2023年度岩手競馬が4月2日(日)からスタートする。新設重賞はダート体系整備(2024年)に伴って創設された2歳重賞「ネクストスター盛岡」(10月3日 盛岡ダート1400m)。1着賞金1000万円を目指し、さらには翌年のダートグレード、ダート三冠へもつながる道となる。
ほかに重賞については追って報告したいと思うが、岩手競馬の日程が大きく変わる。2022年度の通常開催は年明け1月3日で終了したが、今年度は12月31日(日)が通常開催の最終日。岩手競馬が年内に終了するのは1990年度以来のこと。1991年度は正月競馬も含めて1月12日まで開催され、以降も年をまたいで通常開催が行われていた。
年内終了は近年、大寒波の襲来が2~3週間ほど早まったから。2020年前の寒波襲来は成人の日の前日(1月第2月曜日)がやま場だったが、ここ数年は12月に襲来。公正競馬、また人馬の安全優先を考えれば止むを得ない措置だったと思う。よって年明け正月に行われていた明け3歳重賞・金杯は12月30日(土)に行われ、翌日31日(日)が岩手版グランプリ・桐花賞。名実ともに1年を締めくくるビッグレースとなった。
4月2日、新シーズン開幕に合わせて2名のジョッキーが新たにチーム岩手競馬に加わる。新人の佐々木志音(しおん)騎手(佐藤祐司きゅう舎)は奥州市水沢出身の17歳。勝負服は『胴白・赤縦じま・袖黒・赤一本輪』。さっそく初日2日、第2R・アヒアマリージョ、3R・ルナリュミエール、8R・トルマリの3鞍に騎乗する。岩手競馬の新人騎手誕生は2019年10月、関本玲花騎手以来のこと。
一方、葛山晃平騎手は金沢競馬から期間限定騎乗(4月2日から7月4日まで 7開催・42日間)で参戦する。同騎手は大阪府出身で1997年、岩手競馬でデビュー。2006年まで騎乗して215勝をマークした。その後、引退して2010年に金沢で再デビュー。同年のダービーグランプリでナムラアンカーに騎乗して2着(優勝はロックハンドスター)。翌年には3歳牝馬交流・留守杯日高賞をアンダースポットで逃げ切り勝ち。岩手初重賞をあげ、デビューの地で錦を飾った。開幕日から第2R・ゴールデンファラオを皮切りに、計7鞍騎乗する。
来る人がいれば去る人もいる。通算1531勝をあげた平澤芳三調教師が3月31日を持って引退する。騎手時代、みちのく大賞典、シアンモア記念、日高賞など多くの重賞を制し、調教師に転向以降もホワイトシロー、アカネプリンス、バンチャンプ、バンケーティング、ショウブラッキー(アラブ 全日本アラブ大賞典2着)など数々の強豪を送り出した。2013年度にはドリームクラフトで年度代表馬にも選ばれた。
平澤芳三さんで思い出すのは検疫きゅう舎近くで青草を刈っていた姿。秋には栗拾い?にも精を出していたが、いわく「馬は新鮮な青草を喜んで食うんだ。青草が一番いいんだ」。確かに平澤きゅう舎所属馬は青草がパワーの源だったかもしれない。飼い葉付けにもこだわっていた。自分が足しげくきゅう舎通いしていた頃、必ず全馬の飼い葉をつけていた。1頭1頭チェックして飼い葉の量を調整していた。おつかれさまでした、平澤調教師。
みなさん、今年度も岩手競馬をよろしくお願いします。