターコイズオープンでは、マイネルアラバンサの1/2馬身+ハナ差と差のない3着。昨年9月以降、6戦2勝ですべて4着以内と堅実なだけに、この馬にもチャンスはありそう。
兵庫から遠征のキクノアローが木村健騎手でどんなレースを見せてくれるか。
東海菊花賞でキングスゾーン、マイネルアラバンサに圧勝したヒシウォーシイは、1月のオープン2戦がいまひとつのレースぶりだっただけに、巻き返しなるかどうか。
◎キングスゾーン
○マイネルアラバンサ
▲ノゾミカイザー
△キクノアロー
△ヒシウォーシイ
明け3歳牝馬による重賞。定量戦のため普通なら格付け上位の馬が有利となりそうだが、A-1のホクショウシャネル、ダイリンビューティらは近走いいところがなく、逆に好調なのはA-4やA-5を勝ってきたシークレットライヴやシルクロード。ここまでの勝ち星を見てもホクショウシャネルのみ5勝だが、4勝馬が6頭、3勝馬が3頭と、力差もほとんどなさそう。どの馬が勝ってもおかしくない混戦だ。
ところで話は突然変わるが、2月12日に笠松で行われたゴールドジュニア。2歳馬として史上初のNARグランプリ年度代表馬となったラブミーチャンが出走し、道中まったく追われることなく完勝。平日にもかかわらず笠松競馬場には多くのファンが来場し、JRA桜花賞へ向けて期待が高まる壮行レースともなった。
今年の3歳牝馬は、なぜか「チャン」ブーム。ラブミーチャンはもちろんのこと、1月24日には京都の3歳500万下牝馬限定戦をハニーメロンチャンが勝ってデビューから2連勝。さらに、2月7日中京の萌黄賞を勝ったのがカレンチャンで、この馬は新馬戦2着のあと2連勝。さて、JRAの桜花賞には「チャン」の付く馬が何頭出てくるでしょう。
というわけで、ばんえいの3歳牝馬によるこの重賞も、アオノラブチャンで。11月15日の南北海道産駒特別ではダイリンビューティとの接戦を勝利。その後A-1ではやや苦戦が続いたが、ここのところのA-2ではまずまずの好走。格上の馬を再び破って重賞制覇のチャンス。
近走いまひとつの成績でも、牝馬同士での対戦となればやはり格上位馬を評価したい。ダイリンビューティとホクショウシャネルはここのところ互角の勝負だが、10月の白菊賞、12月の2歳A-1・2決勝で先着しているダイリンビューティのここ一番の勝負強さに期待。ホクショウシャネルの出走がなかったヤングチャンピオンでも牝馬では最先着の6着だった。
もちろんメンバー中最多の5勝を上げているホクショウシャネルが勝ってもまったく不思議はない。ばんえい競馬の年間最多勝記録を更新し、その記録をどこまで伸ばすのだろうという鈴木恵介騎手の勢いも味方しそうだ。
格下でも好調のシークレットライヴ、シルクロードもこの混戦ならいきなり上位争いの可能性もありそう。
◎アオノラブチャン
○ダイリンビューティ
▲ホクショウシャネル
△シークレットライヴ
△シルクロード