先週19日、春の水沢シリーズ・フィナーレを飾るビッグレース「第50回一條記念みちのく大賞典」はステイオンザトップが快勝。快調に飛ばしたゴールデンヒーラーをゴール前で交わし、転入2戦目で初重賞を手にした。
坂口裕一騎手「有力馬は自分より前にいるので折り合いを気をつけてレースを進めた。この日の馬場は内が有利だったので、とにかく我慢してインを回った。直線でもいい手応えでもう少し楽に交わせると思ったが、キッチリ差し切ってくれた。デビュー当時、小林俊彦騎手(現調教師)があこがれでしたから、小林さんの馬で重賞を勝つことができてとてもうれしいです」
小林俊彦調教師「気性的にはマイルがベスト。転入時は調教で掛かる感じが強かったが、日を追うごとにハミが抜けるようになったことで距離もこなせるようになった。ジョッキーがコースロスなくレースを進めたのも勝因だったと思う。みちのく大賞典の前は盛岡芝を使う予定だったが、ダートもこなせるようになって選択肢も増えた。それに間隔を開けた方がいいタイプ。次走についてはオーナーと相談の上で決めたい」
今年のみちのく大賞典は2年連続で出走したのはパンプキンズの1頭のみ。勢力図が大幅に変わったが、ステイオンザトップは移籍2戦目の優勝。今週から舞台も盛岡に替わり、まだまだ序列が定まっていない印象。今後、どのような展開になるのか興味深い。
27日メインはB1級「朝顔賞」(盛岡芝1700m)。クラスはB1条件だが、実質オープン級のメンバー。ここから重賞へ名乗りをあげるのは確実。その意味でも目が離せない一戦となった。
オールザゴーは中央1400m~1800mで4勝をマークし、GI・NHKマイルカップ5着、スプリングステークス7着。3勝クラスでも3着2回の実績を誇る。昨年12月、高知へトレードされてC2級へ編入。格付けに恵まれたが、2着2回3着1回。パワーの要るダートに手こずり、芝のある岩手へ転入。3ヶ月の休養を経て、芝に申し込んできた。
休み明け、小回り盛岡芝対応など不確定要素は少なくないが、実績上位は明らかだし、ステイゴールド産駒は岩手と相性抜群。好発進を決め、オープン戦線へ殴り込みをかける。
リンシャンカイホウは中央芝1200m2勝。転入3戦はダートが合わず着外に終わったが、芝に替わって動きが一変。重賞・いしがきマイラーズ2着、芝1000m準重賞・ハーベストカップを快勝した。
その後は戦列離脱を余儀なくされたが、早池峰スーパースプリントで復帰。8ヵ月ぶりの実戦、ダート戦もこたえて7着に終わったが、ひと叩きされて芝―が予定どおりのステップ。オールザゴーが盛岡芝未経験に対し、適性は証明済み。逆転首位まで十分。
エルプシャフトは中央芝4勝。2020年、北海道を皮切りに佐賀、高知と転籍して転入。ダートでも2勝をあげているが、なかなか軌道に乗れないのも事実。今回は待ちに待った芝でエンジン全開できるか、正念場を迎えた。
エムワンハルコは昨年、重賞・サファイア賞、準重賞・はまなす賞を優勝。その2勝を含めて盛岡芝3勝2着1回3着2回と典型的な芝巧者。今季はダートで凡走を繰り返しながらも着実に体調アップ。芝で一発を狙っている。
ウイングリュックはデビュー2戦目の函館芝1800m戦を快勝。1勝クラスで頭打ちだったが、盛岡芝で素質開花の可能性がある。
ヘネラリーフェは中央芝3着2回。ダートでは詰めの甘さが目につき、ダートに活路を開く。
◎⑧オールザゴー
〇⑩リンシャンカイホウ
▲②エルプシャフト
△①エムワンハルコ
△④ウイングリュック
△⑫ヘネラリーフェ
<お奨めの1頭>
1R サインズストーム
かつての盛岡ダート1000mレコードホルダーがC2へ登場。調子も徐々にあげ、久々の勝利はもらったも同然