4月28日に行われたスプリント重賞『栗駒賞』は1番人気に推されたゴールデンヒーラーが優勝。昨年に続いてこのレース連覇を果たしました。
ドルズプライスレスの大逃げの形で始まった栗駒賞。離れた二番手から徐々に差を縮めていったゴールデンヒーラーは「前だけでなく後ろの様子もうかがいながら(山本聡哉騎手)」の上昇。直線ははその通り、逃げ粘るドルズプライスレス、後方から追い上げてくるキモンリッキー・ゲンパチプライドの双方の脚色を計りながらになりましたが最後はドルズプライスレスをきっちり捉え、後続の追い上げもしのいでのゴール。僅差ながらも安定の強さを見せたゴールデンヒーラーは昨年に続いてこのレース連覇を達成しました。
今日4月30日は春の水沢競馬の最終日。冬休みを挟みつつ昨年11月から続いた水沢競馬もいったん終了、今週末からは盛岡競馬場に開催が移ります。
「春の」と書きましたがここ2週間ほどは日中は20度後半まで気温が上がる夏のような気候でした。3月下旬まで寒さが続き、春が来たと思ったら一気に夏・・・。全国そんな感じだそうですけども、この様子だと次の、6月からの水沢開催はいったいどんな事になるのか・・・。。
さて、今日のメインレースは12Rの駒形賞、ダート1400mの特別戦。本命は(8)アウトレイジングを採りました。
JRAでデビューして3歳未勝利で岩手移籍、その後JRAに復帰、大井に移ってそしてこの春に岩手に再転入というキャリアの同馬。この春はC1級編入も恵まれて2戦2勝の成績を残しています。
以前の在籍時にはダート1200m~1600mの重賞で上位入着していますが印象としては短距離が良く、1200mがより良いというイメージがありました。とはいえこの春に1300mで連勝するまでの勝ち星は1400m2勝、1600m1勝、今回の1400m対応に問題のない距離と言えるでしょう。クラスとしても、再転入初戦は圧勝、前走も直線残り100mあたりで2馬身ほどあった差をあっという間に詰めて差し切る走りを見せているように現級では力が上ということ。それだけの強さを見せたことでここは58kgのハンデを背負う事になりましたが、今の勢いと地力とで克服できると判断しました。
対抗は(2)キラメキを。こちらもこれまでの戦績からは短距離ベスト、それも1200mあたりまでの印象。1300mで2勝を挙げていますが1400mを越えると勝ち馬との差が大きめになる点には注意が必要。ただしこの春の勢いはここで遜色なし。
(5)ヤマニンアルマーレが三番手。距離に難がない点はメンバー中最右翼。近走も、白星先行ではないものの例えば前走は元A級の実績馬に敗れたもので評価は下がりません。この馬も2kgハンデが重い点は注意が必要も、勢いを軽視できないのは◎○同様です。
ここまでの各馬がそうであるように今回はハンデを背負った馬が多い。それでも地力と勢いで、と印上位馬を選びましたが、ヒモはそれがない馬を・・・で(4)ロジディープ、(6)インザライフ。どちらも展開にちょっと注文が付きがち、勝ち切れなさを見せる事もありますが、自分の形で戦えれば強さを見せるタイプ。印上位馬が斤量に苦心するような事があれば・・・と押さえておきたいところです。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)=(5)、(2)=(8)、(8)→(4)、(8)→(6)
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今年デビューした坂井瑛音騎手の初勝利をあげた。4月22日(月)、最終12Rでサンエイブレーヴに騎乗し、3番手キープから向こう正面で2番手に進出。3コーナー過ぎに早々と先頭に立ち、2着アダマスミノル、3着ミヤコプレジールの追撃をしのいで1着ゴール。騎乗26戦目で嬉しい初勝利を飾った。
坂井瑛音騎手「今までうまくいかなかったので(初勝利ができて)、こみあげてくるものがありました。向こう正面の手ごたえが良かったので、3コーナーで行けるかなと思いましたが、ちょっと仕掛けが早かった。サンエイブレーヴと同じく、自分もブリンカーがついていた(笑)ので、後ろの様子がわかりませんでしたが、何とか頑張ってくれました。今日のサンエイブレーヴは気合いが入っていたので、担当の(菅原)秀さんに伝えたらニコッと笑ってくれました。これからも一つ一つ依頼を受けた馬を全力で乗ることが大事だと思っています。まだまだ未熟ですが、師匠の菅原勲さんに少しでも近づきたいと言いましたから、今後も頑張りたいと思っています」
菅原勲調教師は騎手時代、地方競馬通算4127勝、JRAでも16勝をマークして岩手競馬の最高峰に君臨した。4127勝への道も、まずは1勝から。坂井瑛音騎手の活躍に期待してほしい。
29日メインはA級一組「桜花特別」(水沢1800m)。舞台が盛岡に替わると根幹レース・シアンモア記念が控えており、今回のメンバーからもエントリーするに違いない。
グローリーグローリは昨年3月、中央4勝・オープン、障害1勝から転入。2連勝で重賞・赤松杯を制し、シアンモア記念5着から重賞・あすなろ賞も制した。続く一條記念みちのく大賞典4着後、猛暑続きがこたえて夏負け。3ヵ月余りの休養を余儀なくされ、復帰後も2着1回のみにとどまった。
今季初戦も6着、赤松杯9着に敗退。脚元がパンとしないため思った乗り込みができなかったが、今回は意欲的に乗り込まれて気配上昇。8頭立ての少頭数、メンバーも緩和され、勝機をしっかりモノにしたいところ。
マイネルアストリアは昨年5勝2着2回3着2回。着外は一條記念みちのく大賞典10着、桐花賞8着のみ。ビッグレースでは自分の競馬ができず苦戦を強いられたが、自己条件できっちり結果を出してきた。
昨年は半年休養からあっさり快勝。好発進を決め、今季初戦も1番人気に支持されたが、早々と失速10着。マークが厳しかった。加えてマイルの忙しい競馬より、ゆったりと流れる1800m向き。ひと叩きされた変わり身と距離延長で巻き返しに転じる。
ステイオンザトップは一昨年、中央3勝クラス、障害を経て転入。2連勝を飾り、岩手伝統の一條記念みちのく大賞典を優勝した。続くレースも快勝して連勝を3に伸ばしたが、屈けん炎が発生。無念の戦列離脱で1年休養。昨年8月に復帰して4着を確保したが、またもや脚部不安のためリタイア。今回は8ヵ月ぶりの実戦となったが、能力上位。いきなり激走のシーンまで。
グリニッジシチーは中央ダート1800m2勝、高知5勝・B級から転入。近走は1400mが主要距離だったが、中央実績から1800mは歓迎のはず。
タイセイメガロスは中央芝1800m2勝、南関東B1、笠松2勝・A級から転入。初戦は休み明けで9着だったが、ひと叩きされて2着。これでメドが立った。
ゴールドギアは昨年の最優秀ターフホース。ダートも昨あすなろ賞2着と問題なく、1800m延長に活路を拓く。
◎(1)グローリーグローリ
〇(7)マイネルアストリア
▲(3)ステイオンザトップ
△(4)グリニッジシチー
△(2)タイセイメガロス
△(8)ゴールドギア
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1R ブルーローズ
南関東B3の地力を見せつけて転入戦を圧勝。同じ850m、同じC2級なら迷わず追いかける手
28日メインは水沢1400m重賞「第36回栗駒賞」。栗駒賞は元々がアラブ系による特別だったが、2000年からサラブレットの重賞へ格上げ。開催時期も冬からクラスターカップの前哨戦として6、7月に実施されたこともあったが、一昨年から4月へ移行。今後、栗駒賞からシアンモア記念、もしくは岩鷲賞、クラスターカップへ向かう馬たちが出てくる。
その筆頭が2連覇を狙うゴールデンヒーラー。昨年は栗駒賞から始動して完勝。幸先のいいスタートを切ったが、シアンモア記念6着、一條記念みちのく大賞典8着に凡走。「一時は引退、繁殖入りも考えた」(佐藤祐司調教師)ほどだったが、。一息入れて牝馬準重賞・フェアリーカップへ出走。ようやく闘争心に火がついて青藍賞2連覇も飾った。
続いてマイルチャンピオンシップ南部杯へ挑戦。レモンポップが逃げ切って圧勝し、ゴールデンヒーラーは流れも合わず7着。一昨年5着より下回ったが、マズマズの結果を出した。しかしJpnIII・クイーン賞8着、桐花賞5着。総合的に見れば不本意に終わった1年だった。
以上のことを受けて陣営はクラシックディスタンス(2000m)ではなく、マイル以下を使う方針に決定。手始めに白嶺賞を完勝し、予定どおり栗駒賞へ駒を進めてきた。
唯一の不安点は休み明け2戦目は勝っていないこと。3歳時はあやめ賞1着→ダイヤモンドカップ2着。4歳時はA1戦1着→シアンモア記念3着。そして昨年は栗駒賞1着→シアンモア記念6着。ゴールデンヒーラーには嫌なデータだが、今年こそ春2連勝を飾りたいところだろう。
ゲンパチプライドは中山ダート1200m1勝、東京ダート1400m1勝。今年2月、2勝クラスでも4着を確保した現役ばりばり。転入戦。白嶺賞は小回り水沢対応がネックだったが、コースロスなくレースを進めて2着確保。収穫多い一戦となった。地方ダートが問題ないことを証明し、さらに気配アップも確実。
タイセイアベニールは中央芝1200mのスペシャリストで鳴らし、一昨年、GIII・函館スプリントステークスでも3着の実績を誇る。ダート戦でも3歳時に端午ステークスで2着。また転入前にもダート3戦を使ってマズマズのタイムをマークした。9歳の年齢が若干気になるが、格でいきなり勝ち負けまで。
ドルズプライスレスは一昨年、中央未勝利から転入して覚醒。これまで7勝をあげ、昨最終戦も快勝。逃げ一辺倒だが、自分の競馬に持ち込むと強じんな粘りを発揮する。前走・白嶺賞は4ヵ月半ぶりの実戦でプラス7キロ。太め残りだったが、3着に粘った。水沢1400m5戦4勝3着1回。ベストの舞台で金星を狙う。
フジラプンツェルは昨年、中央から里帰り。馬体重が大幅に減っていたため4ヵ月休養から復帰。当初は本来のシャープさを取り戻せなかったが、昨年12月の水沢1400m戦を快勝。これで復活のメドが立った。今季初戦2着から白嶺賞へエントリーしたが、出走取り消し。赤松杯はしんがり負けだったが、1400m短縮なら軽視できない。
キモンリッキーは昨年、南関東C1から再転入後、8勝を荒稼ぎ。中央へトレードされたが、4戦着外に終わって里帰り。初戦で豪快なまくりを決めた。今度はメンバーが大幅に強化されたが、岩手の水が合う。
◎⑧ゴールデンヒーラー
〇①ゲンパチプライド
▲②タイセイアベニール
△⑤ドルズプライスレス
△③フジラプンツェル
△⑥キモンリッキー
<お奨めの1頭>
3R ラブショック
転入戦2着は久々の実戦に加え、前半で置かれたのが痛かった。叩き2戦目で首位を奪取する
4月21日(日) 「第24回留守杯日高賞」(3歳牝馬・地方競馬全国交流 水沢1600m)
スタート直後、エレノーラがつまづいて一瞬ヒヤッとさせたが、鞍上・野畑騎手がうまく立て直して2番手につける。逃げたのはカリフィア。外目の枠を引いたが、ハナを譲らない構えを見せた。3番手外にセイバイラック、4番手にミヤギシリウス。レッドオパールはその内に入れ、外にリトルカリッジ、先団の後ろをファーマティアーズがつけた。
2コーナーを回ってカリフィアがペースダウンしたが、3コーナー手前から有力馬がスパート。エレノーラが3コーナー過ぎにカリフィアを馬なりで交わして先頭。ファーマティアーズが外を回って接近を図る。レッドオパールは進路を内に取ったため馬群がばらけるのを待ち、直線は大外へ。エレノーラは直線を向いて再加速。外ファーマティアーズ、さらに外からレッドオパールが伸びてきたが、エレノーラが2馬身差で余裕のゴール。デビュー3戦目で留守杯日高賞制覇は史上最速となった。
1着・エレノーラ
野畑凌騎手
「スタートでつまづいたが、うまく回復してくれて理想のポジションを取ることができた。今回の課題は折り合いだった。デビュー2戦とも力んで掛かっていたが、今日はリラックスして走っていた。もちろんゴールまで気は抜けなかったが、馬の手応えから勝てるなと思った。新しい環境にも適応して、いい状態で臨めたことも勝因。今後、地元でも遠征でも楽しみ。この先も期待しています」
平田正一調教師
「デビューが今年3月と遅れたが、体質が弱い馬なので丈夫になるまで待った。能力があるのは分かっていましたからね。今回、遠征で勝つことだけではなく、折り合いがついたのも収穫。まだキャリア3戦と浅いので今後も一戦一戦を大事に、段階を踏んで使って行きたい。次走については馬の状態を見ながら、オーナーと相談して決めたいと思っています」
2着・ファーマティアーズ
佐賀・フォーマルハウト賞は後方2番手に待機したが、有力馬が前にいるのを意識して先団グループの後ろ外を追走。向こう正面からスパートをかけ、反応も上々だったが、エレノーラの手ごたえが良すぎた。元々、自在に立ち回れるタイプだが、地元で勝利を手にするには展開の手助けが必要かもしれない。
3着・レッドオパール
普段はおとなしいが、装鞍所に入ると一気にテンションが上がる。今回もパドックで入れ込み気味だったが、激しい時に比べれば上々。馬体重マイナス5キロも陣営の想定内だったと思う。あやめ賞が11番枠に対し、今回は4番枠。折り合いを考えて4番手インに入れてレースを進める。勝負どころの3コーナーから競馬が動いたが、4コーナーまで我慢。直線で外に持ち出して大外を強襲したが、3着まで。ひとまず地元勢では最先着を果たした。今後のテーマは舞台が盛岡に替わった時。転入後はすべて輸送のない地元水沢競馬。輸送、初コース、左回りをどう克服できるか―が課題となる。
今週の岩手競馬
4月28日(日) 「第36回栗駒賞」(オープン 水沢1400m)
4月29日(月) 「桜花特別」(A級二組 水沢1600m)
4月30日(火) 「駒形賞」(C1級 水沢1400m)
4月21日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』は川崎から遠征のエレノーラが優勝。デビューから3戦目、それを3戦3勝で重賞制覇を達成しました。
スタートで少し躓いたのが見えたエレノーラでしたが「うまく起き上がってくれたし、その後もしっかり進んでくれて、理想の位置が獲れました」と野畑騎手。その後も周りの馬たちを上回る手応えで進みつつ「4コーナーあたりで勝ったなと」(野畑騎手)。
最後は軽く流す形でゴールした分、後続との差は2馬身に止まりまりましたが、その差は縮まりそうにない、はっきりとした差。これが3戦3勝で重賞を勝つだけの素質だということを見せつける勝利でした。
今日4月23日のメインレースは11レースです。B1級ダート1400m『桜並木賞』。桜並木賞という名前なんですけども残念ながら水沢競馬場の向こう正面の桜並木はもうすっかり新緑の景色になりました。年々、だんだん桜が咲く時期が早くなっているせいか、このレースのような"桜"を冠するレース名がちょっと間に合わなかったりすることが多くなっているんですけども、その新緑を背景にしながらのレースを楽しんでいただければと思います。
さて予想に行きましょう。本命は(11)オンザブロッサムです。
JRA時代はレースぶりにちょっと難しいところがある、前に行って最後止まってしまったりするようなところを見せていたこの馬ですが、転入初戦の前走は逃げてそのまま後続を押さえきりました。それもB1級上位組の安定勢力をしっかり封じ込めての勝利でしたから、その本来の力は確かなものがあると考えていいと思います。
今回、相手関係の歯ごたえというのは決して楽ではないとは思いますが、前走で見せた強さを素直に評価して、また距離短縮になる点もこの馬にとっては悪い材料ではないということも踏まえての本命としたいと思います。
対抗は(2)トチノヒーロー。 この春の三戦、2着→2着→1着と形通りの良化を見せています。しかも内容も、その時その時の強豪を相手に僅差の戦いを演じてきているのですから地力もしっかりしていると見ていいはず。先行、そして前走のような差しと脚質も幅広いですし、少々展開がもつれてもうまく対応してくれる一頭という評価で良いはず。カギは58kgのハンデ。自身初の斤量負担をどう乗り切るか。
三番手は(10)リスレツィオを狙ってみます。3歳春はクラシック路線を意識して長めの距離にも挑んでいましたが持ち味はどちらかといえば短距離で活きる馬。今回の1400mは手頃、力を出せる距離だと思います。まだ春2戦目ですのでより数を使われてきたライバルに対してはまだハンデがあるのかもしれませんが、あえて狙ってみる価値はあるでしょう。
以下、まず(4)コリコは着順の数字だけを見ればちょっと上下がありますが勝ち馬とのタイム差は1秒以内で、つまり非常に安定した戦いを続けてきて。言い方を変えればちょっと勝ち味に遅いということになるんでしょうけども、ただ、昨年の夏に水沢で圧勝した時の距離は1400m。1600mにも対応していますがこれぐらいの距離が戦いやすい可能性は念頭に置いておきたいもの。
もう一頭は(7)サトノマッスル。ちょっと読みづらいところがあって好走直後に凡走、凡走後に一転好走という事がある馬ですが、現級上位で崩れていない点、その地力は軽視できないもの。最近は極端な差しの形ですから今の馬場傾向には合わないかもしれませんけども、昨年は先行好位で戦っていた馬ですし、その辺も含めて一変、変身があっておかしくないのでは。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(11)=(2)、(11)=(10)、(10)=(2)、(11)→(4)、(11)→(7)
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