先週のメイン報告。3日(日)はクラスターCトライアル「第54回岩鷲賞」(盛岡ダート1200m)。単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持されたキラットダイヤが10馬身差で圧勝。自身の持ちタイム1分11秒9を大幅に短縮し、1分10秒1の破格タイムもマークした。
鈴木祐騎手「前走(早池峰SS)より一段と状態が良くなっていましたし、ゲートを出てから二の脚が違うので楽に先手を取れました。コーナーでは馬が自分のペースで走っていましたから、邪魔をしないように心がけました。自然にやる気を出して自然に走ってきた感じです。もし思いっきり仕掛けたらもっとタイムを詰めたと思います。それぐらい素晴らしいスピードでした」
板垣吉則調教師「改めて思いましたが、左回りの方が間違いなくいい。調教でも非常に乗りやすく、前回より好状態で臨めました。今日は時計が出やすい馬場でしたが、それにしても速かった。この後は去年と同じく放牧に出します。次走については状態と相談の上、ゆっくり決めたいと思います」
あくまでも個人的な感想だが、馬場が軽かったにせよ1分10秒1は驚異的。昨年のクラスターカップを制したリュウノユキナの走破タイムは1分11秒1。一昨年は高速馬場でマテラスカイの優勝タイムが1分8秒5。昨年は時計が極端にかかったが、それを頭に入れても1分10秒1は速い。仮にクラスターCへ名乗りをあげ、自分の競馬ができたら電光掲示板は確実だろう。
5日(火)、せきれい賞トライアル「第24回かきつばた賞」(芝1700m)はソロフレーズが4馬身差で完勝。盛岡芝で持てる適性を存分に発揮した。
山本政聡騎手「流れは速かったと思いますが、道中の手応えが抜群で、勝負どころでスッと上がることができました。直線を向いて先頭に立つのが早いかとも思いましたが、馬の気持ちを優先させたら最後までバテずに伸びてくれた。春の水沢で騎乗させてもらいましたが、体がすごく柔らかくてフットワークも素晴らしい。今日の感じだとマイルがよさそうな印象ですが、乗り方次第では2400mもこなせそうです」
齋藤雄一調教師「ダート戦でも一度2着を確保しましたが、芝で動きが一変。走破タイムも素晴らしく、改めて芝向きだと思いました。せきれい賞は距離が2400mですが、新潟芝2200mを勝ってますからね。距離延長も問題ないと思っています」。地方競馬全国交流・せきれい賞での好走も期待したい。
11日メインはB2特別「ジュライカップ」(盛岡芝1600m)。前走、同じ盛岡芝1600m戦を使った馬が6頭。しかも上位3頭がそろってエントリーしたが、大きく違う点は1着ツクバマサカドが2キロ増の58キロ。これがどう影響するかが最大焦点となった。
本命はダコタブラックヒル。昨年5月、中央未勝利から転入。3勝をマークして再び中央入りし、1戦を使って8ヵ月半の休養を経て再転入。あっさり勝利を飾ったが、以降は11、4着。心機一転、芝に駒を進めて反撃。前半は後方待機策から3角スパートをかけると鋭く反応。直線で先頭に立ったが、ツクバマサカドの大外強襲に遭ってクビ差2着に惜敗した。今度は大外12番枠から最内3番枠なら経済コースでレースを進め、直線まで脚を貯めれるのは確実。ツクバマサカドとの負担重量2キロ差も後押しし、首位を奪回する。
エコロテッチャンは中央芝1400m2着2回。その後、金沢1勝を経て転入し、10、8着。ダートに手こずっている印象を与えた。そして前走は待ちに待った芝1600m戦。好枠を利して逃げたが、直線で2頭に交わされて3着。惜しい内容だったが、2番手ドンナフォルテが終始外から被せ、息の抜けない展開だったのも事実。マイペースに持ち込めばあっさり逃げ切りまで。
ツクバマサカドは中央芝1400m2着から南関東を経て転入。2連勝を飾り、幸先のいいスタートを切った。続く2戦は着外だったが、前回快勝。上がり35秒1の驚異的な末脚で勝利をもぎ取った。ただ今回はトップハンデ58キロ。果たして前走の様な切れを発揮できるか。その点に不安が残り、▲評価とした。
タオルデスカーフはB1でも勝ち負けの実力馬だが、詰めが課題。前走もマズマズの伸びを見せたが、5着にとどまった。現状は連下候補に落ち着く。
ラインプリンスは前走、タオルデスカーフとタイム差なし6着。元々が中央芝2着3回3着2回。その実績どおりB1・盛岡芝1700mを快勝したが、今季はまだ軌道に乗っていない印象。恵まれて。
トキノワンカラットは盛岡芝1600m3着1回。芝で活路を開きたい。
◎③ダコタブラックヒル
〇⑥エコロテッチャン
▲⑧ツクバマサカド
△⑨タオルデスカーフ
△⑩ラインプリンス
△④トキノワンカラット
<お奨めの1頭>
1R ブルートブロッサム
水沢850mから前走・盛岡1000mまで圧巻の3連勝。タイムも素晴らしく、負担重量1キロ増でも追いかける手