18日メインは今シーズン第一弾のJpnIII「第26回マーキュリーカップ」(盛岡ダート2000m)。盛岡ダートはリピーターが多いので定評があるが、2連覇を果たしたマスターフェンサーは残念ながら引退。2年連続出走馬は地元岩手も含めて1頭もなし。非常にフレッシュなメンバー構成。しかも11月3日にJBC盛岡が控え、例年以上に粒ぞろい。特に南関東の布陣が重厚となった。
ケイアイパープルはデビューが遅かった上、激しい気性で知られるパイロ産駒。トントン拍子で出世はできなかったが、年を重ねるごとに地力強化。昨年12月、名古屋グランプリ2着から佐賀記念を1秒差で圧勝。6歳にして初重賞を獲得した。以降も名古屋大賞典2着、アンタレスステークス5着、平安ステークス2着。
その平安Sを勝ったのは昨年の帝王賞、チャンピオンズカップを制し、JRA最優秀ダートホースに選出されたテーオーケインズ。サウジCから帰郷戦だったとはいえ、地力を誇示した一戦。むしろ2着確保を評価するべき。近走の充実度から主軸視が妥当だろう。
ただ死角がない訳ではない。安定した成績を残している半面、名古屋大賞典でクリンチャーに交わされてアタマ差2着。佐賀記念のように早め先頭に立てば問題ないが、最後のひと伸びが課題。実績上位メイショウカズサが58キロに対し、ケイアイパープルは55キロ。好走要因がそろい、連対確保の確率は非常に高いが、あとは接戦に持ち込まれないことが優勝条件。
メイショウカズサも初勝利まで9戦もかかった遅咲き。しかし未勝利を脱出すると4連勝をマークして一気にオープン入りを果たした。当初3戦は大敗の連続だったが、プロキオンS(小倉)で初重賞を制すると、一戦置いて白山大賞典(JpnIII)、浦和記念(JpnII)と2連勝。
一躍注目の的となったが、続く佐賀記念3着、ダイオライト記念9着。いずれも1番人気に支持されたが、あっけなく失速した。その後は休養に入り、マーキュリーCで復帰。トップハンデ58キロを背負うことより、最後まで集中力を持続できるか、できないかが最大ネック。
あとは冬場に好走ケースがなく、寒い季節が苦手の可能性もある。確かに初勝利を飾ったのが、6月の阪神。プロキオンSを制したのも7月。とすれば7月のマーキュリーCなら全能力を発揮できる可能性がある。
バーデンヴァイラーは昨年、本場アメリカ(デルマ―競馬場)のブリーダーズカップ・ディスタフを優勝したマルシュロレーヌの弟。父がオルフェーヴルからドゥラメンテに変わった。
デビュー2戦目から2連勝、2戦置いて3連勝マーク。オープン入り初戦の総武Sもあっさり逃げ切り、重賞・アンタレスSへ挑戦したが。一気に相手が強化されて15着大敗。それでも4角で一度、先頭に並びかけて見せ場は作った。そのダメージが気になるところだが、ドゥラメンテ産駒は立ち直ればさらにワンランク以上パワーアップ。その意味でマーキュリーCは試金石の一戦となった。
テリオスベルはデビュー7戦目、芝からダートへ路線変更。それが功を奏し、今年4月に3勝クラスを卒業。前走はマーキュリーCと連動性が高いスレイプニルSを逃げ切った。しかも負担重量が52キロ、絶好の内2番枠。ついつい手を出してしまうが、それほど甘くないのも事実。仮に突破できれば牝馬路線のヒロインを演じることができるだけに、陣営も力が入る。
ギガキングは門別1勝から2歳交流・南部駒賞を完勝。昨年は豪華メンバーがそろったダービーグランプリも完勝。参戦直前の短夜賞も完勝し、好ムードで臨む。盛岡2000mの持ちタイムが2分6秒8。現在、盛岡は断続的に雨が降り続け、おそらく2分3秒を切る決着。果たして高速勝負に対応できるかが不安だが、ギガキングの過去履歴を振り返ってほしい。
ギガキングは門別1700mの新馬戦を勝ったが、南部駒賞まで未勝利。また南関東移籍後も勝ち星は盛岡と船橋のみ。船橋はスパイラルコース、盛岡は3~4コーナーのカーブが緩やかで、決して器用なタイプではないギガキング向きのコース。JRA勢が強力なのは百も承知。心の本命はギガキングだ。
エルデュクラージュは中央ダート7勝、JpnII・ダイオライト記念2着。南関東移籍後もJpnI・川崎記念でチュウワウィザードの2着を確保した。8歳馬だが、実績はまったく引けを取らない。
◎⑨ケイアイパープル
〇⑥メイショウカズサ
▲⑧バーデンヴァイラー
△②テリオスベル
△③ギガキング
△⑫エルデュクラージュ
<お奨めの1頭>
4R ブーシェガール
移籍2戦目を完勝して盛岡周りも問題ないことを証明。メンバー強化感もなく、もう一丁いける